ピエール瀧とカンニング竹山 面白いものを作り出す「パンク精神」を語る

ピエール瀧とカンニング竹山 面白いものを作り出す「パンク精神」を語る ザ・ラジオショー

ピエール瀧さんとカンニング竹山さんが2023年8月7日放送のニッポン放送『ザ・ラジオショー』の中でかつて、テレビやラジオが元気だった時代についてトーク。そのベースにあったデタラメでハチャメチャな「パンク精神」について、話していました。

(カンニング竹山)どうですか? プロ野球、ずっと見てて。

(ピエール瀧)とにかくみんな、野球がうまい(笑)。本当に、シンプルな感想で申し訳ないけど。とにかくみんな、野球がうまい。

(カンニング竹山)それは昔の方がプロ野球選手も……1ファンとして見ているとは思うんですけど。そこまでじゃなかったですか?

(ピエール瀧)昔はだから、ホームランとかさ、そういうやつとか。派手なプレーというか。「3者連続三振! 球、速え!」みたいなやつとかさ。そういうところにやっぱり目が行きがちじゃない? そうなんだけども、今だと本当に「守備がうまいね」とか「何? その牽制」とか、そういう渋い方に行きがちになっていっちゃうんだよね。それを見てると、とにかくうまいね。やっぱり日本、野球のレベルが高いなっていうのは思うね。

(カンニング竹山)それって瀧さんね、野球以外のことも含めて……野球は今の世代、うまいじゃないですか。お笑いなんかも若手って、まあネタがちゃんとしてるんですよ。

(ピエール瀧)ああ、そうね。

(カンニング竹山)で、ミュージシャンも結構そうで。若手のバンドとか、すげえのがいっぱいいるじゃないですか。

(ピエール瀧)まあ、俺はそんなに聞かないら詳しくないけど。若手のバンドの子たち、アレンジがすごい複雑だったりとか。あと、テクニックが激ウマみたいな感じの曲とか、結構あったりするじゃない? そういうのは、そうだね。細かいところとか、ちゃんとできてるってすごいなとは思うけどね。

(カンニング竹山)それは、何なんですか? 若いやつ。

(ピエール瀧)でもその最近のやつ……野球を見てても思うんだけどさ。それこそ今の若いプロ野球選手もそうだし、甲子園とか高校野球の選手を見てると、みんな同じバッティングフォームなってくるんだよね。昔はさ、デタラメのフォームの人とかが……。

(カンニング竹山)オリジナルのね。

(ピエール瀧)オリジナルの。それこそ、野茂のしてもそうかもしれないし。村田兆治みたいな人もいたし。まあ、カープの大野みたいな。ああいう、しゃがんで投げるみたいな、ああいう人たちもいたじゃない? そういうものから割と、スポーツ力学とか、そういうものがちゃんとしっかりして。それで効率的な体の動かし方、効率的なボールの捉え方、投げ方っていうものが確立したんじゃないかな?

(カンニング竹山)ネット云々もあるし。それで分析もできるし。

(ピエール瀧)そうそう。で、たぶんそれがお笑いも、そのネタといういうものがどうなのか?っていうので、何かしらが確立したんじゃないのかな? それをみんな踏まえた上で、要は基礎がある程度ある上での、ちょっとした自分の中でオリジナルみたいなやつになっていくだろうから。そういうことなんじゃないのかしら?

(カンニング竹山)それで言うとね、テレビもね……まあ、ラジオでテレビの話もあれですけど。もちろん、安西さんとかマッコイさんとか、みんないるじゃないですか。みんなでこの間、話していたら「結局、不良が作らなきゃダメなんだ」っていう。

(ピエール瀧)フフフ(笑)。まあね、わかるわかる(笑)。

(カンニング竹山)それはなにか?っていうと、ラジオも含めてなんですげえ番組がいっぱいあったかっていうと、結局は制作会社に入ってくる人って不良がいっぱいいたじゃないですか(笑)。

(ピエール瀧)そうね(笑)。不良というか、どうしようもない連中ね(笑)。社会通念がない連中ね(笑)。

(カンニング竹山)「若い時、遊んでましたわ!」みたいな。「で、そのままADになりましたわ!」みたいな。でも、そういう感覚がある、遊び心がある、ふざけた心があるから、「芸人をあそこに落としたら、おもしれえんじゃねえの?」「じゃあ、安全だけは確保しろ」みたいな感じで作ってたから、実際にそのバラエティとかも面白かったり、いろいろするんだけど。今、そうなってくるとまたきちっとした教育を受けた、きちっとした人たちがちゃんと作っていくから。

制作会社にも「きちっと大学を出てます」とか、「ちゃんとこれ、やってます」とかみたいな。まあ、大学に行っても悪いわけじゃないですよ? でも、ちゃんとした社会通念を持った人たちが作るから、初めから「ああ、そういうのはダメですね」みたいなことになるんじゃなかろうかっていう話をしたんですよ。

(ピエール瀧)まあまあ、それはあるかもしれないね。あとは今、パンクが流行ってないんじゃないかな?(笑)。

(カンニング竹山)はー!

