星野源　LE SSERAFIM新曲『kawaii』プロデュースの経緯を語る

源さんは以前、オールナイトニッポンで『Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife』や『Crazy』というLE SSERAFIMの曲を流してくださっていて、今回はLE SSERAFIMのメンバーでもあるホ・ユンジンさんと一緒に英語を作詞されたということですが、LE SSERAFIMとこの曲について何かエピソードがあればお聞きしたいです」ということで、はい。そうなんです。私、星野源、楽曲をプロデュース……作詞、作曲、編曲を含め、しまして。

それがLE SSERAFIMの新曲ということで先日、発表されました。その楽曲のタイトルが『kawaii』ということで。まだリリースしてはいないんですけど。もう少しで皆さん聴けるようになりますし。そこから約1ヶ月ぐらいかな？　それぐらいからNetflixで『My Melody & Kuromi』というとってもかわいいアニメーション。ストップモーションアニメですね。が、公開されるので、それの主題歌としてかかりますので、皆さんお楽しみにという感じなんですが。

これのメール、たくさんちょっと届いているんで先に読んじゃおうかな？　東京都26歳の方。「源さん、LE SSERAFIMへの楽曲プロデュース、大変驚きました。LE SSERAFIMファンとしては源さんがオールナイトニッポンで楽曲を絶賛してくださったのを鮮明に覚えており、今回の楽曲が公開されるのは待ち遠しいです。アップテンポで楽しい楽曲のように感じましたが、どのようなイメージで制作されたんでしょうか？」。ありがとうございます。

そうなんです。もうこのこのことがすごいメールで質問がいっぱい来ていて。まず、その話をしたいと思うんですけど。まず、LE SSERAFIMの楽曲をプロデュースをするということでオファーをいただいたのがもう1年以上前で。2024年の4月にオファーをいただきました。で、その前からメンバーのカズハちゃんが僕のファンであるってことをインタビューで言ってくれたり。で、それをね、このラジオにリスナーさんが投稿してくれて。メールをくれてそれを読んで。その時はね、それを知らなかったんで「ああ、そうなんだ。嬉しいな」という感じだったんですけども。

で、オファーをいただいて楽曲をプロデュース、作詞、作曲してほしいというオファーをいただきまして。「じゃあ、やります」ということで受けました。僕、そのLE SSERAFIMとの出会いとしては、LE SSERAFIMのみんなが紅白歌合戦に初出場する時に、楽屋が向かいだったんですよ。で、「ああ、LE SSERAFIM。最近、結成したあのグループだよな。宮脇咲良さんがいるグループだよな」っていうのは知ってはいたんですけど、あんまり知らず。で、パフォーマンスを見て「めちゃくちゃかっこいいな」って思ったのがその最初の出会いで。で、その時にですね、楽屋が向かいだったもんですから出入りする時とか、割とよくすれ違っていたんですよ。

で、紅白歌合戦って終わる時に年を越すじゃないですか。で、年を越す時に、なんだろう？　それこそカウントダウンをみんなで「10、9……」とか廊下でやってたんですよ。みんないるから。スタッフも含めて。で、自分の楽屋の廊下に出て「カウントダウンだな」と思っていたら洗面台の方から全力で走ってくるLE SSERAFIMの……その時は僕、まだ名前を知らなかったんですけど。LE SSERAFIMメンバーの方が全力で走ってきて。ちょっとぶつかりそうになって「うおっ！」って避けるみたいな（笑）。

それでダーン！って楽屋に、その時は名前を知らなかったメンバーが入っていって、カウントダウンに間に合って。「ああ、よかった、よかった」みたいな。それが結構、衝撃的な出会いでですね。で、それが去年の紅白歌合戦の楽屋挨拶にLE SSERAFIMの皆さんが来てくれたんですよ。みんなが来てくれて。「あの時にぶつかりそうになったの、誰だったの？」ってその時に話したら「私です！」ってユンジンさんが言ってくれて。その時、ユンジンさんとニアミスっていうか、そうなっていたことがわかったんですけども。

最初の出会うそうで。で、その後にインタビューでカズハちゃんがそう言ってくれてたということを知って。「ありがたいな」って。しかも、あれだね。『POP VIRUS』のドームツアーを見に来てくれていて。その時はまだLE SSERAFIMに入る全然前だったんですよね。だからバレリーナをずっと目指していた頃だと思うんですけど。で、そういう話も聞いて「ああ、そうなんだ」と思って。その頃に聞いた曲が『Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife』で。そこですごくかっけえなと思ってラジオでかけたという。

