町山智浩が語る ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの音楽の素晴らしさ

シェアする

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を紹介。この作品で流れる70年代音楽の魅力について語っていました。


(赤江珠緒)さあ、そして今日の映画はもう間もなく日本で公開のね、映画だということで。

(町山智浩)はい、来週公開。9月13日公開の映画ですけど。まずこの曲から聞いてください。はい!



(町山智浩)これ、もうゴキゲンなギターのイントロでしょ?この曲に合わせてですね、銀河系をですね、宇宙船がバーン!ってもう飛んで行くんですよ。それが今回ご紹介する映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』っていう映画なんですけど。いまの曲はね、1974年にラズベリーズっていうバンドがヒットさせた『Go All the Way』っていう歌のイントロなんですね。

(赤江・山里)はい。

(町山智浩)で、これがたぶん僕の世代の人なら誰でも知っているエリック・カルメンっていう歌手がいたんですよ。で、すごく大ヒット曲でソロになってから、ラズベリーズをやめてソロになってからですね、『All By MySelf』っていう歌で大ヒットさせたんですけども。その人のバンド時代の歌がいまのかっこいいイントロなんですね。で、このガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていう映画は宇宙が舞台の冒険活劇なんですが、最初から最後までずっと1970年代のポップなロックがずーっとかかり続けているんですよ。

(赤江・山里)へー。

(町山智浩)すごく不思議な映画なのと、僕の世代の、具体的には1960年代生まれ、昭和30年・40年生まれにとってはもうすっごい懐かしい曲なんですよ。どれも。でね、これ子どもが見ても楽しめる。小学生からおじいさんまで楽しめる映画なんですね。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていう映画は。でも、ちょうど僕ぐらいの年の人はもう涙ボロボロですよ、これ!

(赤江珠緒)あ、そうですか。70年代の曲をそんなに。

(町山智浩)ずっとかかってるんですよ。ただ、これ主人公はピーターという地球人なんですね。で、彼がなんで銀河系で活躍してるかっていうと、9才のころ、1980年に宇宙人に拉致されちゃうんですよ。北朝鮮みたいな感じでですね(笑)。拉致されて、それ以来宇宙でたった1人の地球人として、流れ者として活躍してるんですね。ピーターくんが。で、ただその誘拐された時に持っていた地球のものがたったひとつだけあって。まあ、いくつかあるんですけど。ウォークマンなんですよ。

(赤江珠緒)ウォークマン!

(町山智浩)ソニーのウォークマンです。覚えてます?ウォークマン。

(赤江珠緒)もちろん!

(山里亮太)四角いね。

(赤江珠緒)衝撃的でしたもんね。猿がウォークマン聞いてるっていうCMも。

(町山智浩)結構大きかったんですよ。お弁当箱ぐらいの大きさなんですよ。

(赤江珠緒)そんな大きかったですっけ?

(町山智浩)初代のやつはそうで、だんだんちっちゃくなってくんです。

(山里亮太)テープの大きさになりますね。最後はね。

(町山智浩)そう。最初はテープよりもはるかに大きくて。そのころの初代ウォークマンなんですね。このピーターくんが持っているのは。はい。で、お母さんからもらって、お母さんからテープももらうんですよ。そのテープにはお母さんが青春時代に好きだった曲のミックステープになってるんですね。

(赤江珠緒)あー、はい。

(町山智浩)昔ってミックステープ、作ったんですよ。

(山里亮太)自分でやってた。

(赤江珠緒)ちょっとテープが余っちゃったりしてね。

(町山智浩)好きな彼女にあげたりしませんでした?ミックステープ作って。

(山里亮太)あら、そんな素敵な思い出、ないな。

(町山智浩)えっ、好きな彼氏に『私の好きな曲なの』っつって、こう自分で作って。曲のカード作って曲目リスト作って渡したりとか、しません?

