(吉田豪)皆さん、特にそうですよねフ。ィロソフィーのダンスは比較的皆さんセカンドキャリア組というか。
(十束おとは)そうですね。まあいろいろあっての今、みたいな感じはあるので。
(吉田豪)(コメントを見て)「就職経験も非公開のはずでは?」。ちゃんと本に出ていますよ(笑)。
(十束おとは)単行本に書いてあるので大丈夫です。
(吉田豪)大丈夫です。いろいろ非公開ルールがあったんですか?
(十束おとは)今は年齢のみですね。年齢だけですよね? 住所と年齢だけ(笑)。
(吉田豪)住所は明かさないでいいですよ(笑)。
(十束おとは)フフフ、住所と年齢のみな気がしますね(笑)。
(吉田豪)ほぼ住所を明かしてるの、僕ぐらいですよ(笑)。
(十束おとは)アハハハハハハハハッ! それはいいんですか? 家に来ませんか?
(吉田豪)たまに下に出待ちがいるらしいですよ。この『豪の部屋』の後で(笑)。大森靖子さんに出待ちがいたっていう話ですよ。わかる人にはわかっちゃうっていう。
(十束おとは)すごい! えっ、ないんですか? ピンポーンって開けたら……?
(吉田豪)ピンポンはないですけども。1回、僕は書評で厄介な人を批判したら、「お前をヤクザを使ってさらう」って脅された事があったんですよ。
(十束おとは)怖い!
(吉田豪)それで多少、気にしていた時に家に戻ってきたらすごい鋲の革ジャンを着たやつが僕のところにダーッと走ってきて。「なんだ?」って思ったら「小説家志望で小説を書いたから読んでほしい」って言われて……。
(十束おとは)フハハハハハハハハッ! いい話(笑)。
(吉田豪)「なんだ、それ? というか、なんでここにいるんですか?」っていう(笑)。
(十束おとは)怖っ! でもたしかに豪さんはTwitterとかで日々、なんか巻き込まれてるから。「お前、どうにかしてやるぞ」系は多そうですよね。
(吉田豪)でも、そんなにないですよ。それぐらいでしたよ。そういう厄介なことはそんなにはない。直接的には。
(十束おとは)へー! 結構Twitterを見てるとすごいなと思うことが多くて。そう。アイドルさんの駆け込み寺じゃないですけど……豪さんに話を聞いてもらったらアイドルが悩みが解決するみたいな感じの。何だろうな? 心の休まる場所なのかなと思ってるんですけども。
(吉田豪)もしね、加茂さんに許せないことがあったらいつでも僕、聞くんで(笑)。
(十束おとは)フフフ、加茂さんに許せないことがあったら直接言います(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハハハッ! 加茂さん、そういう圧を感じないからいいですよね?
加茂さんには何でも言える
(十束おとは)はい。もう何でも言えますからね。「加茂さん、やめて!」とか「加茂さん、ダメですよ!」って(笑)。
(吉田豪)そう。「平和でいいな」と思ったのが、最近トークショーで絡んだ時に皆さんがのびのびと加茂さんいじりをしていることで(笑)。
(十束おとは)フフフ、そうですね(笑)。
(吉田豪)「ああ、ここは風通しがいいな」と思って(笑)。
(十束おとは)そうなんですよ。なんか喧嘩した時も加茂さんが「ごめんね」って言わなかった時は「加茂さん、『ごめんね』は?」って言ったり(笑)。
(吉田豪)むしろメンバーが圧をかける感じ(笑)。
(十束おとは)そうなんですよ。家族みたいな感じですね。うん。
(吉田豪)(コメントを見て)「むしろ加茂さんの愚痴を聞いてあげて」っていうのが来てますよ?
(加茂啓太郎)フフフ(笑)。
(十束おとは)聞いてあげてますよね、加茂さん?
(加茂啓太郎)うん(笑)。
(十束おとは)フフフ、「うん」って言ってる(笑)。
(吉田豪)加茂さんも来てますからね。でも、ねえ。ずっと好きだったアイドルをやってみると、何か違いを感じます?
