町山智浩映画解説 マット・デイモン主演『エリジウム』

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で、マット・デイモン主演、ニール・ブロムカンプ監督のSF大作『エリジウム』について話していました。


(赤江珠緒)それでは映画評論家の町山智浩さんのお話うかがいましょう。今日はカリフォルニア州バークレーのご自宅からお電話でのご出演です。もしもし、町山さん。

(町山智浩)はい、もしもし、町山です。よろしくお願いします。

(赤江・山里)よろしくお願いします。

(町山)今日はちょっと話すことがいっぱいあるんで、サクサク行きます。

(山里)お願いします!

(赤江)今週は?

(町山)マット・デイモン主演のSF大作『エリジウム』を紹介します。エリジウムっていうのはですね、ギリシャ神話に出てくる選ばれた人だけが行ける天国のことです。これね、エリートっていう言葉があるじゃないですか。『彼はエリートよ』みたいなの。『隣の旦那さんは・・・』とか、そういうのあるじゃないですか。あれの語源がエリジウムらしいんですね。

(赤江・山里)へー。

(町山)エリュシオンってギリシャ語では言うんですけど。要するに、そこに選ばれた人をエリートっていうような説があるんですけど。で、そこに選ばれなかった人たちの話です。今回のエリジウムは。これね、何ですごくアメリカで注目されているかって、アメリカでいま大ヒットしてるんですけど。3日前に公開されて。これね、この監督がニール・ブロムカンプっていうすごく不思議な名前の人でね、この人が前に撮った映画が『第9地区』という映画だったんですけど、それが前、いきなりアカデミー賞候補になったんですよ。

『第9地区』


(赤江)へー。

(町山)で、このニール・ブロムカンプっていう人、非常に若い人で、南アフリカ出身の人なんですけど。まだアカデミー賞候補になった時は30才だったんですね。

(赤江)30才で。本当、若い監督で。

(町山)そう。だからスピルバーグみたいな天才っていう風に言われたんですよ。スピルバーグもまだそれぐらいで大ヒット飛ばしてるんで。はい。で、その人のハリウッドではじめての超大作ってことで、すごく注目されているのがエリジウムなんですよね。で、その第9地区っていう映画はSFアクションなんですけども、すごくアカデミー賞作品賞候補になるぐらい作品として優れてたっていうことの説明をちょっとしなきゃいけないんですけど。

(山里)はい。

(町山)第9地区って話はね、南アフリカ映画で南アフリカが舞台なんですけど。ある日、宇宙から巨大な、宇宙人をいっぱい乗せた宇宙船が来てですね、そこで動けなくなっちゃって。それに乗っていた人たちは難民になっちゃうんですよ。

(赤江)宇宙人が?

(町山)宇宙人が難民になっちゃうんですよ。で、その人たちの難民キャンプができるんですね。南アフリカに。ところがその宇宙人たちは人間と全く違うね、エビみたいな形の宇宙人なんですよ。

(赤江)本当だ。写真ありますけども。まあ、二足歩行してますが。見事に顔は違いますね。

(町山)立ってるエビですよね。しかも、食べると美味しいんですけど。本当なんですけど(笑)。で、この人たちをどうしよう?って南アフリカの人たち、困っちゃうんですよ。このエビ星人たちは仕事とかできないし、コミュニケーションがうまくとれないんで、どんどん難民化していって、貧困化していくんですよ。

(山里)宇宙人が。

(町山)宇宙人がどんどん貧しくなっていって、スラム化していくんで、周りの人たちは嫌がるんですね。で、この人たちを砂漠の荒野のど真ん中に強制移住させちゃえ!っていう話になるんですよ。で、これはアメリカで第二次大戦中に日系人の人たちは砂漠の酷いところに強制移住させられましたけど、そういうことをやろうということになるんですね。エビ星人たちを。で、主人公はその強制移住をやる役人なんですよ。

(赤江)へー。

(町山)本当のしょぼい役人なんですけど。それでただ上から言われたとおりにこの人たちを強制移住させろ!とかやってるんですけど、ところがそこで偶然ある液体を浴びて、彼自身がエビになっていくんですよ。それで今度、エビになったら周りの人たちから、地球人たちからものすごく差別されはじめるんですね。徹底的に。宇宙人と同じように。で、これどういう話なのかっていうと、この映画は南アフリカで昔、アパルトヘイトがあった時に育った人が監督なんですね。ブロムカンプさんっていう人は。

(赤江・山里)はー!

