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松尾潔 2015年前半に亡くなったソウルシンガー追悼特集

松尾潔 2015年前半に亡くなったソウルシンガー追悼特集 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で2015年の前半に亡くなったソウルシンガーを特集。ベン・E・キング、ホットチョコレートのエロール・ブラウン、ジョニー・ケンプを紹介していました。

(松尾潔)さて、番組はここから後半に突入いたします。今日はちょっとね、最近、僕が好きなソウルマンたちが亡くなることが多いので。いつもの予定を変更しまして、ここ最近亡くなったソウルマンたちの追悼の特集というのを行いたいと思います。いま、バックで流れておりますベン・E・キング(Ben E. King)の『Stand By Me』。この曲はもしかしたら、ブラックミュージックという看板が必要のないブラックミュージックとして、最も有名かもしれませんね。

1961年のナンバーワンヒットR&Bヒット。ポップチャートでも4位を記録しております。後にリバイバルヒットもしてますからね。この61年が初出ということで。まあ、いつの曲というよりも、いつも愛されてきた。いつの時代でも愛されてきた曲として、みなさん、おなじみではないでしょうか。それを歌っていたベン・E・キングが、先月の終わりに亡くなったということはみなさんもご存知かと思います。4月30日に76才で亡くなりました。

晩年に日本を訪れて、ちょっとテレビの露出なんかもありましたし。『SUKIYAKI』を歌ってみたりとかね。日本人ならグッとくる・・・しかも彼は本当、ナイスパーソンとして知られていまして。愛妻家でもありましたね。ソウルバーの小ネタ的に言いますとね、ベン・E・キングの『E』っていうのは『いい人』の『E』だってことをね。日本でしか言わないギャグですよ。なんですけども、それぐらい、本当悪口を言う人がいないっていう人だったんですが。

かつてはこの方は、ドリフターズ(The Drifters)というグループにいましたね。ドリフターズの前にムーングロウズ(The Moonglows)ですとかね、名門のグループもいたんですけども。まあ、ソロになってからの『Stand By Me』っていうのが大変有名で。もうベン・E・キングの『Stand By Me』、『Stand By Me』のベン・E・キングっていうか。もうそれぐらい、一体化しているような代表曲でございました。僕、松尾潔も高校3年生の時ですかね。学校の学園祭でベースを弾きながらね、これを歌ったことがありましたね。あの時はたしか、『Every Breath You Take(見つめていたい)』っていう曲がヒットの感じが残っている頃でしたね。

この2曲のベースラインが親しいことを発見して、2曲をメドレーで歌った記憶がございますね。ええ。『Every Breath You Take』から『Stand By Me』に入って、また『Every Breath You Take』に戻るっていう、いま考えてみるとプロデューサー的な発想なんですけども。なにしろ、歌とベースの技量がぜんぜんついていかないっていう、本当、恥ずかしい思い出でもあるんですが(笑)。けどね、こんな僕でも、ベン・E・キングっていうのはもう、なんて言うんだろう?もう、偉大であることが当然すぎて、この番組でキチッと話したことがなかったかな?っていう気がするんですが。亡くなってしまって初めて、その人の生前のビビッドな活躍をお伝えするっていうのもちょっと心苦しいんですが。

でも、これがいま、そういうタイミングでもあると思いますんで。ちょっとみなさんが『Stand By Me』で抱かれているベン・E・キングのイメージとはちょっと違う曲っていうのを厳選して2曲。まずは、ベン・E・キングの75年のアルバムですね。『Supernatural』っていう、『Stand By Me』を除くといちばんヒットした作品ですね。『Supernatural Thing』という曲。これ、R&Bチャートで『Stand By Me』と並ぶR&Bナンバーワンヒットを記録しております。ポップチャートでも五位を記録した『Supernatural Thing』。グウェン・ガスリー(Gwen Guthrie)という女性シンガー。この人もね、惜しくも亡くなりましたけども。グウェン・ガスリーがペンを取った曲です。

