ジェーン・スーの疑問 なぜカレー好きの男はこだわりが強いのか?

ジェーン・スーの疑問 なぜカレー好きの男はこだわりが強いのか? ジェーン・スー 相談は踊る

ジェーン・スーさんがTBSラジオ『相談は踊る』の中で、なぜ男性のカレー好きの人はカレーに対するこだわりが強いのか?という疑問を語っていました。

(ジェーン・スー)で、そんな冬だけどさ。食べることは大事だけど、食べることにこだわりが強すぎるのってどうかな?って思うじゃん。思わない?そう?私、結構ね、なんでも食べちゃうんですよ。まあ、道に落ちているものでも、ギリギリ食べるくらいの勢いで。10秒ルールとかだったら食べちゃうぐらい、食べるものに対してそんなにこだわりがない。美味しいものは好きですよ。美味しいものは好きですけど、そこまでのこだわりはないんですが。

あのね、これ性別の話で言うと、またいろんなところから石が飛んできそうなんですが。個人的な感想として、傾向があると感じられるのは、男のカレー好き。あの・・・この次の次の番組ね。TBSラジオ、22時からやってらっしゃいます宇多丸さんのですね、ウィークエンドシャッフルでも度々取り上げてらっしゃいますけど。なんであんなにカレーにこだわってるんですか?あの、実はですね、知り合いの男性の方と何人かお話する機会があったんですけど、やっぱりね、カレーが好きな人とラーメンが好きな人に分かれるんですけど。そういうののね、食の好きなものがある人って。

で、カレーが好きな人のね、カレーに対するこだわりっていうのがまたラーメン好きと違うんですよね。私、どっちも好きなんです。まあいま、小麦粉がそんなに食べなくなったんで、大好きなつけ麺とかがそんなに食べられなくなっちゃって。ちょっと寂しいんですけど。『いやー、カレーもラーメンも美味しいよね』みたいなことを言ったんわけですよ。『歯が悪くなっちゃってさ、でもさ、カレーもラーメンも美味いしさ・・・』みたいなことを言ったら、『ちょっと待って!並列で語らないでよ!』みたいなことを言われて。『えっ?ちょっと待って。ちょっと待って。それ、ちょっと意味がわかんないんだけど?』『いや、だってさ。カレーはさ、もう薬膳じゃん?』みたいな。

『はあ!?薬膳カレーってあるけどさ、あれのこと?』『いや、そうじゃなくてさ。もうスパイスがさ、あれはもう体にいいでしょ?』みたいな話になって。『えっ、なになに?』『いや、だからラーメンはさ、食べていくとさ、やっぱり体に悪いこともあるじゃん。塩分とかさ。カレーは食べても食べてもさ・・・』って。なんか、だんだん宗教っぽいんですよね。で、なんかカレーって宗教なのかな?みたいな感じで。『なんですか?』って聞いたら・・・で、カレーっていっぱいあるじゃない。欧風カレーとかインドカレー、タイカレーもあるし。いろんな国にカレーがあって、日本だって日本独自の給食みたいなカレーもあって。『いろんなカレー、美味しいですよね』みたいな話をしたら、『ちょっと待ってくれ!「いろんなカレー、美味しいですよね」じゃないよ。たとえばイスラム教・・・』。なに言ってんの!?って思って(笑)。えっ?えっ?と思って(笑)。

えっ?カレーの話をしていたのに、イスラム教?んっ、は、はい・・・一応聞いたら、『イスラム人とかイスラム国とかって言うけど、まずイスラム教があるわけですよ。で、そのイスラム教があるからこそ、イスラム圏っていうのができる』って。いま、このご時世にその言葉を連発するのもなかなか危険なところもあるんですけど。『あ、イスラム国があるから、イスラム圏がある。はい、そうですね』『だからカレーは、そういうもんなんですよ』。うん、ぜんぜんわかんない!みたいな。なにを言ってるんだろう?って。『だから結局なんか、インドから発祥したものではあるけれど、各地に飛んでそれぞれに根ざして、それぞれ発展したものではあるがしかし、インド・・・まあ、メッカみたいなものなのかな?宗教的に言うと、そのメッカみたいなことで、そこのカレーがやっぱりわかっていないとダメだろう。でも、南インドはね・・・』みたいな。もう、ぜんぜんわかんない。

『南インドのカレーは・・・』『はあ・・・私、あのほうれん草のやつ、好きです。サグパニールって言うんでしたっけ?』『ああ、そうね』『でもさ、スパイスもさ、なんかガラムマサラとか・・・』『ガラムマサラ!?』『はい・・・ガラムマサラ・・・』って。だってさ、カレーのルウのパキパキっていうのを使わないっていうアピールとしてのガラムマサラだったのに、ガラムマサラNGみたいな。『えっ、なんですか?』って言ったら、『ガラムマサラはもう配合されていろんなスパイスが一緒になっているやつじゃないか。いろんなスパイスを自分で混ぜることが楽しいんだ』って。その知り合いの人はね、秋葉原にインド料理の食材が売っている店がいくつかあるんですよ。