(町山)まさに南アフリカでアパルトヘイトっていう人種隔離政策があった時に起こっていたことをSFにしたんですよ。つまり、黒人の人たちがすっごい貧しいバラックとか酷いところに押し込められていたわけですね。そこから出ちゃいけなくて。で、支配している白人たちは都会で優雅に暮らしてるっていうのが。しかも南アフリカっていうのは金とかダイヤモンドとかが取れるんで、その土地から掘れたもので悠々暮らしてると。白人たちは。その土地の本来の持ち主である黒人たちは非常に貧しいところで、水さえ飲むことができないみたいな状況があったわけですけども。その状況っていうものを宇宙人・地球人の関係に置きかえたんですね。第9地区って映画は。

(山里)はー、なるほど!

(町山)はい。難民の話にしてますけども。しかも、主人公は普通に宇宙人を差別してた役人なのが、自分自身が宇宙人になることで差別される側の気持ちが分かるって話なんですよ。っていう深い話で。第9地区っていうのはそのスラムのことなんですね。宇宙人が住んでいる。で、ところがそれまで役人だった時には奥さんとか上司とかにペコペコして自分自身は自分の気持ちを抑えて生きていたのが、宇宙人になって差別されて戦うことで自分自身の本来の心を取り戻していくっていう、非常に感動的な話なんですよ。

(山里)へー!?

(町山)それが第9地区っていう映画で。で、最後の方は非常に日本のアニメーションに影響を受けて。日本のマクロスとかですね・・・マクロスって分かりますか?

(山里)分かります。はい。

(町山)巨大ロボットアニメがあって。そのマクロスとかイデオンの中でですね、ロボットが大量のミサイルを同時発射するっていうシーンがあるんですね。これ、分からない話かもしれないですけど、板野一郎さんっていうアニメーターが作ったシーンでですね。すごいミサイルが飛び交うシーンがあって、それを実写でですね、マクロスのシーンを第9地区っていうのはやってみせたんですよ。

(赤江・山里)へえ!

(町山)それが、エビになった主人公がパワードスーツっていうですね、機動外骨格というものを着るんですね。これもまた分からないかもしれないですけど、機動外骨格っていうのは要するに、足とか悪くなった時に、外側にフレームを付けるじゃないですか。体を支えるときに。そこに動力をつけたものなんですよ。だからジャンプ力とか走る力とか腕の力とかが何倍にもなるんですね。それをつけて主人公が軍隊と戦うっていうシーンが第9地区のクライマックスになってて。そのアクションシーンもすごく評価されたんで、このブロムカンプっていう人はすごい!ということで、みんな・・・

(赤江)30才にしてね。

(町山)若い、結構イケメンなんですけど。この人の、ハリウッドで超大作を作るっていうんで、すごい期待されていたのが今回のエリジウムっていう映画なんですね。

(赤江)へー!この第9地区っていうのは、あんまり有名な俳優さんは出てなかったそうですね。

(町山)あ、南アフリカなんで、知らないんですよね。しかもこれ、見てもね、南アフリカ訛りの英語でしゃべってるから、なに言ってるか全然分からないっていう非常に困った映画が第9地区だったんですけど。で、これのスタッフがですね、アメリカで作ったエリジウムっていう話は、宇宙にスペースコロニーっていうのが作られるんですよ。これ、分かるかな?スペースコロニーって。あの、ガンダムに出てくるサイド7とか・・・

(赤江)分かります。

(町山)要するに地球の衛星軌道上に巨大な人工の宇宙ステーションを作って、その中に山とか川とかを作ってですね。遠心力を使って重力を作って、地球とそっくりの環境を宇宙に浮かべちゃうっていう方式なんですね。で、これは実際にアメリカは検討してたこともあるんですけど。それが作られている時代の話なんですよ。そこはすごく高級リゾート地みたいなところで、金持ちばっかりが住んでいるんですね。そのエリジウムって言われているスペースコロニーは。

(山里)はい。

(町山)ところが、地球はどうなっているか?っていうと、貧乏人しか住んでないんですよ。その頃は。

(赤江)なんで地球はそんな貧乏人ばっかりになっちゃってるんですか?