で、もう1曲なんですが、1980年にリリースされた、彼にとってはちょっとアーバンな響きもある作品『Street Tough』というアルバムから1曲、ご紹介したいと思います。アルバムに収められています『You made the difference to my life』という女性コーラスを豊かにフィーチャーした曲であります。ベン・E・キングの、この人、あんまり大声を出さないんですよね。割とスムーズな歌い方で。女性との関わりっていうのも、距離の取り方がジェントルなんですよね。ええ。そういった、引き算の美学っていうのかな?そういった佇まいも楽しんでいただければと思います。

では、ベン・E・キングの曲、2曲続けてご紹介したいと思います。『Supernatural Thing』、そして『You made the difference to my life』。


4月30日に76才で亡くなりましたソウルシンガー、ベン・E・キングを悼みまして、『Supernatural Thing』、そして『You made the difference to my life』という僕のお気に入りの2曲をお届けいたしました。まあ、ベン・E・キングが歌っているわけですからね、『ベン・E・キングに捧げます』っていうのも変な話かもしれませんけども。この放送を天国のベンに捧げたいですね。あの、ベン・E・キングを慕う人は多かったですよ。スコットランドのファンクバンド、アベレージ・ホワイト・バンド(Average White Band)。彼らはね、もうベン・E・キングと同じレーベルになったという僥倖もありまして。『Benny And Us』というアルバムを一緒に作っていますね。共演アルバムでございます。

あの、アベレージ・ホワイト・バンドの2枚看板。アラン・ゴーリエ(Alan Gorrie)、ヘーミッシュ・スチュアート(Hamish Stuart)っていうシンガーがおりまして。この人は自分たちでもいい歌を歌う人たちなんですけども。やっぱりベン・E・キングの前では、演奏に徹するのが本当楽しかったみたいで。僕もかつて、このヘーミッシュという人と一緒に仕事をしたことがあるんですけど。やっぱりね、『歌の上手い人のバックでベースを弾くのは本当に楽しい』って言ってましたね(笑)。

彼は、なんか技巧的にベン・E・キングがどうこうっていう感じでもないんですよね。同じようにこの間亡くなりましたパーシー・スレッジ(Percy Sledge)もそうですけども、実直さとか、素朴さとか、そういったものが、人間的な魅力がそのまま音楽性にもなっているという、幸せな例だったんじゃないかな?という風に思いますね。ええ。ベン・E・キングでした。

さて、お届けするのはなおも、最近亡くなったソウルマンたちでございます。ホットチョコレート(Hot Chocolate)というグループ、ご存知でしょうか?イギリスのファンクバンドです。さっき、アベレージ・ホワイト・バンドの名前を出しましたけども。70年代にイギリス国内、そしてアメリカでも成功を収めましたホットチョコレートというバンドがございました。その人たちの曲の中で有名なのは、『You Sexy Thing』という曲ですね。これは21世紀に入りまして、『フル・モンティ』のテーマソングとして、映画や舞台で使われて、再び注目を集めることになった、まあ文字通りセクシーな曲なんですけども。

まあ、セクシーすぎてコミカルに聞こえるっていう面白い使われ方でしたね。フル・モンティはね。で、そこでボーカルをとっておりましたエロール・ブラウン(Errol Brown)が亡くなりました。連休のことでしたね。5月6日にバハマで亡くなったそうです。71才。いまの時代ではちょっと早い気がしますね。ホットチョコレートの『You Sexy Thing』がアメリカのチャートでトップ3に入りましたのは76年になっていたのか?結構なロングヒットでございました。

日本では、まあホットチョコレートのことを熱く語る人っていうのはあんまり聞いたことがないんですが。まあ、エロール・ブラウンは、中古盤ショップなんかに出入りしている人からすると、もう見慣れた顔の、スキンヘッドのおじさまでございます。若い時からスキンヘッドにして。マイケル・ジョーダンがスキンヘッドにして、アメリカのアフリカン・アメリカンの男性の中でスキンヘッドが大ブームになったのが意外と最近の90年代のことですけども。ホットチョコレートのエロール・ブラウンっていうのはね、昔からセックスシンボル的な人気もございましたよ。本国では大層な名士でもありました。今日はもちろんその有名曲ですね。『You Sexy Thing』、ご紹介したいと思います。

