松尾潔 CHEMISTRYとRuff Endzを語る

松尾潔 CHEMISTRYとRuff Endzを語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でCHEMISTRYの新曲『13ヶ月』をオンエアー。さらにかつてCHEMISTRYのプロデュース時に意識していた男性デュオ、ラフ・エンズの新曲『Virtuous Woman』についても紹介していました。

(松尾潔)今夜、最初にお届けするのは僕、松尾潔のプロデュース作品からです。CHEMISTRYで『13ヶ月』。

CHEMISTRY『13ヶ月』

CHEMISTRYで『13ヶ月』でした。これはCHEMISTRYの再始動をしてから2枚目となりますシングル『Heaven Only Knows/13ヶ月』。そのダブルリードシングルのリード曲のひとつですね。『13ヶ月』、今日はいち早くお届けいたしました。改めまして、こんばんは。松尾潔です・『松尾潔のメロウな夜』、みなさんのおかげでなんと9年目に突入いたします。ありがとうございます。番組の時間がこれまでより10分短くなるということをこの間申し上げましたけれども、ムード・トーンは全く変わらないんじゃないかという風に半分他人事のように言ってますが。変わりようがない、そんなフォーマットですから、これまでと同じようにごゆるりとお楽しみいただければと思っております。

さて、まずはレギュラープログラム、「メロウな風まかせ」で9年目をスタートしたいと思います。先ほど男性デュオのCHEMISTRYをご紹介しましたけれども、この番組はたくさんの男性デュオをご紹介してまいりました。そんな中でもCHEMISTRYとの関連ということで言いますとは、いまを遡ることもう早くも20年近く前になりますね。2000年頃、この2人をオーディションで発掘して、僕がデビューさせるという……まあ、その時のプロデュースをやったんですが。その時にイメージしていた男性デュオというのが何組かございます。

そのことを当時、つまびらかに知っていたわけではないで、いろんなの憶測というのを当時耳にすることがありました。一番多かったのは「K-Ci & JoJoを意識して作ったんですか?」と。あるいは「ワム!ですか?」。あるいは「狩人ですか?」って……これ、冗談じゃなくて本当に当時言われたんですよね。結構その「狩人以来」っていうフレーズがもう……(笑)。プロデュースした僕からすると、想定外もいいところで。「まずは狩人超えをしなければ」っていうのをよくチームで話し合っていた、そんな記憶がございます。まあ、超えたかどうかっていうのはね、皆さんがご判断されることかと思いますが。CHEMISTRYはCHEMISTRYの色合いを出して活動を続けることができている。これは本当に幸せなことだなと思います。

それで、先ほどいろんな当時ご質問を受けたなんて話をしましたが、その時に僕が一番お答えしていた名前というのは、実はラフ・エンズという人たちだったんですね。当時『No More』という曲がヒットして、まだその余韻がある頃でした。

このラフ・エンズという人たちがまあ、CHEMISTRYとはもちろん、日本とアメリカの違いはあれ、レーベルメイトだったということもありまして。このラフ・エンズを仰ぎ見ながら、まあR&Bと言い切ってしまうにはちょっと多様な音楽性を持ってたCHEMISTRYなんですが。まあ、R&Bオリエンテッドなデュオを目指す時にラフ・エンズを多分に意識していたことを覚えております。今日はそのラフ・エンズの久々のアルバムから1曲、ご紹介したいと思います。

CHEMISTRY同様、ラフ・エンズもしばらくデュオ活動をお休みしていたのですが、昨年久しぶりにアメリカのテレビシリーズのための曲だったのかな? 1曲、リユニオンして。この番組でもご紹介した記憶はございますが。それなかなかいい感じで、その時にもうアルバムの制作が始まっていたのかどうか、今年の頭に久々のアルバム『Soul Brothers』がリリースされました。

Soul Brothers
Posted at 2018.4.8
Ruff Endz
RuffEndz/CHANCE MUSIC GROUP LLC

ラフ・エンズ、一度離れてまたもう一度向き合うというところに尊い価値があるように思います。それでは、その『Soul Brothers』の中から1曲、ご紹介したいと思います。『Virtuous Woman』という曲でございまして。「Virtuous」というのはあんまりカタカナ英語にもなってないかなという気がしますね。「貞淑な」とか「高貴な」とかそういう意味ですけど、まあよく日本でも「貞淑な妻」なんて言い方。こういうフレーズの使い方っていうのはね、どこかで耳にされた事があるんじゃないかと思いますが。まさにそういう、ある種の理想的な女性についてラフ・エンズが歌っております。聞いてください。ラフ・エンズでラフフレンズで『Virtuous Woman』。

Ruff Endz『Virtuous Woman』

届けしましたのは男性デュオ、ラフ・エンズ久しぶりのアルバム『Soul Brothers』の中から『Virtuous Woman』でございました。昨年この番組でオンエアーした久しぶりの……ラフ・エンズとして久しぶりの曲『Speak to My Heart』っていう曲とは随分と趣が異なりますけれども。

こちらの『Virtuous Woman』の方がかつての代表曲『No More』の今様って気がしますね。『No More』が出たのが2000年のことですか。あれは当時アメリカのR&Bチャートではもちろんナンバーワンなんですけども、ナショナルチャートでも5位までという、上々の滑り出しだったんですがね。まあ、その後に本人たち、やっぱりデュオっていうのは見つめ合うのが大変な時期があるんでしょうね。ラフ・エンズはそもそも4人組で1人抜けて2人抜けてデュオになったという風に聞いております。そういう意味ではCHEMISTRYとは結成の経緯ってのがまるで違うわけで。まあ、それはその難しさもあっただろうと容易に推測できます。ですが、この男性デュオという形態でしか生まれえない、その妙味って言うんですかね。滋味深さみたいなものが僕は大変好んでおりまして。さっきもチラッと名前が出ましたワム!なんて言うのは、やっぱりジョージ・マイケルのソロとは違う魅力があったなと思いますね。

まあ、この話の前提になってるのはワム!ほど才能に偏りのあったデュオも珍しいとよく言われますよね。で、もちろんジョージとアンドリューの音楽的な才能とか、デビューした時点での才能の埋蔵量っていうんですかね。ポテンシャルって言うんですか。そういった物はもう随分な差があったことは残酷なぐらい、後に証明されてると思うんですが。やっぱりね、まさにこういうの化学反応、ケミストリーって言うんじゃないでしょうかね。2人になった時のあのポップな感じってのいうは最後まで、ジョージ・マイケルのソロでは聞けなかったかなという気さえいたします。

<書き起こしおわり>

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