ジェーン・スー 山里亮太が語る『厄介な男』トップ5

ジェーン・スー 南キャン山ちゃんが語る『厄介な男』トップ5 たまむすび

ジェーン・スーさんがTBSラジオ 赤江珠緒たまむすび火曜日にゲスト出演。赤江珠緒さん、南海キャンディーズ山里亮太さんと『厄介な男』の特徴について語りました。

(赤江珠緒)改めまして、ようこそいらっしゃいました。今日のゲスト、音楽プロデューサーのジェーン・スーさんです。こんにちは。

(ジェーン・スー)こんにちは。よろしくお願いします。どうも。

(山里亮太)よろしくお願いします。

(赤江珠緒)たまむすび、2回目ということで。

(ジェーン・スー)本当に結構あっさり呼んでいただけて。また。うれしいです。

(赤江珠緒)そうなんです。はい。ナタリー(小林悠)と3人で、女ばっかりのたまむすびというのをやった時に。

(山里亮太)ああ、そうなんだ。たまたま来る途中にね、ナタリーさんが帰る所で。俺が来る時。ナタリーさんが、「今日、スーさん来るんでしょ?山里さん、格好の餌食だと思うよ」って。その一言残して赤坂の街に消えていったよ・・・

(赤江珠緒)(笑)

(ジェーン・スー)そんなことないですよ。先日ね、私が出ているテレビ(10匹のコブタちゃん)にゲストで来て頂きまして。

(赤江珠緒)あのコブタちゃんの。はいはい。その時もスーさんが指をポキパキ鳴らしながら・・・

(ジェーン・スー)そうそう。でも、すごい優しくて。もう私、完全にそのテレビでは地蔵なんで、ずーっと黙ってんですよ。あのね、カメラに映ってるんですけど、テレビ見てる人みたいな感じで、スタッフと一緒にワハハって笑っちゃって、『あ、ダメだダメだ。』みたいな状態にもかかわらず、山里さんがそういうときに、「どうですか、ジェーン・スーさん?」みたいなことを言ってくださったりとか・・・

(赤江珠緒)いいところもあるんですよね。山ちゃんね。

(ジェーン・スー)本当にお優しくって。

(山里亮太)よかった。味方だった!

(ジェーン・スー)ありがとうございました。その節はね。

(赤江珠緒)今日は本心、核心をえぐられるんじゃないかということで、先週・先々週から山ちゃん、ビクビクしてましてね。

(山里亮太)ジェーン・スーさんが選ぶ『厄介な男トップ5』、これが俺ね、ちょっと後で詳しく聞きたい!

(赤江珠緒)じゃあ行きましょうね。

(ジェーン・スー)目を合せてください、山里さん!

(山里亮太)スーさん、俺ね、思い当たるフシがあるのよ。

(赤江珠緒)というわけでね、2時から『ザ・トップ5』のテーマ曲にのせまして、先ほど発表のスーさんのランキング『厄介な男トップ5』、ご紹介しましたけども、順番に振り返ってフリートークをしていくのが『ザ・トップ5』という番組でしたもんね。で、この形式にのっとらしていただきまして、スーさんの解説をいただこうと思うんですけども。

第五位『自己評価がやけに低い』

(ジェーン・スー)まず第五位からですかね。『自己評価がやけに低い』。「俺、本当ダメだし・・・」とか「仕事最近がんばってるじゃん!』みたいなことを言うと、「いやいやいや!まだまだ、あそこもダメだし、ここもダメだし・・・」とか、「なんかその服いいよね!おしゃれだね!」とか言うと、「いや、おしゃれとかじゃなくて、たまたま!」みたいなことを言ったりとか。

(赤江珠緒)それはちょっと『謙虚』っていう意味には取れないですか?

(山里亮太)そうそうそう。

(ジェーン・スー)いや、最初は謙虚な感じで言ってるんだと思うんですけど、「そんなことないよ!」とか言ってその話が終わんないんですよ。「えっ、そうなの?そんなこと見えないけど・・・」「いやいや、だって俺なんか◯◯だよ?」みたいな感じで、どんどん自己評価が低い話をする、そうすると結局よくよく聞いてみると『あ、否定してほしいだけなんだ、この人。』っていう。

(山里亮太)『そんなことないよ!』待ち?