(山里亮太)町山さん、あるですか?それは。

(町山智浩)あるでしょ、普通。

(山里亮太)いや、ちょっと待って。イケメン発言じゃないですか。

(町山智浩)ない?ないですか?10代の終わりぐらいに。

(赤江珠緒)いや、でも友達同士で交換したりはしてましたよ。

(山里亮太)僕、深夜ラジオのエロコーナーだけまとめたテープとか作ってましたけどね。

(町山智浩)(笑)。別に交換しないでしょ?野郎の友達だけでしょ、相手ね。そういう甘酸っぱい感じがすごくする映画なんですよ。これ。で、映画の話自体はね、もう要するにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていう言葉自体は『銀河系の守り神』っていう意味なんですね。

(山里亮太)ふんふん。

(町山智浩)で、まあそう言われている五人組の主人公たちが悪い奴らをやっつけるだけの話でですね。細かく説明してもしょうがないんですけども。だからもう本当に文句なしに楽しめる。小学生からおじいさんまで楽しめる映画なんで、解説はしません!映画自体の。これ、しても意味ないですから。それよりも、音楽なんですよ。最高なのは。この映画で。この映画ね、原作はマーベルコミックスというスパイダーマンとかね、アベンジャーズとかの漫画を出していた会社が映画会社を始めまして。マーベルスタジオという。そこが作ったものなんですけど。この原作の漫画自体はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーって基本的に誰も知らないものなんですよ。

(山里亮太)えー、あ、そうなんですか。

(町山智浩)超マイナーなものなんですよ。で、たとえば先日亡くなられたですね、『アストロ球団』の原作者の方がいらっしゃったんですけども。アストロ球団っていう漫画があったんですね。で、それはメジャーなんですけど、その人のもう一方の漫画で『バイオレンス特急』っていう漫画があって。そっちは結構通しか知らないんですけど、そのバイオレンス特急に近いんですよ、このガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていうのは。

(山里亮太)バイオレンス特急(笑)。気になるタイトルだ。

(町山智浩)マイナーな感じなんですけど。知る人ぞ知るみたいなもんなんで。ただ、これがアメリカで大ヒットしちゃったんですよ。

(山里亮太)へー。なんで急に?

(赤江珠緒)原作はそんなにヒットしなかったのに。

(町山智浩)そうなんですよ。これはまずマーベルっていう映画会社が、もう映画会社ですからね。ディズニーの傘下に入ってますけども。もう作る映画がどれも面白いと。アベンジャーズは面白いし、スパイダーマン・・・スパイダーマンは作ってませんけども。キャプテンアメリカも面白いし、アイアンマンは面白いしっていうんで。で、もう絶対的な信頼のマーベル印になっちゃったんですね。

(山里亮太)ああ、なるほど。

(町山智浩)で、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていうのは聞いたことがないけども、マーベルがやっているんだから絶対面白いよっていうことでみんなが詰めかけたという感じで。たとえばその、一時ピクサーっていう映画会社がそうでしたよね。ピクサーだったら絶対間違いない!面白いだろうと。で、あとジブリが一時そうでしたよね。ジブリだったら間違いないよ!っていう。で、いまね、マーベルなんですよ。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)もうよくわかんない。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーって知らねーけど、絶対面白いよ!というのと、予告編でさっき言ったみたいな70年代の音楽をガンガンかけたんですね。だからお父さんが子どもを連れて行ったんですよ。これ、大事なんですよ。お父さんが金払いますから。チケットは。ガキンチョは金持ってませんから。

(山里亮太)(笑)

(町山智浩)だからお父さんを掴む。で、基本的にはお母さんは家で休みたいから。日曜日にお父さんに子どもを映画に連れて行って!って言うから。だからお父さんを掴んでくださいね。みんなね。誰に言ってるのかわかりませんが。

(赤江珠緒)ちゃんと購買層をね、ターゲット絞って。はい。

(町山智浩)でね、その主人公のピーターくんがお母さんからもらった形見のですね、テープを聞くんですけども。それがもう本当に泣かせるんですよ。で、必ず宇宙で本当に寂しい時はピーターはそれを聞くんですね。で、この映画の始まりのですね、タイトルが出るところで流れる曲があってですね、これがまた渋い曲でですね。1970年代の曲なんですけど。アメリカでは非常に珍しいですね、アメリカ先住民。だからインディアンのバンドなんですね。で、レッドボーンっていうバンドの『Come And Get Your Love』。ちょっと聞いてください。



(町山智浩)これ、聞いたことありません?

(赤江珠緒)聞いたこと、あるある。

(町山智浩)ピーヒャラピーヒャラ♪ですよ。おーなかがすいたよー♪ですよ、これ。

(赤江珠緒)そっか!

(山里亮太)これのカヴァーなんですか?