で、なんかコンピュータとか売っている並びに、本当にポンってインド料理のお店があって。そこでいろんなスパイスが少量ずつ売っていて。まあ、比較的安い値段で売ってるんですけど。それを買ってきて、ミルミキサーみたいなのでウィーン!ウィーン!ウィーン!って1個ずつ砕いて、自分で配合して作ってるんですって。だからなんかその、クミン、カルダモン、ターメリック・・・ウコンでしょ?みたいな(笑)。ターメリック・・・ウコンでしょ?それ?っていう。ターメリックとかいろいろあって。それを混ぜて作った時になにが吉と出るか?で、なかなか思ったとおりにできないんですって。

『で、この間、バナナを入れたらさ・・・』『バナナ入れたんだ!』みたいな。『で、なんでバナナを入れるかっていうと、サラサラしているのをキュッとまとめるために、完熟のバナナを入れたら酸味も出て、まとまりもよくなったんだけど、そうじゃないとやっぱりぬめりが出ちゃうねー』『あ、はい・・・』。だからなんか、作るのが好きなんだな、この人は料理が好きだからかな?って思ったけど、そうじゃない人もいるじゃないですか。つまり、都内だけでなく、もう世界各国とは言わないけれど、日本全国の美味いと言われたカレー屋を回る人。そういう特集、よくやられてますよね。タマフルでね。でね、今日なにをみなさんに相談したいかっていうと、別に私の愚痴を聞いてほしいわけじゃなくて。で、バカにしてるとかでもないんですよ。

そうじゃなくて、そっちから見たらさ、女の美容液、○○が入って。『これ、フラーレン入りだって。EFGが入って・・・』とか、どうのこうの。『顔に全部つけたって一緒だろ?』と思うようなこだわりがあるところと同じなんだとは思いますけども。なぜ、そんなにカレーが好きなの?あと、ラーメンの人。なぜ、そんなにラーメンが好きなの?『家系、全部回る!これはとんこつで、こっちは煮干し・・・』。全部美味しいじゃん?ダメ?これ、ダメなんだよねー。で、もう1個気になるのは、カレー好きのラーメン好きに対するヘイト。ラーメンヘイト。カレーラバーによるラーメンヘイト。

なんか、私がいちばん失笑したのは、『カレーラーメンはあるよ。つまり、ラーメンの中にやつらが俺たちを組み込んだ食べ物はあるけど、ラーメンカレー、つまり俺たちはやつらの何かを受け入れてはいない』みたいなことを言っていて。いやいやいや、穏やかじゃないね。ネトウヨみたいだねと思うんですけど。太刀打ちできないんですよね。なんかね、カレー好きの人たちってやっぱりカレーに対して尊敬、畏怖の念みたいなのがあって。『たかが食べ物じゃん』って言っちゃいけいない・・・たぶんいま、すごい怒っている人、いるよね。これ、聞きながら。たかが食べ物・・・で、それでね、じゃあカレーでも習いに行くか?と思って。その気もないのにネットでググってみたら、カレー教室いっぱいあるんですよ。教えるところが。ラーメン教室、ないでしょ?でも、カレー教室はあるんです。

高いの。このへんにあるカレー教室、この間調べたらね、なんか5回だか4回だかで6万円とかよ。どんなカレー粉つかうのよ?カレー粉とか言うと、怒られちゃうね。またね。本当に。で、なんかうちの番組のプロデューサーもカレーが好きなんですよ。で、カレー屋さんに連れて行って下さったこともあるんですけど。その時もなんかもう・・・(笑)。どことは言いませんけど、結構辺鄙な場所に連れて行かれ。『いや、すっごいのがあるんですよ。カレーが』って。申し訳ないんだけど、私がものすごいカレーをいろいろ食べていたら、それがどれぐらいすごいのかがわかる。美味しいよ。美味しい。最高。だけど・・・『これはヤバいでしょ?これはね、ここの人は元○○で勤めていた人で。だから○○系の味もあるんですけども、が、しかしそこにオリジナリティを入れているからこそね、いろいろ賛否両論なんですよ』って言われて。

家に帰って食べログ見たら、もうすごいの!もう議論が食べログ上で。『あのカレーを伝承している人が作っているって言うから行ったのに、大事なところが全部消されている!』とか。『革新的なこの味!これこそが俺が求めていたカレー!』とか。おいおいおいおい・・・カレーってなんなの?だから今日の相談は、みなさんに教えてほしいんです。なぜ、男の人はあんなにカレーにこだわるのか?いいですか?美味しいカレー屋のおすすめなんか、ひとつもいらないですよ。そういうのはね、もう聞き飽きたし読み飽きた。そうじゃない。美味しいカレー屋なんかひとつも知りたくない。なんでそんなにカレーにこだわるのか?それを私に教えてください。私はなにを言ってるのか、まったくわかりません。

(中略)