(町山)これははっきりと説明はないんですけど、環境破壊みたいですね。で、金持ちたちは宇宙に逃げちゃったんですね。巨大宇宙ステーションの中に。エリジウムっていう宇宙ステーションに逃げちゃって、そこで悠々暮らしてると。でも、労働とかそういったことは、全部地球で貧乏人にやらせてるんですよ。最低賃金で働かせて。で、彼らはものすごく環境が汚染された中で最低賃金で、貧しく水も飲めないようなところで、スラムの中でみんな工場とかで働かされるっていう世界なんですね。

(赤江・山里)ふん。

(町山)で、いちばん問題なのは、病気になってもちゃんとした医療を受けられないんですよ。地球に住んでいる貧乏な人たちは。ところがエリジウムでは、医療ポッドっていう医療カプセルがあって、そこに寝るだけでどんな病気でも治すっていう技術を持っているんですよ。地上ではちょっとした病気で子供とかバタバタ死んでいってると。いうところで、マット・デイモン、主人公が出てくるんですけども。マット・デイモンはその工場で働いているんですね。ロボット作って。ところが非常に過酷な労働条件で、危険な労働条件なんで、原子力のエンジンのところでですね、放射線で体、被曝しちゃうんですよ。マット・デイモンは。

(赤江)うん。

(町山)それ、いちばん始まりのところなんですけど。で、『君の命はあと5日しかないよ』って言われるんですよ。放射線障害によって。で、えーっ!っつって。でもこれは、宇宙のエリジウムに行って治療を受ければ治るってことで、なんとか行きたい!っつって、不法移民みたいな形でですね、秘密にエリジウムに貧乏な人たちを運ばせている業者があるんですよ。その業者にたのんで、なんとかエリジウムにこっそり行って体を治してほしいんだ!って言うと、『OK。分かった。じゃあ金よこせ』って言われるんです。金なんかないわけですね。貧乏な労働者だから。マット・デイモンは。そしたら、『よし、分かった。お前には、ある仕事をやってもらおう』って言ってですね、マット・デイモンにやっぱりさっき言った強化機動外骨格をつけて仕事をさせようとするんですよ。運び屋が。

(山里)ふん。

(町山)これ、ややこしいですけど。強化機動外骨格ってさっき言ったガンダムみたいな、体に着るパワードスーツのことなんですけど。つけるだけで力が強くなるようなものなんですけど。この映画のポイントは、それをつける時にですね、普通着たり、ベルトとかフックとかで体に固定するんですけど、この映画は外骨格をネジで骨にねじ込むんですよ。

(赤江)うわー・・・装着とかのレベルじゃないんですね。

(町山)むちゃくちゃ・・・酷いなって思いましたけど。で、それをつけることで、要するに彼は放射線障害で体力が弱ってるんだけども、これをつけることで人の何倍ものスピードと力を持って敵と戦うことができるんで。それで、その運び屋の仕事、ある秘密の作業をやらされると。自分の命を救うためにと。いう話なんですね。それが発端のところなんですけど、あとはちょっといろんな展開していくんですけども。そうするとですね、そういう反逆分子とか運び屋をやっつける、殺し屋というかですね、そういうのが雇われてるんです。エリジウムから。

(山里)うんうんうん。

(町山)で、エリジウムに来ようとする貧乏人がいると、そいつらを邪魔したり殺したりするっていう仕事を請け負っている男が出てくるんですね。

(赤江)用心棒みたいな。エリジウムを守る。

(町山)用心棒みたいなものですね。はい。その彼がですね、なんと忍者なんですよ!

(赤江)えっ?忍者?ここで忍者?

(町山)ここで忍者なんですよ。背中にね、日本刀を背負ってて、手裏剣を投げるんですよ。言ってること、なんだかさっきから聞いてると、わけわかんないと思いますけども(笑)。その敵の忍者と、体に強化機動外骨格をつけたパワード・マット・デイモンがですね、戦うっていう話なんですよ。

(赤江)へー!

(山里)すごいマンガみたいな。

(町山)マンガみたいですね!僕も言ってて、少年ジャンプですか?とか思いましたけど。

(赤江)監督、忍者がお好きなのかしら?

(町山)忍者嫌いな人、この世にいるんですか!?

