長瀬智也と木村コウ バイクと音楽を語る

長瀬智也と木村コウ バイクと音楽を語る TOKYO M.A.A.D SPIN

長瀬智也さんと木村コウさんが2024年7月5日放送のJ-WAVE『TOKYO M.A.A.D SPIN』の中でバイクと音楽について話していました。

(長瀬智也)ああ、そうだ。田口くんのアンケートはまだあるんですけど。それが「音楽に携わってる2人に質問ですが、ハーレーの鼓動のリズムで信号待ちで自然に乗っちゃうことはないんですか?」って。まさに今、俺たちが話していたことだ。「ハーレーは三拍子を刻む」っていう。まあ、「三拍子を刻む」っつっても、テンポはみんな違いますもんね。BPMがね(笑)。コウさん、BPMはいつもどのぐらい出てますか?

(木村コウ)ええと……500回転ぐらい? 600回転ぐらいかな?(笑)。タカタッ、タカタッてエンジンで。

(長瀬智也)でも、そう考えたら低めだ。

(木村コウ)うん。実際、そのハーレーのナックルヘッドだとだいぶ遅くできるので。

(長瀬智也)たしかに。

ハーレーが刻む三拍子

(木村コウ)けど、遅くしすぎると次に信号が変わった時、バッとアクセルを回すとくしゃみするっていうか、そういう感じなんで。エンストするかもしれないので、ちょっと早めにもしたりとか。けどなんとなく、遅くして聞いてると気持ちいいから。

(長瀬智也)だからやっぱりあれも、排気量がちっちゃかったからこそ、あの三拍子が刻めたっていう。やっぱりどんどんボアアップしていったりすると、どんどんハイコンプになっていくでしょう? そうすると、もうどんどん、フライホイールがバババババッてなって。だからね、1000回転ぐらいが当たり前になってきちゃうっていうか。

(木村コウ)逆にどんどんどんどん、速くなって。あと、排ガスとか、そういうような規制もあって。そういうので速くしないと止まっちゃうとかもあるかもしれないね。

(長瀬智也)そうそう。だから、トルクが足らなくなってね。なんかそういう、たしかにまた……田口くんも最近ね、ショベルヘッドに乗り始めて。ローライダーの。

(木村コウ)田口くん、やっぱりなんだっけ? チャレンジャーの……。

(長瀬智也)そうそう。XR1200。やっぱりみんな、バイクは乗りたいっつって乗っていってるから。なにも言わなくてもたぶん彼らは乗ってただろうし。

(木村コウ)あと、アメリカンカジュアルとかそういうのだと、みんなハーレーとかに乗るのが好きになっていきますね。

(長瀬智也)最近はね、またちょっとハーレーブームというかね。

(木村コウ)だから、前のスケボーのジェイソン・ジェシーじゃないけど。ああいうような人たちもね、みんな、なんだかんだハーレーとかに乗り出したりしているもんね。

(長瀬智也)マックス・シャーフとかね。ジェイソン・ジェシーとか。やっぱり、そういうカルチャーなんですよね。キャバレロなんかもやっぱりね、最近インディアンのスカウトとか、チョッパーカスタムしてかっこいいのを作っていたし。やっぱりなんかライフスタイルっていうことなんでしょうね。

(木村コウ)アメリカの全部の文化ですよね。そういうライフスタイルね。

(長瀬智也)まあまあ、きっと形なんてないんでしょうけども。なんかやっぱり、そういうスケーターですら、ライフスタイルにあるようなものだったりするので。

(木村コウ)みんな、ヒップホップとかはヒップの格好をしなきゃいけないじゃなくて、やってるとそうなってくみたいな。だから、長瀬くんなんかはそういう音楽をやって、ハーレーに乗って。そういうのはすごい合ってると思いますよ。

(長瀬智也)なるほど。なんか、だからその田口くんの今のこのハーレーの三拍子でリズムを刻んじゃうみたいなことは、たしかに音楽的要素はあるけど。なんか、バイクの鼓動に関して乗るってことはあんまりないかもしれないですね。

(木村コウ)「いい音だな」とか思ったりはするけど。

(長瀬智也)周期的じゃないじゃないですか。音楽は周期的なリズムになるんだけど、バイクって、なんていうんだろう? もちろん同じ周期を刻もうとしてるんだけど、やっぱり……フライホイールが丸くて。そこにコンロッドが付いていて、それを回してるから。まあ、たしかに周期にはなるんだけど。だけど、アクセル回すとさっき言ったようにBPMがね、早くなっていくから(笑)。だから、なんだろうね? BPMが変わる音楽みたいな捉え方的なことはあんまりないです。

(木村コウ)なんか、その加速感とかなんとか……あとはずっと高速に乗っていてとかで、そういうちょっと黒いリズムになってきたみたいな感じになるのはね(笑)。

(長瀬智也)たしかに。ちょっと跳ねるっていう。たしかに。この間、僕はサブスクで適当に音楽がランダムに流れてくるやつで、なんかバンドのロッケンロールの曲が始まったんですよ。BGMで流してるから、誰が何の曲なのか、わからないんだけど。でもなんか、結構ガレージバンドみたいな、ものすごい大きい箱でレコーディングしてるのは何となく、聞いていてわかったんですよ。で、ロッケンロールもちょっと不思議なテンション感で。普通のチューニングじゃなくて、ちょっとね、1音半とか2音ぐらい低いチューニングでみんなロッケンロールをやっているんですよ。「なんでこんな気持ち悪いチューニングでロッケンロールをやってるんだろうな?」って思いながら、コーヒーかなんかを作りながらずっと聞いていて。

