町山智浩映画解説 園子温監督『地獄でなぜ悪い』

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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で、園子温監督の最新作『地獄でなぜ悪い』を紹介していました。

地獄でなぜ悪い

(赤江珠緒)で、ですね、町山さん。今週は『バカ倍返しウィーク』ということでね、もう十分におバカな感じになっておるんですけども。今日ご紹介いただける映画も、すごく・・・なんですか?映画バカがたくさん出てくる?

(町山智浩)そうなんです。ただのバカも出てきますけど(笑)。あの、園子温っていう監督がいましてですね。世界的な賞とかを取っている、世界的な映画監督なんですけども。その人の新作の『地獄でなぜ悪い』っていう映画をご紹介します。

(赤江・山里)ふん。

(町山)園子温監督って、なにか作品とかご覧になったこと、ありますか?

(山里亮太)えっと、『ヒミズ』と・・・

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(赤江)えーとね、『冷たい熱帯魚』。

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(町山)ああー!すごいでしょ?

(赤江)うわーっ!っていう。あの、あまちゃんに出てくるでんでんが。でんでんさんが。

(町山)でんでんさんが、あまちゃんでいい人やってるけど。漁協のいい人やってるけど、信じられないでしょ?

(赤江)組合長が。そう、信じられないですね。

(町山)ねえ。『透明にしろ!』とか言ってね。殺人鬼の役をやってますけどね。実在の。

(赤江)殺人鬼ですよ。でんでんさんが。

(町山)でんでんさんってね、昔芸人さんだったのはご存知ですか?

(赤江)あ、そうなんですか?

(町山)元々、そうなんですよ。で、黒沢清監督の映画あたりからどんどんどんどん怖い人になってって。で、『冷たい熱帯魚』で怖さの極地にいって、突き抜けて、いま漁協のいいおじさんやってますね。あまちゃんで。

(赤江・山里)(笑)

(山里)いまからは想像もできない。

(町山)はい。そういうね、すごい血まみれの映画撮ったりしてるんですね。園監督はね。で、『ヒミズ』はなんて言うか、すごく追い詰められてった男の子が、人生の敗残者の人たちと一緒に暮らしていく中でですね、立ち直っていくっていう話でしたけど。ヒミズ、見た後ね、関係ないですけど新宿ゴールデン街に飲みに行ったんですよ。

(山里)はい。

(町山)関係ないですが(笑)。飲みに行ったらね、ヒミズに出てくるような人生の敗残者が迫ってくるんですよ。僕の方に向かって。笑いながら。要するに、ヨレヨレのボロッボロの汚い服で、顔も髭ボーボーで髪の毛ボッサボサでね。で、歩き方もヘロヘロで目が真っ赤でね。で、『町山ー!』って言いながら来るんですよ。ゴールデン街で。『まっちやまー!』って来るんですよ。俺、本当こんな人知り合いにいないし・・・って思って、逃げようとしたら、『園子温だよ!』っていうんですよ(笑)。

(赤江・山里)ええーっ!?

(町山)ヒミズ見たその日の夜に、園子温監督に捕まったんです。ゴールデン街で、僕。

(山里)そのすごい格好の状態で?

(町山)そうそう。ベロベロに酔っ払った園子温に。『園子温ってのは、俺だよ!』とか言いながら来て。

(赤江)怖い怖い!

(町山)もう、映画から出てきたのかと思いましたよ。本当に(笑)。

(山里)変わった方なんですね!

(町山)あの、河原で暮らしている人たちいるじゃないですか?

(山里)いますいます。ヒミズの中で。

(町山)あの人たちが本当画面から出てきたのかと思ってビックリしましたけどね(笑)。僕、そういう怖い経験が結構あって。あの、『殺し屋1』っていう映画があるんですけど。

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(山里)あ、見ました見ました。

(町山)殺し屋1で松尾スズキさんがものすごい殺人鬼の役やってるでしょ?女の人を拷問して殺す。すっごい悪いヤツなんですよ。松尾スズキは本っ当に悪いヤツだ!っていう役なんですけど。試写が終わって明るくなったら、隣に松尾スズキいましたね。

(山里)ええーっ!?

(町山)死ぬかと思いました。あの時は本当にもう(笑)。怖っ!って感じでしたよ。もう本当、こういう体験めちゃくちゃ多くて。『ノーカントリー』っていう映画があるんですけど、ご存知ですか?

