町山智浩『BILLIE ビリー』を語る

町山智浩『BILLIE ビリー』を語る たまむすび

町山智浩さんが2021年6月29日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でビリー・ホリデイの生涯を描いたドキュメンタリー映画『BILLIE ビリー』について話していました。

(町山智浩)今日はですね、7月2日から日本で映画が公開されるんですけど。角川シネマ有楽町で『BILLIE ビリー』という映画が公開されます。それはあの伝説的なアメリカのジャズシンガーでビリー・ホリデイという女性の生涯を描いたドキュメンタリー映画なんですけども。この番組でも話したかなと思うんですけども。ビリー・ホリデイは1939年に『奇妙な果実』という歌を歌ってえアメリカを騒然とさせたんですね。

「これは南部に行くと、木から奇妙な果実。果物がぶら下がっている」という歌詞なんですけど。それは、白人たちにリンチされて木から首吊りにされてぶら下げられている黒人の死体のことを歌った歌なんですよ。

ビリー・ホリデイ『奇妙な果実』

(赤江珠緒)ああーっ!

(町山智浩)で、これが当時、すごく問題になったのはまず実際にその黒人のリンチが多発している最中だった。リアルタイムだったっていうことと、黒人が白人に向かって差別を告発する歌というものはその当時、存在しなかったんです。今はですね、すごくヒップホップとか、いろんな形で黒人が自分たちの主張を歌うことは普通ですけど。当時は一切、そんなものは存在しなかったんですね。で、南部では黒人の人権がない時代だったんで。大変なことになりまして。

これを歌ったこの女性歌手のビリー・ホリデイっていう人はですね、FBIから追われることになるんですよ。で、その当時のFBIはエドガー・J・フーバーという差別的な長官が仕切っていまして。自分の思想的に気に食わない人間を潰すための思想警察だったんですね。で、そのビリー・ホリデイは麻薬をやっていまして。ヘロインとかをやってまして。まあ、その当時のミュージシャンの多くがやってたんですけれども。

で、それを使ってなんとか彼女を弾圧しようと追いかけ回すというのがこの『BILLIE ビリー』というドキュメンタリーなんですけども。もう、ひとつそのビリー・ホリデイがすごく苦労するのはですね、彼女が好きになる男がみんなね、なんていうかヒモ体質で。あまり働かなくて。彼女で金を稼ごうとして。しかもDVで彼女をガンガン殴るっていう男ばっかり好きになっちゃうという、そういうクセがビリー・ホリデイにはあったんですね。

で、さんざん苦労してま44歳で亡くなってしまうんですけども。まあ、そんな壮絶な人生のドキュメンタリー『BILLIE ビリー』が7月2日から公開なんです。

『BILLIE ビリー』予告

<書き起こしおわり>

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