町山智浩 『将軍様、あなたのために映画を撮ります』を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で北朝鮮に拉致され、金正日のために数多くの映画を撮ることになった映画監督シン・サンオクを描いたドキュメンタリー『将軍様、あなたのために映画を撮ります』を紹介していました。


(町山智浩)それで今回、ご紹介するのがですね、北朝鮮の独裁者の金正日に拉致されて、東宝のゴジラ映画のスタッフを使って北朝鮮で怪獣映画を作った映画監督の話です。はい!

(赤江珠緒)すごいなー!

(山里亮太)経歴が……

(町山智浩)「長すぎるだろ、いまの説明」って思いましたけど。はい。映画のタイトルは『将軍様、あなたのために映画を撮ります』っていうすごいタイトルなんですが。これ、イギリスのドキュメンタリーですね。監督も制作も全部イギリス人です。で、この人は誰か?って言いますと、韓国の映画監督でシン・サンオク(申相玉)っていう監督なんですよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)この人が北朝鮮に1978年に拉致されまして。で、北朝鮮で金正日の下で17本の映画を3年間の間に撮って。で、86年にまたアメリカに亡命して、2006年に亡くなった監督なんですね。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)で、僕はこの人から直接手紙をいただいているんですよ。

(赤江珠緒)えっ? なんで町山さんに?

(町山智浩)ええとね、この人ね、1926年生まれで、19才になるまで日本人だったんですね。韓国は日本に併合されていたんで、韓国人は全員、日本人だったんですよ。1945年までね。

(赤江珠緒)そうかそうか。

(町山智浩)だから彼、日本語が普通に……19才の時まで公用語で使っていたら、完全に自分の言葉ですよね。だから僕が編集した『映画宝島』っていう雑誌に四方田犬彦さんっていう映画評論家にこのシン・サンオクさんの作品について評論してもらって。それを93年に発行したらこのシン・サンオク監督がアメリカで読んでくれて、感想の手紙を送ってくれたんですよ。

(赤江珠緒)へー! 亡命後だ。

(町山智浩)きれいな達筆な、日本語の手紙を送ってもらったんで、すごい思い出深いんですけど。ちなみにこの人、東京藝大を卒業している人ですね。お坊ちゃんなんですね。

(赤江珠緒)すごい日本にゆかりのある人だったんですね。

(町山智浩)まあ、日本でしたから。韓国はその頃はね。はい。で、この人は韓国でずっと映画を撮っていたんですけど、その頃韓国は朴正煕大統領の軍事政権で、映画が作りにくくなっちゃうんですね。その頃の1978年って、朴正煕大統領は1979年に暗殺されて軍事政権は終わるんですけど。その1年前にこのシン・サンオク監督は北朝鮮に拉致されるんですよ。

(赤江珠緒)うん。

金正日が映画を作るために拉致

(町山智浩)で、拉致したのは金正日ですね。その頃はお父さんの金日成がトップにいたのでナンバー2だったらしいんですけど。で、彼が「実は映画を作りたいから君を誘拐したんだ」って言ったんですよ。

(山里亮太)そんな私的な理由で?

(町山智浩)ものすごい私的な理由なんですよ。っていうのは、金正日はお坊ちゃんで、金日成の息子として生まれたから国のナンバー2なんですけども、政治に興味がなかったらしいんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)映画を作る仕事をしたかったらしいんですね。芸術家だと自分のことを思っていて。で、国策でしか映画を作らないんですね。全ては国がお金を出して映画を作っているんですよ。北朝鮮は共産主義なんで。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、自分はその映画のトップになったんですよ。映画省みたいなところの。で、彼が「こういう風に映画を作った方がいいよ」って言うと、全部それが本になるんですね。ところが、その北朝鮮の人たちはその金正日が言った通りにしか映画を作らないんですよ。

