宇多丸さんが2022年8月22日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でずっと一気見していた『鳥人戦隊ジェットマン』を見終わってしまい、2022年に『ジェットマン』ロス状態になってしまったという話をしていました。
(宇多丸)すいません。ちょっと特撮おじさん化した話で申し訳ないんだけど。金曜日にムービーウォッチメンで『ドンブラザーズ』の劇場版『新・初恋ヒーロー』っていうのをやって。で、私はその流れで、遅まきながら。本当に遅まきので申し訳ないって、同じく脚本でメインライターを務められた井上敏樹さんが、前にメインライターを務められた戦隊物である『鳥人戦隊ジェットマン』っていう、1991年のシリーズ。それに改めてどハマりして。もうこの週末もずっと……ああ、すいません。(BGMを聞いて)『こころはタマゴ』。エンディング曲。名曲です。
『こころはタマゴ』
(宇多丸)この週末は『ジェットマン』の井上敏樹さんのノベライズ、3巻あるんですけど。それを読んだりとかするっていう。そのぐらい、2022年現在の『ジェットマン』ロスを埋めている最中なんですけど。こんなメール、すごい嬉しいメールをもらったんで。「マッカラン」さんです。マッカランさん、なるほど。マッカランと来たか!っていう感じで。これも『ジェットマン』を見ていればわかるんですけども。
「『アフター6ジャンクション』の皆様、こんばんは。失礼ながら私、今回初めてこのラジオを聞きました。聞いたきっかけはTwitterで『RHYMESTERの宇多丸がラジオでジェットマンを語っているぞ』というツイートを見たからです。またまた失礼ながら『どうせ(人間関係の)ドロドロが……』とか、『トレンディな戦隊物があってさ……』とか、世に溢れた薄っぺらい見方をしてるんだろうと半信半疑、期待をせずに聞いていました。
というのも自分は小学5年生の頃にレンタルビデオで全巻借りて(後追いで)見て以来、約20数年間『ジェットマン』を愛し続けてきました。この世に存在する様々な魅力的な特撮ヒーロー。しいては作品全体でナンバーワンの作品であり、存在なんです。なので上っ面の部分だけで語られるのは正直、面白くないのです。そんな気持ちもありながら聞いていると、どれだけ宇多丸さんが感動したのか。竜や凱たち5人の若者や、バイラムであるラディゲやグレイ(敵キャラクター)など。さらには脇を固めるキャラクターたちまでも『ちゃんと生きている』と言ってくれた。人間ドラマとしての側面に魅力を感じてくれたということがとても嬉しく、聞く前の自分をぶん殴ってやりたいです」という。
いやいや、すいませんね。本当に。私も遅かったんでね。「『ジェットマンの最終回は美しい』という言葉も『まさに! 本当、それ!』と何度も何度もうなずきました。正しく魅力を伝えていただけたことを1作品のファンとしてとても嬉しく思います」。いや、こんなに嬉しいことはない。そう言っていただけるとは。「宇多丸さんとは良い酒が飲めそうです。あ、自分はお酒得意じゃないのでホットミルク、砂糖抜きでお願いします」っていう。
これ、「ホットミルク砂糖抜き」っていうのはレッドホークに変身する天堂竜がブラックコンドル、結城凱がいるバーのところに来た時に、お酒は飲まないんで「ホットミルク、砂糖抜きで」ってたのむんですよ。あと、マッカランはその結城凱っていう、ハードボイルドで孤独な一匹狼なんだけど。彼が好む銘柄ということでマッカランが出てくる。いや、これは嬉しいですよね。
(熊崎風斗)本気で好きな人から、こういうメールが。
2022年にこのテンションで話をできる人がいない
(宇多丸)だから私は今ね、なにしろ1991年のシリーズである『ジェットマン』を遅まきながら『ジェットマン』ロスとか言ってるわけ。このテンションで話ができる人、周りにいないのよ。当たり前だけど(笑)。やっぱり周りの人は、ガイガン山崎とかもさ、「なにを今更」っていうところだから。そうなんですよ。だからマッカランさん、マジでもう飲み明かしたい(笑)。本当に。ノベライズ版はなかなかちょっとアダルトな描写もいっぱいあるような、井上敏樹さんの小説としても成り立っているような作品でございましたが。
で、結局このロスを埋めるには……『こころはタマゴ』も1日に何回リピートしているんだ?っていう感じなんだけども。「このロスを埋めるには……そうだ! もう1回見ればいい!」と思って。「また1話から見れば、またやつらがそこにいるから……」っていう状態で。本当に最高でした。『ジェットマン』。『こころはタマゴ』、最高!
<書き起こしおわり>