菊地成孔 ドラマ『恋仲』と日韓ドラマの違いを語る

菊地成孔 ドラマ『恋仲』と日韓ドラマの違いを語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の第10次韓流最高会議の中で、日本と韓国のドラマやロック・ミュージックの違いについてトーク。ドラマ『恋仲』を例にあげながら、その違いを紹介していました。

(菊地成孔)これ(タンピョンソンとセーラーズ『黄色い部屋』)もあれですよね。アイドルと別の意味で、画があった方が説得力がすごい。

(韓東賢)ああ、画って・・・

(菊地成孔)ライブの。ものではありますよ。

(韓東賢)だいぶいいですよね。こんなルックスです。

(菊地成孔)はいはい。ルックスがいいんですよね。いまのインディーロックの人たちって。あの、めちゃめちゃシンプルっていうか、バカぐらい乱暴なことを言いますけど。ロック・ミュージックは、要するにブラック・ミュージックじゃないものの中のロック・ミュージックは、政治的な根拠があった方がいいんですよ。言っちゃあ。

(韓東賢)うんうんうん。

(菊地成孔)で、日本は、もう長らくそれがない国で。要するに、中心がなくなっていたから。日本は中心が空虚であればあるほどいい国だから。まあ、ロラン・バルトとかね、昔・・・ジジイババアのことは言いませんけども。

(韓東賢)(笑)

日本は中心が空虚じゃなきゃダメな国

(菊地成孔)中心が空虚じゃなきゃ、ダメなのよ。だから『恋仲』みたいなドラマとかね。言ってもわからないと思いますけど。画面の中で誰も演技していないっていう(笑)。あの・・・(笑)。

(韓東賢)すんごい見てみたくなりますね。

(菊地成孔)いや、ヤバいっすよ、あれは。まあ、あれこそ日本。ジャパンクールだかクールジャパンだかですけど。だから、韓流ドラマは画面の中のカロリーがもう、すんごいもん。脚本もすごいし、演技も何から何まですごいんだけど。

(韓東賢)映画もそうですよね。

(菊地成孔)うん。『恋仲』、画面に何も映ってないですからね。

(韓東賢・ヴィヴィアン)(笑)

(菊地成孔)人気ある人がただ右往左往してるだけ。

(韓東賢)コンテンポラリーアートですよね。

(菊地成孔)本当。まったく。で、画面の外にあるインターテクスチャリティーだけの価値で見てるの。みんな。だからその、そういう意味で日本はアイドルカルチャーが根付くのには本当にいい国。

(韓東賢)ああ、わかります。わかります。

(菊地成孔)っていうか、真ん中に政治的な根拠があってはいけないんです。

(韓東賢)そう。韓国のアイドルは、あと空虚になれないっていうね。中身を詰めちゃうんですよね。

(菊地成孔)そうなんですよね。

(韓東賢)フォーマットはアイドルなんだけど。練習しちゃうとか、がんばっちゃうみたいなのが。なかなか、空虚になれるか?っていう話を一時、してたじゃないですか。韓流最高会議で。結局、なれなかったですね。

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(菊地成孔)ヘタウマ、なれなかったですね。

(韓東賢)なれなかったですね。その流れで、もう1曲、いいですか?ええと、さっきの映画(『Party51』)には出てこないんですけど、そのチャンミンさんが作るアルバムには参加する予定で。実は私、たぶん韓流最高会議で1回、かけているんですけど。女の子の。ムキムキじゃない方です。ウィダンス(Wedance)。

(菊地成孔)はいはいはい。ウィダンス、いいですよ。

(韓東賢)ウィダンス、いいですよ。来週、来るんですよ。

(ヴィヴィアン)最近、来てますよね。日本人でも結構ファンが増えて。

(韓東賢)そうそう。来週、やります。渋谷と下北で。あと、パリで最近やって、パリで人気ってすごいなるほど!と思って。

(菊地成孔)パリでは人気出ますよ。あれは。

(韓東賢)パリですごい熱狂だったらしくて。お客さんが。

(菊地成孔)ロンドンとパリの人がね、アジア人がロックの演奏をしてるだけでね。少年ナイフの昔からね。

(韓東賢)(笑)

(菊地成孔)また、おじいさん、おばあさん(笑)。おじいさんは川へ洗濯に(笑)。

(韓東賢)でも、ウィダンスはヘタウマじゃないんですよね。

(菊地成孔)ヘタウマじゃない。上手いのね。あのね、オーラがヘタウマなだけなんだよ(笑)。

(韓東賢)そう。フォーマットはヘタウマなのに、上手いの。

(菊地成孔)実は。

(韓東賢)7曲目。『失ってはいけないもの』。直訳すると。

Wedance『失ってはいけないもの』

(菊地成孔)まあ、これまた動画も含めて見ていただけるといちばんいいですけど。あの、音楽的にはヘタ風のウマっていうのと、ウマ風のヘタっていうのがあるのね。その中で、ヘタとウマが、本当のヘタウマのマッシヴヘタウマの代用食として擬態的なヘタウマっていう・・・まあ、この人たちは擬態してるわけじゃないんだけど。一つのスタイルなんだけど。結果的に・・・

(韓東賢)まあ、ニューウェーブですからね。

(菊地成孔)ニューウェーブだからね。だから、まあ、なんて言うのかね?日本人が韓国のインディーロックとかにヨーロッパ人と一緒にしびれていきながらにして、さっき言ったね、ずーっと長い間なかった、政治的な根拠っていうのをロックをギター片手にね、なにか叫ぶ人たちの根拠がさ・・・

(韓東賢)ああ、でもわかります。

(菊地成孔)うん。生じるのかどうか?っていうのがフォーカスポイントになってくると思うんですね。

(韓東賢)だから、チャンミンさんが弾かれるの、すごくわかるんですよ。あの時代のパンクロックみたいなのを。

(菊地成孔)そうですね。いやー、私のね、もうとにかくジャズ屋ですから。なんて言うの?お隣の店のっていう感じの話にはなるんですけど。とはいえ、やっぱり日本中を巻き込むだろうし。世界中を巻き込んでいく可能性もあると思うんですよね。だから、韓流最高会議が5年間で少女時代から始まって、ウィダンスのこの歌声の状況に5年間でなったっていうのは本当に、いかに世の中が5年間で動いたか?っていうことだと思いますよね。

<書き起こしおわり>


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