町山智浩さんが2020年1月21日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で雑誌・映画秘宝の休刊号発売について話していました。
(町山智浩)今日はちょっと悲しい日なんですよ。
(赤江珠緒)ええっ?
(町山智浩)僕が25年前に創刊した雑誌・映画秘宝が今日で休刊なんですよ。
(赤江珠緒)おっしゃっていましたね。今日か。
(町山智浩)今日発売の号で終わりなんですよね。もう25五年やってきましたよ。四半世紀ですよ、もう。本当にね、人生の半分ぐらいやってるんですよ。ああ、もうちょっと長いか。俺の人生は。はい(笑)。
(山里亮太)今日発売の号ではどんな特集とかが組まれているんですか?
(町山智浩)今回はですね、去年の映画のベストテンとワーストテンを映画秘宝関係者全員で選んでますんで、ぜひお読みください。
映画秘宝2020年3月号
(山里亮太)それを手にしておけば、だって今からまた見逃したいいやつとかも追いかけられるし。
(赤江珠緒)そうですね。
(町山智浩)そうですね。だんだん映画秘宝のセレクションがアカデミー賞とかキネ旬とかの大物のベストテンと近くなってきてるっていうか、他が近くなってきているのか、なんかわからないんですけども。だから世の中がおかしくなって。映画秘宝が主流化しつつあるっていうことで、なんか映画秘宝が終わるのかなとかね、いろいろと考えますよ。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)だって今、アカデミー賞でね、今年のアカデミー賞を取りそうな映画って『ジョーカー』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』なんですよ。クエンティン・タランティーノのね。それ、どっちも昔だったら映画秘宝でしかベストスリーに入らないような映画ですよ。
(山里亮太)そうか。変わってきたんだ。
(町山智浩)そう。だからそれはね、どういうことなのかと思いますけどね。
(赤江珠緒)本当ですね。どういうことなんだろうな?
(山里亮太)今こそね、より一層……。
(赤江珠緒)でも、それが映画秘宝の今までの功績で。浸透してきているのかな?
(町山智浩)わからない。クエンティン・タランティーノとか、うちがずっと友達ノリで応援してたら、今度アカデミー賞取りそうですからね。『ジョーカー』なんてだってゲテモノ映画ですよ、一種の(笑)。
(赤江珠緒)そうですね(笑)。
(山里亮太)なんか取りそうですもんね。雰囲気として。
(町山智浩)だから映画秘宝のなんて言うか、ヤクザな映画をみんなで喜ぶみたいな仕事がですね、終わりつつあるのかとかいろいろ考えますよ。
(山里亮太)やっとその、映画秘宝の25年間でみんながこう、映画の見方とかを覚えてくれたのかみたいな……卒業みたいな感じなのかな?
映画秘宝の影響
(町山智浩)そういう感じですね。だから昔、セックス・ピストルズっていうバンドが出てきた時に「セックス・ピストルズ! とんでもねえバンド名だな!」とみんな、思ったわけですよ。「そんなバンド名が許されるのか!」っていうね。でも今は紅白歌合戦とかでポルノグラフィティとかが出てくる時代になっていますからね(笑)。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)「ポルノが……」とか言っているんですよ。「どうですか、次の?」とか。「これ、大変なことを言っているな!」って思いますよね。
(赤江珠緒)そうだ。そうですね。
(山里亮太)「さあ、次はポルノさんですよ!」ってね。
(町山智浩)「さあ、次はポルノさんです。ポルノ、大好き!」とかって言っているんですよね。って、全然関係ないよ、この話。映画秘宝とは(笑)。
(山里亮太)ああ、そうだった(笑)。
<書き起こしおわり>