それで本来、その歌のサビである場所が終わって、だいたいギターソロが来るじゃないですか。っていうタイミングの時。その「ギターソロが来るかな?」と思ったら、いきなり4発のバイクのエンジン音。あのエンジンの音で、そのソロを弾くんですよ。要はだから、いわゆる日本のね、暴走族のやるようなコールっていう。あれで……ドラえもんとか、みんな、やるでしょう? あれを海外の方のバンドがね、曲の中であれを利用して。バイクでソロを弾くっていう。だからその時に、チューニングを下げていた理由がわかったんですよ。

(木村コウ)ああ、そのエンジンに合わせたんだ。

(長瀬智也)そう。バイクのピークのキーに合わせみんながキーを下げていたっていう(笑)。

(木村コウ)すごいですね、それ!

(長瀬智也)だから「これは発明だ!」と思って。絶対、ハーレーのエンジンではできないじゃないですか。

バイクのエンジン音ソロ

(木村コウ)だけどちゃんとそれで、その音楽がメインじゃなくて、そこの焦点を当てて曲を作っていたんだ。

(長瀬智也)これが本当の音楽だって僕、思いました。かっこよすぎるって思って。

(中略)

(長瀬智也)だからそんな、レコーディング自分たちもやってみたいなって。そんなに面白い音楽、ないでしょう?

(木村コウ)うんうん。今、結構だいぶ自由になったんじゃないですか? 自分の行動とか。

(長瀬智也)まあまあ、そうっすね。なんか別に、それまでもがんじがらめにされてたっていう印象もないんですけど。別にやってることも、その表現のスタイルも特にあんまり変わってないっていうか。でもやっぱり、逆に誰にもできないことをやりたいっていう。そこがチョッパー精神みたいなところがあって。ちょっと天邪鬼が出てしまうっていうか。そういう意味で、もう何となくまあ、自分らしいなと思ってるんですけど。

(木村コウ)でも本当に音楽が好きなのは、わかります。

(長瀬智也)だから、なんかわざと風当たりの強い方に行ってしまうというか。僕もやっぱり、そうやってバンド文化みたいなところでずっと生きてきたところもあったんで。もちろん、かっこいいものに魅了されて。「自分もやってみたいな」って思うんだけど。でもそんなの、誰が期待してるんだろうとか、思っちゃったりするんですよね。だからなんか、あんまりそういう意味でのストイックな練習みたいなことって僕、ある時からやめて。

(木村コウ)前はでも、家でもずっと弾いてる感じだったもんね?

(長瀬智也)そう。でもある時からね、さっき言ったようにね、マイクを調べるようになったりとか。「オタク」って言われたらそれまでなんですけど。

(木村コウ)「マニア」ですね(笑)。

(長瀬智也)そう。マニアになっちゃいますよね。

(木村コウ)でもなんか、気になってくると、調べたくなるじゃないですか。

(長瀬智也)そう。たとえばコウさんの世界でも、サンプラーとかね、音源……808とか。

(木村コウ)909とかね。

(長瀬智也)ああいうもので、そのキックの音を三つぐらいの音を混ぜて、とか。いろんなのがあるわけじゃないですか。聞いている人たちは……。

(木村コウ)全然わかんないんでしょうけど。世の中でも、いろんなヒット曲があるけれども。「ああ、このキックは違うな」とか。その「キック、違うな」とかなんて、どうでもいいはずなのに。けど、自分だけはやっぱり違うなと思っちゃうんですよね。

(長瀬智也)でも、コウさんの作ったたとえばキックの音は、コウさんがいいと思って作ってるキックの音だから。それはほら、さっき言ったようにコウさんが適当なキックを持ってくるわけじゃないから。聞いてるこっちとしては、やっぱりその、オタクとかじゃなくて。音楽での調味料を熟知した人がそれをやってるって風に僕には聞こえるから。むしろ、そういうところを楽しむところじゃないですか。CDやレコードって。だからなんか、ねえ。さっき言ったけど、やっぱり音質みたいなところで言ったら、やっぱりレコードだのCDだのだったり。中にはねテープがいいっていう人もいるでしょうけども。

(木村コウ)いろいろみんな言うけど、みたいな。全体の質感の方が割と大切っぽい感じがしますね。

(長瀬智也)ねえ。なんかいろんな世界があるから。その機材とかもね。

(木村コウ)もう音楽で気合を入れてる人って、電源が気になるから自分で電柱を建てちゃったりする人とかもいるから(笑)。

(長瀬智也)直で(笑)。

(木村コウ)マイ電柱みたいな(笑)。

マニアのこだわり・マイ電柱

(長瀬智也)でも田口くんも最近、ギターを……アコギか何かを買って。なんかリサイクルショップかなんかで買ったらしくて。で、ゲンさんかなんかにペイントしてもらって。一時期、練習に励んでた時もあったんです。でもなんか最近、そのギターがどうやら娘に行ったらしくて(笑)。娘がたぶんもう10年後ぐらいに、だいぶ……。

(木村コウ)ああ、いい感じになってくるんだ(笑)。もう、めちゃめちゃ英才教育じゃない?

(長瀬智也)ねえ(笑)。

<書き起こしおわり>

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