宇多丸と高橋芳朗 R.KELLY『Black Panties』までのキャリアを語る

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TBSラジオ『ウィークエンド・シャッフル』で新作を出したばかりのR師匠ことR.KELLYを特集!高橋芳朗さんと宇多丸さんがその偉大な下ネタ満載キャリアを振り返りました。

(宇多丸)改めてこの特集の解説をしておきたいんですが。まず、R師匠。R師匠!って言ってますけど、R.KELLYという人の話ですけど。この特集、改めて。初めて聞く方もいると思うんで。よろしくお願いします。

(高橋芳朗)まあ、キングオブR&B。その揺るぎない下ネタ歌詞から・・・

(宇多丸)R&Bから説明しよう。ブラックミュージック。いま流れているような、おしゃれな、都会的な。アメリカの、おしゃれな、なんて言うのかな?恋人たちがデートしたり、イチャイチャしたり、ワインを飲みながらいい気分になる。そんな時の音楽ですよね。

(高橋芳朗)恋人ムードを高める感じですかね。セクシーな。

(宇多丸)なおかつ、世界的にものすごい売れている。もうポップミュージックの王道中の王道のひとつでもあるという。そういうのがR&Bということでございます。そのR&Bのキングですから。

(高橋芳朗)R&Bの王。

(宇多丸)これ、結構長い間にわたって。

(高橋芳朗)そうですね。そのへんをちょっと今からじっくり紹介したいと思いますけど。この番組では揺るぎない下ネタ王として、R師匠と。先ほどから連呼してますけど。

(宇多丸)R師匠!R師匠!

(高橋芳朗)R師匠と呼ばれて親しまれているR.KELLYさんです。前回特集した2年前には、アルバム『Love Letter』の発表に合わせて、そのキャリア、全貌を振り返りつつ。まあ、バカにいい・・・


(宇多丸)バカにいいなー!

(高橋芳朗)バカにいいなー、バカに下ネタのリリックを紹介しました。そしてこの度、あれから2年たってついにね、我々が好むタイプの新作が発表されました。

(宇多丸)我々が好むタイプの新作!?

(高橋芳朗)もう、ラブレターとかじゃないです。

(宇多丸)ラブレターってまだキレイなもんですもんね。

(高橋芳朗)『Black Panties』!


(宇多丸・高橋)(爆笑)

(宇多丸)いや、俺正直ね、R師匠の新作タイトル、ブラックパンティーズって聞いた時、耳を疑いましたよ!『えっ?待って!?』と。R師匠、1回離れたじゃないですか。新作は出していたんですけど、もうちょっと信心深いというか。敬虔なクリスチャンである部分が出たような。

(高橋芳朗)ゴスペル的な。

(宇多丸)ゴスペル的な。R師匠新譜出すんだって。じゃあヨシくん呼んでR師匠特集やろう!と思ったら、今回、ゴスペル寄りなんだって・・・

(高橋芳朗)ちょっとね、レトロソウル路線に行っちゃって。

(宇多丸)俺はすごく疑問なのは、ゴスペル寄りの歌詞書いているような人が、なんでこういう歌詞はアリなのか?っていうのは、すごく・・・

(高橋芳朗)謎は多いですけどね。

(宇多丸)まあ今回、我々が好むタイプの新作。

(高橋芳朗)ブラックパンティーズですからね!本来なら3時間、いや5時間ぐらいの特番を組んでもいいぐらいなんですよ。

(宇多丸)曲を流して歌詞の解説をやっていたら、それぐらいいるよ。

(高橋芳朗)でも、そんな時間はないです。そんな時間はないということで・・・

(宇多丸)げっそりします。そんなにやったらね。

(高橋芳朗)いかに偉大なアーティストなのかをこの時間を使って説明したいと。

(宇多丸)なんかさ、俺らが半笑いでR師匠!R師匠!言ってるから、そういう人だって思いかねないからね。めちゃくちゃ偉大ですよ。本当に。

(高橋芳朗)俺らが悪いんだけどね(笑)。

(宇多丸)この番組特有の出来レースというか(笑)。

(高橋芳朗)よろしいですか?R.KELLY、バイオグラフィーを簡単に紹介したいと思います。R.KELLY。1967年1月8日生まれ。46才。もうすぐ誕生日ですね。シカゴ出身のR&Bシンガー。問答無用のキングオブR&Bでございます。1992年にメジャーデビューして、今回のブラックパンティーズまでにリリースしたソロアルバムは計12枚!そのうち8枚がミリオン以上のセールスを記録。アメリカレコード協会のデータによると、これまでのアメリカ国内でのアルバムトータルセールスは約3350万枚。

(宇多丸)すごいね。3350万枚。

(高橋芳朗)これはブラックミュージックとしてはマイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン、プリンスに続いて現時点で4位です。

(宇多丸)ほー。もう歴史的レベル。

(高橋芳朗)そうです。ビルボードマガジンでは1985年から2014年までの25年間でもっともヒット曲を生んだアーティストに認定されております。

(宇多丸)もっとも?