(吉田明世)それではこの時間は、番組に届いたメッセージをご紹介します。スーさん、カレーについてお返事、来ましたよ。(メールを読む)『ジェーン嬢&吉田アナ、こんばんは。カレーが大好きです。道産子の俺はカレーにジャガイモがたっぷり入っていないといやですな。しかも、肉は豚肉が基本。カレーは飲み物という御仁もいらっしゃるようですが、俺にとってはカレーは神です。毎日カレーでもぜんぜん平気。ってなわけで、男はなぜカレーが好き?=カレーは神なのです』。

(ジェーン・スー)信仰心の強い方なんですね。

(吉田明世)そうですね。神とおっしゃってますね。

(ジェーン・スー)でも、この人かわいいよね。だってさ、豚肉で、しかもジャガイモがいっぱい入っている方がいいっていう時点で、給食のカレーっぽいのが好きな人で

(吉田明世)じゃあどっちかって言うと、日本のカレーが好きなんですね。

(ジェーン・スー)そうそう。なんかターメリックとか言わなそうじゃん。

(吉田明世)うん、そうですね。スパイスとかも。

(ジェーン・スー)言わなそうじゃん。でも、そういうカレーも美味しいんだよね・・・

(吉田明世)そうですね・・・

(宇多丸)いや、どうなんだろうな?そういうのはな!

(ジェーン・スー)うわっ、きたー!カレーのおじさん、きたー!

(吉田明世)カレーのおじさん!

(宇多丸)ねえ。カレーのおじさんとこ、ライムスター宇多丸でございます。あ、どうもどうも。

(吉田明世)こんばんは。

(宇多丸)すいません。もう、さっきからもう、腹に据えかねる発言を、ねえ。次から次へと(笑)。

(ジェーン・スー)あの、カレーに対してのこだわりの強さはどこから生まれてくるんですか?

(宇多丸)あのね、いや、先ほどのメールの方みたいに素朴な感じ。これもいいんですよ。別に。ぜんぜん、そういうことを否定してるんじゃないです。ただほら、たとえば映画ひとつ見るのでも、監督とかがわかって、それで選んで見るタイプの人っているじゃないですか。

(ジェーン・スー)あの、カレーにおける監督はなんなんですか?

(宇多丸)カレーにおける・・・だからその店の系譜とかね。

(ジェーン・スー)あー、そっちだ!はいはい。

(宇多丸)どこそこの店で学んだ人がやっているからこういうテイストなんだ、みたいなのをまあ、わかって食べるとよりね、よりわかるところもあるし。そういう楽しみもあるじゃないですか。で、映画はもっと素朴に楽しめばいいじゃん!っていう人もいて。そういう人を別に否定しているわけじゃないの。だからその、『映画全般』みたいな雑な話をしてるんですよね。

(ジェーン・スー)あの、ラーメンについてはどう思ってるんですか?

(宇多丸)ラーメンはもう、僕最近ね、一時期のラーメンに対する偏見を大いに解消されました。

(ジェーン・スー)そうなんですか。ラーメンヘイトはなくなった。

(宇多丸)ただね、カレーとラーメンっていうのを特定で比較させるのは、ぜんぜん違うタイプのスポーツを比較してる感じの・・・

(ジェーン・スー)それね、よくわかんないんすよ。みんなそれ、言うんですけど。

(宇多丸)格闘技と陸上競技のなんかを、特定のを比べているみたいな感じで。いや、それはどっちもあっていいんだけど。で、俺はどっちかって言うと格闘技の方が好きだなっていう話をしてるわけで。だからその比較と対象・・・俺がその犬と猫を比較するのはなんか雰囲気が似ているからっていうだけで。あの二者はだいぶ違うぞ!みたいな。

(吉田明世)あー・・・

(ジェーン・スー)もうね、あの・・・(笑)。40過ぎのいい大人がガンガンガンガン!膝を鳴らしながら・・・(笑)。

(宇多丸)さっきからねー、もうちょっと、腹に据えかねるメーターがこうね・・・

(ジェーン・スー)だからまさにこういうことなんですよ。あの、今度タマフルで『宇多丸よ!男はなぜそんなにカレーが好きなのか?』っていうのをやっていただけないですか?

(宇多丸)いや、でもほら、コスメみたいなことですよ。その、ホビーとしての食い物。ラーメンもね。

(ジェーン・スー)教えてくださいよ、それを。私たちに。

(宇多丸)僕、そこまでうるさい人間じゃないんで。

(ジェーン・スー)うそーっ!?うそーっ!?

(宇多丸)そういうんじゃないんで・・・

(ジェーン・スー)やっぱりでも、じゃあどこ派のなにが好きなんです?

(宇多丸)僕はもう、まあデリーっていうのがね、子どもの頃から湯島にあるところ、通ってますし。僕はもう、カレーのね、ぶっちゃけエリートなんですよ。東京の・・・

(ジェーン・スー)なに言ってんの!?カレーのエリート!?はあっ!?

(吉田明世)よくわかりませんが、この後8時からも相談は踊りまーす!

(宇多丸)名店にいろいろ行ってるんです。

(吉田明世)(笑)

(ジェーン・スー)タマフル、聞いてください。

<書き起こしおわり>

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