宇多丸 国会前安保反対デモに参加した理由を語る

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ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』で、8月30日に国会議事堂前で行われた安保法制反対デモに参加した際の模様をトーク。参加してみた理由や、その感想などを話していました。



(宇多丸)で、その痛いケツを引きずりつつですね、放送が8月29日でしたけど、翌日。8月30日にはですね、昼間にちょっと、前から行ってみようかな?っていう感じで。非常にライトな動機かつ、ライトな参加スタンスで本当、申し訳ないんですけど。いわゆる国会前の安保法制反対というか。安保法制の採決に反対するデモで、警察発表で3万人なんて言ってましたけど、3万人なわけはねーだろ?っていう。僕、実際に行ってみてわかったんですけど。主催者発表12万人と言われる。まあ12万人、これ結構妥当かな?って感じがしますけど。

あの、デモにですね、参加っていうのはちょっとおこがましいんだよね。まあ、要はですね。もちろん今回の安保法制の採決というか、やり方みたいなものに対して、僕なりの、一国民としての意見っていうのの表明として行ったっていうのはもちろんあるんですけど。ちなみに、別にあれですよ。壇上に上がってなんかスピーチしましたとか、そんな立場じゃないです。私はそんな柄じゃございませんで。まあでも、単純に一国民というか一市民として、意見表明として行ったっていうのはもちろんあるんだけど。

同時に、いまね、いろんなメディアで取り上げられているSEALDsというね、本当に全く新しい形の学生運動が起こっていて。まあすごく、感心すると。興味があるというのはもちろんあるんですけど。ひとつには、彼らの、ご存知の方も多いように、彼らのシュプレヒコールというかね、が、かなり新しいスタイルというかですね。まあ、ビートを鳴らして。太鼓を鳴らして、鳴り物を鳴らしてっていうのは昔からあると思いますけど。なんて言うんですかね?言葉の乗せ方とか、言葉選びのセンスであるとか。みたいなものが、まあ明らかに日本語ラップ以降の影響下にあるであろうという風に思われるものだと。

日本語ラップのコールへの影響

まあ実際にその、やっている人たち、みんな結構日本語ラップ好きだったりとか。自分でラップをやっているような子もいる。この間、とあるイベントに1人、ちょっと紹介してもらって。U.C.Dくんという、自分でもラップしている子を紹介されて。要するに、日本語ラップの影響が明白にあると。僕のあと、ニュースで見たやつで言うと、最近高校生のデモなんかも始まっているじゃないですか。で、その高校生とかになると、さらに今度はビートがヒップホップのBPMじゃなくて、さらに早くなったEDM的なね。ちょっと四つ打ちのちょっと早めのBPMで、それに乗せてやっぱりラップみたいなのを女の子がやっていて。で、ちょっと僕、ニュースで見ただけで、もう耳についてしょうがないわけですよ。

これはやっぱ、運動スタイルというか、運動スタンスも面白いけど、これは新しくて面白いなと。単純に一ラッパーとして、自分のずっとやってきたことがそういうエフェクトを与える時代になっているのかっていう、非常に興味もあってですね。まあ、前から行こう、行こうとは思っていたけど。ちょっと8月30日、日曜は空いてるからっていうんで、向かいにいる放送作家古川耕さんとですね、あと、磯部涼というね、この番組でも風営法の改正に絡んで来ていただいた磯部涼くんという音楽ライター、音楽評論家の磯部涼くんと一緒に3人で。

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まあ、とはいえ我々3人、もういい加減なおじさんですよ。行ってみようぜって。磯部くんとか、ちょいちょいそういうデモとか参加したり、いろいろやったりしてるみたいだから。『じゃあ磯部、知ってみるたいだから連れてって』っつって。『どこの駅で降りたらいいの?だって、国会議事堂前とか大変なことになってるだろうからね』『じゃあ、桜田門で待ち合わせしようか』なんつって。デモに慣れている磯部くんに先導されて。

