宇多田ヒカルさんが2024年4月15日放送のJ-WAVE『宇多田ヒカルのトレビアン・ボヘミアン スペシャル 2024』の中でリスナーから届いたメールを紹介。「自分自身が歪んでいびつだと感じてしまいます。自分自身を受け入れるにはどうしたらいいですか?」という質問に回答していました。
(宇多田ヒカル)メッセージの方に行きたいと思います。東京都の中学生の方から。「いつもヒカルさんの曲を聞いてつらい時に助けられています。ヒカルさんがつらいと思った時、気分転換するためにやっていることはありますか?」。ええとね、メッセージ、ありがとう。私ね、考えてみたんだけど。あんまり意識して気分転換っていうことをしないかも?
なんかあんまり……つらかったら、つらいというか。なんだろう? でも、できるだけ抑えようとはしない。なんか「ああ、やばい。泣きそう」って思ったら……あのね、知ってる人が周りにいると私、割と泣けないんだけど。最近でも、たまにあるな。もう、こらえられない時。そういう時は、思いっきり泣いちゃう。できるだけ、こらえないように努めている。
泣くことをこらえないようになった
(宇多田ヒカル)そしたら最近、人前でも泣けるようになってきた。それまで、1人じゃないとダメだったんだけど。うん。もうなんかね、道を歩いていても、なんかうわーって……別に悲しいからじゃなくても。なんか思った時に「ああ、泣く」って思ったらもう、道を歩いていてもちょっと下向いて。歩きながら泣いちゃうし。
でもそれ、すごく体にいいんだって。涙にストレスの成分とか、そういうもの。いろんなホルモンみたいなのが涙と一緒に出て、すごいすっきりするんだって。あとは、何だろう? あとはもうひたすら、ダラダラゴロゴロ……ゴロゴロしてすごすとか(笑)。枕を抱いて。ええと、あとは運動とか、普段からするようにしてる。そうすると、なんかね、気分がすっきりするなと思う。うん。です。
続いて。神奈川県の大学生の方。「宇多田ヒカルさんには音楽だけでなく、生き方にもいつも励まされています。最近、同性の親友に告白して、振られてしまいました。どうしても自分が歪んでいて、いびつだと感じます。どんな自分も受け入れるにはどうすればいいでしょうか?」。ああ、同性の親友か……親友は、これはすごく勇気が必要だったろうし。残念だったね。うーん、私は……なんだろう? 別にさ、「こうじゃなきゃいけない」っていうのは、ないと思うのね。
別に歪んでいても、いいし。逆にそんな、まっすぐな人なんて気持ち悪いと思うし。たとえば「自分のことが受け入れられない」っていう状態だって、別にいいじゃんって思うよ。だってそんな、簡単なことじゃないじゃん? 自分を受け入れるのって。だから「ああ、今は全然、自分を受け入れることができていない」っていうことでまた「ああ……」って自分を責めないで。それは悪いことだって思わないで「今、自分はそういう状態なんだな」っていうぐらいにただ観察して、なんて言うの? 感じ取ってあげればいいんじゃないかなって思う。
それに、なんていうんだろう? 人間ってさ、動物、植物……命ってそうなのかもしれないけど。負荷がかかったところが、そのものをそのものにさせるっていうかさ。なんていうの? だから「歪んでる」とか「へこんでいる」とか「伸びちゃっている」とか、そういうのがあなたを作っていて。それが素敵なことなんじゃないかな?って思うの。生きてきた証なんだし。
歪んだりへこんだりしている部分がその人を作っている
(宇多田ヒカル)私は……まあ、こんな風に思えるようになったのは本当に割と最近だけど。自分が与えられたものより、すごく渇望したけど与えられなかったものっていうのが私を豊かにしてくれたんじゃないかな?って思うようになりました。だから、うん。それはすごい時間がかかったけど。だから、あなたが歪んでてもいいし、自分のことを受け入れられなくても私は全然いいと思います。なんか、答えになってるかな?
ああああん ラジオ特番の放送今日だった!もう放送になっちゃった地域もあるけどもうすぐ始まるとこも!https://t.co/dbPaMAG7MF
— 宇多田ヒカル (@utadahikaru) April 10, 2024
<書き起こしおわり>