サイプレス上野とSKY-HI オオスミタケシ(Big-O)を追悼する

サイプレス上野とSKY-HI オオスミタケシ(Big-O)を追悼する AbemaTV

サイプレス上野さん、SKY-HIさん、オカモトレイジさんが2021年2月3日放送のAbema『Music 水曜TheNIGHT』の中でヒップホップグループSHAKKAZOMBIEとしても活躍したデザイナー、オオスミタケシさんを追悼していました。

(オカモトレイジ)じゃあまずは、ちょっと……エムナイネーム「Watacker」さん。「本日、訃報があったBig-Oことオオスミさんのエピソードがあれば教えてください。衝撃すぎて今も現実とは思えないです」ということなんですけども。ちょっとびっくりしちゃったっすね。

(サイプレス上野)そうだね。本当に。

(SKY-HI)ご病気を患われていたっていうことですもんね?

(オカモトレイジ)みたいですね。あんまり詳しくはよく分かってないですけど。なんか、めちゃめちゃお世話になったとかっていうわけじゃないですけど。すごい好きな人だったので。何回かお会いした時にもいつも優しくしてもらって。

(SKY-HI)そうっすよね。いい人っすよね。

(サイプレス上野)めちゃめちゃいい人で。

(オカモトレイジ)みんなに愛されて。

(SKY-HI)そう。「かわいい」っていうか。なんていうんですかね? 愛嬌のすごいある方でしたし。

(サイプレス上野)体も本当に規格外で大きいから、やっぱり怖く見えちゃうんだけども、全然違って。超温和な人っていう。まあ、1995、6年とか。その前からもシーンにはもちろんいて。下北沢のスリッツとかでもライブををやっていて。BUDDHA BRANDとSHAKKAZOMBIEの「大神」っていうユニットがあったり。あとはもちろんSHAKKAZOMBIEという素晴らしいグループで活躍されたラッパーの方なんですけども。

あとは、スワッガー、フェノメノンとか、本当に世界に幅をきかすようなブランドを作り上げて。ファッションの方でもすごかったから。なんかそういう、なんていうか……結構本当に日本の中で先駆けて。たとえば海外のラッパーとか、セレブラッパーとかとも渡り合ってる人っていう。「あのオオスミ、HIDE BOWIEのブランド、ほしい」みたいな感じで来てたなっていうね。たぶん、ここのみんなの中では俺が一番歳は近いから。デビュー前からもう、雑誌とかで見てて。その時はまだ「ファット・ジョー大澄」って名前だったのよ。

ファット・ジョー大澄

(SKY-HI)あれですよね。たまにGhetto Hollywood氏とかがポストするやつっすよね?

(サイプレス上野)そう。『Fine』の切り抜きとかであって。で、その「大澄くん」みたいな扱いだったオオスミさんが、いわゆるリトルバード・ネイション。スチャダラパーのクルー系のナチュラルっていうレーベルからまずデビューして。その後、カッティングエッジでメジャーデビューするっていうので。だからLB系でもあって、さんぴんCAMP系でもあったっていう。だから両方に行き来できる超愛くるしい人なんだけど。あ、すいません。私ばっかりしゃべっていて。

(SKY-HI)いえいえ。一番関係も深いですし。

(サイプレス上野)だからそのフェノメノンの撮影とかにも呼んでもらったりとかして。なんか、若手とかちょっと年下とか、出てきたやつらに対して、はっきり言ってヒップホップの先輩とかって怖かったりとか。「何なの、お前?」みたいなことを山ほど経験してきたけど、オオスミさんはそういう年代のやつらを思いっきりフックアップするタイプの人で。スワッガー、フェノメノンのデザイナーとかも俺の親友だったりとか。店員とかもみんな、そうやっていて。そしたら、「ああ、サ上にこれあげて」みたいな感じで衣装とかを……俺たちなんて、なんにもやってないんだよ? その時なんて。