(赤江珠緒)まあそこまでね、恐怖政治的に押さえつけてますからね。

(町山智浩)そう。だからものすごくつまらなくて、ものすごいイライラしたらしいんですよね。金正日は。

(山里亮太)「こんなんじゃない!」と。

(町山智浩)「なんで俺の言うとおりに映画を作るんだよ?」って感じなんですよ。で、自由な発想を持っているエンターテイメント映画の得意なシン・サンオクを誘拐してきたんですね。

(山里亮太)なんでそこで「誘拐」っていう選択肢なの? 来てもらえばいいのに……

(町山智浩)なんでも誘拐する国なんですよ。はい。ほしいものは全て誘拐っていうね。まあ、その前に奥さんがいて。このシン・サンオク監督は韓国のトップ女優のチェ・ウニ(崔銀姫)っていう女優さんが奥さんだったんです。子供が2人いたらしいんですけど、ちょっとこの監督ね、写真を見るとわかるんですけど。結構ハンサムでしょう?

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)モテモテなんですよ。それで他の女優さんとの間に隠し子を2人作ったんで離婚されちゃうんですね。

(赤江珠緒)そうなんですか。うん。

(町山智浩)そうなんですよ。ところが、韓国はその頃軍事政権で映画を作りにくくて。奥さんのチェ・ウニさんもなかなか仕事がないんで、お金を金持ちが出してくれるっていうんで香港に行くんですよ。そこにいる金持ちがお金を出してくれると思って。したら、それが罠で、北朝鮮にさらわれちゃうんですよ。

(赤江珠緒)奥さんも?

(町山智浩)元奥さんが先にさらわれるんですよ。で、子供が2人いるもんだから、この監督が探しに行っているうちに北朝鮮にまたさらわれちゃうんですよ。で、「映画を作ってくれ」って言われるんですね。でもやっぱり最初嫌じゃないですか。さらわれて。そしたらそれからずーっと監禁されるんですよ。政治犯の収容所に。

(赤江珠緒)いやー……

(町山智浩)シン・サンオク監督は。それがなんとね、5年間監禁なんですね。で、これはね、彼も脱走をしようとして捕まったっていう問題もあって、5年間ずっと拷問されて監禁されたんですよ。で、「でもね、君……」って金正日が言うわけですよ。「僕のために映画を作ってくれれば、いつでも出してあげるし、好きな映画を好きなように。いくらでも使っていいよ」って言われるんですよ。

(赤江珠緒)他に頼み方があるだろ?っていうね(笑)。

(町山智浩)だからね、お坊ちゃんなんですよ。金持ちのボンボンでバカだけどいきなり権力を握ってしまって友達が誰もいないんですよ。で、この映画がすごいのはね、この映画の中のいろんなシーンが全て……シン・サンオク監督はものすごいたくさんの映画を作ったんで。彼の映画の中に全てが反映されているんですね。北朝鮮だけで17本、撮っているんですよ。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)で、それを見るだけでもすごく珍しいものなんですけど、それを上手く構成して、彼の拉致されたドラマを彼が作った全然関係ない映画を細切れにして再現フィルムみたいにしているっていうものすごい凝った作りの映画です。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)これ、だから見てもらわないとわからないんですけど。全然関係ないシーンなのに、そのシーンに見えるんですよ。すごく、だから説明しにくいんですけど。これはすごくよくできた編集の映画ですね。はい。

(赤江珠緒)じゃあ、シン・サンオク監督は折れて映画を作ることになったんですね?

(町山智浩)そう。だからこの映画のタイトルのことを言うんですよ。「わかりました。将軍様、あなたのために映画を撮ります」と。で、釈放されて映画を作り始めたんですが、それがすごかったんですね。「なにをしてもいいし、いくらかけてもいいよ。映画の内容には口を出さない。好きなように撮りたまえ」って言われるんです。

(赤江珠緒)うん!

