町山智浩 映画『フォックスキャッチャー』を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、アカデミー賞5部門にノミネートされている映画『フォックスキャッチャー』を紹介していました。


(町山智浩)というわけで、今回取り上げる映画はですね、『フォックスキャッチャー』っていう映画です。これ、『キツネを捕まえる』っていう意味ですけど、キツネ狩りってイギリスの金持ちっていうか貴族がやるスポーツがあるんですけど。昔やっていたスポーツですが。あれのことですね。で、この映画はですね、アカデミー賞、いま5部門にノミネートされてますね。

(山里亮太)ふーん。

(町山智浩)はい。フォックスキャッチャー、監督賞、主演男優賞、助演男優賞とかですね。脚本賞とか、特殊メイク賞とかにもノミネートされている作品です。

(赤江珠緒)へー。ええ。

(町山智浩)で、2月14日から日本公開なんで、もうすぐですね。その話をしたいんですが、これはどういう映画か?っていうと、一言で言うとですね、大金持ちのおっさんがですね、ロスアンゼルス・オリンピックで金メダルをとったアマレスの選手を射殺したっていう事件なんですね。

(山里亮太)はい。実際にあった。

(町山智浩)実際にあった事件です。で、なんでそんなことが起こっちゃったのか?っていうことを暴いてく映画です。その大金持ちっていうのは、1988年にあったソウル・オリンピック、ありましたけど。それのアメリカのレスリングチームを練習させていた、スポンサーだった人なんですよ。それが、自分のチームのコーチを射殺するっていうことをやってるんですね。

(赤江珠緒)スポンサーがね。どうして?たしかに。

(町山智浩)そういう映画なんですけども。これ、まずこの大金持ちっていうのはですね、いわゆるデュポン財閥の御曹司なんですよ。ジョンっていう人なんですけども。デュポンっていうと、日本だとほら、高級ライターのことが知られてますけど。それとは別で、アメリカにあるんですよ。デュポンっていう財閥が。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)それはね、化学系のコングロマリットでしてね。もともとは南北戦争の時に火薬を作って儲けた死の商人なんですけど。それで財をなして巨大な石油化学関係のコングロマリットを持っていて。デュポンの製品で一番有名なのは、テフロンですね。

(山里亮太)ああ、テフロン加工とかの。

(町山智浩)テフロン加工のテフロンですね。あとは、ゴアテックスとかですね。

(赤江珠緒)あ、ゴアテックスも。へー。

(町山智浩)そういったものをね、開発している大企業で。その大金持ちのおっさんがジョン・デュポンっていう人なんですけど。その人が持っている敷地があるんですよ。広大な敷地が。それが、フォックスキャッチャーっていわれる場所なんですよ。

(赤江珠緒)ふーん。

(町山智浩)要するに、昔、キツネ狩りとかやってたところなんですね。で、そこにですね、ロスアンゼルス・オリンピックで金メダルをとったアマレスの選手のマーク・シュルツっていう人がね、そこに住むようになるんですよ。

(山里亮太)はいはい。

(町山智浩)事件はそっから始まっていくんですけど。このマーク・シュルツっていうのはロスアンゼルス・オリンピックで金メダルをとったにもかかわらず、生活できない状態で。で、お金があんまりないんで、今度のソウル・オリンピックにも出場できるかわからないっていう状態になっています。

(赤江珠緒)おお。

アマチュアレスリング選手の当時の経済状況

(町山智浩)で、それはね、当時は特にそうだったんですけど、アマレスの人たちってその、お金を儲ける手段がほとんどなかったらしいんですよ。

(赤江珠緒)あ、アメリカでレスリングっていうのはあまり?