パンク精神がなくなった?

(ピエール瀧)パンクっていうか、音楽もそうかもしれないけども。パンク精神というか。なんかもう「この鬱屈とした社会をぶっ壊す!」みたいな感じがベースにある……だから、やんちゃだったりとかさ、それこそ暴走族に入ったりとかしてた感じだろうけどさ。なんか今、ぶっ壊しに行くと跳ね返されるみたいなさ。「壁、厚いな」みたいな感じの部分だったりするじゃない?

(カンニング竹山)それって、ラップではないんですか?

(ピエール瀧)ラップもあるけど。ラップはあるけど。でも、ラップもだって業界っていうよりかは、目の前のやつをたたきのめしに行くっていうやつとかだったりするから。

(カンニング竹山)ああ、タイマンのね。

(ピエール瀧)だから割と……まあ、俺もそんなにそのフリースタイル系とか、ラップに詳しくないけど。世の中に言うっていうよりかは、割となんかもうちょい小さい土俵であれ、やってない? タイマンで「今、目の前のお前を叩きのめす!」みたいな感じだからさ。そういうやつ……その、パンクな感じってあんまりないのかな?

(カンニング竹山)流行らないんですかね?

(ピエール瀧)流行らないのか……だからこれをもう1回、確立して。みんな、にっちもさっちも行かなくなった頃にもう1回、じゃあぶっ壊す!っていう。

(カンニング竹山)誰か出てくるんですか? パンクなやつが。

(ピエール瀧)やっぱりスクラップアンドビルドはある程度、必要っていうか(笑)。ねえ。それがあった方がたぶん、どんどん発展もしていくだろうし。新しいものも生まれるのかなと思うけど。

(カンニング竹山)なんか今、「楯突く」みたいな感じって……もう俺もだいぶおじさんですけど。楯突いて今、ろくなことがないじゃないですか。

(ピエール瀧)そうね。

(カンニング竹山)なんかこういう放送とかでも「こうなってんだろう? おかしいだろう?」みたいなのを、自分のキャラだと思って言ったところで、それがめちゃくちゃマイナスに作用していくっていう。

(ピエール瀧)まあ、でもそういうのを待ってる人はいると思うんだよね。で、そういうのが響く人って、サイレントマジョリティー側っていうか。その人たちって声を上げないんじゃないの? きっと、だから。「また竹山がブチ切れてくれた!」みたいなやつで。「すっきりするな」みたいな人は絶対いると思うけど。

(カンニング竹山)ネットでめちゃくちゃ叩かれても、ロケで街で会う人は「この間、気持ちよかったぜ」とか「よく言ったな、あれ」とか、結構いるんですよ。

(ピエール瀧)ネットで叩く人って、ネットで叩いている時点でかなり暇じゃん?(笑)。パンク精神ある人って、ネットで叩かないと思うんだよね。

(カンニング竹山)叩かないと思うんですよ。そうなんですよ!

(ピエール瀧)わざわざ見つけに行ってさ。竹山がなんかやったやつ、配信されてるから自分の時間を割いてまでそれを聞いて。「うーん!」って炎を、ボイラーに火を付けて。「竹山めーっ!」ってやっている人ってさ、もう、優しい人じゃん(笑)。素朴な(笑)。

(カンニング竹山)そうなんですよね。

(ピエール瀧)だから、そういうのを考えるとさ、こっちもそういうのをいろいろと見ちゃうけども。そこのね、それこそSNSとか、ヤフーナントカとかに書き込んでいる人ってさ、素朴でいい人じゃない? ベースは。

(カンニング竹山)基本はね、そうでしょうね。

(ピエール瀧)本当に。だって竹山の身の回りでそういうの、書き込んでる人、いる?

(カンニング竹山)いないんですよ。誰もいないんですよ。

ネットで叩いている人、身の回りにいない説

(ピエール瀧)そうでしょう? いないよね?(笑)。たぶん。ブースの向こうのスタッフさんたちもみんな、「うんうん」って言ってるけどさ。「身の回りでさ、SNSとかであれこれと噛み付いたり、書き込んでる人いる?」っつったら「いや、いないっすね」ってなってるから。いないんじゃない?

(カンニング竹山)それで配信みたいなの、やってるじゃないですか。書き込みとか、読みながら。で、いろいろと文句を書いてくるやつがたまにいるから。そいつのハンドルネームを名指しして、めっちゃ怒るんですよ。「おめーはな、今これを見て、そういうことを書き込んでいる。その精神が、お前というダメな人間を作ってんだぞ! 書き込もうと思った時点で、お前がダメなんだ! 『書かない』ということを自分で気をつけてやれ!」って。

(ピエール瀧)うん。それを言ってる竹山くんも優しいよ? 本当に(笑)。超優しいじゃん(笑)。

(カンニング竹山)そいつらを救ってやりたいんですよ、どうしても。あいつらのことを(笑)。

<書き起こしおわり>

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