町山智浩『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』を語る

町山智浩『ロング・ショット』を語る たまむすび

(町山智浩)ねえ。だからこれ、すごいなって思って。で、「なんであなたはそんなにきれいで頭もよくて国務長官なのに彼氏とかいなかったんですか?」ってセス・ローゲンに聞かれたシャーリーズ・セロンは「だって、あなたよりも優秀で才能があって背も高くて。なにもかも優れている相手って嫌じゃないの?」っていう風に言うんですよ。それで「大抵の男性はそれで嫌になっちゃうのよ。しかも『私はものすごく忙しくて。あなたは私の影として私をサポートして支えていくっていうことをできるの?』っていう風に聞くと、みんな大抵は『うーん、できるよ……』って言いながらも、ちんこは萎えているわ」って言うんですよ。

(赤江珠緒)ありゃー!

(町山智浩)そうするとセス・ローゲンは「いや、俺は全然大丈夫!」って言うんですよ(笑)。

(赤江珠緒)フハハハハハハッ!

(町山智浩)「むしろその方が、俺にはいい」っていうね。だからこれは新しいですよ。うん。で、かかっている曲なんですけども、これは『プリティ・ウーマン』の主題曲ですよね。『It Must Have Been Love』っていうね。

(町山智浩)「it’s over now」っていう。「あれは愛だったのかしら?」って。リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが1週間、すごすんですよ。でもやっぱり、はっきり言うとジュリア・ロバーツはコールガールだから。だから弁護士に「別れろ」って言われて別れるんですね。ところが2人が1人きりになって、いままでの2人ですごした1週間を思い出すと、「やっぱりあれは愛だったの!」っていう風に思うというところで、この曲が流れるんですよ。

(赤江珠緒)ほう!

(町山智浩)『プリティ・ウーマン』ね。で、まったくそういうシーンがあるんですよ。この『ロング・ショット』にも。男女は逆ですからね。しかも、ものすごい下ネタが絡んでくるんですよ。そこのシーンに(笑)。本当に下品な。

(赤江珠緒)「ロング・ショット」っていうのはどういう意味なんですか?

ロング・ショット=見込みがない

(町山智浩)「ロング・ショット(Long Shot)」っていうのは「見込みがない」っていう意味なんですよ。あのね、遠くから物を狙って撃つと、なかなか当たらないじゃないですか。だから、政治家になろうとする候補者でも、見込みがない泡沫候補のことを「ロング・ショット」って言うんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)そう。だからこれ、ロング・ショットっていうのにはいろんな意味があって。彼女自身が大統領候補であることもあるし、もちろんセス・ローゲンにとって彼女はまったく見込みのない高嶺の花だという意味もあるんですよね。ああ、そうか! 日本だとドラマで『高嶺の花』があったね!

(赤江珠緒)ああ、そうですね。最近のドラマでね。たしかにそうだ! 石原さとみさんの。

(町山智浩)あれがあった。日本の方が早いかもしれない。

(赤江珠緒)じゃあ、いまの時代にね。

(山里亮太)この映画、いろいろと参考になりそうだもん。

(町山智浩)そう。これからはこれだよ、山ちゃん!

(山里亮太)これですね、町山さん! これは絶対に勉強しなきゃ!

(町山智浩)すごい上の人ほどね、高嶺の花と思われてなかなか近づいてもらえなくて寂しい思いをしているから。思いっきり、いちばん無理そうなのを狙った方がいいよ!

(山里亮太)ですね。ちょっとセス・ローゲン先生に今回……。

(赤江珠緒)フフフ、そうですね。

(町山智浩)いろいろと勉強になる映画なんで。めちゃくちゃ面白かったですけども。

(赤江珠緒)ただ、『ロング・ショット』はいまのところ日本公開は未定という……。(※2020年1月3日から日本公開!)。

(山里亮太)勉強できなーい!

(町山智浩)フフフ(笑)。セス・ローゲンだからかな?

(山里亮太)どっかで見られないですかね、これ? めっちゃ見たい!

(町山智浩)日本では、うーん。セス・ローゲンを見たい女性がどのぐらいいるのか?っていう揉んだがあって。でも、これからはこれですよ!

(山里亮太)ですね! 次世代の生き方。

(町山智浩)ということで、みんな楽しみにしてください。

(赤江珠緒)ねえ。音楽も90年代が多めということで。わかりました。今日は町山さんの『ロング・ショット』をご紹介いただきました。町山さん、ありがとうございました。

(山里亮太)ありがとうございました。

(町山智浩)どもでした!

<書き起こしおわり>

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