(町山智浩)アメリカのレスリング、アマレスはすごく層が厚いんですけども、コーチをやる以外に生活の道がないんですよね。

(赤江珠緒)あー。

(山里亮太)なるほど、なるほど。

(町山智浩)特にレスリングの世界っていうのは、特にこの頃はプロとアマの世界が完全にわかれていて。で、アマレスの人たちはなにも、お金儲けのためになにかしちゃいけないっていうぐらい、オリンピックに出る選手っていうのは完全なアマじゃなきゃいけないっていう時代だったんですね。

(赤江珠緒)はいはい。

(町山智浩)いま、オリンピックってプロも出られるじゃないですか。

(赤江珠緒)そうですよね。テニスとか、野球選手とか・・・

(町山智浩)ねえ。だって、ひどいのはNBAの選手がバスケットに出たりしてますからね。

(山里亮太)ドリームチーム、すごかったですからね。昔(笑)。

(町山智浩)ドリームチームとか言ってね。だからそれが可能な時代じゃないんですよ。その当時は。それと、レスラーっていうのは特にそうなんですけど、プロレスラーとアマレスラーの差ってすごく大きいんですよね。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)それは他のスポーツのプロとアマと違って、プロレスラーの方は、はっきり言って芝居をするからなんですよ。

(山里亮太)エンターテイメントがね。

(町山智浩)だから、軽蔑されているんですよ。そっちに接触することはできないんですよ。一旦、もうプロレスの方に行ったら、当時はアマレス世界と完全に縁を切る世界だったんですね。

(赤江珠緒)うーん・・・

(町山智浩)まあ、それも変わりましたけどね。その後。すごく、垣根がなくなったりしたんですけども。この当時はアマレスの人は食えなくて大変だったらしいんですよ。で、このマーク・シュルツ選手も次のオリンピックに出たいのに、お金がなくて。で、インスタントラーメンを食べてたりするんですよ。サッポロ一番かなんか、食べてたりするんですけど(笑)。そういうシーンがあるんですが。

(赤江珠緒)体つくらなきゃならないのにね。

(町山智浩)体つくらなきゃいけないのに、肉、食べられないんですよ。

(赤江珠緒)うーん・・・

(町山智浩)で、これはどうしよう?ってことになっていたところにですね、そのデュポンっていう大金持ちから電話がかかってくるんですね。で、『YOU、うちに来なよ!』って言われて、行くんですけども。で、行くと、そこでそのすごい敷地内でですね、もうすごい最新の設備を整えて、ここでオリンピック選手を養成すると。で、君にここに来てほしいんだと。

(赤江珠緒)いや、いいじゃないですか!

(町山智浩)生活は全部面倒を見る。家が余っているから、そこに住めばいいと。

(赤江珠緒)うわっ、大スポンサーじゃないですか。

(町山智浩)そうなんですよ。『もうなんでも好きなものを食べていいし、好きなものを使っていいし。好きなようにしていいよ!だから、YOU、うちに来ちゃいなよ!』っていう話になるんですね。

(赤江珠緒)ちょっとなんか、どっかで聞いたような・・・

(山里亮太)どっかで聞いた誘い方ですよ(笑)。

(町山智浩)いや、アメリカだから、普通に『YOU』って言うんです。あなたのことをね。

(赤江珠緒)まあ、そうですよね。そっちだと普通ですよね。そうですね。

(町山智浩)で、住まわせて、練習をさせるんですけど。それがフォックスキャッチャーチームっていうものになるんですね。フォックスキャッチャーっていう敷地内なんで。で、やっていくんですけども、どうもこのデュポンっていう人はちょっとおかしいんですよ。

(山里亮太)ほう。

(町山智浩)敷地内にですね、拳銃がすごく好きで、警察官の射撃場を作っていて。近所の警察官を呼んで射撃訓練をしてたりするんですけども。その拳銃を持ったままですね、練習場に入ってきて、ぶっ放したりするんですよ。ドバーンッ!と。

(赤江珠緒)ええっ!?

(町山智浩)それだけじゃなくて、戦車買ったりしてるんですよ。

(山里亮太)えっ!?

(町山智浩)戦車っていうか、この映画の中では装甲車なんですけども。装甲車を買って、敷地内で走らせたりしてるんですけど。

(赤江珠緒)うわー。お金持ちだからね。

(町山智浩)『ジ・インタビュー』の金正恩と同じなんですけどね(笑)。

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(赤江珠緒)そうですね。やっかいなお金持ちですな。

(町山智浩)それで、マイ戦車を買ってるんですよ。で、ただその戦車が来た時にですね、ブーたれるんですよ。ジョン・デュポン。大金持ちの。この人、もう60ぐらいですよ。おじいさんなんですけど。『おかしいよ!50口径の機関銃がついてないじゃないか!』とか言うんですよ。

(山里亮太)ちょっと待って。なにがしたいの?この人は。

(町山智浩)よくわからない人なんですけど。要するに、武器をたくさん集めてる人なんですよ。大砲とか。それで、『私は愛国者だ!』とか言って、その戦車乗り回してるんですけど。敷地内で。

(赤江珠緒)仕事はしなくていいんですか?

