スズキナオと宇多丸『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を語る

スズキナオと宇多丸『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を語る アフター6ジャンクション

スズキナオさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇垣美里さんと自身の著書『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』について話していました。

(宇多丸)で、そんなスズキナオさん、今月初の単著となる『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』。こちらがスタンド・ブックスより発売されたばかりです。我々もこちら、拝読してまいりました。

(宇垣美里)面白かったー!

(スズキナオ)ありがとうございます。

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(宇多丸)やっぱりね、スズキさんもパリッコさんとのあれもそうですけども。なんかね、楽しく生きる知恵というか術を本当にご存知ですよね。スズキさんはね。

(宇垣美里)ねえ(笑)。

(スズキナオ)なんか割と大阪に5年ぐらいまえに引っ越したんですけども……。

(宇多丸)すごいですよね。人形町育ちって東京のど真ん中。

(宇垣美里)ねえ。からの、大阪。

(宇多丸)まず、なんで大阪に行くことになったんですか?

(スズキナオ)それは家庭の事情で家族ごと大阪に移住しようみたいな話が持ち上がったのが5年ぐらい前だったんですよね。で、行ったはいいんですけど……で、東京では会社勤めをしていて、大阪に行ったのを機に一転、フリーライターを志した。名乗ったんですけども、最初は仕事が全然なくて、暇だけがある。お金はなくて(笑)。で、東京に友達がたくさんいるんで。その深夜高速バスが交通手段としていちばん安いんですよね。

(宇多丸)いくらぐらいなんですか? 東京まで。

(スズキナオ)平日だと2000円台からありますね。

(宇多丸)すげえ!

(宇垣美里)本当、それぐらい安いんです。

(宇多丸)ああ、宇垣さんも昔ね、就活の時に使われていたんですよね?

(宇垣美里)乗ってました。大学生の頃ですね。でも2000円のやつは本当に……。

スズキナオと宇垣美里 深夜高速バストーク

(スズキナオ)本当に、路線バスみたいな。4列シートで隣に知らない人が乗ってくるっていう(笑)。

(宇多丸)じゃあ、結構ピンキリなわけですね?

(宇垣美里)4列は結構ハードですね。

(スズキナオ)ハードですね(笑)。グレードがあって。もう少しお金を出すと、3列になってもうちょっと空間があったりするんですけども。

(宇多丸)あの、本の中に出てくるカーテンの仕切りとかがあるのは?

(スズキナオ)4列のでもありますね。

(宇多丸)ああ、2000円のでも?

(宇垣美里)基本、あると思いますよ。

(スズキナオ)隣の席との間にだいたいあるんですけども。

(宇垣美里)そこでだいたいケンカとか勃発したりするんですよ。

(宇多丸)ああ、そうなんですか?

(宇垣美里)なんとなくこう、領地のせめぎあいみたいなのになりますよね?

(スズキナオ)あります、あります(笑)。

(宇垣美里)微妙に肘でこう……。

(スズキナオ)取り合い(笑)。でも、不思議なもんで結構、最初はそうしていたのが最後は身を寄せ合うようにね。寒いんで(笑)。

(一同)フハハハハハハハハハッ!

(宇垣美里)仲良くなっている(笑)。

(スズキナオ)最後、だから友達みたいな気持ちになって。でもパッと着いたらまた散り散りになって。あの関係も不思議だなって。

(宇多丸)ああ、いいですね。一瞬だけ。

(スズキナオ)そう。だからこの本も別にバスの話ばっかりじゃないんですけども。そのバスに乗って行ったり来たりしている間に自分が取材したり、出会った店とか人とか。その話を書いた本っていう、そういう感じなんですね。

(宇多丸)いやー、毎回そうですけども。だからお金をかけずともとか、その特別なところに行かずとも、面白いこととか幸せなことって結構、その目の付け所。切り口次第というか。そこがやっぱり共通されているし。そこが、なんというかその視点が豊かなスズキさんとか、本当にやっぱりいいなって。

(スズキナオ)えっ、本当ですか?(笑)。

(宇多丸)羨ましくなるんですよね。

(宇垣美里)「やってみたい」って思うこと、いっぱいありました。

(宇多丸)楽しそう!っていう。

(スズキナオ)そうですか? 大したことはしていないんですけども。

(宇垣美里)お友達の家の家系ラーメンを食べてみようとか。

(宇多丸)家系ラーメンっていうね(笑)。

友達の家の家系ラーメン

(スズキナオ)そう。本当は横浜の家系ラーメンっていうのがあるんですよね。「◯◯家」とか。

(宇垣美里)そうじゃなくて、いわゆる実家のラーメンですもんね。

(スズキナオ)そう。実家のラーメンを友達の家に食べに行ったら、面白かったのはそのお母さんがラーメンを作ってくれたんですけども。スープを飲もうとしたら「スープは塩分が濃いからやめなさい!」って強制的に下げられるっていう(笑)。