(町山智浩)で、いままで映画を撮れなかったわけですよ。シン・サンオク監督は、韓国で。だから、自由になにを撮ってもいいっていうから、好き勝手にもうめちゃくちゃ金かけて映画を撮るんですよ。それも3年間に17本だから、ものすごいスピードで同時進行させて撮るんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうか。

(町山智浩)それでコメディーから、ミュージカルから、ラブロマンスから、怪獣映画まで撮ったんですよ。で、その怪獣映画を撮る時に東宝の1984年版のゴジラのスタッフを北朝鮮に呼び寄せて撮影しているんですよ。

(山里亮太)それは普通に呼び寄せた?

(町山智浩)呼び寄せて。それが『プルガサリ~伝説の大怪獣~』っていう映画で。これは日本で1998年に公開されてますけども。これが大傑作なんですよ!

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)これはね、特撮監督の中野昭慶さんっていう人を呼んで……中野昭慶さんっていう人は『日本沈没』とかの特撮監督でもあるんですけど。とにかく、この中野さんは「爆発の中野」と言われているぐらい、もうなにもかもセットを爆破するんです。もう徹底的に、ものすごい火薬を使って。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)でも、日本映画ってその頃、特撮映画が下火だったんで仕事がないわけですよ。ところが、北朝鮮に呼ばれたら「なにをしてもいい」って言われたんです。で、「いくらでも金をかけていい」って言われたからものすごいセットを作って、ミニチュアを作って、徹底的に爆破していったんですね(笑)。

(赤江珠緒)へー!

(山里亮太)もうド派手に。ストレス溜まっているからね。本当は作りたかったものを作れなかったから。

(町山智浩)そう。なにをしてもいいんだもん。

(赤江珠緒)それが『プルガサリ』。

(町山智浩)しかもね、この『プルガサリ』っていう映画は時代劇になっていて、すごく独裁政権のお殿様がいて、それに対して民衆が反乱を起こすっていう映画なんですね。で、怪獣と一緒に反乱を起こすんですけど、その戦闘シーンが本当に1万人ぐらいの実際の北朝鮮の人民軍を使って撮影しているんで、本物の迫力なんですよ。

『プルガサリ』



(赤江珠緒)はー。

(町山智浩)要するに、本物の軍事演習をしているのに近い状態なんですよ。

(赤江珠緒)それはまた、北朝鮮ならではの撮り方ですね。

(町山智浩)北朝鮮ならではなんですよ。でもね、ソ連の映画とかもやっぱり国策映画っていうのはスケールだけはデカいんですよ。ソ連の戦争映画って本当に戦争してるんだもん(笑)。本当に戦争をしているように軍隊を使って、軍隊の何万人もの兵士を動かして撮っているから。ソ連の『戦争と平和』とかは。だから、本物の迫力なんですよ。だから、自由はないし共産主義だけども、映画だけはもし政府に取り入ることができれば、政府から気に入られれば、いくらでも、要するに本当の戦争と同じぐらい金と人をかけて撮れるんだっていうことなんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)だからこれね、シン・サンオク監督は映画が撮りたくて北朝鮮に逃げたんじゃないか?っていう噂が流れちゃうんですよ。

(山里亮太)ああ、逆に。

(町山智浩)そう。「彼は映画のために共産主義の独裁者に魂を売ったんじゃないか?」っていう風に韓国では言われちゃうんですよね。

(赤江珠緒)でもこれ、たまたま傑作が生まれたからいいですけど。とんでもなく気に入られなかった場合……もう命がけですよね。

(町山智浩)まあ、怖いですよね。ただね、金正日はもうこの監督に惚れ込んでいるんで。で、シン・サンオク監督はその時に、「映画の撮影のために必要なんだ」って、マイクロカセットテープレコーダーを金正日に用意させて、それをいつも隠し持っていて、金正日と話している時は全部それを録音して回していたんですね。

(赤江珠緒)へー、うん。

(町山智浩)その中で、「君を拉致したのは映画を作ってもらうためだよ」って金正日の肉声が入っているんですよ。だからそれが証拠なんですね。要するに彼が映画が撮りたくて亡命したんじゃなくて、拉致されたんだってことの証明ではあるんですが、ただ、北朝鮮に行った東宝のスタッフとかの話などを聞くと、やっぱり映画が好きな人たちにとっては最高の自由だったみたいなんですよ。