(町山智浩)『おどるポンポコリン』ですよ、これ。

(赤江珠緒)あ、だから?なんかめちゃくちゃ聞いたことあると思ったのは。

(町山智浩)そう。これインスパイアされたんですね。これを聞きながらですね、宇宙で踊るっていうシーンがあるんですけど。

(山里亮太)なんか宇宙でガンガン撃ちあったりとかするイメージとかけ離れている・・・

(町山智浩)ぜんぜん違うんですよ。この感じなんですよ。この楽しい感じ。まあ、この曲はそのアメリカ先住民の人のリズムになっているんですけどね。民族音楽の。で、全編こんな感じなんで、基本的には宇宙大冒険活劇なんですけど。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていうのは。ノリとしてはですね、宮藤官九郎さんが脚本を書いたみたいな感じなんですよ。

(赤江・山里)ええーっ!?

(町山智浩)宮藤さんがやると懐かしネタが入ってくるじゃないですか。

(山里亮太)はいはい。あまちゃんの時、そうでしたもんね。

(町山智浩)そう。それで主題歌、いろんな歌、ヒット曲が入ってくるでしょ?それでなんとなくふざけてて。で、出てくる人がみんな愛すべきダメな人が出てくるじゃないですか。

(山里亮太)キャラがいい感じで立っていてね。

(町山智浩)そうそう。そういう感じなんですよ、このガーディアンズ・オブ・ギャラクシーっていうのは。

(赤江珠緒)なるほどー。

(山里亮太)えっ、これ、あまちゃんなの?

(町山智浩)あまちゃんですね。スターウォーズのあまちゃん版みたいな感じで。適当なこと言ってますけど。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)まあ、いつも適当ですが。はい。

(赤江珠緒)いや、ご陽気な感じですもんね。

(町山智浩)でしょ?これ、だから要するにスターウォーズとかだとすごく深刻じゃないですか。『私はお前の父だ!』とかね。そんな話やっているけど、そうじゃないんですよ。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはね、どうも一本抜けている感じなんですね。で、どんな風に抜けてるか?っていうとですね、たとえば5人組なんですけど。主人公たちは。その中でいちばん頼りになるのがですね、アライグマなんですよ。

(山里亮太)(笑)。その時点でだいぶ抜けてますね。

(赤江珠緒)本当にアライグマですね。

(町山智浩)ラスカルみたいな。

(赤江珠緒)見るからにアライグマですね。

(町山智浩)ただのアライグマなんですけど。一応、改造されて人間並みの知能を持っているアライグマってことになってるんですね。で、このアライグマはあらゆる兵器、要するに武器とか兵器とかメカとか宇宙船のエキスパートなんですよ。エンジニアで。で、すごく頼りになるんですけども、問題なのはものすごく凶暴で、怒ると手がつけられないんですよ。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)それでものすごく暴力的だっていう設定になってるんですけど。もう恐怖のアライグマなんですね。で、この映画ね、さっき原作は知られてないって言ったんですけども、もうひとつ、どうしてヒットしたのかわからないっていうポイントがあってですね。有名スターがぜんぜん出てないんですよ。

(山里亮太)えっ?

(町山智浩)さっきピーターっていうのは主人公だって言ったんですけど、この人を演じる人もほとんど知られてない人なんですよ。アメリカでも。でも、このアライグマの声をやっている人だけは有名なんです。ブラッドリー・クーパーっていう俳優さんです。この人は『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞候補になったイケメン俳優ですね。非常に顔のいい。

(赤江珠緒)ああ、あの方。

(町山智浩)で、この映画の中で関わっている俳優さんの中では、現在いちばん人気のある俳優さんなんですけど。アライグマの声ですから。

(赤江珠緒)声だもんね、ええ。

(町山智浩)声だけ。もう、超ムダ(笑)。

(山里亮太)贅沢な使い方ですよね。

(町山智浩)もう贅沢というか、ただのムダとしか言い様がないなと(笑)。思いましたね。

(赤江珠緒)たしかに。あの美形は関係ないと。

(町山智浩)関係ないです。アライグマですからね。はい。まあ、そういう感じでね、だから出てくる音楽も70年代の音楽だから、かっこいい音楽だよ!という感じではないんですよ。これ、かかる曲、デビッド・ボウイっていう非常に有名なミュージシャンなんかも関わってはいるんですけども。の曲もかかるんですが、ほとんどが一発屋さんです。

(赤江珠緒)そうですか。

(町山智浩)あの、日本で言うと太陽とシスコムーンみたいなものですね。さいたまんぞうとか。そういった人たち、いますよね。一発屋の人たちね。大事マンブラザーズとか。いっぱいいますけど(笑)。

(山里亮太)いましたね。どでかい花火を上げましたよ。

(町山智浩)はいはい。そういったものなんで、当時は結構バカにされていた曲なんですよ。でも、いま聞くとすごくいいんですね。当時バカにしてすいませんでした!って感じがするんですけど。で、もう一曲ね、聞いてほしいんですけど。『Ooga Chaka(ウガチャカ)』っていう曲をお願いします。



(山里亮太)あ、聞いたことある!