(ジェーン・スー)クレクレタコラみたいなんですよ、本当に。ずーっとこう。

(赤江珠緒)(笑)

(山里亮太)クレクレタコラ(笑)。昔の怪獣みたいなのがいるんです。欲しがっちゃうやつ。

(ジェーン・スー)ごめんなさいね。そう、すっごい欲しがるんですよ。単純に、「そんなことないよ。」っていう。『私たち、あなたのママじゃない!』っていう。

(赤江珠緒)わっ!そうか。そういう意味では自分好きというか。ある意味。

(ジェーン・スー)自分のことが嫌いな人間は誰もいないと思うんですよ。『俺が嫌いっていう俺が好き』みたいな人もいますから。

(山里亮太)そのなんかね、『そんなことないよ。』も待ちながら、「俺、ダメだよな。」と言いながら、その中にもいいのを見つけて、『そのいいの欲しかった!』っていうのに気づきたいっていうのもあるんじゃないかな、こういう人って。うん。

(赤江珠緒)山ちゃん、本心スラスラ出てます、今。はい、これ当てはまりました。山ちゃん!

(山里亮太)いや、わかんないけどね。まだ。

(ジェーン・スー)でね、結局そういう人たちは自己評価の低いって男も女もなんですけど、何が一番厄介かって、本当のことを言わないんですよ。自分の評価が低いので、自分が言っていることが説得力を持つとも思えないし、それを責め立てられるのも嫌だから、適当に流したりとか、「いや、そんなことないんじゃない?」とか。「ここはそう思ってないけど・・・」っていう風に言うにも関わらず、人が何を言ったかは全部覚えてるんですよ!で、何ヶ月かして、全然関係ないときに、「でもさ、あの時同意したじゃん?」とか言われて、「いや、覚えてない!覚えてない!全然覚えてない!俺、あの時はああ言ったけど・・・」みたいな話で。「いや、こちらはちょっと記憶にございませんけど。そちらの方・・・」っていう。

(赤江珠緒)なるほどね。

(ジェーン・スー)ゴミ箱に入れないんですよ。記憶を。

(赤江珠緒)自分の意見をかなり曖昧にぼかしておいて、割と保険もかけている感じ。

(ジェーン・スー)どうにでも取れるような形にしておいて・・・

(赤江珠緒)きっちり向こうの言質は取っておく。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(山里亮太)だから、あの時こう言っていた人の意見が変わったら『おかしいな』って思っちゃうから、その時にもう一回気づかせてあげるっていう意味だよ。こっちがもし「あの時、◯◯って言ってたけどね」っていうのは。スーさん、こっちは善意よ。これは。

(ジェーン・スー)今、『気づかせてあげる』って言いましたよね?

(山里亮太)『あげる』ってそうね・・・『忘れちゃってるんだったら』ってことですよ。スーさん。

(ジェーン・スー)自己評価が低い方って、なぜかしかし世界の中心は自分なんですよね。

(赤江珠緒)そうなるんですね。

(山里亮太)そんなことないですよ。俺なんか、隅っこでね、いろんなところに関わらして・・・

(赤江珠緒)自分の話になってますけど。別に山ちゃんに一方的に、個人的に山ちゃんをね・・・

(ジェーン・スー)だって最初私、山里さんに感謝したじゃないですか。そこからスタートだったじゃないですか。山ちゃんさんに感謝してから始めたのに。

(赤江珠緒)ねえ。でも第五位ね、たしかに厄介ですよ。周りの人間としては、『別にそこまでね・・・』っていう。

(ジェーン・スー)そうです。そうです。まさにそうです。赤江さん。『別にそこまで』。すべてのことが、別にそこまで深い意味で言ってないし、別にそこまで卑下もしてないし、別にそこまで褒めてもいないし、みたいな。

(山里亮太)『そこまでアンタのこと考えてないよ』ってこと?

(赤江珠緒)なんだろう?そういう人は責任感が強すぎるのかな?自分の言った意見で、この人がすごく左右されるんじゃないかと思うからか・・・

(山里亮太)『さっき、こう言ったの!』ってこの人ずっと今も考えて悩んだりとかしてないかな?とか。

(赤江珠緒)別にそこまで意識してないから。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(山里亮太)えっ、本当?