(高橋芳朗)この25年で言えば、マイケル・ジャクソンよりもホイットニー・ヒューストンよりも上っていうことです。で、最近はまあ、ゆるやかに売上は下がってきてはいますけど。まあでも、20年間ずっと絶頂期が続いているようなね、稀有な存在ですよ。

(宇多丸)あの、HIPHOPとかR&Bって基本的に若い人がね、聞く音楽でもあるから。

(高橋芳朗)流行り廃りが激しいですから。

(宇多丸)若い人ほどもてはやされる。スーパースターだったけど消えてった人もいっぱいいるんだけど。これはやっぱりハンパじゃない。

(高橋芳朗)ブラックミュージック史上最強って言ってもいいんじゃないですか?

(宇多丸)こんな人、いないですよね。全盛期が続くっていうのも。

(高橋芳朗)ジェームズ・ブラウンよりもアレサ・フランクリンよりも上ですよ。で、いまでも十分R師匠がイケてるという証拠としてですね、今年はレディー・ガガのニューアルバム『ARTPOP』にゲスト参加。


(高橋芳朗)これ、R師匠から行ったわけじゃなくて、ちゃんとレディー・ガガに呼ばれてますから。ガガ様が呼んでますから。あと、ジャスティン・ビーバーの新曲にもフィーチャーされて。


(宇多丸)大人と子供っていうか。

(高橋芳朗)そう。だからいまをときめくポップスターから共演オファーが割と殺到してるんです。で、そんな状況を踏まえて今回リリースされるのがブラックパンティーズと。

(宇多丸)満を持してですよね。

(高橋芳朗)前作から1年半ぶり。12枚目のソロアルバムで、アメリカでは12月10日にリリースされました。日本盤は12月18日に出たばっかりで。ちなみに海外版ではですね、おまけで本物の黒パンティーがついたデラックス・エディションというものが・・・

(宇多丸)これはいいですねー!

(高橋芳朗)6000円ぐらいするらしいです(笑)。

(宇多丸)そのパンティーを、でも実際に彼女に履かせて、ほーら!なんていうことをやってちょうだいと。そういうことなんでしょうね。

(高橋芳朗)まあ、買う必要はないと思いますけどね(笑)。

(宇多丸)本当ですか?これはマニア垂涎の。

(高橋芳朗)で、ブラックパンティーズに至るまでの流れ・・・ブラックパンティーズに至るまでの流れってなんだよ?っていう(笑)。

(宇多丸)いや、エラいじゃない!46。もうすぐ47になろうという男が、ブラックパンティーズに至る流れだから!

(高橋芳朗)さっき宇多丸さんも言ってましたけど、2012年の前作『Write Me Back』。2010年の前々作『Love Letter』、2枚連続でレトロソウル路線というかね。ちょっと原点回帰みたいな。

(宇多丸)昔ながらの、古き良きソウル・ミュージックの感じと。

(高橋芳朗)そのへんを追求して、エロ歌詞は基本的にね、封印してたんです。でも今回のブラックパンティーズ。4年ぶりに本来のスケベなR師匠が戻ってきたと。

(宇多丸)『本来のスケベな』と言っても差し支えないのは、R.KELLY本人もドスケベ野郎として知られているわけですからね。

(高橋芳朗)ブラックパンティーズのタイトルの由来はですね・・・

(宇多丸)由来があんの?由来もクソもあんの?ブラックパンティーって。

(高橋芳朗)あの、なんかR師匠がコンサート中に、R師匠曰くですよ、『ただでさえ俺のコンサートはパンティーが舞うんだ』って。

(宇多丸)海外のアーティストなんかでありますよね。下着を投げるなんて、よく聞くけども。

(高橋芳朗)したらある日、黒いパンティーがひらひらひらって飛んできて、自分のマイクを持った手首にフサッと落ちたって(笑)。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)で、それが神の啓示・・・R師匠曰く『That’s THE SIGN』って言ってるんですけど。神の啓示だと思って、じゃあブラックパンティーズ作んねーとっていうことになったらしいですけどね。

(宇多丸)あいつは神というものを・・・ヤツの神という定義は一体・・・

(高橋芳朗)あいつの神感(笑)。でもですね、ブラックパンティーズ、アメリカでリリースされたんですけど、結果今週の全米チャートで初登場4位。1位は逃したんですけど、前作が初登場5位。前々作が初登場6位だったことを考えると、やはりシーンはエロいR師匠を待ち望んでいた。R師匠!