そしてもう一人。これもね、先月のことなんですけども。この人も若かったな。4月16日に、同じくバハマで亡くなったのがジョニー・ケンプ(Johnny Kemp)です。ジョニー・ケンプは享年55。いかにも若い。この人、80年代にキンキー・フォックス(Kinky Foxx)っていう名前で、そういうユニット的なところで歌って頭角を現してきた人で。まあ、ニューヨークに渡ってきたんですよね。バハマの方からね。で、86年に『Johnny Kemp』というセルフタイトルのアルバムでメジャーデビューしまして。で、そこにカシーフ(Kashif)が関わった『Just Another Lover』と『Cover Girl』なんていう、まあ当時のニューヨークファンクの最前線という曲が収められていました。


で、僕はそれで知ることになったんですが、ちょっと癖のあるルックスでございまして。なんかこれからマジックショーが始まるような、そんな派手なね。いまでも忘れられない。当時、僕の知り合いが『ホテルのカーテンみたいな洋服だね』ってなんか周りくどい言い方してましたけど。そんな、なかなか日本で受けにくいセンスで出てきたんですが。そこに多少の洗練が加わりまして、88年に『Secrets of Flying』というアルバムを出しました。で、これはタイトル曲なんかは本当、春の午後、のどかな陽だまりを感じさせるような曲だったんですが、そこに収められていた1曲が彼の名前を決定づけました。

それが、『Just Got Paid』。プロデュースを手がけておりましたのは、若きテディ・ライリー(Teddy Riley)。これと、キース・スウェット(Keith Sweat)の『I Want Her』という2曲がニュージャックスウィングの先駆けと言われております。

ジョニー・ケンプっていうのはなぜかその後ね、もう決定的なリーダー作っていうのは出してないんですよ。出してないんです。で、ちょっとゴスペルの世界の方に行きましてね。ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)のお母さんのシシー・ヒューストン(Cissy Houston)なんかと一緒にツアーを回ったりなんかしていました。その時のライブビデオっていうのも僕、見たことあるんですけども。まあ、本当に器用な印象がございました。日本にも、そのニュージャックスウィングの全盛期の頃に来ておりますけども。まあ、まさか55才で亡くなるとはっていう感じですね。ええ。

はい。じゃあその、エロール・ブラウンをフィーチャーしたホットチョコレート、ジョニー・ケンプ、2曲続けてご紹介したいと思います。ホットチョコレート『You Sexy Thing』、そしてジョニー・ケンプはライブバージョンでお届けしましょう。ゲストの名前は後でお伝えします。『Just Got Paid』。


松尾潔のメロウな夜、今週の番組後半では、この2ヶ月ほどで相次いで亡くなりました、僕の大好きなソウルマンたちをご紹介いたしました。ベン・E・キングに続きましては、ホットチョコレートのエロール・ブラウン。そして、ジョニー・ケンプ。ふー、悲しい知らせが続きましたね。ジョニー・ケンプの『Just Got Paid』。彼の代表曲ですけれども。これはジョニー・ケンプ名義ではございません。キース・スウェットのライブアルバムに収められておりました。

歌っておりましたのはキースとジョニー・ケンプ、そしてこの曲の作者でありますテディ・ライリー。ギャップ・バンドからチャーリー・ウィルソン(Charlie Wilson)、そしてキース・スウェットの子飼いのグループでしたシルク(Silk)、カットクロース(Kut Klose)。そして、これまたキース・スウェットのデュエットパートナーでしたジャッキー・マッギー(Jackie McGhee)という。まあ、もう本当にニュージャックスウィング時代には本当に輝いていた人たちがこの『Just Got Paid』、一同に会してましたね。いやー、うん。いい音楽をたくさん、ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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