『孤独のグルメ』などの作者、久住昌之さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。玉袋筋太郎さんと昼銭湯・昼ビールの魅力について語っていました。
(小林悠)最近だともう、インターネットでも話題ですし。『孤独のグルメ』はみなさん本当に真似する人も出てきたりして。社会現象にもなっていますよね。
(久住昌之)いやー、『視聴率夢の4%』っていま言ってますけどね。
(玉袋筋太郎)夢の4%!それがいいんじゃないですか!
(久住昌之)2.9とか、3.5とか。
(小林悠)DVDも売れてますから。
(玉袋筋太郎)そうですもんね。
(小林悠)すごくコアなファンが、やっぱり。
(久住昌之)いやいやいや・・・
(玉袋筋太郎)でもね、やっぱりこの『昼銭湯と昼ビール』っていうのがね、これ、いいですよね。先生ねー。なんでしょうかね?これはね。
(久住昌之)(笑)
(小林悠)その4(の筋)から行きましょうか。
(久住昌之)いきなり行きますね。
(玉袋筋太郎)いきなり行っちゃっていいですか?
(久住昌之)いいですよ。
(小林悠)青林堂の長井社長にそもそも昼銭湯と昼ビールの魅力を教わったと。
(久住昌之)それはですね、青林堂っていうのはすごく貧乏な会社で。ガロっていう雑誌に連載していたんですけど。原稿料がないんですよ。で、一冊たまると、本になると、その印税がもらえるんだけど、普通の原稿料がゼロなんですね。
(小林悠)たいへんな仕組みですね。
(久住昌之)はい。それで、昼に原稿できたから持って行ったら、社長、おじいさんなんだけど。『うん。時間あったら銭湯行こうか?』って言うんだよ。それで、近所のボロボロの銭湯に行って。で、おじいさんの社長だしね。初めて、そんな人と・・・緊張するじゃないですか。銭湯行くの。で、緊張して、こう入って。真っ昼間で明るい光も入っていて。で、気持ちいいですよね。
(玉袋筋太郎)気持ちいい!
(久住昌之)それで出て。したら、『ちょっとビールでも飲むか?』って言って。『えっ?』って言ってビール飲んで。したら、それが接待なんですよ(笑)。
(玉袋筋太郎)うん!安いっすねー!
(小林悠)(笑)
(久住昌之)(笑)。だから金がないから。それで、すごくいいな!と思って。お刺身とか出されて、ねえ。いい店とかって言うよりも、緊張しないですよね。で、いいな!と思って。ものすごい安い・・・
(小林悠)でも、心の満足度はね。
(玉袋筋太郎)そう!苦肉の策なんだけども、それがお金をかけない贅沢な時間だったりするんですよね。うん。
(久住昌之)だいたい面白いものって苦肉の策の時、ありますよね?
(玉袋・小林)あー!
(久住昌之)なんとかしなきゃ!っていう時にね。
(玉袋筋太郎)それがね、昼銭湯ってやっぱ、先生。昼銭湯がいいっすねー!俺もたまらない。好きなのよ。昼銭湯。昼銭湯ってね、入っていってやっぱりこう、自然光が差し込んで。まだ灯りをつけてほしくないんですよ!
(久住昌之)(笑)
(玉袋筋太郎)自然光だけで入りたい時。あれがいいんですよ!
(久住昌之)ねえ。湯気が立っているから、自然光がこう、斜めに光がスーッとなって。いいんですよ。ねえ。
(玉袋筋太郎)そこに魅せられてしまったと。うん。
(久住昌之)そうですね。いいな!と思って。
(玉袋筋太郎)(笑)
(小林悠)これは良い!と(笑)。
(久住昌之)これは良いと(笑)。
(小林悠)それからも、自分の変な話、ライフワークのような形になったわけですか?