(町山智浩)この人、要するにお金は有り余っているんですよ。もう、株だけで暮らしているから。

(赤江珠緒)ああ、なるほど。

(町山智浩)そう。なんにもしなくていいんですよ。だから無駄遣いをいっぱいしてるんですけど。だから要するに、年はとっているけど、おぼっちゃまくんなんですよ。

(山里亮太)なるほど。

(町山智浩)だからもう、やることないからそういうことをやっているんですけども。これでオリンピックで金メダルをとれれば、自分はその国の英雄になれるんだと思っているんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、選手を集めていろいろ訓練をしているという感じなんですけども。なんかね、マーク・シュルツっていう選手を自分の敷地内に住まわせて、それで仲良くしてるんですけど。いっぱいご飯とか食べさせてあげて。で、『君は僕にとって初めての友達だよ』って言うんですよ。

(赤江珠緒)ふん。

(町山智浩)『僕は子どもの頃、友達がいなくてね。悲しかったんだよ』とデュポン、その金持ちじいさんが言うんですね。『初めて友達ができてうれしかったんだけど、後からわかったんだ。僕のママがお金で買った友達だったよ』って言うんですよ。

(赤江珠緒)あらー・・・

(町山智浩)そういう寂しい人なんですよ。で、この映画はね、なんかおかしなことになっていくんですけども。いちばんその、あれっ?と思うシーンっていうのは、夜中に『僕にスパーリングをつけてくれ』と・・・このデュポンもアマレスをやってるんですね。

(赤江珠緒)あ、レスリングは一応好きなんですね。

(町山智浩)やってるんですよ。それでだから、そのマーク・シュルツに、真夜中なんですけど、『稽古をつけてくれ』って言うんですね。で、暗い中でこう、2人でアマレスのスパーリングをするんですよ。なんか2人でこう、互いのバックを取り合いながら、『ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・』ってやってるんですよ。なんやねん、これは!っていう映画なんですけど(笑)。

(赤江珠緒)なるほど。

(山里亮太)えっ?まさか、そっちの感じ?

(町山智浩)うーん、なんかおかしいんですよ。

(山里亮太)どんだけー?

(町山智浩)っていう映画でね。どうなっちゃうんだろう、これは?という映画なんですけど。

(山里亮太)そこらへんも関わってくるんですか?そこらへんの、色恋じゃないですけど。男同士の・・・

(町山智浩)いや、知らないですよ。僕は。まあ、バックを取り合ってましたよ。はっきり言って。汗まみれで。

(赤江珠緒)寝技ね。あります、あります。

(町山智浩)またこのね、マーク・シュルツ選手を演じる人が、チャニング・テイタムというね、非常に美しい体の人ですね。この人は、どのぐらい美しいか?というと、『マジック・マイク』の主役ですよ。男性ストリップ映画。


(赤江・山里)あー!

(町山智浩)もう必見の映画ですよ。あれでマシュー・マコノヒーもすごかったですけど。お尻が。この、チャニング・テイタムはもう、上半身すごいですよ。

(赤江珠緒)たしかに、キレイな肉体美。

(山里亮太)また出ました。町山さんの男性の肉体美を褒めてくる・・・

(町山智浩)もう、すごいですよ。もう、ね。

(山里亮太)おすすめの裸のコーナー(笑)。

(町山智浩)(笑)。いや、ちゃんとありますから、大丈夫ですよ。

(山里亮太)いやいや、待っているわけじゃないです(笑)。

(町山智浩)でね、その大金持ちのジョンっていう人を演じる人がですね、スティーブ・カレルっていう人で。この人はアカデミー主演男優賞候補になっています。で、このスティーブ・カレルっていう人はですね、バカ映画ばっかり出てた人なんですよ。ずっと、いままで。

(山里亮太)コメディー?