(十束おとは)うんと、私には……これ、語弊があるかもしれないですけども。「私には合っていないかもしれない」って思っています(笑)。
(吉田豪)それは始めてすぐにそう感じちゃった感じなんですか?
(十束おとは)ええと、なんか表に出る人と裏で働く人の違いが正直、今まであんまりわかっていなくて。表に出たい人は表に出たいから出ていて、裏で働いてる人は裏で働きたいから働いてると思っていたんですよね。だけど表に出てみると、表に出るために生まれてきたような人たちにいっぱい会うことになって。それで努力でそこまで、近いところまでは持っていくんですけど、それをひょいと超えるような、表に出るためだけに生まれてきたような人たちがまたいて。
それを思うと、なんか頑張れるからやり甲斐ももあるんですけど、「自分に合ってる仕事って一体なんだろう?」っていうポジティブな悩みが生まれてくるわけですよね。で、私はイベント当日にライブ会場でライブをしてるよりも、もしかしたらイベント当日まで何かを準備して……裏で準備して、裏で応援するのが合ってるのかなとか、まあいろいろ考えるわけですよ。という感じですかね。
表に出る人と裏の人、それぞれの適性
(吉田豪)うんうん。僕も表に出る予定じゃなかった人間なんですよ。「なぜここにいるんだろう?」感はすごいあって。
(十束おとは)うんうん。そうなんですよ。でもそれが、なんか暗いものではなくて、出てみなきゃ分からなかったことだし。まあ出て努力すればいくらでも自分の能力は伸ばせるし、気持ちも変えられるんですけど、やっぱり出るべくして出る人と、その「自分が何をするためにここに生まれてきたんだ?」みたいな問いはたぶんアイドルにならなければ生まれなかったんですよね。何となく生きてたと思うんですよ。
(吉田豪)ナチュラルに注目されたくて、ナチュラルで自分を出せる人と、無理やりそこに持っていっている人とではやっぱり違いますよね。
(十束おとは)そう、違うし、なんか承認欲求みたいなものを満たすと爆発的に力が伸びる人と、私みたいにそうではなくて自分が決めたところまで頑張って責任感で持っていって、そこで評価されて「ああ、次も頑張ろう」って思えるタイプの人と、もう本当にいろんな人がいるから。だから「自分に合った適職は何なんだろうな?」ってアイドルになってから考えたって感じですかね。
(吉田豪)僕なんかの場合は本当、表には出るとはいえ、基本は聞き手っていうサポート……ステージ上でサポートしてるみたいな意識だからまだ成立してるんですよ。これが僕が主役で何かやるようになったら、たぶん何かがおかしくなっていく。
(十束おとは)でもたぶん私も素はそちら寄りで。何かをサポートするのが適してるのかな?ってアイドルになって初めてわかったというか。でもアイドルはめちゃめちゃ楽しいです。うん。
(吉田豪)ライブとかも楽しいし。
(十束おとは)そう。楽しいし、努力するのも楽しいし、お仕事も楽しいし、何ひとつ不満はないだけど……まあいろんな仕事もできるし、いろんな可能性もあるのかな?ってアイドルになってからはさらに考えるようになったから。だからアイドルになってよかったなと。
(吉田豪)だからこそ、映像編集だなんだとか、表に出ながらやれることをいろいろやってみたいみたいな感じなんですね?
(十束おとは)そうですね。はい。
(吉田豪)うん。考えますね。ちゃんとね。
(十束おとは)本当ですか?