(ジェーン・スー)全てが深層心理になっちゃうんですよね、そういう人と話していると。

(山里亮太)そうか・・・今日も何箇所か、ここに来るまであるのよ。今日の放送中も。あれ、さっき言ったけど冗談っぽく聞こえてなかったらどうしよう?俺さっきだからさ、「そんなんだから離婚しちゃうんだよ!」ってプロデューサーの池田さんに言ったじゃん?あれ、もし池田さん気にしてたらどうしよう?とか。

(赤江珠緒)全然意識してないし。私、忘れてたよ。もうそんな発言は。

(山里亮太)だから池田さんとしゃべろうと思って『ドライバーズ・リクエスト』の時、トイレ行かないでずっと池田さんといた。

(赤江珠緒)(笑)

(ジェーン・スー)で、何が起こるかって言うと、これで1ヶ月とか2ヶ月後に池田さんが「あの時ね、いや、俺なんか離婚してどうのこうの」みたいな話する時に、「いや、俺すごいあれから気にしてたのに、何なんですか、それ!?」みたいなことを山ちゃんが言う。で、「えっ、何の話?」みたいなね。

(赤江珠緒)なるほど。そうかそうか。

(山里亮太)・・・あるね。

(ジェーン・スー)「俺、あんなにあの時から気に病んでたのに!」みたいな。『知らないけど。』っていう。こちらはね。

(赤江珠緒)そういうことになりますね。

(山里亮太)あー、そう・・・気にしてあげたのにっていう被害者の意識持つ時あるもん、俺。「こんなに考えてたのに、何も考えてなかったの!?」ってしずちゃんとケンカしたことあるもん、俺。もう俺って言ってるけど。

(赤江珠緒)もう完全に自分のものとして受け止めてますね。

(ジェーン・スー)全ての根源は、自己評価が低いからなんですよね。

(赤江珠緒)じゃあこれが第五位。はい。第四位の『仕事が好きすぎる自分が好きすぎる』。

第四位『仕事が好きすぎる自分が好きすぎる』

(ジェーン・スー)これはね、『地獄のミサワ』っていうのが流行りましたけど、仕事がんばっているのは本当に素晴らしいと思います。だし、仕事をがんばっているあなたをみんな評価してくれてると思うんですが、こちらもまた、クレクレ問題で。『俺、がんばっている』とか『仕事が好きなら、それ以外の約束とかルールとかっていうのを簡単に反故にしても許される』と思ってるんですよ。

(赤江珠緒)ははあ。

(ジェーン・スー)「ゴメン!仕事で!」って言えば、人さえ殺められると思ってるんじゃないか?ぐらいの。

(山里亮太)行き着く先はね。

(ジェーン・スー)最終的に。それはね、アサシン(暗殺者)はそうかもしれないですよ。アサシンはそれ、仕事だと思うんですけど。

(山里亮太)必殺仕事人とかはね。

(ジェーン・スー)でも、あなた違うでしょ?っていう。思い当たるフシ、まさか無いですよね?

(山里亮太)うーん、まああの、仕事のための準備をしなきゃいけないから、いろんなところの誘いを断るとかはありますよね。この日、ライブのために今はこんなことしてちゃいけないからって・・・

(ジェーン・スー)ちょっと待って!今、なんておっしゃいました?『こんなことしてちゃいけない』?友だちとの遊びが『こんなこと』?

(山里亮太)いや、だって優先順位じゃないですけど。だって、その遊んでいる時間に準備してたら、もっといいライブが出来るかもしれないって考えちゃうじゃないですか。そしたら、だいたいね。

(赤江珠緒)その時に、友だちに対して『申し訳ない!』っていう思いもありつつ、そんな自分も好きなんですか?