(町山智浩)これ、変な歌でしょ?原始人が踊っているみたいな感じでしょ?これ、ウガチャカっていう曲で、スウェーデンかなんかのですね、ブルー・スウェードっていうバンドのヒット曲なんですけど。これ、大ヒットしたんですよ。僕が中学校の頃。

(赤江珠緒)でもいま聞いてみても、ちょっとかっこいい感じにも聞こえますよ。なんか。

(山里亮太)いや、なんか聞き覚えがあるのは、これコマーシャルとかになってる?

(町山智浩)コマーシャルで使ってますよね。そうなんですよ。これ、このへんはすごくポップで楽しい曲になるんですけど、イントロはなぜか原始人のウガチャカ♪ウガウガ♪なんですよ。

(山里亮太)どこでかかるんですか、この曲?なんかガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、宇宙の感じとぜんぜん・・・

(赤江珠緒)なんか懐かしい感じの。

(町山智浩)これね、主人公のピーターが刑務所にブチ込まれる時に荷物、所持品を取られちゃうんですね。その時にウォークマンを取られちゃうんですよ。看守に。で、そこでかかる曲なんですけど。

(山里亮太)えっ?こんなご陽気な曲が?(笑)。

(町山智浩)ゴキゲンな曲がかかるんですけど。で、こういう曲の選び方もちょっと笑わせるようなのが選ばれてて。

(山里亮太)『キック・アス』の時も思ったな、なんか。あ、ここでこの曲なんだって。うわっ、かっこいい!って思った時あったもん。

(町山智浩)ああ、そうそうそう。だからなんて言うのかな?こういうのって、クエンティン・タランティーノっていう監督がいましてですね。その人がそれまでバカにされていたようなB級歌謡曲みたいなのを映画の中にかっこよく、もう1回再生させるっていうのを始めた監督なんですね。

(赤江珠緒)へー!かえって外しがあってかっこいい感じになりますもんね。

(町山智浩)そう。いままでは『あ、そんな曲あったよね。笑っちゃうよね』って言われていたものが、生き返るんですよ。かっこいいものとして。で、その路線なんですよ。これはね、やっぱりね、やってみたいことの1つですよね。ああ、ちょっと変なことを言っちゃいました。はい、すいません(笑)。これね、サントラ盤のCDが出てるんですけど、これが完全にそのミックステープそのものになってるんですよ。


(赤江珠緒)あ、それもいいじゃないですか。

(町山智浩)お母さんが作ってくれたミックステープ。これ、もう毎日聞いてますよ、僕、いま(笑)。

(赤江珠緒)へー!その映画見てね、ちょっと手に入れたいですよね。そうなるとね。

(山里亮太)売ってるのかな?日本の映画館で。

(町山智浩)これ、たぶんもうすぐ売りだすと思うんですけど。これはね、事前に聞いてから映画を見てほしいんですよ。するとね、全部聞いて、何度も何度も聞いて頭に入れてから映画を見に行くと、ガン!ってかかるところでガン!としっくりきますんで。

(山里亮太)なるほどなるほど。あの曲だ!って。

(町山智浩)そう。ガーッ!っといくんで。それはぜひ聞いておいてほしいですね。もうすぐ公開なんで。でね、僕がその中学の頃はね、こういう曲をかけるラジオのDJがAM局にいっぱいいたんですよね。で、いちばんその頃かっこよかったのは糸居五郎さんですね。本当に洋楽についてすごく詳しくて、歌詞の内容も全部わかっていて。『この歌はこういう歌ですよ』って説明しながらかけて、しかもそのバンドのメンバーの人たちの歴史とかも話していくと。で、その曲自体の元の話もするんですよ。で、いまのウガチャカも元の曲があってですね。その曲を違う人がアレンジしたものをさらにカヴァーした曲なんですよ。

(赤江・山里)えっ?

