渡辺志保さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さん、宇垣美里さんと映画『オーシャンズ8』や『クレイジー・リッチ!』などでも大活躍中のアジア系女性ラッパー、オークワフィナ(Awkwafina)について話していました。
(渡辺志保)というわけでドレイクというラッパーを紹介させていただきました。
(渡辺志保)で、2人目なんですけどもこれはもしかしたら私よりも宇垣さんが「あっ、知ってる!っていう風に思うかもしれません。女性ラッパーなんですが、オークワフィナという名前、聞いたことがありますか?
(宇垣美里)コンスタンス!
(渡辺志保)そう、そうです! あの『オーシャンズ8』でもコンスタンス役を好演したオークワフィナ、アジア系アメリカ人でございますけれども。彼女は元々役者としてのキャリアをスタートする前に、ラッパーであるということで今日はこのオークワフィナの曲をみなさんに聞いていただきたいなと思ってやってまいりました。
(宇多丸)これ、ちなみに「オークワフィナ(Awkwafina)」って言っていますけども、読みの問題があって。
(渡辺志保)読み問題。どう思いますか?(笑)。
(宇多丸)「アクワフィナ」説がありますよね。
(渡辺志保)そうなんですよ。で、もともとは「アクアフィーナ(Aquafina)」っていう名前のペットボトルの水がアメリカにありまして。彼女自身、アクアフィーナをもともとの芸名にしていたらしいんですね。そのペットボトルのお水と同じ名前を芸名に。
We brought the refreshment backstage at last week's #Desigual fashion show! #RunwayRefresh #NYFW pic.twitter.com/B9a2Vi2XyT
— Aquafina (@Aquafina) 2016年9月12日
(宇多丸)「歌丸」にしちゃっていた感じですね。字のまんまで。
(渡辺志保)そんな感じなんですけど、「それ、アクアフィーナから訴えられるよ」って言われて、スペルを変えて「Awkwafina」。
(宇多丸)じゃあ読みは「オークワ」でいいの?
(渡辺志保)「オークワ」でいい気がします。私もいろいろとアメリカのインタビュー映像なんかも見て、どういう風に発音してるのかな?って思ったんですけど。その「アクアフィーナ」から「オークワフィナ」に変えた理由として「Awkward(オークワード)」っていう単語が英語であって。「気まずい」とか「奇妙な」っていう意味。「こういう場面、ちょっと気まずいな」っていう時に「I feel awkward.」って言ったりするんですよ。なのでその「Awkward」の「Awk」をくっつけているので、「オークワフィナ」かなと。
(宇多丸)ああ、じゃあ「オークワ」でいいのね。了解、了解。
(渡辺志保)でもって、私は本当に自分がバカでしょうがないと思っているんですけど、実はまだ『オーシャンズ8』を拝見していないんですよ。
(宇垣美里)ぜひ見てください!
(渡辺志保)だから『オーシャンズ8』を見てからこの場に来れば、宇垣さんとキャッキャキャッキャと『オーシャンズ8』トークができたのに!っていう。
(宇多丸)しかし、『オーシャンズ8』は見ていないが、もう1本のオークワフィナさん、これから日本でも公開されます。そしていま、全米でまさに映画の面では大ヒットを続けている『クレイジー・リッチ!』という作品。こちらはご覧になっているという?
(渡辺志保)そうなんですよ。私、実は先週ドレイクの地元でもあるカナダのトロント市に行く機会がございまして。そこでドレイクのライブを見に行く予定だったんですが、それがキャンセルになってしまって。
(宇多丸)これもひどい話なんですけどね。
(渡辺志保)でも、なぜキャンセルになったかというと、それこそ「#InMyFeelingsChallenge」をした、重病を患っている女の子の誕生日、その子の病院にお見舞いに行ったがためにキャンセルしてしまったから、まあそれはしょうがないなっていう感じがするんですけども。
(渡辺志保)なので、やることがなくなってしまった夜。しかも月曜日の深夜、どうするの?って思って。近くの映画館、ちょうどホテルから徒歩15分のところに映画館があって、上映作品を見ると『Crazy Rich Asians』って書いてあって。なので、平日の深夜に1人で見に行ったわけなんですね。
(宇多丸)ほうほう!
(渡辺志保)でもすごく見に行った甲斐がありました。で、観客の方も……まあ、平日の深夜でそんなに大きなシアターではないので、満席っていう感じではないんですけども。それでも席の50%ぐらいは埋まっておりまして。いろんな人種の方がいたんですよ。アジア人の女の子が1人いる女の子のグループとか、あとはヒスパニックと白人女性のカップルとか。アジア人のおじさんとか。。まあ私もそのアジア人の30代女性みたいな感じで1人で見に行ったわけなんですけど。で、アメリカ、北米の映画館に映画を見に行くという経験自体、私はちょっとはじめてだったんですけど、上映終了後に皆さんから拍手喝采だったんですよ。
(宇多丸・宇垣)へー!
(渡辺志保)やっぱりこの映画の大事なところってそのクレイジーでリッチなエイジアンズの話ですから。そのアメリカで生まれて、アメリカで暮らしたアジア人の物語ということで。で、映画館を出る時に私も「私もアジア人だからね!」ってちょっと胸を張りたくなるような、そんな気分になるような映画でした。
(宇多丸)ああ、そう。へー!