(吉田豪)いやいや、さすがですよ。大人だし。
(十束おとは)フフフ、やった。嬉しい。
(吉田豪)だってね、それこそメジャーデビューで「これから!」というタイミングで「向いてないと思う」って(笑)。それで「この次の仕事に向けての努力を……」みたいな(笑)。「今する話じゃないだろう?」っていう(笑)。
(十束おとは)アハハハハハハハハッ! いや、でもこれは別に「アイドルを辞めたい」とかそういう意味ではなくて、アイドルみんなが一応考えた方が……そのすごい類稀なる才能がある方は別に全然考えなくていいんですけども。
(吉田豪)いや、本当にその通り。
(十束おとは)でもアイドルで売れる人たちって本当に上位の0.何パーセントじゃないですか。それにあぶれた人たちって、辞めた後は何をして生きていくのか?っていうのが人生の課題になっちゃうんですよね。で、その時に辞めてからそれを考え始めたら、路頭に迷うことになるんですよ。だからちゃんとアイドルをやっているうちに「自分が何ができるのかな?」とか「もしかしたらこうしたいかも」って考えることは全然悪ではないし。やりたいことを見つけて、ちゃんとした契約満期で辞めていったアイドルを責めるのはおかしい!
アイドルを辞めた後、どうやって生きていくのか?
(吉田豪)うんうん。本当、その通りです! すごいな。そこまで本当、みんなちゃんと考えてほしいくらいですよ。うん。そうなんですよ。
(十束おとは)そう。私はそう思っています。
(吉田豪)辞めた後も成仏できないアイドルって本当に多いじゃないですか。
(十束おとは)でもそれもまたひとつの生き方というか。その子はステージでそれがしたいのかもしれないけど。でも、もしかしたらパワーポイントとかエクセルとかワードとかビジネスメールとか、そっちの方が向いているかもしれないし。でも、それを教えてくれる人がいないから、もしかしたらその一歩が踏み出せないのかもしれない。
(吉田豪)才能、何か向いているものがあるはずなのに、それに気付かないまま、もしかしたら向いていないことをやっているのかもしれない。
(十束おとは)そう。だからアイドルを対象にビジネスメールとかパワポとかエクセルとかワードとかを誰か教えてあげるから、誰か……。
(吉田豪)ああ、それ稼げますよ。本当に。
(十束おとは)やりましょうか?(笑)。
(吉田豪)やった方がいいよ、本当に。
(十束おとは)じゃあ、フィロソフィーのダンスの十束おとは宛まで。教えますので(笑)。
(吉田豪)これもセカンドキャリアになりますよ。そういうのを教えるビジネスで。
アイドルにビジネススキルを教えたい
(十束おとは)いや、でもやりたくて。別に今すぐ辞めるとかそういうわけは全くなくて。いつか自分が30代とか40代とかになった時、こうアイドルが悩みを相談できる場所みたいなのを、ちゃんとしたものを作ってあげたいなっていうのがあって。だいたい相談する大人がヤバかったりするパターンがあって。それで八方塞がりというか。ありません?
(吉田豪)その通りです!
(十束おとは)フフフ(笑)。
(吉田豪)全くその通りです(笑)。そうなんですよね。だから結局忙しい時、いろいろ学ばなきゃいけない時にアイドルしかできないから世界も狭くて。で、結局接点のある大人もほぼいないし。学校も行けてないしで。
(十束おとは)それで運営とかに相談したら、その運営がヤバいみたいな。そういうのってたぶんある話だと思うんですよね。これだけ数がいるから。
(吉田豪)僕が常々言っている「8割の運営は信用ができない」問題ですね。
「8割の運営は信用ができない」問題
(十束おとは)いや、私は「8割」とは言わないですよ?(笑)。今のは豪さんのですから(笑)。
(吉田豪)フフフ、常々言っているやつですよ。だいたい信用できないっていう(笑)。
(十束おとは)でもそれってとってもかわいそうで。だから豪さんとかに助けを求めるアイドルが……。
(吉田豪)だからそんなにしがらみがない客観性のある人があんまりいないわけですよね。結局。
(十束おとは)だからそういうところをちゃんと作ってあげた方がいいのかな?って、ちょっとアイドルをやりながらにして思って。他のアイドルはどう考えてるか、ちょっとわからないんですけど。
(吉田豪)基本、だから考えないままに駆け抜けて、アイドルを辞めた時に気づくっていう感じだと思うんですよ。
(十束おとは)でもそれぐらい全力でやってるっていうことだったら、それはそれでいいとは思うんですけど。
(吉田豪)その後のことをね。