菊地成孔が語る Kendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』とジャズ

AKLO アルバム解説 Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中でケンドリック・ラマーの最新作『To Pimp a Butterfly』について話をしていました。

(菊地成孔)はい。天才ケンドリック・ラマーがやってくれました。もう巷では大変な話題になっております。えー、新作『To Pimp a Butterfly』からお聞きいただきましょう。

ジャズとヒップホップは融合する

(菊地成孔)はい。ええとですね、ジャジーヒップホップっていう歴史がありまして。ジャズとヒップホップがね、融合する。この番組で、まあ5年かけてずっと言ってきたことですけど。ヒップホップはジャズの孫で、息子がファンク・ソウルとした場合、おじいちゃんと孫の関係になりますんで、仲がいいので。比較的上手くやるんだっていう話をずっとしてきたわけですけど。

菊地成孔 HIPHOP楽曲の作り方を語る『HIPHOPはジャズの孫』
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』で大谷能生さんとのHIPHOPチームJAZZ DOMMUNISTERSのアルバム制作話をしていました。『XXL』という曲をベースに、どのようにHIPHOPの楽曲を作るのか?という解説をしています。 (

まあ、ちょっとそういった方向に天才ケンドリック・ラマーが持っていったっていう感じですね。いまのチューンは2曲目のインタールードで。何回も『This dick ain’t free』っていう、放送していいのか、ギリギリの英語ですけど。タイトルは『For Free?』っていう曲ですけどね。まあ、この曲自体は露骨なジャズのパロディーみたいな感じで、4ビートになっていますけど。

他の曲はもっとジャジーヒップホップ寄りで、しかも、ジャジーヒップホップって今まで言われてきて、ジャズ側がずっと欲求不満に思ってた、『なんかソウルのレコードの生演奏のものをネタに使ってるものをジャジーヒップホップって言うのか・・・』っていう感じの、15、6年間の鬱屈をですね、全部晴らすような。生演奏でやってるんですね。ここ最近、生演奏のヒップホップが、ディアンジェロなんかもそうですけども。来てるんですが。完全にジャジーっていうのをケンドリックがぶっ込んで来たのは大変なことですし。

で、まあコードとか、弾いているものが本当にヤバくて。『チャチいスタジオミュージシャンだとか、友達にやらしているんじゃなくて、これ、本当のジャズピアニストが弾いているだろうな。まるで、Black Radioのあの人みたい』って思ってて、よく見たら実際Black Radioのあの人(ロバート・グラスパー)だったっていう。比較的簡単に仲良くなっちゃうんだな、やっぱり売れている人たちはっていう感じですけど。まあ、この一節なにを言っていたかわからなかったという方は聞き逃していただき、『あ、なるほど。そういうことか』という方はすぐに検索に入って下さい。検索時間のためのCMです(笑)。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/24635

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