DJ PMX BUDDHA BRAND『人間発電所』・OZROSAURUS『AREA AREA』製作秘話を語る

DJ PMX BUDDHA BRAND『人間発電所』・OZROSAURUS『AREA AREA』製作秘話を語る DJ SOULJAH PRIMECUTS RADIOSHOW

DJ PMXさんが2024年3月30日放送のJOY FM『”PRIMECUTS” RADIOSHOW』にゲスト出演。BUDDHA BRAND『人間発電所』、OZROSAURUS『AREA AREA』製作時の秘話を語っていました。
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(DJ SOULJAH)じゃあもしかして……もうちょっと後になるかもしれないですけど。その頃にもう、プロデューサーとしていろんな作品に携わっていたという逸話の1個で、BUDDHA BRANDの……。

(DJ PMX)ああ、『人間発電所』ね。

(DJ SOULJAH)の、プログラミングを。あれは実際どういった経緯で?

(DJ PMX)あれは実際、DEV LARGEとはもう仲良くて。さっき話した火曜日のミロスガレージっていうところにDEV LARGE、MUROとかYOU THE ROCK★とか。あの当時はスチャダラパーもそうか。いろんなところに行って、いろいろ活躍してる人たちが集まっていて。そこでDEV LARGEと知り合って。自分はプログラミングとか、できるんで。AKAIのS900っていう当時、MPCとは違うんだけど。ラック式のサンプラーがあって。それをよく、パブリック・エネミーとかはそういうのを使ってサンプリングしていた、みたいな。それを知って、それを買って。そういうことをやってたんで、DEV LARGEがうちに来て。「このレコードとこのレコーダーを合わせて、ああだこうだ、こうしよう」みたいな感じでうちで作っていった。6畳ワンルームみたいなところで。

(DJ SOULJAH)すごいですね! お互いの行動力がやばいっすね。じゃあ、もうネタを持ってきて「こんな感じで組んでもらえる?」みたいな。それが90何年ですか?

(DJ PMX)あれは92、3年? で、そのぐらいの時にデータを持って、Illicit Tsuboiっていう、今はKANDYTOWNとかのエンジニアをやってるやつもその時、火曜日のミロスにいたんだけど。そんな感じの流れでそこに行って……そしたらWATARAIくんがSP-1200を持ってきてドラムを組み始めて。「ああ、SP-1200ってめっちゃかっけービート、作れるんだな!」とか思って。

(DJ SOULJAH)パブさんがその大枠を作って。で、ドラムプログラミングをワタさんがやって、Tsuboiくんがミックスをするっていう?

(DJ PMX)そう。

(DJ SOULJAH)すごいメンバーっすね!(笑)。ヤバッ!

(DJ PMX)面白いよね(笑)。今でもそれぞれ、活躍していて。

(DJ SOULJAH)じゃあ、あれは戻ってこられたタイミングでレコーディングしているんですか?

(DJ PMX)戻ってきたのが……また戻ったのかな? これ、面白い話があって。「来週、もうニューヨークに帰るんだよね」っつって。「それ、悲しいね」っつって泣きながら抱き合って。その次の週、またいたっていう(笑)。

(DJ SOULJAH)フハハハハハハハハッ! 何だったんですかね、それ(笑)。

(DJ PMX)「(飛行機に)乗り遅れた」とかって言って(笑)。レコードも空港に預けっぱなしだったりとか。結構まあ、ヒップホップ的な性格のやつだったね(笑)。

(DJ SOULJAH)なるほど。めっちゃ面白いな!(笑)。

BUDDHA BRAND『人間発電所』

(DJ SOULJAH)でも、言ってもブッダってイーストコーストサウンドじゃないですか。パブさんたちの影響されたウエストコーストはどのへんから?