(町山智浩)で、この人が最初に注目されたのは、『40歳の童貞男』っていう映画だったんですよ。


(赤江珠緒)あの、タイトルがなかなかに、ねえ。

(町山智浩)そう。40になってもぜんぜん彼女ができなくて。なんとか、みんなで彼女を作ってあげるっていう話。セス・ローゲンが一緒に出てくる、いわゆるブロマンスものなんですけども。で、いちばんこの映画で笑わせるシーンは、胸毛にガムテープを貼って剥がすっていうシーンで。ほとんど日本のお笑い芸人と変わんないことをやっている人だったんですけどね。このスティーブ・カレルっていう人は。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)で、ところが、この映画の中では、完全にその、まあちょっとどうかしているジョン・デュポンっていう大金持ちをですね、特殊メイクで鼻の形を変えて演じてるんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)で、写真を見ると、ぜんぜん別人になっていますね。

(赤江珠緒)あ、本当だ。つけ鼻をしてるんですね。

(町山智浩)つけ鼻をして、すごい顔になっていて。だからこれ、いまアカデミー賞の特殊メイクのメイキャップ賞の候補にもなっているんですけど。

(赤江珠緒)あ、でも実際のデュポンさんの写真もこっちにあるんですけど、似てますね。

(町山智浩)似てるんですよ。で、声とかもすごく変えて。そっくりになっていますね。だからまあ、主演男優賞候補なんですけども。で、これね、助演男優賞候補にもノミネートされているんですけど。これはマーク・シュルツのお兄さんで、デーブ・シュルツっていう選手がいて。この人も金メダリストなんですね。ロスアンゼルス五輪の。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)この人を、マーク・ラファロっていう俳優さんが演じていて。この人が助演男優賞候補になっているんですよ。で、これ写真を見るとね、ぜんぜん別人になっているんですよ。マーク・ラファロ。

(赤江珠緒)本当だ。

(町山智浩)このマーク・ラファロっていう人は、アベンジャーズっていう映画で、超人ハルクを演じていた人ですね。いつも結構チャラ系なんですよ。この人。でも、今回ちょっと、はっきり言って、ゲハってますからね。

(赤江珠緒)そうですね。

(山里亮太)結構、おでこがだいぶ広めに・・・

(町山智浩)そう。すごいですよ。体格も変わってますけど。

(赤江珠緒)むしろ、ヒゲの方が目立つ感じで。

(町山智浩)そうそうそう。だからものすごい別人になっていて。なかなかすごいんですよ。それで、この人はレスリング経験とかなかったんだけども、今回は徹底的にやってですね。テクニシャンのお兄さんっていう設定なんで。で、弟のマーク・シュルツの方はパワーのレスリングなんですね。で、テクニシャンで寝技とか得意なのがデーブ・シュルツなんで。その、2人でスパーリングするシーンとかも、本人たちが徹底的にレスリングの訓練をしてやっているんで。まあ、助演男優賞候補になっています。はい。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)でね、こういう非常に奇っ怪な事件で、奇っ怪な映画なんですよ。

(赤江珠緒)でも、ここから殺人事件につながります?

(町山智浩)殺人事件にこれが発展していくんですよ。基本的には男同士がハァハァ言いながら、汗まみれで取っ組み合っている素晴らしい映画なんですけども。

(赤江珠緒)いやいやいや(笑)。

(山里亮太)その説明だと、だいぶ偏ったね、ええ。

(町山智浩)これ、どうしてこれが殺人事件に発展するの?っていう映画なんですけどね。ただね、見ているとすごくこの、ジョン・デュポンという人は大金持ちで、もうなんでもあるんだけども、誰にも尊敬されていないかわいそうな人なんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?ここまでお金があるのに?

(町山智浩)だって、自分で稼いだお金じゃないもん。

(山里亮太)そっかー。ボンボンの悲しさだ。

(町山智浩)だからこれは本当にもう、自分で作ったものじゃない限り、誰も尊敬しないですからね。でも、それがわかっていないんで、どんどんひどいことになっていくんですけども。あの、これを見てるとね、この敷地で、フォックスキャッチャーっていうのはキツネ狩りなんですけど。キツネ狩りって実際はどういうことをするか?っていうと、イギリスの貴族がね。