で、ちなみにこの感じ、10年ぐらい前かな?サウンドデモというね、要するに新しい形の社会運動みたいなのを模索する流れで、DJが出て、こう、なんて言うんですかね。いままでのデモの形とぜんぜん違うデモのスタイルでサウンドデモみたいなのが始まった、そん時にやっぱり磯部くんとかに誘われて。まさに古川さんと一緒にね、ぶらぶらぶらぶらしてね。『こいつはおもしれーなー』ってやってましたけど。まあ、その時以来の組み合わせで行ってですね。

で、行ったんですけど。さっきその、3万ってことはねえだろ?って言いましたけど、とにかくね、本当に人が多い。で、その人っていうのも、文字通り雑多な構成と言いますかですね。あるひとつの組織が動員をかけてこの人数っていうんじゃないのはもう、行けば明らかっていうか。もう、あっちでドンドコ、こっちでドンドコ、そっちでソイヤソイヤ、こっちで疲れきったおじいさんが座り込んでいる。じゃないけど、とにかくみんな、小集団がポイポイポイとあるのと、その周りを僕らみたいな、まあ行ってみようかな?みたいな、いい意味でライトなスタンスというか、物見遊山気分の人が回遊しているというかですね。

物見遊山半分、で、そういう小集団軍団が半分ぐらいかな?どうだろうな?まあとにかく、ライトな感じの人も本当、多かったし。あと、やっぱりいままでと違うとしたら、やっぱりすごいスタイリッシュなというか。こういう、いわゆる社会運動には、いままでだったら似つかわしくないような、割とおしゃれな、こざっぱりした男の子、女の子が。かっこいい感じの子たちが普通にいっぱいいる。普通にいる感じっていうかね。で、『ああ、この感じ。なるほどな』なんつって。

で、まああっちでドンドコ、こっちでドンドコ。僕らはその、当然そのSEALDsのコールなりなんなりを生で見たいなと思って。ライブにね(笑)。フェスに、そのいちばんメインの会場に行きたいんだけど。その国会議事堂に向かって桜田門の方から歩いて行くんですけど、まあだんだん近づくにしたがって人口密度がどんどんどんどん高くなっていく。で、まあ思うようにどんどん進めなくなっていって。もうぜんぜん国会議事堂、ねえ。ぜんぜん離れているのに、『もうちょっとこれ、無理だな。これ』っつって。

いきなりよく考えたら、フェスでもなんでもいいですけど。いきなりいちばん最後尾から来て、アリーナ最前に行くみたいなもんだな。『これ、難しいぞ』っつって。で、そうこうするうちに、人口密度が高くなってきて。ちょっとこれ、身の危険感じるレベルだなと思って。『ちょっと外れよう』っつって、脇にからグーッと外側を回ったりなんかして。で、要は混乱を防ぐための封鎖なんかもあって。回るとちょっと人口密度薄めのところもあるんだけど、やっぱりこう、国会議事堂の正門のSEALDsの人がドーン!と構えているあたりに近づいてくると、ああ、やっぱりとてもじゃないけど、近づけもしないみたいな感じで。

で、今日、こんな混む、フェスのいちばん集まる日に来た俺が間違いだったと。SEALDsの生を見るのは、普段の金曜とかに行きゃいいのかな?と。『ちょっとしょうがねえから、グルッと回ってこうぜ』なんつって、国会議事堂の周りをグルーッと回っていったわけですよ。まあ、その周りもすごい、本当にすごい密度で。ともすると、本当はぐれがちというか。とにかく、放送作家の古川耕さんが鈍くさくてですね。信号をパッて渡るってなると、あれ?いない!と思ったら、古川さんが後ろでこうやって、ちょっとこう止まって。

鈍くせーな、あいつ!みたいな。まあ、そういうのが何回か繰り返して。まあ、グルーッと回ると、要は正面のところはやっぱり年配の方も、それこそSEALDs以降のシュプレヒコールトレンドを踏まえてかわかんないけど。とにかく正面は鳴り物が超多い。そっちで太鼓、こっちで楽器みたいな感じなんだけど。グルーッと回っていくと、割とこう、たぶん昔ながらの組織というか。昔ながらの左翼運動みたいな人たちの集団もいて。そこはやっぱ普通にシュプレヒコールだった。