(山里亮太)まあでも、『俺、今日みんなが飲んでいる間に仕事してんなー』っていうのは、すごく好きな時はありますよね。家で原稿打っている時に、『今頃みんな飲んでるのかな?』とか思いながら。

(ジェーン・スー)すごいですよね。やっぱり。私、これ実は5.4.3.2.1って書いたんですけど、殿堂入りのものが一つあるんですけど。よく言われてることなんで、敢えて入れて来なかったんですよ。今ね、そこに向けてすごいキレイな道を山里さんが作ってくださってるというか・・・なんかね、見たこともないような一直線のロードマップをピューッ!っと引いてくださっているんで。これ、最後にね、お話しましょう。

(赤江珠緒)分かりました。まさか殿堂入りのところにまで。

(ジェーン・スー)これは言ったらね、さすがによく言われているから、持って来たらマズイなと思ったものがあったんです。一つ。

(赤江珠緒)そうですか。そこへ自ら足を踏み入れた山里さんと。仕事が好きすぎる自分が好きすぎる・・・

(ジェーン・スー)そう。なんかね、十字軍だと思ってるんですよ、自分のこと。

(赤江珠緒)(爆笑)

(ジェーン・スー)早くレコンキスタを終わらせてほしい!本当に。

(赤江珠緒)そこまでの使命は背負ってないってことですよね。たしかにね。

(ジェーン・スー)でもね、申し訳ないんですけど、責められない。最近女も増えてきて、私なんか完全にこのタイプです。

(赤江珠緒)あー、いや、分かりますよ。

(ジェーン・スー)仕事が大事すぎて、お友達からの誘いを反故にしてしまったり、大幅な遅刻をしたりとか。でも、『仕事だからって言ったら許してもらえるだろうな』って思っている自分がどこかにいたりとか。

(赤江珠緒)私もだ。そうだ。

(ジェーン・スー)ちょっとありますよね。やっぱりね。

(赤江珠緒)みんなで十字軍、作りますか。

(山里亮太)『仕事だから』って無敵の免罪符っていうか・・・

(赤江珠緒)いやー、でもあるな。そうですね。

(ジェーン・スー)そう。仕事はね、無敵の免罪符じゃないんですよ。これはね、本当に私たちは噛み締めて飲み込んで。

(赤江珠緒)たしかに、ここは悔い改めなければいけない部分かもしれませんね。

(ジェーン・スー)ただ、みんなが飲んでる時に俺だけ仕事しててみたいな、サウナで汗流すみたいなのに近いストイックさはね・・・そこに恍惚とするのはどうかと思いますよ。

(赤江珠緒)仕事、できないのはやっぱり腹立つでしょ?

(山里亮太)そうよ。そりゃもちろん。だって、後で後悔する時来るじゃない。『あの時遊んでなければ、ここもっと良かった』って思った時に、恨んじゃうよりも・・・

(ジェーン・スー)ちょっと待って!恨んじゃうの?誰を?何を?人を?場を?

(山里亮太)遊んじゃった・・・俺?

(ジェーン・スー)いや、今、『俺』じゃなかったですよね?今、急いで軌道修正しましたよね?

(赤江珠緒)誘い?誘いを?

(ジェーン・スー)すごい・・・なんと・・・

(山里亮太)何よ?何だ?

(赤江珠緒)そうですか。こちら・・・

(ジェーン・スー)こちらも、また症状が出ております。

(山里亮太)危ない!俺、もうしゃべんない!

(赤江珠緒)(笑)第四位、『仕事が好きすぎる自分が好きすぎる』。ではどんどん参りましょう。第三位『女性を怖がっているようで、実は男尊女卑である』。

第三位『女性を怖がっているようで、実は男尊女卑である』

(ジェーン・スー)こちら、最近多く見かける方のタイプなんですけど。「女の人、やっぱりすごいよねー!もう、敵わない!もう怖いしね。本当女の人・・・僕なんか全然・・・」って言って、最初からステージを降りるんですよ。まず。で、ステージを降りるんですけど、じっくり話をしてると、チラチラと「えっ、でも女ってワガママ」とか、「女の子だからピンク好きでしょ?」とか、自分よりも弱く、か弱い存在であるべき的な決め付けだったりとか。リードを取られるのが嫌いだから、やっぱりね、男尊女卑モードに入るのを、入るとまた責められるから・・・ひたすら自分を卑下することで。なんか今、「ふふん・・・」って変な音が聞こえてきたんですけど。ごめんなさい。説明の途中だったんで。

(山里亮太)ちょっと空気が漏れちゃいました。私から。すいません。締めとかないとね。ちゃんと。

(ジェーン・スー)今、せっかく話をしていた赤江さんにも・・・

(赤江珠緒)そうですよ、山ちゃん。聞いてました?