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(山里)いや、すいません。

(町山)ノーカントリーっていう映画、ハビエル・バルデムっていう俳優さんが出てて。シガーっていう、全く感情のない、とにかく人をただ殺していく殺人鬼の役をやってるんですけど。それ、映画見て午後にインタビューで、ハビエル・バルデムと。で、いきなり、じゃあよろしく!ってドア閉められて2人ですよ!僕。殺人鬼シガーと(笑)。映画見た直後に。

(山里)そっか。その印象が残っているから。

(町山)そういうの、やめてほしいんですよ。本当に。怖いから。どうでもいいんですけど。何の話でしたっけ?あ、園子温が出てきた話でしたけど(笑)。園子温っていう監督はね、とんでもない人なんですけども。この人ね、自伝出してるんですね。『非道に生きる』っていう自伝を出してて。

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(赤江・山里)はい。

(町山)で、子供の頃からどういうことをしてきたか?っていうことがずっと書いてあるんですけど。この人はね、とにかくもう本当すごい人でですね。小学校から中学校にかけてって、SEXというものを初めて知るじゃないですか。誰かから聞いたりして。そういうものがあるんだと。それで子供が生まれるんだっていうことを知るじゃないですか。それを知った時に、彼は新聞部だったんですね。学級新聞の。で、これは大ニュースだ!って新聞記事にしたんですよ(笑)。

(赤江)(笑)。なんだろう?素直といえば素直だし。スクープだ!みたいな。

(町山)みんな!俺たちはSEXってやつで生まれたんだぞ!っていって(笑)。ビックリだ!ニュースだ!って、ニュースじゃねーよ。もう何万年も前から知ってるよ!みたいな(笑)。

(赤江・山里)(笑)

(町山)すごいでしょ?

(山里)そういった方が作ってる。

(町山)そういう人が映画作ってるんですよ。映画、作っちゃいけない人ですよ。本来ね。

(山里)いや(笑)。相当たくさん作ってらっしゃいますよね。

(町山)あとね、宮藤官九郎さん監督の映画で、『中学生円山』ってありましたよね?

(山里)あ、見ました!

(町山)見たでしょ?あれってラジオで非常に放送しにくいコンセプトですよね?

(赤江)いろんな妄想がね・・・

(町山)そう。要するに中学生の時に主人公の円山くんっていう男の子が、自分で背中をグググッと丸めたら、自分のアレが口でアレできるんじゃないか?って、一生懸命毎日運動するっていうよくわからない映画なんですが(笑)。

(山里)そうでした。

(町山)あれはクドカンさん自身がそうやったってインタビューで答えてますけども。で、できなかった!って言ってましたね。できなかったと。園子温監督は、できたんですよ!

(赤江)(爆笑)

(山里)町山さん!町山さん!

(町山)できたんですよ。

(赤江)体、やわらかいんですか。園子温監督は。

(町山)体、やわらかいんですね。園子温監督は。

(山里)町山さん、その説明をたくさん受けて、僕らはその方が作った作品をどう聞けばいいんですか?

(町山)でも、これを前提にして見るといいですよ。はい。

(赤江・山里)ええーっ!?

(町山)これが前提ですから。で、できたんだけど、まあやってみたらどうだったかは、今度夜の時間に話しますが(笑)。夜のたまむすびっていうね、夜のお菓子みたいなのがあるといいんですけど。

(山里)(笑)。夜たま。

(町山)で、この人はね、昔映画撮りながら、ずっと食えなかったんですけど。ストリート・パフォーマンスみたいなことをやり始めて。映画に飽きちゃって、『東京ガガガ』っていう、昔寺山修司さんがやっていたようなね、即興劇みたいなのをやり始めるんですよ。渋谷のハチ公前で。要するに、ドッキリカメラみたいなものですね。早い話がね。

(山里)おおー。

(町山)何をやっていたと思います?渋谷のハチ公前で。園子温が。

(赤江)人が多いところですよ。ハチ公前で。

(町山)ハチ公を2つぐらい、余計に作ったんですよ。

(山里)えっ!?作る?

(町山)ハチ公の銅像そっくりのものを、2つか3つ、余計に作ってあそこに置いておいたんですね。

(赤江)(笑)。また、いらんことを・・・

(町山)『ハチ公前で待ち合わせ』とか、テレクラとかで待ち合わせしたバカどもがですね、どこで待ち合わせていいかわからなくなるっていうね(笑)。で、それすごいのは、本当にやって、途中からハチ公自体を引っ張って動かしちゃうんですよ。

(赤江)えっ!?あれ、動きます?