(山里)(爆笑)

(赤江)あ、なるほど!なるほどね。

(町山)いないと思います!くノ一もいいし。関係ないですが。はい。でね、聞いていると馬鹿馬鹿しいかもしれないんですけど、これはね、監督のブロムカンプ監督は、これは馬鹿馬鹿ないよ!って言ってるんですよ。これは未来の話じゃないんだと。これはSFの話にしてるけど、実際に世界で起こっている現実なんだ!って言ってるんですよ。インタビューで。

(山里)ふん。

(町山)なぜならば、いま世界の医学の治療っていうのは、すごいですよね。技術はね。もう、どんな病気も治るギリギリまで行ってるじゃないですか。すごいところまで行ってるんだけど、でもその治療を受けられる人は、全世界の中でほんの数%ですよ。

(赤江)本当ですね。差がありますね。

(町山)ねえ。だから、本当に貧しいところの人たち、子供たちっていうのは、汚れた水飲んでそのままコレラでバタバタ死んでいくっていう世界ですよ。ガンなんかになったら、貧しいところの人たちは絶対に治療なんか受けられないわけですよ。ところが、日本とかアメリカのお金持ちの人たちは、どんな治療でも受けられるわけじゃないですか。もうある程度。最新技術で。この差っていうものを、この世界に置きかえてるんですね。この話っていうのは。

(赤江・山里)へー!

(赤江)うーん、そのものですね。そう言われると。

(町山)でね、なんでこんなことを思いついたのか?っていうと、このブロムカンプっていう人がメキシコに遊びに行ったんですね。サンディエゴっていう町がアメリカにあるんでうすけど。いちばん南の端に。そこから車でちょっと国境を越えると、すぐティファナっていうメキシコの町に入るんですよ。そこに行くとなんでも手に入るんですね。悪いものがね。

(山里)悪いもの・・・武器とか?

(町山)はい。どんな薬でも、どんなエッチなものでも、全部手に入るんですけど。ティファナに行くと。で、そこに遊びに行ったらしいんですよ。ブロムカンプ監督が。

(赤江)なにしにいったんだろう?

(町山)いや、それは知りませんよ(笑)。行ったらね、すぐ警察に捕まっちゃったんですって。で、警察官はなんにも言わないで、そのままパトカーに彼らを乗せてですね、どんどんどんどんスラムの山奥の方の、山のてっぺんに行ったんですって。パトカーで。

(赤江)えっ、警官が?

(町山)警官が。パトカーに彼らを乗せて。問答無用で。もう、わけわかんないから。一言もしゃべらないから。警官たちが。とにかく、有り金ぜんぶ渡したらしいんですよ。見せて。そしたらね、いきなり黙って彼らがパトカーから下ろして、そのまま山のてっぺんに捨てて行っちゃったんですって。

(赤江・山里)ええっ!?

(町山)で、ブロンカンプたちは山のてっぺんから歩いて帰ったらしいんですけど。一文無しの状態で。その山の上の方っていうのは、本っ当に貧しい人たちが水道もないところで暮らしてたんですね。ガスも。

(赤江)はー。メキシコって山の方、そうなんですね。

(町山)そうなんですね。その時に、国境を越えて向こう側に、すぐそこに優雅なサンディエゴの高級住宅地が広がってたんですって。で、目の前に見えるんですよ。優雅なアメリカ人たちの高級住宅が。その地獄のようなスラムから。これは一体なんなんだ!?ってところから、これを宇宙と地上に置きかえてみようってことで、話を作っていったのが今回のエリジウムなんですって。

(赤江・山里)へー!すごい!

(町山)最初聞いて、少年ジャンプか?と思ったみたいですけど(笑)。実は深い話。

(赤江)そうですよ。人類に突きつけてますね。

(山里)いや、すごい楽しくワクワク見ながら、実際の歴史を知ることができるというか。考えさせられる感じになるんですね。

(町山)そうなんです。現実ですよね。だって、本当に水もないんですからね。世界の本当に貧しいところっていうか、何億人の人たちが水もないですよね。水道なんかないんですよね。だからそういうようなことっていうのを、地上と宇宙のエリジウムっていうスペースコロニーに置きかえてですね、描いてる映画で。主人公のマット・デイモンっていうのは、最初はなにも考えてないヤクザ者みたいな感じで出てくるんですけども、だんだん自分がやるべきことと、世界がどうしてこんな風に酷くなっているのか?ってことを気づいていくという、いいドラマでですね。

(山里)へー!