(DJ PMX)ええとね、同時に聞いてたんだよ。元々、ニューヨーク物から入っていったんだけど。Run-D.M.C.とかLL・クール・J、パブリック・エネミー。その中でパブリック・エネミーが大好きで。その当時、好きな人ってブーンバップ的な跳ねたビートが好きじゃないですか。俺、どっちかっていうとパンク、ロック寄りなアプローチしているパブリック・エネミーが大好きで。それを聞いていたら、N.W.Aもなんか似たような感じの激しいやつがあって。「ギャングスターとか言ってるな」「ファック・ザ・ポリスとか言ってるな」みたいな。それを聞きながらだんだん、ウエストコーストにはまってったみたいな。

(DJ SOULJAH)じゃあN.W.Aが、もしかしたらきっかけっていう感じなんですね。

(DJ PMX)そうですね。

(DJ SOULJAH)なるほど。なんかだいぶ、点と点が繋がってきました。話の流れが。

(DJ PMX)で、だんだん……92年ぐらいにドクター・ドレーが『The Chronic』を出して。最初は「これ、どんなんだろうな?」とか思っていたんだけど、だんだんはまっていくっていうか。そこから完全にウエストコースト寄りな作品をいっぱい作っていて。ただ、いろんなその日本語ラップの人たちに聞かすんだけど「これは違う」みたいな。要は、ニューヨーク全盛の時じゃん? ブーンバップ全盛時代で。「いや、これは別物だよ」みたいな感じだったんで、なかなか受け入れられず。そういうのが好きなラッパーとかを、DSを使ってまた日本語ラップとは違うことをやろうと思って。

(DJ SOULJAH)なるほど。で、そっからじゃあ結構、日本のパイオニアという風に今、言われているウェッサイ系のものに?

(DJ PMX)その時にMACCHOが……「中学生だけどうまいやつがいる」っていうんで、メンバーにして。90年代はなかなか芽が出なかったんだけど。MACCHOの『AREA AREA』を出すことになった時に、ウエストコーストサウンドなものを取り入れて、一気に風がこっちに向いたっていう。

(DJ SOULJAH)やっぱり、ターニングポイントはあの曲ですか。

(DJ PMX)うん。『AREA AREA』。それを出すことによってDSもやりやすくなった。『AREA AREA』はまあ、ビート的にはブーンバップなテイストを取り入れてるんだけど。なぜかっていうと、なかなか90年代のさんぴんCAMP世代の人たちの中に入るっていうのはちょっと跳ねさせたビートじゃないと入りにくいなって。デス・ロウの2パックとかも結構そういう、ちょっと跳ねたビートにしていたりした気がするんだけども。たぶんすげえニューヨークを意識してるだろうなと思うんだけど。

(DJ SOULJAH)実際、彼もニューヨークに行って『JUICE』を撮っていたり、住んでたりとかってあったじゃないですか。だから、たしかにそのイーストコースト・ウエストコストのちょうど真ん中というか。じゃあ、その『AREA AREA』も?

(DJ PMX)跳ねさせて、スイングさせたドラムを……所々、EPMDっぽい感じのドラムにしようと思ったり。テイストを入れたりして。

(DJ SOULJAH)へー、面白い! あれってちなみに製作秘話でいうと、それ以外で言うとどこで録って、とか。どういう感じだったんですか?

(DJ PMX)あれはちょうどDSのアルバムとオジロのアルバム並行してた時期で。で、みんな集まって。当時はレコーダー、24トラックのローランドかなんかが出してるレコーダーだと思うんだけど。デジタルの。それにトラックを何曲も、自分で作ったのを入れといて。それで「どっちが使う?」みたいなのを話しながら。あの曲はまだ、アレンジしか入ってなくて。ドラムとベースとアレンジだけ。「テテッテテーレーテーレ♪」もあれ、歌が入った後に入れたんで。

(DJ SOULJAH)ああ、そうなんですね。

(DJ PMX)レコーディング前は本当にシンプルなコードの「♪♪♪」っていうのとドラムが入ってるだけのやつをMACCHOが気に入って。それで渡して。

(DJ SOULJAH)ああ、じゃあそれが入ってない時から、MACCHOくんはもうピンと来てたんですね。

(DJ PMX)最初は「これをリードにしよう」というよりは、アルバムの1曲として……リードがどれかは決まってなかったので。

(DJ SOULJAH)じゃあ、ぜひまずはその曲からちょっとそのファンファーレを。ぜひ曲振りから、お願いしていいですか?

(DJ PMX)はい。OZROSAURUS『AREA AREA』。

OZROSAURUS『AREA AREA』

<書き起こしおわり>

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