(町山)スーって移動させちゃうんですよ。本物のハチ公じゃなくて。本物のハチ公は隠しといて、ニセ物のハチ公を動かしちゃうんですよ。で、ハチ公で待ち合わせって言ってたひとたち、どんどんそれについて行くんですね。

(赤江)(笑)。嘘でしょ?

(町山)(笑)。ということをやっていた人なんですけどね。それが園子温監督なんですけども。でもね、僕はね、ずっとこういう人だと思ってて。ただ、2008年かな?2009年かに、彼が監督した『愛のむきだし』っていうのを見てですね。

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(山里)はい。

(町山)ビックリしてですね。その年、クリント・イーストウッド監督の『グラン・トリノ』っていう映画をその年のベスト1にしようと思ってたんですね。12月31日の出来事なんですが。31日か30日かなんですけども。

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(赤江)はい。

(町山)で、たまたま大掃除が終わったんで、その愛のむきだしを見てたらですね、大傑作なんですよ!で、いきなりその年のベスト1にしたってことがあって。愛のむきだしは本当にすごい映画なんで、是非見ていただきたいんですけどね。

(赤江・山里)わかりました。

(町山)あのね、道行く女の人のパンツの中を隠し撮りしている、盗撮魔の話なんですね。パンチラ写真の帝王と呼ばれている男の子が出てくるんですよ。それで、その子の義理の妹がある宗教団体に入って、その宗教団体から脱退させようとする話なんですよね。なにを言ってるか、全くわからないみたいですね。2人とも(笑)。

(赤江・山里)はい。

(町山)僕はどこかおかしくなってると思ってるんだと思うんですけど(笑)。そういう話なんですよ。しかもこれ、園子温監督の友達に起こった実話なんですよ。本当にパンチラの帝王がいて、宗教団体から妹を脱退させたってことがあったんですけどね。で、それを元にしてるんですけど。そういうね、普通に説明しても本当の映画のストーリーだって信じてもらえないのが園監督の映画の特徴なんですけども。

(山里)しかもそれが実話ベースっていうのがすごいですね!

(町山)それが実話ベースなんです。で、今度の新しい映画の『地獄でなぜ悪い』っていうのも実話なんですよ。実話ベースなんですよ。でね、これね、まずヤクザの組が2つ出てきまして。1つの組はですね、國村隼さんが組長で。もう1つの組は堤真一さんが組長なんですね。

(赤江・山里)はい。

(町山)で、國村隼さんの奥さんっていうのが、極道の妻がですね、友近さんですね。

(山里)あ、ピッタリだわ。たぶん。

(町山)すごいいいんですよ。この演技が。ものすごく強くて、堤真一の組の組員を皆殺しにしちゃうんですね。たった1人で。友近さんが。で、このシーンがすごいんですけども。血糊をタンクローリー1杯くらいぶちまけるぐらいの血糊が出てくるんですよ。そこでバタフライとか泳げそうなぐらいの血糊の中を、堤真一が泳いだりするっていうすごいシーンがあるんですけども。

(山里)(笑)

(町山)それが冒頭でですね。で、堤真一が友近さんに刺されて、『痛てえ・・・』って言いながらふらふら歩いてると、そこに長谷川博己さんが来るんですよ。長谷川博己さんはあれですね、最近だと『鈴木先生』。

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(山里)あと、『家政婦のミタ』の旦那さんですよね。

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(町山)そう。家政婦のミタのダメなお父さんですね。

(赤江)『八重の桜』でもね、旦那さんでしたよ。

(町山)そうそうそう。まあ、インテリっぽい人ですけども。この映画では、バカです。映画バカの学生なんですね。長谷川博己さんが。それが、ヤクザが血を流して、堤真一が歩いてるのを見てですね、『おおっ!すげー!本物のヤクザ!かっこいい!すいません、映画撮らせてください!』って言って、撮り始めるんですよ。血流してふらふらしてるのを。で、堤真一の方も、『俺、そんなかっこいいか?ああー・・・』って言いながら、喜んで撮られてるっていうね、みんなバカなんですね。出てくる人が。

(赤江・山里)(笑)

(町山)みんなどこかちょっとおかしい人たちなんですけど。でもこの映画、みんな実話が元になってるとこでね、本当にバカというのは大変だと思いますけど。で、長谷川博己は『ファックボンバーズ』というですね、バカみたいな名前の映画集団をやっていて。自主映画を貧乏で、本当に儲からないんだけどやり続けている男たちなんですね。で、そこにもう1つ、國村隼の組の組長の娘っていうのが出てきて。それも元アイドルで、二階堂ふみさんが演じてるんですね。