(山里亮太)聞いてました。しっかりと。

(ジェーン・スー)今の「ふふん・・・」の漏れた理由は何ですか?

(山里亮太)なんかね、僕のビンゴカードがバンバン開いていくのよね。

(ジェーン・スー)ビンゴー!ですか?

(山里亮太)そうそう。ビンゴー!あ、これ1番なんで景品もらっていいですか?えっ、iPod Shuffle?みたいな。ああそう。ねー、打席から降りているとこで、立ててるフリしちゃったりとか。する人ね。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(赤江珠緒)だからあの、仕事でもね、たとえば上の上司の人が「キミは女性だけれども、自由に仕事やってもいいよ。のびのびやりなさい。」みたいな感じで言ってくれる上司が、やってみたら意外とね・・・潰しにかかるっていう。

(ジェーン・スー)あ、ある!あるある!

(赤江珠緒)「何勝手なことしてるんだ!?」とかはね。あれ?だって「のびのび好きなようにやれ」っておっしゃいませんでしたか?みたいな。

(ジェーン・スー)ありますよね。

(山里亮太)お前の『のびのび』がそこまで来るとは思ってなかったみたいな。

(ジェーン・スー)そうそう。『俺の庭で遊べ』っていう人、多いですよね。『俺の庭で遊べ』っていうタイプの人と、あとどなたとは言いませんけど、土俵から降りちゃって、「いやー、俺なんか。俺なんか。」って言いながらリングサイドからヤジを飛ばすようなね。

(赤江珠緒)はー、それもタチが悪いでございますね。せめて戦えと。土俵に上がってこいよと。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。(土俵に)上がんないんです、そいつ。絶対に。

(赤江珠緒)なるほど!

(山里亮太)いやだってね、違うから。種目が違うじゃない。

(ジェーン・スー)ほら、種目が違うとか言っちゃうでしょ?そこでね。

(山里亮太)いや、目指すところとかもまた、違ってくるわけじゃない。やり方とかね、立ち振るまいも。

(ジェーン・スー)ごめんなさい。何をおっしゃってるのか、よく分かんないんですが。

(山里亮太)俺も何言ってるのか分かんないね。絵に書いたしどろもどろを演じましたけども。

(赤江珠緒)これも厄介な男ですね。第三位でございますね。では参りましょうか。第二位。『お金をたくさん持っている』。これは悪いですか?

第二位『お金をたくさん持っている』

(ジェーン・スー)これね、お金をたくさん稼いだりとか、ご家族が代々お金持ちだったりするのは大変素晴らしいことだと思いますし、それ自体は特に何でもないんですけど。なぜか、お金を持つことによって了見が狭くなっていくという方がですね、結構多くなっているような気がしておりまして。食べ物、飲み物、服、その他嗜好品、どんどんお金持つたびにこだわりが強くなってくるんですよ。

(赤江珠緒)はー。

(ジェーン・スー)『Aランクの肉じゃないとちょっとやっぱり肌に合わない』的なことだったりとか、『靴はやっぱり◯◯製だと俺の足にも幅があう』とか。

(赤江珠緒)俺ぐらいになると、やっぱりこの宿ではちょっと・・・とか。

(ジェーン・スー)そうです。

(山里亮太)それ、全然ないから良かった。

(ジェーン・スー)大丈夫ですか?こだわりが多いことが上質な人間だと思ったりはしてらっしゃいませんか?

(山里亮太)あっ、こだわりが・・・それとお金、つながってくるのかしら?

(ジェーン・スー)お金を持ってると、自分のこだわりをどんどん実現できるんですよ。この間までは冷蔵庫にマヨネーズと、スモークタンみたいなコンビニで買ってきたのしかなかった人がですね、『タンだったらやっぱり仙台から取り寄せるでしょ!』みたいになっていく。なぜなら俺のこだわりがどんどん実現できる、ツールとしてのマネー。

(赤江珠緒)そうかー。

(山里亮太)持っちゃったらそうなるかもしれないけど。

(ジェーン・スー)それはそれでもう、全然いいので、お願いが1つだけあって。金持ち界から下りてこないで欲しいんですよ。

(山里亮太)あ、そういう人たちが?