(赤江珠緒)へー! 皮肉ですけどもね。

(町山智浩)そう。そのへんはね、だから本気で楽しいところもあったんでしょうね。だって、なにをしてもいいんだもん。「そこにビルを1つ建てて、そのビルを破壊してください」って言ったら、やってくれるんだもん。「戦車をここに2台用意してくれますか?」って言うと、「はい!」って戦車が2台来るんだもん。「そこに2千人の兵隊をください」って言うと、2千人の兵隊が来るんだもん。こんなすごいことはないですよね。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)やっぱりね、戦争をやるのと映画をやるのって非常に似ているって、『スーサイド・スクワッド』の監督のデビッド・エアーも言っていたし、オリバー・ストーンっていう人も言っていたんですよ。デビッド・エアーとオリバー・ストーンって元兵隊なんですよ。監督は。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)だから、「映画を作るってなんで楽しいの?」って聞くと、「戦争みたいだから」って言ってましたけど(笑)。「将軍になった気分がするよね」って言ってましたけど。危ない人たちですから。みんな。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)でもそうやっているんですけども、これはね、すごく悲しい映画に見えてくるんですね。突然、この『将軍様、あなたのために映画を撮ります』っていう映画は。やっぱりね、金正日が寂しい男なんですよ。この中でね、出てくるのは金正日がたとえばちょっと泣き真似をすると、そこにいる人たち全員が泣くんですって。北朝鮮では。

(山里亮太)ふんふん。

悲しい独裁者

(町山智浩)北朝鮮では金正日将軍様が泣いておられるのに泣かなかったら、ねえ。非国民だってことで、後でその人たち同士の中で粛清が始まるんですよ。「お前、泣かなかっただろう?」ってことで。要するに、仲間を蹴落としたいから。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)だから、金正日が「泣かなかったやつを殺せ」って言っているわけじゃないんですよ。彼らの中でやるんですよ。「非国民だ!」って言って。もうそれが、実際のシステムですよね。どこの国に行っても。アメリカでもこの間、金メダルをとった女子の体操選手が国歌斉唱の時に手を胸に当てなかったということで、インターネットでめちゃくちゃ叩かれたんですけど、どこの国も北朝鮮的なものがあるわけですよ。ねえ。

(山里・赤江)うん。

(町山智浩)要するに、独裁者が言わなくても勝手にやるんですよ。人民同士で。「非国民だ! 非国民だ!」って。で、悲しいのは金正日は「それを見ていて悲しくなったから、わざと泣いてみたりしたんだよね」っていうようなことがあるんですって。要するに、みんなが奴隷のように自分のことを言うことを聞くから、それ自体が悲しくて、バカバカしいからわざと泣いてみせるとみんなが「エーン!」って泣いてみせるから、面白かったっていうような話が出てくるんですよ。

(赤江珠緒)いやー……

(町山智浩)これ、悲しい話だなと思ってね。独裁者の孤独っていうかね。で、「俺はもし独裁者の息子に生まれてなかったら、映画を作りたかった」っていうような人もいれば、映画監督をやりながら、「将軍になって戦争をしたかった」っていう人もいて、面白いなと思うんですけど(笑)。どっちもなんなんだ?って思うんですけど。

(赤江珠緒)本当ですね(笑)。

(町山智浩)ねえ。それでね、まあこういう話って実はいっぱいあって。たとえば、ルートヴィヒっていうドイツの王様はワーグナーを自分で囲おうとしたんですよね。ワーグナーが大好きで。あと、『フォックスキャッチャー』っていう映画になっているんですけど、デュポン財団のトップの御曹司がオリンピックのアマレスの選手を囲いこんで……まあ殺しちゃったですけど。みんな同じなんですよね。やっていることは。

町山智浩 映画『フォックスキャッチャー』を語る
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(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)金持ちの家に生まれたんだけども、全くそれに興味がなくて。で、おもちゃがほしくて。あと、本当の友達がほしくて。要するにみんな、ペコペコペコペコ金正日にするわけですよね。

