渡辺志保さんが2023年2月6日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で最多9部門にノミネートされながらも、グラミー主要部門の受賞を逃したビヨンセ、そしてケンドリック・ラマーについて話していました。
（渡辺志保）で、肝心のグラミーの中身なんですけれども。何から話せば……っていう感じなんですけど。今年はやっぱりビヨンセが最多の9部門にノミネートということで。主要部門にもばっちりノミネートされている。かつ、彼女はこれまでに何度も……最多ノミネートアーティストの仲間入りをしたわけですけれども。
だけれども、主要部門を獲得したのは『Single Ladies』でたった一度だけということがありましたし。『Renaissance』は本当にアメリカやイギリスの音楽メディア、もしくは一般的なメディアにおいても「今年のナンバーワンアルバムだ」みたいに評されることも多かったですし。
本当にね、主要部門をどれかひとつ、ビヨンセに……というか、私はもうアルバム・オブ・ザ・イヤーはもう絶対絶対ビヨンセの手に渡るという風に思ってたし。結構、中継で見ていたスタジオの雰囲気も「ビヨンセかな？」「ビヨンセでしょ！」みたいなムードはあったんですけど。まあ、ハリー・スタイルズの『Harry’s House』にアルバム・オブ・ザ・イヤーのトロフィーが渡り。そしてレコード・オブ・ザ・イヤー、ソング・オブ・ザ・イヤー も……っていう。まあ、リゾが取ったのは非常に喜ばしいなという風に感じましたけれども。ビヨンセは今年も主要部門のトロフィーをひとつも手にすることがなく、会場を後にすることになってしまったと。
グラミー史上最多のトロフィー数となったビヨンセ
Beyoncé stands alone on her Grammy throne.
With her fourth win Sunday, she has become the most decorated artist in the show’s history. https://t.co/lF6gWYm01w pic.twitter.com/hKPWBt4ukm
— The Associated Press (@AP) February 6, 2023
（渡辺志保）ただ、彼女がですね、今回で32個のトロフィーを合計で獲得しまして。これはグラミー史上最多のトロフィーの数なんですよね。これまでで歴代31個、持っていた方の記録を抜いて、ビヨンセがもう史上最多ということになったんですけれども。でも、やっぱり今年もね、R&Bのカテゴリー。もしくはダンスミュージックのカテゴリーでの受賞ということで。だから、やっぱり「その枠の中におれや」みたいな。そういう無言の圧力みたいなものを感じたし。で、ケンドリック・ラマーも同じく、ビヨンセに次ぐ8部門でのノミネートだったわけですけれども。
彼が受賞したのはその中でも、ベストラップアルバムで受賞ということで。もうベストラップアルバムがケンドリックの手に渡るのはもう、本当に……プシャ・Tとかジャック・ハロウとかフューチャーには申し訳ないけども。特にグラミー……これがBETアワードとかだったらまた違うのかもしれないけど。グラミーだったから、これはケンドリックの手に渡るだろうというのは割と明らかというか、確信してた方が多いと思うんですよね。
でもやっぱり彼ら……ビヨンセとかケンドリックみたいなアーティストがいかにそのジェネラルなフィールド、一般的なフィールドで爪痕を残すか？っていうのはひとつ、見どころだったと思うんですけど。やっぱりビヨンセはR&B。そしてケンドリックはラップのカテゴリーにいろっていうメッセージなのかな？って思ったし。
ここ数年、揺れ動き続けているグラミー
（渡辺志保）やっぱりちょっとね、ここ数年グラミーっていうのは非常に揺れ動いている賞レースなわけですけれども。で、毎年のようにグラミーのルールが変わり。トップのね役員の人たちが入れ替わり……ということがありまして。「今年こそ……」っていうね。こがけんさんとか、ずっとおっしゃってましたね。なんか私もビヨンセが主要部門を取れなくて、怒りというか、ちょっともやっとした気持ちみたいなのがありましたけど。
こがけんさんの方が私よりもすごく熱心に「グラミーが変わるには、もう本当に今年しかないんですよ！」みたいなことをおっしゃっていて。私以上にビヨンセに対する情熱をあらわにしていらっしゃって。「素晴らしいな」と思っていたんですけれども。なので、ハリー・スタイルズが素晴らしいというのはもちろんなんですけれども。アルバム……『Renaissance』が取ってほしかったな、みたいな気持ちがございました。
＜書き起こしおわり＞