(久住昌之)ライフワークっていうか、地方に旅行に行ったり仕事に行くと、銭湯に。あれば、かならず行くんですよ。この間も勝浦に行った時に、銭湯行きましたね。もう、めちゃくちゃ。千葉でいちばん古いみたいなあれで。観光課の人たちとか、嫌がるの。『えっ?あんなとこ行ったの!?』って(笑)。
(玉袋筋太郎)(笑)。そこに宝があるのに!
(久住昌之)そこにあるのにね。もうロッカーに鍵なんか、ないからね。
(玉袋筋太郎)これだよ!
(小林悠)ええっ?貴重品、どうするんですか?
(玉袋筋太郎)性善説!だって昔、銭湯なんてカゴだったんだからね。そうだよ。
(小林悠)地元の人しかいないし。
(久住昌之)そうそうそう。
(玉袋筋太郎)で、逆に地元の人しかいないところに先生が入っていくと、『なんだ?』って言われちゃいますよね。
(久住昌之)うん。番台なんていうのは、見てるんだから。あの人が見張っているわけでしょ?番台。だからこっち向いてるんだからさ。ねえ。
(小林悠)いまはもう番台さんも受付のところにいるところがほとんどですから。
(久住昌之)フロントみたいになっちゃっているからね
(玉袋筋太郎)そう。フロントだとちょっと違うんだよなー。番台でしょう。やっぱり。
(久住昌之)勝浦のその銭湯は番台が低いの。なんか。昔のだから。だからちょっと見えちゃうんだよね(笑)。
(小林悠)反対側がですか?女性の方が?
(久住昌之)見えちゃう・・・
(小林悠)ええーっ!?(笑)。
(久住昌之)だから若い人とか見えない方に入るんだろうね。でも、婆ちゃんとかはそこにいるから、見ちゃいけないな・・・と思いながら、こう・・・(笑)。
(玉袋・小林)(笑)
(久住昌之)でも、それもまたいいんですよ。
(玉袋筋太郎)ドキドキ感。子どもの頃のドキドキ感ね。いや、俺ね、番台でね、俺が行っている銭湯でね、結構いい感じのおかみさんがね、番台に座ってるんだ。それがね、ちょっとね、ドキドキするんだよね!
(久住・小林)(笑)
(玉袋筋太郎)それでおかみさんが座っている番台の真向かいに、ぶら下がり健康器があるの。で、もう俺、風呂から上がると、そのぶら下がり健康器。素っ裸でこう、ぶら下がるわけですよ。なんかこう、おかみさんに見られてるんじゃないか?って・・・
(久住昌之)(笑)
(小林悠)全面を正面にして?
(玉袋筋太郎)1人花と蛇みたいな。本当にこう、吊られて。おかみさん、見てるれてんのかな?みたいな。
(久住昌之)(笑)。『見てくれてる』って(笑)。
(小林悠)ひどい!変態(笑)。
(玉袋筋太郎)見ているわけないんだけど。なんか、でもそう。地元の人が入っていると、地元の人のね、生の声が聞こえるから、やっぱお風呂屋さんは面白いですよ。うん。
(小林悠)都内でおすすめのところって、どこですか?
(久住昌之)あの、おすすめってどこでも。近くがいいんじゃないですかね。あんまり、わざわざ行くっていうよりは。近く行ったり。近くにあるところに行って。それでいまの神保町の銭湯なんかは、昔、その長井さんに連れて行ってもらった時はボロボロなんだけど、いまはキレイになって。ほら、皇居の周りをマラソンしている人たちが、そこの銭湯に行って着替えて、銭湯に入らないで走ってきて、それでそこで銭湯に入って・・・
(玉袋筋太郎)で、出てくる。
(久住昌之)そうそうそう。
(玉袋筋太郎)ランナーの聖地みたいになっている。
(久住昌之)そうそうそう。夕方、めちゃくちゃ混んでるの。すごいよ。
(小林悠)ええーっ!?そういう楽しみ方もいま、増えてきてるんですね。
(久住昌之)そういう・・・だからいろんな銭湯。いろんなね。
(玉袋筋太郎)あったよねー。
<書き起こしおわり>
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