ピエール瀧 ブルーハワイとピーナッツバタージャムサンドを語る

ピエール瀧 ブルーハワイとピーナッツバタージャムサンドを語る たまむすび

ピエール瀧さんがTBSラジオ『たまむすび』のハガキで悩み相談コーナーでブルーハワイとピーナッツバター&ジャムサンドについてトークしていました。

(ピエール瀧)そして次はこちらですね。夏らしいというかどうなのか。千葉県の女性の方です。(相談ハガキを読む)「前略、瀧さん、赤江さん、こんにちは。さっそくですがお二人に食べ物のことについて聞きたいことがあります。ひとつ目はブルーハワイジュースです。30年以上前の夏に友人たちと遊びに出かけた時のことです。喉が乾いたので皆で喫茶店に入り、当時出始めていたブルーハワイのジュースを爽やかそうな青色に惹かれてたのんだのですが、飲んでみたらなんと、常温。しかも、氷さえ入っていない……」。

(赤江珠緒)(笑)

(ピエール瀧)「……とりあえず、全部飲みましたが、ただ甘ったるいだけの液体にしか感じられず釈然としない思いだけが残ったのでした。それから30年以上、私は一度もブルーハワイのジュースは飲んでいません。かき氷のシロップでさえも。そこでお聞きしたいのですが、ブルーハワイジュースとは美味しいのでしょうか? ちなみに私はお酒が飲めないので、ジュースの判断だけでお願いします。それから2つ目なのですが、よくアメリカのドラマや映画で見かけるピーナッツバターとイチゴジャムのサンドイッチについてです……」。

(赤江珠緒)ええっ?(笑)。そんなのあるっけ?

(ピエール瀧)あるある。「……私は以前、ふと思い立って作って食べてみたのです。たまたま家にあったのが無糖のピーナッツペーストと甘さ控えめのイチゴジャムだったのでなんだか味がはっきりしなくて美味しいのかどうかよくわかりませんでした。やはりピーナッツバターとイチゴジャムのサンドイッチはアメリカの甘~い製品で作るからこそ美味しいのでしょうか? それとも日本の商品でも十分に美味しく食すことは可能なのでしょうか? くだらない質問ばかりですが答えてくださるとうれしいです」と。

(赤江珠緒)ああー。いやいや、興味深い。でもあのブルーハワイはやっぱりね、あの色に惹かれますもんね。

(ピエール瀧)赤江さん、いつごろからブルーハワイを?

(赤江珠緒)やっぱりね、かき氷からだね。

(ピエール瀧)そうでしょう? もう生まれた時からありました? ブルーハワイ。

(赤江珠緒)ありました。物心ついて屋台とかでかき氷をたのむ時もイチゴ、ブルーハワイ、メロン……

(ピエール瀧)レモン。

(赤江珠緒)レモンがね……黄色はあんまりなかったぐらい。

(ピエール瀧)ああー。僕も中学、高校ぐらいからかな?ってなんとなく思うんですよね。なんで、なんなのかよくわかんないじゃないですか、あれ。

(赤江珠緒)たしかに。イチゴはまあ、わかる。メロンもわかる。まあ、それに近づけた味だろうっていうのはわかる。ブルーハワイは?

(ピエール瀧)ねえ。レモンもわかるじゃないですか。で、カンロはさ、甘い砂糖水だぜっていうのは。あと抹茶もわかる。ブルーハワイ……なに? 青いハワイって。

(赤江珠緒)(笑)。そうね。

(ピエール瀧)なんなわけ?

(赤江珠緒)もう完全にイメージだけで言ってますもんね。味のこととか全く関係なしと。

(ピエール瀧)なのにもう、定番化しちゃっているじゃないですか。割と。で、子供とかもまあまあたのむじゃないですか。あれ、爽やかそうだから

(赤江珠緒)そう。見た目にひかれて。

ブルーハワイの正体

(ピエール瀧)ねえ。なんなのか? そもそもブルーハワイ。こちら、ラム酒ベースのカクテルの名前なんですって。

(赤江珠緒)ほー!

(ピエール瀧)色が青く仕上がるのはカクテルの材料に使っているブルーキュラソーというリキュールの一種によるもの。要は青い酒ですね。

(赤江珠緒)へー! ああ、そう。

(ピエール瀧)このブルーキュラソー。なにこれ? 何者?

(赤江珠緒)うんうん。

(ピエール瀧)こちら、スピリッツやブランデー。要は度数の高いお酒にオレンジの皮で味付けをし、砂糖を加えたものがブルーキュラソー。だからもうブルーハワイ=オレンジの皮味なんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうなの!

