真空ジェシカのお二人が2024年12月28日配信のポッドキャスト『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』の中でM-1グランプリ2024を振り返り。最終決戦で披露した「ピアノがでかすぎるアンジェラ・アキ」ネタの完成度が低かったという件について、その理由を話していました。
(川北)M-1後のさ、大吉先生の講評のラジオっていうのがあって。
(ガク)毎年ね、恒例でやってくださっている。
(川北)やっぱそこでもアンジェラ・アキはあんまりよくなかったっぽいな。
(ガク)「よくなかった」と言っていたわけじゃないけど、あんまり触れてはなかったな。
(川北)なんかそのね、あんこが尻尾まで入っていないたい焼きみたいな。
(ガク)そうだ、そうだ(笑)。1本目は尻尾までたっぷりあんこが入ってたけど、2本目はあんまり入ってなかったっていう(笑)。
(川北)まあ、変だもんな。アンジェラ・アキ。なんか俺らのメッキが剥がれたよな。賞レース用にちゃんと梱包した漫才しかやってなかったから。
(ガク)ああ、今までは1本しかやってないから。
(川北)そう。それで2本、やらせてみたら、やっぱりメッキが剥がれた。完成度が低いっていう。
(ガク)ニセ漫才が出てしまった(笑)。
面白い・面白くないではなく、完成度が低い
(川北)そう。とにかく面白い・面白くないというか、完成度が低い(笑)。本当はね、予選とかでね、やろうかなと思ってたのよ。でも、それこそモグライダーさんが落ちて、引っ込めたね(笑)。
(ガク)フハハハハハハハハッ! 「マズい!」って(笑)。あんまり固有名詞とかね、有名人の名前を出したりとか。
(川北)というか、今までのM-1でやってたのと違いすぎる。あれ、別にさ、モグさんもさ、あんなことをやるじゃん。普段は。
(ガク)普段のライブだとね。
(川北)なんなら、俺らも普段はそっちの方が多いじゃん? M-1用はもうM-1用で別で。
(ガク)アンジェラ・アキ的なネタの方が多いから。
(川北)メッキが剥がれてしまったようなやつ。「これは厳しい。モグさん、ありがとう」っていうことで引っ込めたネタなんだよね。だから何とか決勝まで行けて出せたという。それで結構ライブでもな、めちゃくちゃ滑ったりとかはもちろんあって。
(ガク)そうね。ちょいちょいやって、かなりね、滑りもした。
(川北)で、ネタが終わった後に、楢原さんに「君らはこのネタ、M-1でやらんやろ?」みたいな。結構、みんながM-1用みたいなのをやるようなちっちゃめのライブの時にやっていて。「これ、絶対やらんやろ?」「そうっすかね」みたいな。で、そのまま楽屋に帰ったら布川さんに「あのネタ、いいねえ」って言われて(笑)。
(ガク)フハハハハハハハハッ!
(川北)「あれ、決勝に行けるんじゃない?」って言われて。で、そんなトム・ブラウンさんも剛力はちょっと予選で落とされるだろうと思って引っ込めていたよな。
(ガク)そういうところはね、ニセ漫才師とはいえ……。
(川北)そうなんだよな。そういうニセ漫才師同士のね、あれがあるんだよ。意外とマネージャーのオノさんとかも「アンジェラ、やらないんですか? あのネタ、いいっすよね」みたいに言っていて……ニセマネージャーが。
(ガク)(吉本以外の)他事務所のニセマネージャーが(笑)。
(川北)やっていたら、あれは問答無用で落ちていただろうな。
(ガク)そうだね。もう決勝に行けたからできたネタだよな。
(川北)っていう感じだよな。やっぱり完成していない、未完成な感じが感じがすごいもんな。仕上がってないし。全然梱包とかされてないくて。しかもさ、ちょっと梱包したんだよな。ちょっと梱包したのに、それもなんか包装紙が破けちゃったみたいな。本当、すごい細かいところでこれはプロしか気にしないところだと思うんだけど。「長渕剛さんのライブに行きたいのに、間違えてピアノがでかすぎるアンジェラ・アキのコンサート」って、そのアンジェラ・アキは呼び捨てになっているとか。それもちょっと気にしてた時期、あったよな?
