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プチ鹿島『よりぬきサザエさん』をいま読む意味を語る

プチ鹿島『よりぬきサザエさん』をいま読む意味を語る 荻上チキSession22
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プチ鹿島さんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』に出演。時事問題がわかる漫画として『よりぬきサザエさん』を紹介し、2018年の現在、改めて『サザエさん』を読む意味を話していました。

(荻上チキ)鹿島さんが時事問題が感じられる漫画って、どうですか?

(プチ鹿島)僕はもともと時事ネタが好きになったきっかけの一冊がありまして。それが『よりぬきサザエさん』なんですよ。

(荻上チキ)ああ、『サザエさん』ですか。

(プチ鹿島)子供の頃、通っていた歯医者さんに全巻揃っていたんです。で、それは80年代だったんですけど、子供だったからそれを一生懸命読んでいたんですが、だいたい戦後から60年代、70年代と全部……朝日新聞の4コマ漫画ですからね。実は時事ネタ、社会風刺の漫画でもあるんですよ。

(トミヤマユキコ)そうか!

(荻上チキ)なるほど。

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実は時事ネタ、社会風刺の漫画

(プチ鹿島)たとえばね、カツオが勉強部屋で勉強しているんですけど、隣の部屋でサザエさんがまあ賑やかしているわけですよ。で、勉強にならない。で、カツオがガラッと戸を開けて「ベトナム戦争のそもそもの発端をご存知ですか?」って言ったら、「シーン!」ってなるわけですよ。「よし、これで当分おとなしいぞ!」っていう。

(荻上チキ)すごいな、カツオ!

(プチ鹿島)だからもう、めちゃくちゃ時事ネタじゃないですか。80年代の子供の頃にこれを読むと、「ああ、ベトナム戦争というのがあって、どうやら発端というのは大人がシーンとなってしまうぐらいややこしいもんなんだな」っていうのがわかるわけなんですよ。

(荻上チキ)はい。

(プチ鹿島)で、それがまた5年前に復刊されて、この歳になって改めて読んでみると「なるほどな」と思うものもありまして。70年ぐらいに、サザエさん一家が遊園地に行くんです。そこは超満員で、支配人室にいる支配人に「満員の入りです!」って従業員が教えに来るんです。だけど、支配人は頭を抱えて悩んでいるわけです。なんでかな?って思ったら、「10数年後、核家族は3.5人になるんだぞ!」って。まあ、未来のことを心配しすぎて頭を抱えているんですけど……。

(荻上チキ)ほう!

(プチ鹿島)これは当時としては、「また、そんな先のことを!」って言うんですけど、それを読んでいる意味はそのまさに未来で、3.5人どころじゃないんですよ。(※2016年の1世帯あたりの平均人員は2.47人)。

(荻上チキ)そうですね。

(プチ鹿島)だから、過去の話なんだけどいま、改めて読むと新しいという。だから僕、お風呂とかでいまでも読んでいます。

(荻上チキ)サザエさんを(笑)。

(プチ鹿島)で、カツオがやり手なんですよ。

(荻上チキ)そうですね。その当時のサザエさんというのはひとつの家族モデルとして描かれたんですけど、でも時代は変化していくわけじゃないですか。

(プチ鹿島)そう。だから先ほど、働き方のことをいくつか、作品を挙げられていましたけども。そこも徐々に変化しているというのがわかるわけです。大家族で、たまにマスオとか波平さんが「じゃあ、俺らが料理を作るよ」みたいな。それが一大事、珍しいことみたいなことで。で、料理を焦がして、やらかして。「やっぱり任せられないよ」みたいなことになるんですけど、いまはそういうのって、もう普通になっていますよね。

(荻上チキ)そうですね。

(プチ鹿島)だけど、男の人が台所に入るっていうだけで1本ネタができるっていう。あと、面白いのが、とにかく泥棒ネタが多いんですよ。

(荻上チキ)あ、多いですね!

(プチ鹿島)いかに50年代、60年代、70年代、泥棒が多いか?っていう。あと、縁側があるから、(隣の家と)地続きでコミュニケーションが良くも悪くも取れちゃう。だから、近所の人ともコミュニケーションが取れたりして。あと、押し売りネタも多いですよね。

(荻上チキ)はいはい。

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当時の治安の悪さ

(プチ鹿島)あの頃を美化する人もいるけど、やっぱり治安が悪かったんだよねっていうのを、これを読むと改めて思います。

(荻上チキ)アハハハハッ! 植田まさしさんの漫画もやっぱり押し売りと泥棒、多かったですよね。

(プチ鹿島)すごい場合は1週間に2、3回、泥棒ネタがありますから。やっぱりそれは当時としては最大の問題だったんだろうなと思いますよね。

(荻上チキ)だって統計的に、いまよりも治安は悪いですからね。逆に言うと、クレヨンしんちゃんの家には泥棒、なかなか入らないですからね(笑)。

(プチ鹿島)なかなか入らない。でも、それをみんなで結束して退治するとかっていう、逆のコミュニティーの厚さっていうのもあるんですけどね。そのへんもいま読むと新しいなと。