(ピエール瀧)はい。ゆず茶と同じです。だから。

(赤江珠緒)本当だね(笑)。

(ピエール瀧)要するに、青いゆず茶みたいなもんかな?

(赤江珠緒)そうね。それが青になっちゃうんだ。

(ピエール瀧)で、このかき氷のブルーハワイシロップも同じで、砂糖に果物などの皮からとった香料を入れて着色料で色をつけたもの。これは全ての味が一緒。香料のバランスが違うだけと。

(赤江珠緒)知らなかった。私、完全に砂糖水に青を入れているんだなと思ってました。色水の甘いやつだと思っていました。

(ピエール瀧)はいはいはい。もう、色だけですっていう?

(赤江珠緒)うん。見た目重視の商品ですと思ってました。

(ピエール瀧)ちなみにこのブルーハワイ味。一般化はしていますけども明確な定義がないので、各社の個性が光るらしい。各社がいちばん力を入れている味なんですと飲料会社の社長も話していると。

(赤江珠緒)ほー! そうですか。

(ピエール瀧)はい。だから「これだ!」っていう正解がない分、いちばん美味しい配合を作っちゃえばそれをメインにできるんじゃねえか?っていう……

(赤江珠緒)へー!

(ピエール瀧)各社、このブルーハワイ味の正解を模索中であると。

(赤江珠緒)ああ、そう? まだまだ、これ余力を残した飲み物かもしれない。いや、だからこれ、常温で飲まれたからあれですけど。氷も入り、冷やしてあり……パイナップルが挟んであったりするでしょう? ああいう飲み物はね。そうした場合、美味しいのかしら? ジュースとして。

(ピエール瀧)どうだろうね? オレンジの皮味ですからね。基本ね。

(赤江珠緒)ねえ。そう聞くと、なんかいいような気がしてきたね。

(ピエール瀧)紅茶とかに入れたら甘くなって、オレンジ風味のもなって。

(赤江珠緒)ただ色が(笑)。色がエグいことになるよ。赤い紅茶と青と……(笑)。

(ピエール瀧)用水路の色になります。工場脇の(笑)。

(赤江珠緒)ねえ。でも、その紅茶の横にフレッシュみたいなちっちゃい入れ物に青いの入れて置いておいてお客様に出したらさ、リトマス紙みたいでさ……

(ピエール瀧)いや、だからドブ色になるんだって。そうすると(笑)。そしてじゃあね、もう1個のピーナッツバター&イチゴジャム。これよくね、アメリカのお弁当とかでサンドイッチで、なんちゅうシンプルな……って。ダメな父親とかが子供に持たせなきゃいけないんでもうしょうがねえ!っつって。ピーナッツバターとジャムでパンッ!って挟んで、「はい! 持ってけ!」っていうような感じの。もう工夫ゼロのやつっていう感じでよく出てくる定番ですけども。

(赤江珠緒)はい。そっかそっか。

(ピエール瀧)アメリカでは「PB&J」と呼ばれ、超定番。「PB&J」は「PB(Peanut butter)& Jelly Sandwich」っていうんですって。Jellyはイチゴジャムのことでしょうね。

PB&J

(赤江珠緒)へー!

(ピエール瀧)で、超定番なんで日本で言うところの梅おにぎり。あの感じ。

(赤江珠緒)そんなもの? うんうん。

(ピエール瀧)だから梅のおにぎりもさ、梅干しが好きでっていう人ももちろんいるけど、基本的にさ、「なんにもないから梅干しでいいや!」っていう。あと、腐らないっていうのもあるでしょうけども。「梅干しでいいや。しょっぱけりゃ。メシ、入るっしょ?」っていう。

(赤江珠緒)まあいちばん手軽ですわね。作るにはね。はー!

(ピエール瀧)これ、なんでね、そうなったか?っていうと、スライスした食パンがアメリカで普及した1920年ごろ、安価で栄養がとれるという理由で流行。

(赤江珠緒)ピーナッツだしね。

(ピエール瀧)そうでしょうね。糖分もあるし、植物性たんぱく質もとれると。で、世界恐慌の貧しい時代とも重なり、各家庭で超定番になった。材料はピーナッツバターとジャム。2枚の食パンにそれぞれをたっぷり塗ってはさむだけなんですけども。これね、驚きでしょうけども、ある統計によりますと、平均的なアメリカ人。高校を卒業するまで、1人あたりトータルで1500個ぐらいのPB&Jサンドイッチを食べると(笑)。

(赤江珠緒)(笑)

(ピエール瀧)だから……2002年の調査ですよ。3才ぐらいから幼稚園みたいなところに通ったとしたら、18才までの15年で1500ですから、だいたい年間100個ぐらい食べちゃう。

(赤江珠緒)ああー! うんうん。

(ピエール瀧)年の1/3は、もうこれ。

(赤江珠緒)取ってるねー!