(ガク)そうだね。そこは絶対揃えた方がいいもん。どっちにしろ(笑)。こぼれちゃったんだ。
いろんなバージョンのアンジェラ・アキ
(川北)そう。で、いろんなバージョンがあったよね。「拝啓、この手紙 読んで、読む手紙。どこで手が痒い♪」っていう、手が痒いバージョンっていうのもあったよな(笑)。
(ガク)手が痒いっていうバージョンね。
(川北)で、手が痒いから、それをピアノでかいているみたいな。
(ガク)そう。ピアノを弾いてるんじゃなくて。
(川北)「手が痒いから、あれはピアノで指先をかいてるだけだ」っていう(笑)。その説明もゼロ笑いで、一発で引っ込めたっていう。
(ガク)そうだね(笑)。
(川北)手が痒いとかね。
(ガク)「ここは伝わりにくいから、ちょっとゆっくり丁寧に説明しよう」っていうのでゆっくり丁寧に説明したら……。
(川北)ゆっくり、丁寧にすべった(笑)。「手が痒いって言ってる」「手が痒いから、ピアノってかいてるんじゃないの?」みたいなね。あと、本物のアキさんが一瞬だけ、その捕らえられているアキさんが出てくるやつですね。「あれ? 今、本物がいなかった?」みたいな。
(ガク)口にガムテープを貼られて、手足を縛られているアキさんがちょっと出てくるっていうね。
(川北)それも梱包なんだよな。「偽物ですよ」っていう。本物のアキさんがいて。
(ガク)「あのアキさんは違いますよ」っていう。
(川北)そういうのも、だから包装紙がビリビリになっちゃって。本物のアキさんになっちゃったし。
(ガク)なっちゃった(笑)。ちょっとでも否定すればよかったもののね。一言、なんかね、「本物じゃないかもしれない」とか言えば……。
(川北)完成度が低いよ。で、その残り香がガクの「本物?」のところね。
(ガク)一瞬だけね、疑うっていう。
(川北)そう。疑うというところだけが残って。
(ガク)「でも本物でしょ?」って言うてるし(笑)。
(川北)あれ、いろんなバージョンがあったよね。最終的にアキさんが小さかったバージョンもあるしな(笑)。
(ガク)そう。ピアノが大きかったんじゃなくて、アキさんが小さかったっていう(笑)。
(川北)「テテテン、テテテテテン、テテテテテン♪……私が小さいわよ。拝啓、この手紙ー♪」。
(ガク)「ああ、アキさんが小さかったんだ!」っていう。
(川北)「自分が小さいって言った!」っていう(笑)。
(ガク)これもマジで伝わらなかったなー。
(川北)伝わらないし、整合性が取れてないんだよ。客席に1回、降りているのに。
(ガク)たしかにね。
(川北)あとはその整合性が結構、意外と取れた部分はどんどん大きくなっているというね。で、どんどん大きくなってるから最後、鍵盤の上で歩いているのよ。ピアノが大きくなりすぎて。
(ガク)そうね。これは初期はその説明なしで、いきなり鍵盤の上を歩いたりしてたもんね。
(川北)そうそうそう。あとはね、ガクには言ってなかったけど最終的にはガクを鍵盤の上に連れてきて。ピストルでガクの足元をバンバン!って撃って、ガクが避けるステップで曲を弾いてもらうっていうバージョンもあったんだけど。それはでも、もうトム・ブラウンさんとピストルかぶりするからっていうので引っ込めたのよ。
(ガク)それは他事務所すぎる。
(川北)あとは最後、ジャーン!ってやって。俺がもう口パクになって音がしなくなって。で、ガクが「ああ、鼓膜が破けた」みたいなバージョンもあったんですけど。それはなんかね、フランスピアノかそういうボケをなんかでやっていたから、それで引っ込めてね。そういうのを引っ込めてばっかりでね、梱包とかは全然できてなかったんだよね。意味がわからないっていう。
(ガク)うん。
(川北)あとお客さんを掴んでググッと顔に近づけて、そのまんまビジュアル系バンドみたいな感じのポーズをやるっていうのは、意味はないです(笑)。
(ガク)ただ顔を近づけて、下にやっただけで(笑)。何かがあるわけではない。そうね。1個1個、たぶん「これはどういうことだったの?」って言われたらもう、何も答えられないっていう。
(川北)詰めが甘い。たぶんだから最終決戦史上、一番完成度が低いんじゃない? だからみんな、見るんじゃない。今、Leminoのさ、再生回数ランキングみたいなのでLemino全体の2位なの。
Lemino全体の再生ランキングで2位
(ガク)ああ、そうなんだ? 令和ロマンが2本があって、バッテリィズも2本あって。それで僕らのアンジェラ・アキが2位?
(川北)で、1位はもうなんか、歌謡祭みたいな。M-1は関係ないやつで。今はね。もうM-1のLemino独占の反省会とかが俺らの次ぐらいなのよ。穴だらけだから。ニセ漫才すぎて、見ているのよ。
(ガク)逆にそうか。今までのM-1であんなネタが流れてこなかったから。
(川北)完成度が低い。とにかく。まあでも、後日YouTubeでも上がるからね。
(ガク)そうだね。上がると思う。
(川北)そっちでも見てもらいたいな。だからネタが2本、上がってるからな。これ、ちゃんとネタが上がった分の収益が還元されるから。これはかなり……。
(ガク)かなりありがたい話ですよ。
(川北)かなりアドだよな。生活のアド。
真空ジェシカの最終決戦ネタの「ピアノがでかすぎるアンジェラ・アキ」、個人的にはすごい好きなネタでした。何度も見たいと思ってしまうぐらいクセになるあのネタの魅力はその未完成さにあるのかもしれないですね。バチバチに仕上がっていた1本目の商店街のネタもめちゃ面白かったんですけど、なぜか気がつくとアンジェラ・アキさんの『手紙』を歌ってしまっている自分がいるんですよね(笑)。そういう意味で真空ジェシカは今回のM-1で大きな爪痕を残したんだなと思った次第です。