菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』韓流最高会議で2017年にソウルを訪れて感じた日本人観光客の変化について韓東賢さん、鳥居咲子さんと話していました。
(菊地成孔)でもね、ソウルに行ったばっかりですよ。面白かったですよ。テレビ番組。
(韓東賢)何を見ていたんですか?
(菊地成孔)あのね、ラップバトルの番組やっているの。『SHOW ME THE MONEY』っていう。『SHOW ME THE MONEY』のね、LA編とニューヨーク編が半端なかったです。
(韓東賢)あっちでやるんですか?
(菊地成孔)やるの。『SHOW ME THE MONEY』をLAとニューヨークでやるんです。
(韓東賢)誰が来るんですか? あっちの人?
(菊地成孔)そうそう。あっちの人が。
(鳥居咲子)あっちに住んでいる韓国系の人だったり。アメリカ人の方もいるんですけど。
(菊地成孔)全然水準的に合衆国人のラッパーと全然変わらないっていうか。まあ、それも面白かったですけど、全体にいろいろとソウルはちょっと、いまね、インスタジェニックと化していて。
(韓東賢)どこに行っても?
(菊地成孔)どこもそうですけど。ちょっとした地方もそうだし。とにかくいまね、ソウルに行っている日本人は2種類しかいなくて。昔みたいにコスメのために来ている人とか、サムゲタンを食いたくて来ている人とか、もういないんです。ソウルに来ている日本人は2種類しかいない。K-POPの追っかけか、あとはインスタのために、かわいい化粧品屋さんの上にあるプールで写真が撮りたい人だけ。
(韓・鳥居)アハハハハッ!
ソウルに来ている日本人は2種類しかいない
(菊地成孔)でね、ほぼほぼ宿を取っていないんです。ものすごい貧乏旅行で、セブンイレブンとかで夜通しカップヌードルかなんかで粘って。で、水で顔を洗って出かけるんですよ(笑)。だからなんていうか、ソウルでゆったりロッテホテルに泊まってああして、こうして……っていう人はもうあんまりいないんですね。日本人は。
(韓東賢)最近読んだなんかの記事では、韓国好き若い女子は、「韓国は好きだけど、遠いから……」っていう感じですもんね。
(菊地成孔)フハハハハッ!
(鳥居咲子)えっ?
(韓東賢)「韓国は好きだし、韓国の女の子たちかわいい。ああいう風になりたい」「じゃあ、行きたいか?」「いや、遠いから別に行くのはいいです」みたいな感じですね。
(菊地成孔)どこが近いの?
(韓東賢)日本国内。新大久保とか。
(菊地成孔)ああ、そうかそうか。そういう意味ね。
(韓東賢)だから別に、韓国そのものに行きたいとかっていうのは全然ないっていう感じですね。たまたま読んだ記事ですけど。
(鳥居咲子)でも、「今」っていう感じ。今の子たち。
(韓東賢)ですよね。あと、付き合う男の子も日本人の方がよい。かわいいからいいけど……なんかすごく今っぽいなと。
(鳥居咲子)今っぽい。すごい。
(韓東賢)もうちょっと上の世代だと、旅行に行っちゃうじゃないですか。ご飯を食べにとか、買い物をしにとか。そういうことに興味はないという。
(鳥居咲子)物理的に動かない。
(韓東賢)動かない。お金もないし、遠いし。単純に「遠い」っていうのがすごくなるほどなと思って。
(菊地成孔)うん。ソウルならびにソウル近郊はね、Instagramの名所をいくつか置きますよということで人をまだ集め得ている。特に明洞なんかさ、もう観光地としては死んだと思っているわけですよ。だけど明洞のど真ん中にいまかわいい子たちのInstagramで、いちばん上がプールになっていて。それでホテルのテイをなしていて、真ん中に綿飴屋さんとかがあるすごくかわいい化粧品屋さんがあって。そこでみんなね、化粧品も買うんだけど、写真を撮りに来るのよ。
(韓東賢)菊池さんも写真、撮りました?
(菊地成孔)もちろん撮りましたよ。(キッパリ)。
(鳥居咲子)アハハハハッ!
(韓東賢)それ、見せないと(笑)。
(菊地成孔)ラジオじゃないですか(笑)。
(鳥居咲子)インスタやらないとね。
(菊地成孔)インスタ、やらないですよ(笑)。
(韓東賢)ハッシュタグをいっぱい付けて(笑)。
(菊地成孔)ハハハ(笑)。Instagramやったら相当集める自信、ありますよ。いろんなエロいネタとか出せばいいんでしょ? あれ(笑)。
(韓東賢)ぜひ一緒に映り込みたいですよね。
(鳥居咲子)韓国人って日本人以上にTwitterはもう止めて、Instagramに集中しているじゃないですか。だからそういうスポットはより多そうですね。
(菊地成孔)多そうですよね。
(韓東賢)もともとね、自撮り好きだったのはアジア人ですからね。日本人がやっとそこに来たと思ったら、もういないみたいな感じ、ありますよね。
(菊地成孔)いや、本当。
<書き起こしおわり>