(ジェーン・スー)で、その金持ち界から下りてきて、そういうこだわりを見せつけられて私たち一般市民は、そのこだわりについて行ける軍資金がないわけですから。

(赤江珠緒)殿上人は殿上人でよろしいと。

(ジェーン・スー)そうそう。ただね、面白いことがございまして、こういう方・・・たとえば「この季節なったから、クエの鍋食べたいでしょ?クエ、ごちそうするよ。」とか言ってメールが来るんですよ。で、行くじゃないですか。クエを食べるじゃないですか。「美味しいでしょ?このクエはナントカカントカで・・・」。『この人、なんでこんな何の得にもならない私にクエを食べさせて話をしてるんだろう?』と思うんですけど、よくよく聞いていくと、こだわりが強すぎて、人がいなくなっっちゃったんですね。周りから。

(赤江珠緒)はー!一緒に付き合ってくれる感じの人がいない・・・

(ジェーン・スー)『俺が払うから飯をいっしょに食ってくれ』っていう。

(山里亮太)哀しい!

(ジェーン・スー)3人ぐらいいますよ。

(赤江珠緒)ほー!でもスーさん、3人持ってらっしゃるってなかなかな・・・

(山里亮太)持ってる?

(ジェーン・スー)だって、お腹が空いたら・・・って私にとってのスニッカーズですから。

(赤江珠緒)そうでしょう。ねえ。

(山里亮太)腹持ちいいんだ。

(ジェーン・スー)そうそう。もう、いいもの食べさせていただいて。

(赤江珠緒)向こうは向こうでそれはうれしいわけですから。

(ジェーン・スー)なぜなら肩肘はらないでいいじゃないですか。もうジャガイモに話しているのと一緒ですから。向こうからしたら。

(赤江珠緒)スーさんもやけに自己評価が・・・『自己評価が低い』に引っかかりませんか?

(ジェーン・スー)私はこれね、どちらかと言うと三位なんですね。自分からリング降りちゃって・・・

(赤江珠緒)(笑)あ、そうなんですね。

(山里亮太)女性としての戦いという形で。

(ジェーン・スー)だから結構そういう人は、お寂しな感じが出てくるので。だんだんね、山里さんもチャリンチャリンっていうのが、バサッバサッっていう音に変わってくる時期だと思いますので・・・

(山里亮太)いやー、そんなことないですよ。

(赤江珠緒)お気をつけあそばして。山里さん。ここ。

(山里亮太)いや、でも俺そんなこだわり、何にもないよ。多分。あるかな?

(赤江珠緒)いや、分からない。マネーの力が変えていくかもしれないからね。そこは。

(山里亮太)怖いよー。マネー、怖いよー。そんななくて良かった・・・

(赤江珠緒)それでは、第一位参りましょう。これ、気になりますね。『昔、モテた』。

第一位『昔、モテた』

(ジェーン・スー)これはですね、一番・・・あのね、昔モテた人ってやっぱり、なんて言ったらいいのか、『ドン・キホーテ感』って言いますか、『裸の王様感』って言いますか・・・

(赤江珠緒)風車にぶつかっていく。

(ジェーン・スー)そうそう。学生時代もしくは社会人早々にモテた、その記憶がある、そういう人たちは脇が甘いんですよ。だから、すごく面白くない冗談だったりとか、人が話している間にドン!と突っ込んだり話したりっていうのが、許されてきたんですよ。

(赤江珠緒)あー!

(山里亮太)流石!スーさん!