(赤江珠緒)対等な人がいないわけですからね。

(町山智浩)だから全くそいつらが信用できないわけですよ。で、唯一自分の言う通りになかなかならない自由な心を持っているシン・サンオクだけを友達だと思ったんですね。悲しい話ですよ、これ。

(山里亮太)だって、監督は絶対にそんな、金正日のことを見ることはないわけだよね。好意的に。

(町山智浩)ないわけですよ。だからこれは「哀れなお坊ちゃんだな」としか思っていないわけですから。ただ、彼はそれを利用して、要するに生涯の中で3年間に17本の映画を撮るっていう、普通の世界中の映画監督でも考えられないようなことをやるわけですよ。それで、予算は上限なし、天井なしなんですよ。エキストラも天井なし(笑)。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)なんでも自由な……「君の夢を全てかなえていいよ。でも、僕の元から離れないでね」ってことを言われたら、どうしますか? 山ちゃん。

(山里亮太)ああー! そっか、どっちが幸せなんだろう?

(町山智浩)ねえ。「どんな番組を作ってもいいよ。でも、うちの契約は切れないよ。独立しちゃダメだよ」って……日本もそういう事務所がいっぱいありますが。

(山里・赤江)ああーっ!

(町山智浩)世界中、どこでも北朝鮮、至る所にありますが。はい(笑)。

(赤江珠緒)人間を束縛して、みたいな。

(町山智浩)そう。みんな同じですね。「どんな映画でも作っていいよ。君が子供の頃に憧れていたアニメのヒーローにもなれるよ。でも、うちの事務所を辞めちゃダメだよ」みたいな世界ですね。「お金出すよ。そうか、映画を作りたいのか。君も映画作っていいよ。うちの事務所がお金出すけど、うちの事務所から離れちゃダメだよ」って。みんな同じですね。はい。

(赤江珠緒)ああー……

(町山智浩)でね、これ面白いのは監督の奥さんがいま存命中なんでインタビューで答えていたり、貴重な北朝鮮で撮った映画のフィルムとかバンバン出てきて貴重だし。しかも金正日っていうのは自分のしゃべり方に非常にコンプレックスがあって。人前で演説したり、ラジオやテレビでしゃべったことがないんですよ。ほとんど。でも、その肉声がバンバン入っているっていうものすごく貴重な素材をたくさん使っている映画ですね。はい。

(赤江珠緒)うわー、そうですね。よく亡命できましたね。

(町山智浩)これ、日本の人が助けてます。北朝鮮からの脱出に関しては日本の映画評論家の人とかマスコミの人が絡んでいるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)そこもね、すごくスリリングで面白いんですけど、面白いのはね、奥さんも監督自身もこういう状況にありながら、言っていたり考えていたりすることは、「『これ、映画みたいね』って思った」とか言ってるんですよ。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)「『これ、映画にするにはどうしたらいいだろう?』ってカット割り考えていた」とかね。

(赤江珠緒)映画人って、本当に……(笑)。

(町山智浩)みんな映画バカだからしょうがねえなと思いましたけど(笑)。ちなみにシン・サンオクっていう監督はその後にハリウッドに行ってディズニーで『クロオビキッズ』っていう映画を制作して、億万長者になるんですよね。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)ただではね、起きないというか。すごい人たちですよ、本当に(笑)。

(赤江珠緒)波乱万丈すぎる人生ですけどね。

(町山智浩)そうなんですよ。というね、ものすごく面白い映画がこの『将軍様、あなたのために映画を撮ります』でした。もうすぐ公開です!

(赤江珠緒)日本では9月24日からユーロスペースほか、全国で順次公開される予定ということです。これ、実話というのがまたね。信じられないですけど。

(町山智浩)とんでもない話ですよ。はい。

(赤江珠緒)とんでもないですよね。『将軍様、あなたのために映画を撮ります』を町山さんに紹介していただきました。町山さん、ありがとうございました!

(山里亮太)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

<書き起こしおわり>

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