(ピエール瀧)っていう統計もあるぐらい。これは2002年の調査ですけども。家庭によって両方のバランスなどで微妙に味が違う、家庭の味として楽しまれていると。

(赤江珠緒)そう言われると、作ってみたくなりましたけど。1個1個はあるけどね。もちろん。一緒にしちゃって美味しいんだ。

(ピエール瀧)これね、相談者さんが「無糖のピーナッツペーストと甘さ控えめのイチゴジャムで作ったのでなんだか味がはっきりしなくて」って言いましたけども、まあそういう家庭もあるでしょう。アメリカでもさ。各家庭でいろいろあるんで、どれで作っても正解は正解なんですけども。

(赤江珠緒)1回、甘甘でやってみましょう。

(ピエール瀧)でしょう。でも、食う側からしてみたら、あんまうれしいもんじゃないんだろうね。定番すぎちゃって。

(赤江珠緒)ああー。

(ピエール瀧)工夫がねえぞっていう感じなんじゃないの? 日の丸弁当みたいなことでしょう?

(赤江珠緒)ああ、そういうことですね。うん。

(ピエール瀧)そういうような食べ物らしいですぞということで。

(赤江珠緒)うん。相談者さんね、すごい甘~い感じのメールだったけど。じゃあピーナッツバターとイチゴジャムにブルーハワイジュース。赤、茶、青……

(ピエール瀧)赤、茶、青。どうしていま3つ言いました? そこ。なにか、3つでひとつのものになるのかな?

(赤江珠緒)(笑)

(ピエール瀧)どうしていま、あえて3つ。色だけ切り取って並べたのかしら、赤江さんは?

(赤江珠緒)いいです(笑)。次、行きましょう。

(ピエール瀧)赤、白、青とかだったら俺も返せたけども。赤、茶、青っつったから、なんにも思いつかねえと思って(笑)。

(赤江珠緒)たしかにね(笑)。いや、なにかになるかな? と思って。色鮮やかだなっていうイメージで言ったんですけど。「ああ、ピーナッツバターは茶だわ」って……はい(笑)。

(中略)

(赤江珠緒)おっと、ここで? パンとイチゴと……ああっ!

(ピエール瀧)出た。PB&J?

(赤江珠緒)ああ、これがもうはさんである? 1個だけ作ってある?

(ピエール瀧)じゃあこれ、赤江さん、食べてみなよ。

(赤江珠緒)OK、OK。一緒にもうはさんであるってこと?

(ピエール瀧)食レポやってよ。赤江さん。

(赤江珠緒)イチゴとピーナッツがたっぷりですね。割と甘めのやつかな? うわーっ! なんか、唇みたいだね。切り口が。ピーナッツは肌色だし。いただきます。……うん、うん。うん?

(ピエール瀧)どうです? 定番っぽさ、ある?

(赤江珠緒)あっ! ちょっと、美味しいよ。なぜならピーナッツバターがちょっと塩味が入っているじゃないですか。塩っぽい感じの甘味とイチゴの純粋な甘味が意外と合うよ。

(ピエール瀧)(モグモグ……)うん。おやつだね。

(赤江珠緒)ねえ!

(ピエール瀧)あ、甘い。そうか。本当にしょっぱい……なんか、この食べ方をするとピーナッツの塩っぽさが引き立つね。しょっぱい食べ物になるね。イチゴが入っているにもかかわらず。

(赤江珠緒)うん。そしてイチゴのジャムだけじゃない腹持ちみたいなのもグンと来ますな。これね。

(ピエール瀧)やっぱ、そうか。梅干しにぎりっていうのはそうかも。

(赤江珠緒)あっ、意外と……思っていたよりこれ、癖になるかもしれない。うんうん。

(ピエール瀧)まあ、そうですね。定番感はありますけども。

(赤江珠緒)しかも別々に食べたのとはまた違う味になりますね。口の中でジャムとピーナッツバターがブニッ、ブニッ!って握手する感じになるもんね。

(ピエール瀧)だから18才までに1500枚食うんですって。これ。

(赤江珠緒)(笑)。まあそれはね、どうかとも思うけど。

(ピエール瀧)問題はだから、そこですよね。本当に。定番ってもうちょっとあるだろ?っていうところですけども。

(赤江珠緒)(笑)。ねえ。始めた人がそのへんのおっちゃんだったのかもしれないね。

(ピエール瀧)なるほど。

(赤江珠緒)相談者さん、ありがとうございました。いいよ、うん。

(ピエール瀧)うん。PB&J。

(赤江珠緒)覚えました。

<書き起こしおわり>

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