なので、そのLE SSERAFIMの新曲として成立させる曲を作らなきゃいけないのと、あとはマイメロディとクロミの曲でもあるっていう、それをずっと作っているという感じだったんです。で、それの真っ最中の時にたまたま、高橋文哉くんが「好きなサンリオキャラクターは何ですか？」ってそのオールナイトニッポンXのエンディングで僕に質問してきて。

まさにっていうタイミングだったんで「クロミちゃんです！」って言ったという、そういう経緯があって。なんで、あのラジオがきっかけなのではなくて、前からオファーをもらっていて。プロデューサーとしてずっと作曲も含めてやっていた最中にあれがあったという。まさにね、偶然の一致という感じです。で、それで書いた曲が『kawaii』という曲なんですけど。もちろん楽曲がね、全部公開してからいろいろ話そうとは思ってるんで。あんまりここで話せることはないかなとも思いつつ。

テーマとしてはですね、「かわいいっていうのは幼さではなく、強さの証しである」っていう、それがテーマです。「かわいい」って辞書で引くと「幼い、力が弱い」みたいな感じで出てくるんですよね。でも、俺はそうではないと思っていて。かわいいっていうのは、なんだろうな？　もう、なんか世界共通語みたいになっているけど。そのかわいいってやっぱり見てると「強いな」って思うんですよ。すごい強さ。『逃げ恥』でもありましたよね。「かわいいは最強である」ってセリフがありましたけど。

で、そのかわいいってね、ものすごく強靭なものだと思ってて。で、それがLE SSERAFIMとサンリオキャラクター、特にやっぱりマイメロ＆クロミに共通するものであると思っていて。で、そのかわいいっていう定義を更新し続けていくっていう、なんかそういう存在だろうなと思っているんですよね。なので幼いとか、かわいしくて守ってあげたいっていうことじゃなくて、かわいいを武器に世界を席巻していくっていう。かわいいで世界を蹂躙してるって感じなんですよね（笑）。そんなイメージがある。

で、そのサンリオキャラクターもたとえばキティちゃんとかも含めて。たとえば『デッドプール』の映画に普通に出てきたりするわけじゃないですか。サンリオキャラクターが。それって、めちゃめちゃ強いっていうか、なんて言えばいいんだろう？　ネタとして出てくるっていうよりも、本当にそのデップーが愛してるものとして出てきたりとか。たとえば、そういう設定のところにも行くし。

いろんなコラボもしていて、負けない存在であるっていう。しかも強いっていう。で、どんどんそのサンリオキャラクターが世界に増殖していってるっていうのも含めて、かわいいって怖いと思うんですね。いい意味で。怖いもの、恐ろしいものなんだっていう。で、それはあのマイメロディっていう存在と、あとクロミっていう存在にもすごくイメージがぴったり合うなと思ったので、それをテーマに書きました。で、そのLE SSERAFIM、もちろんそのK-POPも含めていろんなガールズグループ……たとえばガールクラッシュという、そのジャンルって言っていいのかな？　なんか、そういういろんな歴史がありますけど。なんかそのかわいいっていうものを、かわいいじゃなくてこういう強さだっていう、いろんなパターンもあったと思うし。かわいいを持ちながら、どんどん強くあっていくっていういろんなパターンがあると思いますけども。どんどんどんどん、強さとかかわいさとかってそういうものをどんどん更新していくっていう。

で、どんどんこの数年、世界の中でのそのかわいいとかっていうものの認識のされ方が変わっていってると思うし。でも、それはあんまりまだ、「変わっていっているんだ」ってことが認識されていないと思うんですけど。でも、どんどん変わっていってるっていう、そこを表現したかったという。で、すごい楽しい曲ができたのでぜひ皆さん、聴いていただきたいと思います。で、その曲ができて提出した頃にLE SSERAFIMの『Crazy』っていう曲が8月30日にリリースされて。なんか、その自分がイメージしていた次のLE SSERAFIMみたいなものの……もちろん、全然楽曲は違うんだけど。なんか方向性みたいなものも含めてなんかすごくシンパシーを感じたんですよね。