(町山)あと、ジョディ・フォスターさんが出てますね。

(赤江)ジョディ・フォスターさん。はい。

(町山)ジョディ・フォスターはエリジウムの管理官なんですよ。安全管理をしてて。難民が入ってくるとですね、難民たちを殺したりですね、捕まえて地球に送り返したりする仕事をしてるんですけども。

(赤江)なかなか冷酷な。

(町山)これは、アメリカで実際に起こっていることですよね。アメリカとメキシコの国境線を越えてメキシコ人たちが入ってくるわけですよ。仕事を求めてね。で、そうすると捕まえて強制的にメキシコに送り返したりしてるんですね。アメリカ政府はね。で、特にアリゾナの方ではミニットマンと呼ばれている右翼の自警団が銃を持って国境線を勝手にパトロールして、入ってくる人たちを殺そうとしてたりするんですよね。そういうようなことをね、ジョディ・フォスターがそういう仕事をやらせてるんですけども。

(赤江・山里)ふーん。

(町山)だからね、世界中のいろんな状況をですね、ひとつのSFの中に置きかえていくっていうね、これはホラー映画とかSF映画では、アメリカでは特にそうなんですけども、一見馬鹿馬鹿しいマンガのように見えても、実は現実を描いているというね、やり方があるんですけども。まあ、そういう。結構最後はですね、非常に感動的に。これ、涙出る感じで終わりましたよ、この映画。意外に。ああっ!と思いましたよ。

(赤江)あ、そうですか。

(山里)いや、だからそういうメッセージを知っておけば、見ている時に、うわー、派手な戦闘シーンだな!とか、いい者が勝て!ぐらいで終わるんじゃなくて、そういうのを考えながら見た方が、倍面白いですね。

(赤江)いやー、現実とね、このいろんな場所とこれ、合うような話だなと思ってみてると、どういう結末になるのか?すごい興味深いし、想像もつかないですね。

(町山)はい。やっぱりね、格差社会がアメリカは本当にすごくなってて。上位の方の1%ぐらいのお金持ちがアメリカの富の40%ぐらいを全部独占している状況なんですね。

(赤江)そうですね。医療保険だってもう、使えないですしね。

(町山)そうそう。医療保険は今、オバマ大統領がなんとか貧しい人たちの医療保険を税金で負担しようとしてるんですけども、まだ現在、実行されてないですから。病院に行けないまま死んでくんですよ。貧乏な人たちは。アメリカで、世界で最高の医療のあるアメリカで、そうなんですよね。しかもその、貧しい人たちに税金で医療保険を使わせてあげようとしたら、大反対されてて。今も反対されてるんですよ。

(赤江)そうですよ。

(町山)なんで貧乏人たちの医療保険料を俺たちの税金から払うんだ!?って怒ってるんですよ。みんな。

(赤江)でも、この映画がヒットしてるっていうのも、また不思議ですね。そのアメリカで。

(町山)(笑)。いや、それはアクション映画だと思って行くからですよ。だからそういうところに、隠しておくんですよ。言いたいことは。で、見た後、あれ?って思っているのがね・・・

(赤江)じわじわ効いてくるかもしれないですね。なるほど。

(町山)そうそう。ワサビが効いてるみたいな感じ。それがエリジウムって映画でしたけどね。本当に日本のマンガが大好きな人はね、感動すると思いますよ。俺、手裏剣投げるシーンでひっくり返りましたよ!

(山里)たしかに。ぶっ飛んだSFの映画なんだろうな?と思ったら、そんな深いメッセージがあるとは。そう思いながら見たら、絶対楽しい。

(町山)しかもその手裏剣がすごいんですよ!って、言わないですけど(笑)。えっ!?っていうね。この間のパシフィック・リムでも日本刀みたいなのが出てくるしね。やっぱりね、みんなアニメ見てるなと思いましたね。

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(山里)本当、日本のアニメのあこがれが。

(町山)影響力、すごいなと思いました。はい。

(赤江)ありがとうございました。今日は町山さんに映画エリジウム、ご紹介いただきました。日本ではですね、9月20日公開ということで。こちらもまもなく。

(山里)楽しみですね。第9地区、見ておいた方がいいですか?町山さん。

(町山)あ、第9地区、見たほうがいいですよ!第9地区、いい映画です。

(山里)了解でございます。見ときます!

(赤江)はい、町山さん。今週もありがとうございました。

(山里)ありがとうございました!

(町山)どうもでした!

<書き起こしおわり>

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