マキタスポーツさんがTBSラジオ『東京ポッド許可局』の中でドラマ『季節はずれの海岸物語』の片岡鶴太郎さんについてトーク。最近のヨガを極めた鶴太郎さんの面白さを話していました。
(サンキュータツオ)ここで1曲。今週はマキタ局員の選曲です。
(マキタスポーツ)はい。ドラマのタイトル曲。主題曲とかですね、挿入曲などを扱ってきておりますが、今回は『季節はずれの海岸物語』という……1980年代後半にやっていた非常にバブリーな香りのする深夜ドラマが年2回ぐらいずつ放送していたんですよね。
(サンキュータツオ)なんていうドラマ?
(マキタスポーツ)『季節はずれの海岸物語』というやつです。
(プチ鹿島)主演がすごいんだ。
(マキタスポーツ)主演が片岡鶴太郎さん。
(サンキュータツオ)へー!
(マキタスポーツ)この主題曲になっているのがユーミンさんの『Destiny』という曲なんですね。まずはこの『Destiny』を聞いてみましょう。
松任谷由実『Destiny』
(マキタスポーツ)言わずと知れた名曲の『Destiny』でございますけども。これが『季節はずれの海岸物語』というフジテレビの深夜ドラマで1988年の元旦に放送になった。それが第一弾の放送だったんですけど。
(プチ鹿島)季節はずれだったのね。
(マキタスポーツ)そう。で、湘南地域。あそこで喫茶店を経営しているマスターがいるんですよね。すごくお人好しで、気が優しいだけの憎めないキャラクターなんですが、すごく面倒見がよくて優しい男。それを片岡鶴太郎さんが演じていたんですよ。
(プチ鹿島)そうだね。
(マキタスポーツ)で、これはモチーフになっているのが寅さんだという風に言われていて。で、まあ現代版寅さんみたいなことを言って、すごく好評につき、年に2回ぐらいは不定期の状態で折々に放送していくという形態だったんですけど、鶴太郎さんが性格俳優化していく、そのきっかけにもなったような。
(サンキュータツオ)ふーん!
(マキタスポーツ)当時、まだまだバラエティーもバリバリやっていましたけど、鶴太郎さんが主演で、ふざけない鶴ちゃんとしての役割で出ていました。で、僕はこれ、すごく思い出深いのは、実は私の兄が4つ上にいるんですけど、その兄がこのドラマの制作をやっていた会社のADをやっていたんですよ。
(プチ鹿島)ああ、そうですか。
(サンキュータツオ)当時? へー!
(マキタスポーツ)で、『季節はずれ』。もしくは1回、『季節のなかの』っつって、夏場とかにも1回、好評につきやったこともあったんですけど。そのADにまだADデビューしたばかりの兄貴が、すっごい軍隊のような当時のバブルの時代のテレビドラマ制作で、深夜ドラマとはいえすごい予算もあり。でも、カツカツのスケジュール。すごい忙しい人たちを使っていましたからね。その中で、いちばん下っ端のADで。『季節はずれの海岸物語』にADとして行かなくちゃいけないっていう時の兄貴がものすごい落ち込んでいて。
(サンキュータツオ)へー!
(マキタスポーツ)「行かなくちゃいけないんだ」っていう。俺、だから本当に戦争に見送るみたいな。
(サンキュータツオ)もう全然眠れなくなっちゃうし。
(マキタスポーツ)全く眠れなくなるし……っていうようなこととかが個人史としてもあるんですけど。もうひとつは、話があっちこっちに飛びますけど、鶴太郎さんがいよいよふざけなくなっていくその端境期にあって。俺たちの鶴ちゃん、俺の大好きだった鶴ちゃんが変わっていってしまっているっていう、ちょっと喪失感も僕はそこで感じていたんですよ。
(サンキュータツオ)うんうんうん。
(マキタスポーツ)ところが、これ最近の鶴ちゃん、ご存知ですか?
(プチ鹿島)ご存知です。
(マキタスポーツ)あの、ヨガをすごい極めて。
(サンキュータツオ)離婚なさったとか。
(マキタスポーツ)そう。極めすぎて離婚なさったっていう話がありますけど。僕ね、最近いちばん笑ったの、その鶴太郎さんなんだよね。最近のヨガやっている鶴太郎さんの面白さって、もう……。
ヨガを極めすぎた鶴ちゃん
(サンキュータツオ)(笑)
(マキタスポーツ)だから、許可局でも初期の段階で鶴太郎さんのこと、話しているんですよ。
(プチ鹿島)第2回目ですよ。
(マキタスポーツ)2回目のやつでね。長渕剛さんと鶴太郎さんっていうのは非常に似ているという話をしました。でね、もともと鶴太郎さんっていうものは演技者でもあり、いろいろと都度都度そういう影響を受けていって、新しい鶴太郎像というのを更新していっている、その手つきというのが鶴太郎さんらしいよねっていうお話をしていたんですけど。でも、結局「お笑いを捨てていった鶴太郎さん」っていうイメージが僕、すごいやっぱりトラウマのように残っていて。「なんでだ! あんなの面白かったじゃないか!」って言っていたんですけど、グルッと1周して、ものすごい大ボケの鶴ちゃんになって帰ってきてくれているんですよ。
(プチ鹿島)そうそう。
(サンキュータツオ)(笑)
(マキタスポーツ)あれが俺、すごいなって思って。『季節はずれの海岸物語』をやっていた頃の鶴ちゃんがまた恋しくもね。意味がちゃんとあったんだ、みたいな感じのようにね。
(プチ鹿島)もういま、本当に季節はずれですけど、爆笑しますよね。そういう意味ではね。
(マキタスポーツ)そうなんだよ。
(プチ鹿島)やっぱり俺たちの鶴ちゃんだ!って。
(マキタスポーツ)やっぱり俺たちの鶴ちゃん。
(プチ鹿島)「鶴ちゃん」っていうのは親しみを込めてですよ。10代の頃から見ていますから。
(マキタスポーツ)うん。いま、鶴太郎さんって面白いわ。
(プチ鹿島)面白いよね。仕事の7時間前に起きてヨガするんですよ。
(マキタスポーツ)そうだよ。だってメシを4時間ぐらい食ってるっていうんだから。
(プチ鹿島)最高だよ(笑)。
(マキタスポーツ)面白いでしょう(笑)。
<書き起こしおわり>