で、あと太鼓に乗せるにしても、やっぱり聞くだけで言葉の乗せ方の譜割り感で、やっぱりその日本語ラップ以降の、要はかっこよくコールしようぜ!っていう意識がある人と、まあ昔ながらの乗せ方にビートというか、太鼓を乗せているんだなっていう。まあ、聞くだけでもちょっと世代感がわかるみたいな。なんかそういうのも面白かったんですよね。はい。で、まあグルーッと回って。で、まあおじさんたちもグルーッと回って、面白いのはいいんだけどちょっと、そろそろお酒を入れないとちょっと辛いな・・・っていう。

なんかいまのね、昔、サウンドデモの時は酒を飲みながらやったりしましたけど。そういう不埒な輩が入んないようにね、なっているみたいで。で、店でも入ろうかなって思ったんだけど、とにかく周り全体、かなり人が途切れずいるんですよ。やっぱり。だから、とにかく3万人はあり得なくて。で、その場にずーっといるっていう人も少ないでしょうから。実際にこう、ドンドコやっている人たち以外で、僕らみたいな人は、まあ一回りして、1時間、2時間いて帰るっていう人。その延べも入れたら、まあ、12万。まあ、妥当なところじゃないですか?10万は絶対に超えているような人数感ですね。周りもずーっといるんで。

で、回って。結局半蔵門まで行かないと、ロクに空いている店なんてなかったんだよね。半蔵門まで行って、で、ウェーイ!っつって。ウェーイ、ウェーイ!って。酒飲んで、ウェーイ!っつって帰ったっていうね(笑)。すいませんね。あの、なんかデモに真面目に参加して。宇多丸が来た!っつって喜んでくれている人も、なんかしんねーけど。怒られる理由はよくわかんないけど。怒っている人にも、すまない気持ちでいっぱい。っていうぐらいのライトなスタンスでの参加でございます。参加っていうか、あれでございましたけど。はい。

まあ、またちょっとね、見に行ってみようかなとは思うんですけどね。見にっていうか、まあ参加です。意思表示としてもあるから、まあ参加でいいんだけどさ。で、その日本語ラップ。だからいまSEALDsのね、特に奥田くんというね、青年なんかはちょっといろいろなメディアなんかに、すごい注目されてますけども。あの、その日本語ラップの影響みたいなところで、ちょっと研究というかですね、磯部くんの力も借りて。この番組ならではの研究アプローチみたいなの、できないかな?みたいなのはちょっと考えているところでございます。

<書き起こしおわり>

宇多丸 再びデモに参加する

宇多丸さんが2015年9月12日放送のTBSラジオ『タマフル』の中で、再びデモに参加し、SEALDsやその他の団体のコールの研究を進めたことを話していました。

(宇多丸)あと、まあ金曜日で言うと、そうだ。先週、8月30日の国会前のデモっていうか、ワーッと集まって安保法制採決に反対という。ワーッとね。人数に関してはいろいろあるけど、僕の見立てでは10万は超えていたろうっていう人が集まってるのに行ってきましたよなんて、ラジオでね。『半分物見遊山ですいませんね』なんて言ったんだけど、なんかね、私がそういうことを言うとそれがまた書き起こしになったりとか。その書き起こしをベースにしたネット記事が・・・どういうことなんだ!?って思うけど。まあ、話題にしていただけることはね、うれしいことで。なんかやいのやいの言って。

で、要はその中でも言いましたけど、ちょっと要するに僕としては取材したいというか、興味がある。要するに、いま話題になっている学生運動SEALDs。SEALDsのその、いわゆるシュプレヒコール。『コール』とね、彼らは言ってますけども。コールのスタイルが日本語ラップの影響があるんじゃないか?まあ、新しいスタイルだなと思って。コールが。そこの研究みたいなのをちょっとやってみたいなと思って行ったわけです。で、前回、8月30日はもう人がいっぱいいすぎて、とてもじゃないけどアリーナ席最前にはたどり着けなかったんだけど。