(町山智浩)すごくややこしいんですけど。そういう話も糸居五郎さんとかはされたんですね。昔、ラジオでね。で、そういうので僕は結構勉強したんですよ。いま考えるとすごく変ですけど、みのもんたさんもやってたんですよ。洋楽番組。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)あと、土居まさるさんとかね。そういうので僕はなんて言うか、ロックとか洋楽、英語の歌とかの意味、わかんないですからね。こう勉強して聞いてたんで。そういう番組がすごく日本、なくなっちゃってね。FM聞いてもぜんぜん説明なしで曲を流すだけじゃないですか。日本、いま。

(赤江珠緒)あー、そうか。ちょっと町山さん、ぜひこちらで・・・

(町山智浩)やりたいですけどね。で、アメリカもそうで、アメリカもこういう曲はAMラジオでヒットしてるんですよ。そう、だから懐かしのAM歌謡ベストテンみたいな映画になってて。子どもたちはただアライグマがマシンガン撃ったりしてるから喜んでるんですけど。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの映画館では(笑)。あの、おっさんたちとかお父さんたちはこう、『ああ、なつかしい!あの頃、デートしたな』とか。『あのデートした時に車でかかっていた曲だよな』とか。『彼女に作ったミックステープだよな』とか言いながら泣いているというですね。

(山里亮太)なるほどねー!

(町山智浩)そういう曲なんですけど。で、出てくる人はみんな間抜けな人ばっかりで。たとえばこのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの中でいちばんの力持ちが出てくるんですけども。いちばんの力持ちはデビッド・バウティスタっていう本物のプロレスラーの人が演じるドラックスっていう筋肉男が出てくるんですね。で、ものすごい熱血漢で、しかも正義漢なんですけども。困ったことにバカなんですよ。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)どのぐらいバカか?っていうとですね、慣用句とかたとえ話っていうのを全く理解できないんですよ。で、すごく話が通じないんですよ。たとえば、『そんなの朝飯前だ!』とか言われると、『いまはもう晩飯時だ!』とか言うんですよ。真面目な顔で。

(赤江珠緒)あー、なるほどね。

(町山智浩)意味がわかってないんですよ。こういうのを連れて宇宙の平和を守れるのか?っていうね。大丈夫じゃないじゃないのか?っていうところが。そうなんですよ。だからこう、なんて言うの?クドカン的でしょ?木更津キャッツアイのようなもんじゃないですか(笑)。

(山里亮太)いろいろなキャラクターがね、立ってて。ちゃんと。

(町山智浩)そう。ダメな人が集まってっていう。アパッチ野球軍とかね、いっぱいありますが。そういうね、宇宙のエクスペンダブルズというかね、そういう話なんですけどね。ただね、最後にはやっぱり宇宙を救うことになるんですけど。で、まあ主題歌のようにして流れる曲があるんですね。この映画の中で。それがですね、マーヴィン・ゲイっていう亡くなられたソウル歌手とですね、タミー・テレルっていう非常に美少女だったですね、女性歌手のデュエット曲でですね、『Ain’t No Mountain High Enough』っていう1967年の大ヒット曲があるんですね。

(赤江・山里)はい。

(町山智浩)で、これがガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの主題歌みたいにして流れるんですけど。歌詞がですね、『僕のことが必要な時はいつでも呼んでおくれ どこにいても、どんなに遠くにいても飛んで行くから どんなに高い山も、どんなに深い谷も、どんなに広い川も、僕を阻むことはできないさ』っていう歌詞なんですよ。

(赤江珠緒)ほー。

(町山智浩)これ、ラブソングなんですけど、銀河の守り神が歌っていると意味違うじゃないですか。どこにでも助けにいくぜ!っていう感じなんですけど。これが素晴らしい曲でね。しかも、マーヴィン・ゲイっていう方も父親に射殺されて死んでいてですね、タミー・テレルっていう女の子もですね、24才で脳腫瘍で亡くなっているんですよ。

(赤江珠緒)両方亡くなっている。

(町山智浩)両方亡くなっている。悲劇的な形で。それを知っててですね、この曲が最後の方でですね、高らかに鳴り響くと本当に涙ボロボロになりますんで。まあ、最後にですね、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの副主題歌みたいな『Ain’t No Mountain High Enough』、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル、聞いてください。はい。



(赤江珠緒)町山さん、やっぱり意味をね、伺って聞くとぜんぜん違いますね。

(町山智浩)そう。歌っている人の背景とかね。聞くと本当いい感じなんですよ。っていうことで、すいません。時間押しました。

(赤江珠緒)いえいえ。今日は9月13日公開の映画、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを町山さんにご紹介いただきました。町山さん、ありがとうございました!

(山里亮太)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

<書き起こしおわり>