(宇多丸)フフフ、通所のラーメン屋ではあり得ない(笑)。「スープ飲め、スープ飲め!」ってね、言われがちだけども。それはやっぱり家系……実家系ならではの。

(スズキナオ)お母さんが心配をしてくれるという。

(宇多丸)やさしみというね。ちなみにこんなのもありますけども。やっぱり大阪飲酒シーンは東京のそれとはやっぱり違いますか?

(スズキナオ)なんか、やっぱりそうですね。よく言うんですけども。なんていうか「安くて美味いのが当たり前だ」みたいな。だから中途半端な店はどんどんとなくなっていくんですよね(笑)。その人たちのシビアな目線にさらされて。だから結構、駅前のなんてことのなさそうな店でも入るとすごくサービスとかがいいっていう。

(宇多丸)生き残っているということは。バトルプルーフされている。

(スズキナオ)そういうことなんですよ。だし、その大阪と神戸とか京都でもまた全然違うんですよね。感じが。

(宇垣美里)そうですよね。

(宇多丸)ねえ。神戸、京都は宇垣さんもよく。

(宇垣美里)そうですね。大阪も通りますから。あの3つぐらいはわかるんですけども。

(宇多丸)なんかご存知のところがいっぱい出てきたっていう?

(宇垣美里)そう! たこせんべいとかこのへんは私も幼稚園の頃から高校ぐらいまではずっと走り回っていましたから。すごくよくわかる。たこせんの自販機とか、よう買ってたわっていう。

(スズキナオ)ああ、本当ですか? 本当の利用者だったんですね? それを探して旅に出たみたいな記事なんですけども……。

(宇垣美里)そう。だから読み始めてからも「なにゆえ?」って思いなが読んでいて。「隣駅なのに……」みたいな。もうどこにあるのかがわかっているから。「隣駅にあるのに……」みおたいな(笑)。

(宇多丸)ああ、土地勘がないとそれも冒険なんですよね。

(宇垣美里)そうですね。でもたしかに移動が楽しいっていうのはすごくわかるなって。

(宇多丸)それすらも面白みっていうか、それすらもアドベンチャーになっちゃうからさ。あと、やっぱり僕はですね、細かい割り勘……細かすぎる厳密な割り勘をするという遊び?(笑)。

(スズキナオ)遊び(笑)。

厳密すぎる割り勘

(宇多丸)でも俺ね、これ突っ込ませていただくと、唐揚げを何個食べたレベルまで飲み代を厳密に割り勘する飲み会っていうことでいろいろとやるじゃないですか。「チャーハンをこれだけ食べたから……」とか。それはさ、割り勘って言わないんじゃないの?っていう(笑)。

(スズキナオ)いや、そうですよね(笑)。

(宇多丸)割り勘っていうのは強制的に割るのが割り勘で。これはただの「別々に……」っていうやつじゃないの?(笑)。

(スズキナオ)というのは、割り勘で自分がどれだけ人によって差があるのかを検証するみたいな。割り勘の真実に迫るというか。

(宇多丸)お酒を飲んでいない人とかね。割り勘ってざっくりとやっているけども。たしかに、お酒を飲まない人に対して俺はめちゃ飲むから。だから多めに出しますよ。多めに出すけど……なんかその塩梅がわからないなっていうのはありますよね。

(スズキナオ)だからこれをやって以降……やった時はみんな面白がりながら、「でも味気ないね」って言ってやったんですけども。でもその後は結構戦略的に飲めるようになったっていう(笑)。

(宇多丸)貧乏くさいな!(笑)。

(一同)フハハハハハハハハッ!

(宇垣美里)損をしないように(笑)。

(スズキナオ)食べたくなくても食べた方がいいんですよ、やっぱり。唐揚げとか。

(宇垣美里)元を取るために?(笑)。

(宇多丸)その考え方、どうだ? なにかいちばん根本のところを見失っている気がする……(笑)。

(スズキナオ)デザートも食べておいた方がいいですね。最後に。

(宇垣美里)デザートが意外と高いんですよね?(笑)。

(宇多丸)でもこれさえもエンタメにするあたりが最高ですね。やっぱりね。ということで、いろいろと楽しめるヒントみたいなのもいっぱい載っている本で、最高でございました。

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(スズキナオ)ありがとうございます。

<書き起こしおわり>

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