ロックウエストでライブをやって出禁を食らっているような時代になんか……「まさか、スワッガーやフェノメノンが俺に衣装をくれるの?」「だってお前と仲がいいんでしょう?」みたいな感じですごいやってくれて。だから金はないんだけど。「ボロは着てても心は錦」の逆で。錦の服は着てても心はボロボロなんだけど(笑)。そういう感じで優しくしてくれていて。だから、専門を卒業したばっかりのタメのやつらとかを本当にデザイナーとしていきなりもうフックアップしちゃうみたいな。

だから新しいことをどんどんやりたいっていうタイプだったと思うし。あと、ここでもよく話をするんだけど。レイジとね、D.Lさんの追悼イベント『D.L PRESENTS HUSTLERS CONVENTION NIGHT』。そのイベントの帰りに一緒に飲んだりとかしていたんだけども。

その時の楽屋がもう本当に先輩祭で。すごかったんだけど。俺とか一番最年少ぐらいの勢いでいたんだけど。オオスミさんが来たら、もう名だたる先輩たちが本当にその顎の肉とかをペタペタ触ったり、腹とかバンバン叩いていて。「オオスミ! お前、金持ちになってるな!」みたいことを言って。「そんなことないですよー」とかって言っていて。みんなが超楽しそうだったのよ(笑)。

「うわっ、この人、すげえな! 場の空気を作る天才なのかな?」とかちょっと思って。それを思うとね、なんかすごい……ヒップホップってハードな部分と、あと「Have Fun」でファニーな部分もあるから。そこをちゃんと取り持つ人だったのかなっていう気はしました。本当に。ただ残念ですよね。

「場の空気を作る天才」

(おかもとえみ)なんか「この曲、おすすめ」みたいなのはありますか?

(サイプレス上野)たぶんみんなそれぞれあると思うんだけど。やっぱり俺はSHAKKAZOMBIEのアルバムの中に入っていたオオスミさんのソロ曲で『空を取り戻した日』っていう曲があって。本当に……なんだろうな? 今までのラップの表現、1人で歌うっていうのを……感情的でもあるんだけど、ちょっとドライな部分もあったりとかして。そこは結構びっくりしたなっていうのがありますね。うん。

(オカモトレイジ)ありがとうございます。なんか、エピソードってありますか?

(SKY-HI)いや、俺もだから学生の時って、両方同じくらい好きだったから。そのラッパーとしての「わっ、SHAKKAZOMBIEのBig-Oだ!」みたいなテンションと、あとフェノメノンとかスワッガー……でも、買えないから。だから23くらいで、人生で初めてスワッガーの展示会に呼ばれたんですよね。

(サイプレス上野)うわっ、たまんねえな!

(SKY-HI)で、何を話せばいいかな、みたいな感じになるじゃないですか。見た目で分かるから。「ああ、この人、絶対にBig-Oだな!」っていう。で、こっちは怖いんですよ。そしたら「ああ、ありがとうね。ほしいのがあったら、どれでも言ってね!」って言ってくれて。まあ、普通にお金を払って買ってきましたけど(笑)。それはさすがに。でも、なんかその頃の俺とか、やっぱり優しい先輩が半分と、なんだろう? すげえナメられたり邪険にされるのが半分だったから、嬉しかったですね。純粋に。

(サイプレス上野)あの人、本当にそうだよね。

(SKY-HI)嬉しかったな。うん。そうですね。オオスミさんは俺とかがそういう……なんか、最初から優しい人でしたね。言葉にするのは難しいけど。

最初から優しい人

(サイプレス上野)そうだよね。だからあんまり人を選別してるとか、そういうところを見たことがないし、聞いたこともないっていうのがあって。ずっと笑いながら接してくれてたなっていう感じの人で。まあ、ちょっとヒップホップ特集ということなので、冒頭ではありますが、触れないわけにはいかないので。ちょっと最近、ヒップホップに関わる方々に訃報が多すぎて。残念でならないんですけど。なんとか、みんなで打開していくというか。一致団結してやっていければと思います。

<書き起こしおわり>

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