町山智浩さんが2020年4月21日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で韓国映画『エクストリーム・ジョブ』を紹介していました。
(町山智浩)ただね、映画が今、世界中どこでも公開されていないんで。映画雑誌をやっていくのも結構大変なんですけども。今回は家でネットで見れる映画をね、いくつか紹介しようと思ったんですけども。
(山里亮太)ありがたいです。このタイミングでご紹介していただけると。数がありすぎて、なにから見ていいのか悩んじゃっているんですよ。
(町山智浩)そうなんですね。で、これから少しずつ、今週来週とやっていこうと思いますけども。先週ね、紹介しようと思ったんだけど、大林宣彦監督がお亡くなりになったので予定を変更してしまったんですが。
(外山惠理)はい。
(町山智浩)先週はね、『エクストリーム・ジョブ』っていう韓国映画をご紹介しようと思ったんですよ。
(外山惠理)見ました!
(町山智浩)どうでしたか?
(外山惠理)面白かったです! 痛快!
(町山智浩)これね、劇場で結構当たったんですけども、劇場が閉まっちゃったから今、ネット配信されているんですよ。
(外山惠理)なんか最初から笑えて、最後はもう痛快で終わるみたいな。
(町山智浩)最後はね、熱くなるんですよ。これね、刑事物なんですよ。ポリスアクションなんですけど、主人公たちはダメなチームなんですよ。ソウル警察の。で、麻薬捜査班なんだけども、何やらせてもダメで。ドジでマヌケで。それで給料も上がらないんですね。それで立場が悪くて。それでね、これは韓国映画に皆さんが期待しているイケメンとか美男美女は出てこないんですけども。
まあ、ダメな人たちなんでね。それで給料が上がらなくて、奥さんとかとの関係もあんまりよくなくなってるんですよ。このチームのリーダーが仕事ばっかりしてるんでね。で、家に帰ってもね、奥さんが……こういうセリフが出てきましたね。「家に帰っても、奥さんがシャワーも浴びないんだ」っていうんですよ。要するに、エッチをさせる気がないっていう。
(山里亮太)はー!
(町山智浩)そう。旦那が仕事ばっかりで家のことをほったらかしにしているから。それでですね、ある麻薬組織があって。そこの向かいに張り込みをすることになったんですけども。その向いがね、潰れそうなフライドチキン屋さんなんですよ。そこにチームが入って、フライドチキン屋さんのふりをして張り込むんですけど。でも、店がやってないと怪しまれるから、彼らがフライドチキンを作り始めるんですよ。
(山里亮太)はいはい。
張り込み先のフライドチキン屋を営業させる
(町山智浩)そしたらね、刑事としてはダメなんだけど、フライドチキンだけは上手いんですよね(笑)。
(外山惠理)そうなのよ! その中の1人がめちゃくちゃ上手に作っちゃうの(笑)。ねえ! 面白いの!(笑)。
(町山智浩)あれがね、美味そうなんですよ!
(外山惠理)あのチキン、「食べたい!」って思うもん(笑)。
(町山智浩)撮影のせいでめっちゃくちゃ美味そうなんですよ。カリッカリのフライドチキンにすごく甘辛いタレをかけたやつなんですよ。韓国ではやっている、いわゆる韓国スタイルのフライドチキンなんですけども。で、日本から来た女の子たちにもバカウケで。それでまあ、そのフライドチキン屋が大儲けしちゃうんですよ。それで刑事の張り込みなのにお金を稼いじゃって。それで奥さんにブランド物のバッグを買ってあげたりするんですよね(笑)。
(外山惠理)そうそう! そうなんですよね。急に奥さんも態度が変わっちゃったりなんかして。面白かった。
(町山智浩)そうそう。「シャワー、浴びてくるわ!」なんて(笑)。でも、やっているうちに「なんで俺はこんな安い給料で刑事をやっているんだ? フライドチキン屋をやった方が儲かるんじゃないの?」っていうことで、刑事たちのアイデンティティが揺らいでいくっていう話なんですよ(笑)。
(外山惠理)そう。これ、面白かったですよ!
(山里亮太)まだこれ、配信しているんですもんね?
(外山惠理)してます。Paravi、U-NEXT、アマゾンプライムビデオなどで期間限定先行配信ということで。今なら見られます。
(山里亮太)急いで見ておきます!
(外山惠理)ねえ。本当に面白かった。
(町山智浩)これ、面白かったですよ!
『エクストリーム・ジョブ』予告編
<書き起こしおわり>