(宇垣美里)素敵!
(渡辺志保)だからその映画が本当にね、日本でどういう風に受けられるか?っていうのはちょっと私もすごく興味深いなと思ってはいるんですけども。で、やっぱりそのオークワフィナに関してすごく興味が湧いたっていうのはこの『クレイジー・リッチ!』……まあ、あえて私はやっぱり『Crazy Rich Asians』って言い続けたい。「Asians」を付けて呼び続けたいんですけども。
(宇垣美里)日本だと「Asians」がついてないんですよね?
(渡辺志保)ないのよ。だから、それはやっぱり日本人が自分たちが「Asian」だと思っていないからなのかなとか、そのへんはまた別の議論が必要だと思うんですけども。なので、やっぱりこのオークワフィナのコメディエンヌとしての演技が本当に最高中の最高でした!
『Crazy Rich Asians』で好演
(宇多丸)もう図らずもね、ここ1週間ぐらいのこの番組でいちばん名前が出た人ですからね。オークワフィナって。
(宇垣美里)たしかに!
(宇多丸)僕も『オーシャンズ8』評の中で「いちばんオークワフィナに注目している」っていう話をしたんで。じゃあ、ぜひ曲を。ラッパーですからね。
(渡辺志保)そう。だから彼女がどんな風にラップをしているのか?っていうのを聞いていただきたいと思います。オークワフィナで『Ghost』。
Awkwafina『Ghost』
(宇多丸)はい。オークワフィナ『Ghost』という曲を聞いていただいております。結構オーセンティックなラップというか。
(渡辺志保)なんかいろいろと彼女のインタビューとかを聞いていると、もともと10代の頃から楽曲製作なんかをしていたそうなんですね。で、自分でもトランペットを吹いていたりとか。あとは宇多丸さんならご存知かもしれないけど、ラガーディア高校っていうニューヨークにある名門の演劇とか楽器を学ぶ高校があるんですけど、そこ出身なんですよ。
(宇多丸)へー!
(渡辺志保)なのでたぶん、その演劇とか音楽製作、アーティストとしての土台はその頃にもうすでに形作られていたのではないかなと思います。
(宇多丸)そうなんだ! なかなかの優秀な。
(渡辺志保)で、ラップをやろうとしたきっかけももともとはネリーとかシスコが好きだったらしいんだけど、マジでラップをやってみようと思ったきっかけはジュラシック5とかモス・デフとか、ちょっとそういうコンシャスな、渋めのラッパーに影響されたという。
(宇多丸)見どころあり!
(渡辺志保)見どころありでございます。
(宇垣美里)今日は渡辺さんにおすすめのヒップホップアーティストとしてドレイク、そしてオークワフィナ。このお二人を紹介していただきました。最後にお知らせなど、ありますか?
(渡辺志保)はい。非常にTBSラジオさんでこういったことをアナウンスするのは恐縮なんですが、先ほど確認したらOKということで。明日の朝、放送されますNHKのテレビ番組『おはよう日本』であのケンドリック・ラマーのインタビュー映像が放映されるということで。
(宇多丸)はあ!?
(渡辺志保)この間、FUJI ROCK FESTIVALでメインステージを飾るアーティストとして来日したケンドリック・ラマーが唯一日本で答えたメディアがNHKさんだったという。で、そこの字幕の翻訳に私が携わらせていただいてまして。私もどんな映像になって流れるのか、わからないんですけども。めちゃめちゃいいことを……私、ひさしぶりにインタビューの文章を翻訳して涙が出た、みたいな。
(宇多丸・宇垣美里)へー!
(渡辺志保)すごく思慮深くて意義深い内容になっておりますので、朝ちょっと早起きして……。
【ケンドリック・ラマーがNHKに!】29日(水)「おはよう日本」。
世界中で共感を集めるラッパー、ケンドリック・ラマーさんの
独占インタビューを放送予定!どんなメッセージが…!? #けさクロ #ケンドリック・ラマー #KendrickLamar pic.twitter.com/6CaDg0eBsG— NHK おはよう日本 公式 (@nhk_ohayou) 2018年8月27日
(宇多丸)しかし、よりによって『おはよう日本』? なんでだよ!
(渡辺志保)そこはいろいろあったみたい。
(宇多丸)ああ、そう?
(宇垣美里)ちょっとミスマッチな感じも……(笑)。
(宇多丸)般若のアルバムにリスペクトを表してっていうことですかね?
(渡辺志保)そうですね。やっぱりね。昭和レコードさんにビガップを……。
(宇多丸)フハハハハハッ! 話が入り組んでいる! でも、これはすごい。聞きたい。
(渡辺志保)ちょっとチェックしていただければ。そして私もインターネットラジオ番組などなどやっておりますので。ぜひTwitterアカウントなどフォローしていただければなと思います。
(宇多丸)『INSIDE OUT』、よろしくお願いします。
(渡辺志保)ありがとうございます!
(宇垣美里)渡辺志保さん、ありがとうございました。
<書き起こしおわり>