(ジェーン・スー)しかしその人は、もうただの人なわけですね。なう。ただの人、なうの状態でそれをやると、誰も許してくれない。ま、昔甘やかした周りの人が悪いっちゃ悪いんですけども。もうね、女の人がいまだに自分に全員興味があると思ってるんです。だからかなり早い段階で『お前』って言ったりとか。『お前はさー、』っていう分かったような口をきいてきたりとか。あと、女性と接する機会が多いお仕事の方とかも比較的そういう方が多くて。親しく馴れ馴れしくすると喜ばれると思ってるんです。でも、その理由って元をただしていくと、『俺は好かれている』『あなたに好意を持たれているから、俺も好意で返せばここは円滑に進むでしょ?』っていう前提が見え隠れするんですよ。

(赤江珠緒)昔の勲章がバッとね・・・

(山里亮太)そうよ。みんな、クラス中の女が自分としゃべりたかったって思ってるんだから。まだ。今も。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(赤江珠緒)で、実際そういう地位を築いてこられた方ですからね。

(山里亮太)だって自分がしゃべりかけた人間は心のなかで、『わあ、◯◯がしゃべってくれた!』って思うだろ?って思って生きてるんだからね。そういう人たち。

(ジェーン・スー)やっぱり小学校時代に顔が良くて足が速かっただけの男の子は今、大変ですよ!30過ぎたら。

(山里亮太)だから、モデルさんなんかも、男の人の待ち受けてるそれは結構大変だって言うよ。役者さんの方に逃げたらいいけど・・・

(赤江珠緒)急に活き活きとしだしましたね、山ちゃん(笑)。

(山里亮太)いや、空っぽのモデルさんとかいるんだって。そういう人たちが、若さを失って、モデルとしてできなくなった時の末路。地獄らしいよ。

(ジェーン・スー)あの、目がギラッギラしてるんですけど、大丈夫ですか?

(山里亮太)この話、大好きなのよ。

(ジェーン・スー)いや、でも本当そうですよね。小学校時代に足が速い・バスケ部部長・顔もちょっといい・女の子がキャッと言ってる・普通に息を吸って吐いているだけで2月にはチョコレートが来るっていう人生。で、中学ぐらいになってくると、だいたいちょっと面白い子とかが人気出てくるじゃないですか。ちょっと面白くて顔が良くないんだけど、ちっちゃい男の子で面白いみたいな子が人気出てきて、だんだんそういうただのかっこいい子とか足の速い子の人気が落ちてきて、そこからゆるーく下降線を下って行って、30ぐらいで『おやっ・・・?』っていう。

(赤江珠緒)はー・・・

(ジェーン・スー)で、その人たちって『おやっ・・・?』ってなった人はいいんですよ、まだ。『おやっ・・・?』からの復活がありますから。ただ、40ぐらい、50ぐらいになってもまだそれに気がついてなくて、俺のモテバブルが続いているっていう人ね、結構いるんですよ。

(赤江珠緒)うわー・・・

(ジェーン・スー)自分にとって女の人は愛すべき存在。全員、別け隔てなく。女の人はみんながんばってるけど、本当は泣いてるから、頭をクシャクシャってやってあげれば、みんな喜ぶ、みたいな。

(山里亮太)(笑)

(ジェーン・スー)『その手をどけろー!』っていうね、気持ちになるんですよね。

(赤江珠緒)そうですなあ、そうなりますなあ!やっぱり10代のころと、30を越えてね、っていう。違います。瑞々しさが違います。

(山里亮太)僕らが仕事とかやってもね、ウケた日とか『俺らがもし昔、足が速かったりかっこよかったりしたら、今日この舞台でウケることは出来なかったな』っていうのが、俺らの最後の傷薬っていうか。

(ジェーン・スー)あ、分かります分かります。女もそうですよ。いるだけで価値のある20代っていう時に、そこにあぐらをかいた女たちが、30・40になって、もう見るも無残なことになっているわけじゃないですか。その間に、人が聞いてくれない、ほんのちょっとの時間でも、これだけ早口で話せるような訓練を積んで来た私たち・・・

(赤江珠緒)なるほど、なるほどね。でも、その上昇気流、そのまま突っ走る人っているじゃないですか。それはほんの一部っていうことですか?

(山里亮太)どういうこと、上昇気流って?