(赤江・山里)はい。

(町山智浩)猟犬でキツネを追いかけさせるんですけども。最後はキツネを犬に噛み殺させるんですよ。

(赤江珠緒)追い詰めていって。

(町山智浩)そう。だから実際は貴族は追っかけてるけど、なにもしないんですよ。これはまさに、このジョン・デュポンが金メダルをとろうとしたことと同じなんですよね。自分でレスリングを飼って、彼らに金メダルをとりに行かせたことと。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)まさにキツネ狩り状態だったってことを、偶然フォックスキャッチャーが暗示してるんですけど。もっと、この映画を見ていると、あるひとつの映画を思い出すんですけども。これはね、ルキノ・ビスコンティっていう監督が昔いまして。イタリアの名匠なんですが。その人が昔作った映画でですね、72年に作った映画で、『ルートヴィヒ』っていう映画があったんですよ。


(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)これはね、昔、ババリアっていうドイツの一部なんですけども。いまは。ババリア王国の王様でルートヴィヒ2世っていう人がいたんですね。

(赤江・山里)はい。

(町山智浩)その人は、自分が王様になった、王子様だってことがうれしくてしょうがない人だったんですよ。自分がお伽話の中の本当の王子様なんだって思って、うれしくてしょうがなくて。で、お伽話みたいなお城をバンバン建てて。そこでお伽話ごっこをしていた王様なんですよ。

(山里亮太)ほう。

(町山智浩)ところが、当時のドイツっていうかヨーロッパっていうのは、もう群雄割拠で。いろんな国同士が戦っていて。政治的にものすごく厳しい状態だったんですね。だからそんなことをしている場合じゃなかったのに、『私は王子様よ。オホホホ!』とかやっていたんですよ。

(赤江珠緒)ルートヴィヒ2世が。

(町山智浩)お金、無駄遣いして。それで、作曲家のワーグナーが大好きで。ワーグナーが借金とかを抱えているから、『その借金を全部なしにしてあげる』って言って。それで彼を自分のお城に住まわせてたんですよ。

(赤江珠緒)ああ、まさにスポンサーになって。はい。

(町山智浩)スポンサーになって。このレスラーを飼っていたのと全く同じことをするんですね。で、どんどんどんどん滅んでいっちゃうんですけど。ルートヴィヒの国自体が。それで、最終的にはもうどうなるかっていうと、たいへんな悲劇になっていくんですけども。すごくよく似ているんですよ。

(赤江・山里)えーっ!?

(町山智浩)で、ルートヴィヒも同性愛者だったんですけどもね。

(山里亮太)も?

(町山智浩)これね、現代のルートヴィヒなんだっていうのがね、見えてくる、不思議な映画ですね。実話ですけども。

(赤江珠緒)スケールの大きい穀潰しってことですか?

(山里亮太)(笑)

(町山智浩)そうですね(笑)。はい。まあ、おぼっちゃまくんのどうしようもない人なんですけども。まあ、そういう不思議な映画がフォックスキャッチャーで。来週公開されるんですけどもね。はい。これ、監督ベネット・ミラーっていう人も監督賞にノミネートされて。脚本賞もノミネートされてますね。はい。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)いやー、怖いな!と思いましたよ。

(赤江珠緒)そうですね。

(山里亮太)そしてちゃんとね、お尻情報もいただきました。

(赤江珠緒)(笑)。ねえ。肉体美もね、いただきましたね。

(町山智浩)(笑)。はい。そう。だから『一緒に住まない?』とか言われたら、ちょっと気をつけた方がいいなっていう話ですね。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)同居したりするのは、気をつけた方がいいですね。はい。

(赤江珠緒)気をつけましょう。

(山里亮太)いいスポンサーだと思ったら・・・(笑)。

(町山智浩)はい。50才以上の人とか。男性とか。はい。

(赤江珠緒)なにを言ってるんですか!つらつらと(笑)。

(町山智浩)いろんなことがあると思います。はい(笑)。

(赤江珠緒)えー、今日はアカデミー賞5部門ノミネート、映画フォックスキャッチャーをご紹介いただきました。日本でもすぐ公開ですね。来週の2月14日の公開でございます。さあ、そして町山さん。再来週がスペシャルウィークになりますけども、アカデミー賞のね、裏話など、よろしくお願いします。

(町山智浩)はい。もう直前予想しますんで。よろしくお願いします。

(赤江珠緒)はい。町山さん、ありがとうございました。

(山里亮太)ありがとうございました。

(町山智浩)どもでした。

<書き起こしおわり>

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