(宇多丸)これさ、ペアレンタルアドバイザリーみたいなの付いてるんですか?要するに未成年が素で買えないみたいなの、ついてるんですか?

(高橋芳朗)これ、日本盤だから・・・

(宇多丸)日本盤はあれだけど。でもさすがにね、そのもの・・・この先いう、P-U-S-S-Y的なことがさ、入ったりするわけだから。そういう、年少が買えないハンデがありながらの4位みたいな。そういうの、あんじゃない?

(高橋芳朗)ああ、そうかもしれない。

(宇多丸)レーテッドがさ。ほら!やっぱりペアレンタルアドバイザリーついてる。

(高橋芳朗)本当だ。つけ忘れてたら面白いんですけどね(笑)。

(宇多丸)いや、でもそういうのありつつの、いままでの真面目路線よりも上に行くということだから、どれだけ待たれていたか?ってことじゃないですか。

(高橋芳朗)ただですね、ブラックパンティーズの音楽的な評価。アメリカかなんかの音楽情報サイトの権威、AllMusic.comっていうのがあるんですけど、現時点でのレーティングはですね、作品評価。5段階評価で前作、前々作が4点だったのに対して、いま2点でした(笑)。

[リンク]AllMusic.com R.KELLY Black Panties

(宇多丸)えっ!?ちょっと待って下さいよ!

(高橋芳朗)わかってねーな!っていうことですよ。

(宇多丸)これは、でも要はさ、たとえば僕がイーライ・ロスの映画を薦めた時にね、ある現象で。要は好き嫌いが分かれるというやつじゃないの?要するにさ、ダメな人はもう1行たりとも聞くに堪えないっていう。そういうことなんじゃないの?

(高橋芳朗)とにかく、全編なにかしらやってますからね。これ。

(宇多丸)なんかしら(笑)。なんかしら、やらかしてる。1行1行。だってさ、はっきり言ってタイトル読むだけで問題があるじゃん。

(高橋芳朗)まあそうです。ブラックパンティーズですからね。

(宇多丸)そうだし、曲のタイトル。呆れ返る曲のタイトルたち。

(高橋芳朗)いまはちょっと控えておきますけど。後に取っておきましたけどね。

(宇多丸)じゃあちょっといま、我々が日本から応援して差し上げる必要があるかもしれません(笑)。

(高橋芳朗)評価を上げましょうよ!まあ、そんな偉大なアーティストなんです。R師匠はね。で、そんな新作はブラックパンティーズ、果たしてどうなっているのか?それを探る特集が今夜の特集ということです。

(宇多丸)『ブラックパンティーズを探る』っていうと、なんかちょっとね・・・(笑)。

(高橋芳朗)いちいち言いづらいですよ。薦めづらいですけどね。

(宇多丸)俺らのせいでもないし、俺らのせいでもあるということですからね。

(高橋芳朗)その特集に向けて、ちょっとブラックパンティーズから1曲・・・サービスで。

(宇多丸)えっ、いいんですか?お子さんとかが起きている時間帯・・・

(高橋芳朗)そうなんですよ。これね。

(宇多丸)あと、英語を理解されるリスナーの方も結構みなさんいらっしゃると思いますんで。

(高橋芳朗)さっき、橋本名誉Pからですね、『音楽特集であることを強調しておいてくれ』と(笑)。

(宇多丸)あの、そうなんです。大筋のね、真面目なところを言うと、なんでこの特集を組むか?と言えば、そもそも我々ね、昔からR&Bの歌詞面白特集みたいなのを、HIPHOP雑誌『blast』なんていうのでやってましたけど。要は洋楽っていうのが日本のリスナーの聞く態度として、それが悪いことではないけれど、歌詞の意味というものを一旦棚上げして聞く姿勢っていうのが昔からね。我々、ストレートに英語を理解しているリスナーばかりではないので。それはそれでいいと思うんですよ。そういう聞き方があってもいいと思うんだけど。でも、実はこんなこと歌っているんだよということを知ることで、音楽の楽しみが広がるんじゃないかな?と。そういう、志ですよね!

(高橋芳朗)そういう体でやりましょう(笑)。

(宇多丸)なんで体っていうんですか?志って言ったら、下にルビで『てい』って入れなくていいですから。

<書き起こしおわり>
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