昨日はまあ、車両も通行止めになっていないですし、すごく前よりなんて言うんですかね?警察官の数が比率としてやっぱり多くて。ものすごい物々しい空気になっていたりして。まあ、要はアリーナ。結構いいところまで行けてですね。音楽評論家 磯部涼と一緒にまあずーっと、もう結構いい位置につけて。で、もうガッツリ見れたんですよね。で、やっぱり、『あ、こういうところ、面白いな。こういうところ、新しい』って。昨日もSEALDsだけのあれじゃなくて、いろんな世代を越えた運動をしている人たちとの合同のあれだったんですけど。

そうするとやっぱり、オールドスクーラー、ミドルスクーラー、そしてSEALDs。ニュースクーラーとやっぱりその、コールの感覚とか、グルーヴというかね。あと、なんて言うのかな?何を言うか、何を言わないかのその・・・僕がやっぱりいちばん興味を持っているのはそのコールのところもそうだけど、社会運動っていうのは、要するに僕なんか80年代っ子ですから、そういう社会運動みたいなものに言っちゃえばいちばんアレルギーがある世代なわけですよ。

で、そういう世代からすると、その社会運動の、たぶん僕らが感じるような社会運動に対するアレルギーみたいなものを、もう100も承知の上で、新しいデザインでそれを革新というか、ちょっと前に進めようとしているのがSEALDsとかの動きだと思うんですけど。そのデザインっぷりっていうかね。いろんな細かいところです。そういうところも、『ああ、面白いな、よく考えられているな』みたいな。で、なおかつ、『これはやっぱりおっさんからは出てこない発想だな』みたいな。思って感心して見ていたりしました。

ちなみに、俺がそのやれ、8月30日にね・・・だって、俺ですよ?俺がもう、『ウヘヘ・・・』とか言いながら。なんか、『オールドスクーラー、ウヘヘ・・・』とか言って。はっきり言って俺、怒られるんじゃないかな?って思うぐらいニヤニヤしながらやっているんですけど。そんなのがね、見に行っただけで、まあ、なんだろうね?『不真面目だ』って怒られるならいいんだけど、やれさ、『宇多丸の左傾化が・・・』とかさ。

いや、左傾化ってあんたね、僕、15年ぐらい前に言っている発言と比べたら、いま相当、考えていることとかも含めて、相当穏当になっているため、そっから比較するとね、右にふれた、左にふれたで言うと、明らかに右傾化ですからね。これ、どっちかって言うと(笑)。右傾化にしても、最初がどんだけだったんだ?っていう話だけど。ですから、まあそんなことを言われても、『ああ、なんも知らねえんだな』としか思わないっていうことなんですけど。

えー、それもまあ、面白かった。いずれ、着々とですね、なんかしらの特集というかですね、この番組ならではの切り口でちょっと特集できないかな?と。着々と準備を進めている次第でございますと。

<書き起こしおわり>

宇多丸 法案成立後の心境を語る

宇多丸さんが2015年9月19日放送のTBSラジオ『タマフル』の中で、法案成立後の心境を話していました。

(宇多丸)そんなこんなでね、たとえば昨日ね。また昨日国会、なんなりで行っても良かったんねすけども。ついにね、通っちゃいましたけど。まあ、通っちゃうっていうのはもちろんね、結果としてこういう風になるっていうのはもちろん、当然わかっていたことっていうかね。いずれはこうなるだろうっていうのはわかっていたことなので。

まあ勝負は、来年参院選ってことですかね。これで参院選でまだ自民党が圧勝とかするようだったら、じゃあそれは本当に国民の、俺とはみなさん、結構意見が違うんですねっていうことで、ある程度納得するしかないですけどね。まあ僕、重要法案だ、重要法案だって言われるほど、『えっ?じゃあこんな重大なこと、なんで国民投票級じゃないのかしらん?』っていうのはね、まあ思ったりするんですけど。まあ、通っちゃったのはしょうがないからね。

まあ、来年の参院選までね、たとえば国会前のああいうような熱気とかね、続けていけるかどうか?じゃないでしょうか。例のね、ちょいちょい言っている特集の企画なんかも、まだまだ進行させておりますので。そのへんは楽しみにしていただきたいと思います。

<書き起こしおわり>
宇多丸 日本のデモのコールの進化と日本語ラップの影響を語る
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