(荻上チキ)そうですね。たとえば、いま連載している風刺漫画とか4コマ漫画はどうですか? 時事ネタとして。

(プチ鹿島)『コボちゃん』ですね。『コボちゃん』は普遍で、あれって紙で新聞を取っている人が読むという前提じゃないですか。だから、子供でもいちばん読みやすい、社会面の端に置いてあるじゃないですか。だからたぶん、おそらく新聞としてはあそこはいちばん読んでほしい記事が『コボちゃん』の隣りにあるんだろうなと僕は思うんですよ。

(荻上チキ)フフフ(笑)。『コボちゃん』の目線の先に。

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『コボちゃん』の隣がいちばん読んでほしい記事

(プチ鹿島)そうすると、チキさん。だから去年の5月22日。読売新聞で不思議な記事が出たんです。「前川前次官の出会い系バー通い」っていう記事がコボちゃんの隣にバン!って出たんです。だから読売としては、これをいちばん読んでほしいよっていうメッセージなんだけど、よく読むと、過去のことなんですよね。

(荻上チキ)そうですね。

(プチ鹿島)なにこれ?っていう。「出会い系バーに2年前に行っていた」って、なにそれ?っていう話なんだけど、点と点とを合わせていくと、どうやら加計学園問題の情報線が始まっているのかな? 誰かに「書け」と言われているのかな?っていう、そういうのが『コボちゃん』の隣りにあるからこそ、誰でも、子供にも目に触れるからこそ、いちばん読んでほしいページ、記事の配置なんだなっていうのがわかります。

プチ鹿島 2017年新聞報道 歴史に残る情報戦を語る
プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で2017年の新聞報道を振り返り。2017年に起きた歴史の残る新聞報道の情報戦について紹介していました。

(荻上チキ)うん。

(プチ鹿島)だから、朝日新聞が今回、(森友学園関連文書の)書き換えの記事を出しましたけども。来週ぐらい、読売新聞の『コボちゃん』の隣にどういう記事が出てくるのか? 僕は注目しています。

(荻上チキ)そうですね(笑)。コボちゃんがなにか文書を書き換えているシーンとか、もしかしたら逆に出てくるかもしれない。

(プチ鹿島)フハハハハッ! 「書き換えじゃなくて、これは推敲していたんだ!」みたいなね。コボちゃんの言い訳が始まっちゃったりして。

(荻上チキ)「夏休みの宿題 バージョン2」とかね。いろんなバージョンがあるよって。

(プチ鹿島)そういう行間を読むのも好きですね。

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やり手・磯野カツオ

この放送と同じ週の『東京ポッド許可局』でもプチ鹿島さんがサザエさんに登場するカツオのやり手ぶりを話していました。以下、そのトークの書き起こしです。

(プチ鹿島)まあ、カツオっていうのは本当にやり手でね。

(サンキュータツオ)フフフ(笑)。毎回入りが一緒だな! 古典落語みたいだよ(笑)。

(プチ鹿島)本当にカツオがやり手なんですよ。知恵が回って、でもどこか愛嬌があって。大人に叱られながらも、褒められるっていう。いまでも忘れられないのが、波平が突然「よーし、避難訓練するぞ!」って言い出したんですよ。で、「みんな、大事なものを取りに行け!」って言って。で、みんなパーッと四方八方に散らばるんですよ。だけどカツオは澄ました顔で動かない。で、波平が「お前も早く大事なものを取りに行きなさい!」って言ったら、波平をおんぶしちゃったんですよ。

(マキタ・タツオ)フハハハハハッ!

(プチ鹿島)で、4コマ目。「お兄ちゃん、ズルい!」ってワカメが言っていて、ピカピカのスケート靴を買ってもらっているカツオと、遠くの方でにんまりしている波平が描かれていて。あれはね、なんなんだろうな?って思った。

(マキタスポーツ)星野仙一だ。

(プチ鹿島)「オヤジ!」って。まあ、本当のオヤジなんだけどね(笑)。あれ、林間学校でしたかね。夏に、「あんたは本当に調子いいんだから、気をつけなさいよ!」みたいなことを言われつつ、カツオが行くんですけど。で、数日して帰ってきたら、もう(泊まった)旅館の主人もカツオと一緒に磯野家に来て。「どうかひとつ、うちの旅館の養子にしてくれませんか?」って。「あんたはまた、外面がいいんだから!」って。

(マキタ・タツオ)アハハハハッ!

(プチ鹿島)やり手なんですよ。

(マキタスポーツ)やり手だね。出世するね。

(プチ鹿島)あれ、昔の自民党の地方支部、青年部にいたタイプですね。入るタイプですよ、あれは。

(サンキュータツオ)政治家ですよね。

(プチ鹿島)政治家ですね。

(マキタスポーツ)オヤジにかわいがられてね。

(プチ鹿島)そうそう。すぐに「オヤジ!」って呼ぶよ、あれ。

(サンキュータツオ)そうだね。

(マキタスポーツ)言えるんだな。

<書き起こしおわり>

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