(山里)ふーん。

(町山)で、この二階堂ふみ。自分の娘を映画のスタートしてデビューさせて映画を撮ろうとしている男が、國村隼なんですよ。ヤクザの組を挙げて映画を製作しようとしてるわけですよ。組員全員でスタッフやって。

(赤江)ヤクザなのに、映画を撮ろうと。

(町山)そうなんですよ。ところが、自分のその大事な娘が、アイドルにしようとしている娘が、なんか男がいるみたいだってことになって。その男をつかまえて、拉致監禁して、拷問するわけですね。その連れて行かれる情けない男っていうのが出てくるんですけど、それが星野源さんなんです。

(赤江)あ、星野源さん。はい。

(町山)はい。っていう話なんですけども。で、これ話が3つあって。要するに映画を作ろうとしているヤクザと、全然金にならない映画を作っている長谷川博己扮する映画集団と、二階堂ふみの恋人だと思われて拷問されている男の話って、3つの話があるわけですけど。これが最後に、この地獄でなぜ悪いっていう映画は3つが1つに収斂していくんですよ。こう、グーッと。

(赤江・山里)へえー!

(町山)それで最後はですね、もうなんて言うかですね、仁義なき戦いとバトル・ロワイアルとキル・ビルとですね、史上最大の作戦をごっちゃにしてドラゴン怒りの鉄拳を入れたようなですね。プライベートライアンをそこにちょっと足したような、グチャグチャな大血まみれ・大殺戮大会に突入していくんですよ。

(赤江・山里)ほう!

(町山)で、この映画、コメディなんですね。

(山里)でしょうね!

(町山)コメディでしょうね!って思いますよね(笑)。で、これね、面白いのが、ヤクザに監禁されたヘナチョコ男っていうのは、園子温自身なんですよ。

(赤江)えっ、これ、実話?

(町山)これも本当なんですよ。園子温は知らないである女の子とエッチしたら、いつの間にかその女の子が自分のお父さん、ヤクザの組長に『私はレイプされた』とか言っちゃったらしいんですよ。

(赤江)あらららら・・・

(町山)で、お前か!って言って組に監禁されたってことがあったんですね。園子温監督は。

(山里)実話なんだ。すげー。

(町山)それがまず1つ、元になってて。もう1つは、ファックボンバーズっていうどうしようもない貧乏な映画集団って、これも園子温自身なんですよ。

(赤江・山里)はー!

(町山)若いころの。この人、40ぐらいまで食えなかったんで。長いんですよ。ファックボンバーズ歴が。ずっとやってたんですよ、ファックボンバーズを(笑)。で、この人たちが『よし、ブルース・リーの映画を撮ろう!』とか言って、死亡遊戯っていう映画でブルース・リーが着てる黄色いトラックスーツっていうのがあるんですね。つなぎ。それを着て児童遊園で映画を撮ってるわけですよ。カンフー映画を。

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(赤江・山里)ふん。

(町山)児童遊園でですよ。子供の公園ね。そこで映画撮ってるわけですよ。アチョー!とか言って撮ってるわけですけど。すると子供たちに見つかって、バカだ!バカだ!とか言って石投げられたりするんですけど。これも、実話なんですよ。

(赤江・山里)へー!

(町山)しかも、そこで石投げられたような男っていうのは、園子温と一緒にブルース・リー映画撮っていた人っていうのは、僕が作ってた『映画秘宝』って雑誌の編集長なんですよ。田野辺くんっていうんですけど。田野辺くんっていうのは、映画秘宝作る直前まで、園子温とそういうことしてたんですよ。

(赤江・山里)へー!

(町山)どうしようもない、発表のあてもないクンフー映画を、公園で子供にバカにされながら撮ってたんですよ。

(山里)ファックボンバーズ!

(町山)ファックボンバーズ。っていうね、彼自身の本当にあった情けない話を映画にしてて。しかも、ヤクザが映画を撮ってるっていうのも、本当なんですよ。いちばん有名な映画を撮っていたヤクザの人っていうのは、大映っていう映画会社の社長の永田(雅一)さんですね。ガメラとか撮っていた大映の社長の永田さんは元々暴力団の組員ですよね。

(赤江・山里)へー!