(ジェーン・スー)モテ続けたりする人っているじゃないですか。実質的に。でも、ほんの一部ですよ、それは。1%にも満たないと思います。

(赤江珠緒)そうかそうか。クラスに一人とか、そんな単位ではいないということですね。

(ジェーン・スー)私が一番見てて辛いのは、40代後半ぐらいで、昔モテた人たちが、昔モテた感覚で女を扱って、『えっ!?』って引かれてる時に、『おおう・・・』ってハシゴを外された感の時に、ヨロヨロって腰砕けを・・・『あれっ?何かがおかしい・・・』っていうアレを見た時の哀しさ。もう一回やってみたりするんですよ。で、またフッてハシゴ外されて、ヨロヨロっていう。『もうその技は効かないのよ!』っていう。

(赤江珠緒)素材を活かさないとね、やっぱりね。地のものを。言うなれば、魚も獲りたての魚だったら、その魚の捌き方があるんですよ。もう店まで持って来たり運輸したりして結構時間が経っている。また違う料理の仕方をしないと・・・『刺身じゃ無理だよ、もう!』っていうね。

(山里亮太)じゃあ、あいつら酢で〆るしかねーですか?

(ジェーン・スー)そうですよ!

(赤江珠緒)最後はそういう感じになる。そういう時に合わせていけば、それはいいんだけども・・・

(ジェーン・スー)なんかね、全ての女とピロートークの距離感でしゃべるんですよね。

(山里亮太)ああ、それは求められてると思ってますから。

(ジェーン・スー)あれはちょっと戸惑いますよね。

(赤江珠緒)うわー、これ一位から五位までね、ズラッと出ましたけど。これはちょっと・・・『うっ!?』っていうことがありましたね。

(山里亮太)あったね。

(ジェーン・スー)で、殿堂入りの一個がありまして。もう五位の段階からチラッチラ出てきてビックリしたんですけど、当たり前すぎて言いたくなかったんですが、五位から一位まで全てに共通していて、山ちゃんからもビュンビュン感じる、殿堂入りのホール・オブ・フェイムが、『自己愛が強すぎる』。これなんですよね。

(赤江珠緒)うーわー・・・山里さん、ストライク・・・

(ジェーン・スー)五位の時に、『自己評価がやけに低い』の時に、『でも、気づかせてあげたり』とか。なぜちょっと立ち位置がお高い?『仕事をやっていたことで、他の人に、その人たちと遊んだことで、恨みたくないでしょ?』とか、なぜ人を恨む?とかね。ほら・・・

(山里亮太)思っちゃうじゃない。いや、その人たちに言わないよ、直接は。でも、心のなかで『あん時・・・』って。

(ジェーン・スー)『アイツが誘わなければ・・・』ってことですよね?

(山里亮太)『誘わ・・・なくて、ちゃんと断れれば・・・今日こんなに苦労しなかったのにな』とかってライブ直前とか思っちゃうかなって。思っちゃったんだよね。つまり合っているっていう話なんですけど。

(赤江珠緒)合ってますね。

(ジェーン・スー)自己愛が強い方ってね、世界が全員自分を注目してると思うから、責任が取れなくて自己愛が強くなっていき、自分がやっている仕事には何よりも価値があると思うから仕事が好きになっていき、でもそれを世間も女性も評価してくれないから土俵から降りて実は影で男尊女卑をし、お金をたくさん持っていると自分がお金をもっていることに対してどんどん自信がついてきて、そのお金で了見が狭くなっていき・・・

(山里亮太)なんだろう、同じもんばっか食うもん。食べ物とかも。

(赤江珠緒)『厄介』って結局何なんだろう?

(ジェーン・スー)『厄介』っていうのはですね、他人が全く興味を示さない自分の小宇宙ですね。

(赤江珠緒)(笑)

(山里亮太)あー!

(ジェーン・スー)『俺の小宇宙~!』。他人は『いや、全然見えてない。関係ない関係ない。』

(赤江珠緒)『そこに、コスモはありませんけど・・・』みたいな。

(山里亮太)みんな、俺の宇宙にひろがっている星じゃないの?

(ジェーン・スー)あのね、あなた以外の人間が全て書き割の人間ではないんですよ。書き割の星ではないんです。みんな一人ひとり、輝く星なんです。それが、山ちゃんのコスモにいる星ではないんです。

(赤江珠緒)お願いします。

(山里亮太)えっ、ウチの住人じゃないの?

(赤江珠緒)よろしくお願いします。以上、ジェーン・スーさんが選ぶ厄介な男トップ5でした。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/14850

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