(町山)映画が好きで映画会社はじめた人ですけど。それ以外にも、実はVシネとかそういうの撮ってる人たちっていうのは、実は暴力団関係の人が多いんですよ。

(赤江)そっかそっか。

(町山)昔からヤクザの人は映画界にいるんですけど。ただ、彼ら金儲けしようとして来てるんじゃないんですよ。本っ当に映画が好きなんですよ!すっごい詳しいんですよ。映画関係に入ってるヤクザの人と話をすると。お前、何にもしらねーな!って言われるんですよ。

(赤江)いろいろつながってきますね。

(町山)ヤクザになる人たちって、ロマンチストが多いから、映画とか好きなんですよ。だからお金儲けると、『じゃあなにかやろう。映画撮ろうじゃねーか!』って言って映画撮るんですよ。本当に。具体的に名前は出せませんが!

(赤江)そうですね(笑)。

(町山)はい。三池崇史監督も、そういった映画を撮ったことがあるんですけども。みんな、やってるわけですけど(笑)。そういうものなんです。はい。だからね、これね、本当にバカバカしい映画に見えるんですけど。見ると。具体的にどうなるかって言うと、ヤクザが本当に抗争するんですよ。血まみれの。それを映画に同時に撮るんですよ。で、ヤクザ全員が同意してるんですよ。その映画の撮影に。『映画だから思いっきりやんなきゃなー!』って言いながら、殺し合いするんですけど。バカバカしいんですけど、ほとんど本当の話っていうのが困ったもんなんですけどね(笑)。

(山里)それがすごい・・・

(町山)でね、やっぱりこれ見るとすごいのは、もう映画のためなら死んでもいい!って思っている人たちばっかりなんですよ。出てくる人たちが。で、本当に腕がもげようが何しようが、いいシーン撮れた!とか言ってるわけですよ。

(赤江・山里)へー!

(赤江)町山さんはその点にはすごく共感されるんですか?

(町山)ものすごく共感しましたよ!だって。ほぼ映画史上初じゃないですか。本当の暴力団の抗争を撮影できたら。そのために、歴史に名が残るから死んでもいい!って思いますよね。思わない?

(山里)ごめんなさい。そこまでは僕ら、ちょっとまだ・・・

(町山)いや、だからそれは『風立ちぬ』と同じですよ。

(赤江)そうなんですね。

(町山)そういうもののためなら、死んでもいい!という人たちは、いるんですよ。で、わからない人にはわからないんですよ。

(赤江・山里)うんうんうん。

(町山)あとね、『桐島、部活やめるってよ』にも近いものがあります。

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(山里)そうなんですか?

(町山)あれも映画をただ撮っている。なんのために撮っているか?わからない。ただ好きだから撮ってるんだ!っていう人の話ですよね。これもそういう話なんですよ。だからね、非常に最後は感動するんですよ。散々笑いますけどね。バカじゃねーの?と。でもいいんだもん。映画バカだからっていうね。そういうちゃんとした感動もある、素晴らしい映画でしたね。

(赤江)そうですか。

(町山)先にいっぱい園子温に関しての、いろいろな伝説のような知識を入れ過ぎたんで。まともに話を聞けないと思いますが(笑)。

(山里)そうですね。だいぶ偏った目線にはなりました。

(町山)この人、だってあれですよ。昔、チラシで自分の自主映画に客を呼ぶために、『ペルリン国際映画祭招待作品』って書いてたんですよ。この人。

(赤江)(笑)

(山里)それ、もちろん招待されてないのに。

(町山)いや、『”ベ”ルリン』じゃなくて、『”ペ”ルリン』ッて書いて。

(赤江)あ、ペルリンにしてるのね!ペルリンだったらいいかなって。

(町山)そう。点か丸かって、印刷するとよくわかんないじゃないですか?

(赤江)なかなかね、枠に収まりきらない方でね。そうですか・・・

(町山)そういう人なんでね。もう、酒飲むと大変なんですけどね。

(山里)町山さん、親友ということで(笑)。

(町山)はい。で、この映画、もうすぐ公開です。

(赤江)そうですね。

(山里)9月28日か。

(赤江)今日は園子温監督最新作、地獄でなぜ悪いをご紹介いただきました。

(町山)9月28日公開です!

(赤江)ということで、いやー、猛烈に見たくなりましたね。

(山里)見たい!実話なんだもん。

(町山)とんでもない話です。もう、タイトルどおりです。

(赤江)町山さんへの理解も深まるという感じもいたしますね。

(町山)そんなことないですよ。一緒にしないでください。はい。

(赤江)(笑)。ありがとうございました。

(山里)ありがとうございました。

(町山)どうもでした!

<書き起こしおわり>



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