菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』で間宮貴子さんを紹介していました。
(菊地成孔)それでは、何か聴きましょうかね。聴きましょう、聴きましょう。何か聴こうっつったら、間宮貴子さんしかないですよ。知ってる方、いらっしゃらないと思いますけどね、間宮貴子さん。まあ、『間宮貴子さん』で今検索するとですね、今この名前をインターネットでググると、テレビドラマ 離婚弁護士シリーズで天海祐希さんが演じた主人公が数多くヒットしてくる・・・これはですね、なんと金澤寿和さんという、日本の7-8-90年代シティ・ポップの研究家っていう方が書いているライナーの頭を読みましたけどね。この後、(ライナーの)ケツも読みますけどもね。
間宮貴子さん、幻の、消えたシンガーと言ってもいいと思いますね。世間では消えた漫画家さんですとか、消えた俳優さんとか、いろんな消えちゃう方がいらっしゃいますけど、シンガーでも、こんなご時世でもですよ、検索しても出てきない、本当に消えちゃうっていう人。とはいえ、70年代の方だからでしょうな。90年代以降のタレントさんの不幸は、消えられないことだって良く言いますよね。どんなことでも、全部残っちゃいますからね。フーっと消えて行きたいという、比較的人間のナチュラルな欲望だと思うんですけど、これが出来ない世の中になっちゃって、息苦しいなってのが最近ですけど。間宮さんはキレイに消えた方で。
きれいに消えた幻のシンガー
何せ、この金澤さんの本当に素晴らしいライナー、最後の部分ですね。『そんな素敵なシンガーがなぜ、アルバム1枚で消えてしまわなければならなかったか?残念ながら今回は、その謎に迫ることは出来なかった。』つまり、調査が出来なかったということです。『それでも、残された作品は30年の時を超えて、今再び輝きを放たんとしている。願わくば、このCD化がどこかで彼女自身の耳に届いてほしいものである。』と金澤先生、結んでらっしゃいます。一種の都市伝説とまで言われた間宮貴子さんですが、アナログ盤が・・・もう何でしょう、解説したくて堪らないんですが、1時間ぐらい話が止まらなくなっちゃう。全部割愛しますけどね。
キティ(レコード)の実力ですよ。キティの実力が全て結集された盤ですね。ジャパニーズ・シティ・ポップっていうと、細野(晴臣)さん・山下(達郎)さんなどを中心とした山ね、ティン・パン・アレイ・ファミリーとか言うんですけど、あっちばっかりに行く若い方多いんですけど、まあ1つの復興というかね、このキティ組とかね、違う組もスゴいのがあったんですよ。作詞作曲アレンジをざっと一目で見ただけでも、もうキラ星の如く。来生えつこ、椎名和夫、難波弘之、沢井原兒というね。ここらへんの人が演奏じゃなくて筆で参加している。井上鑑さんもいるというね、ところですので、キラ星の如く面子が揃っているアルバムですけども。
どの曲も名曲。これがCD化されました。初CD化です。最近日本のAORがまとめてCD化されたんでね、この番組でも少しずつ紹介していこうと思います。まずは間宮さん紹介しなきゃダメでしょうね。どれにしようかな。『LOVE TRIP』にしようか、『チャイニーズ・レストラン』にしようか、『哀しみは夜の向こう』にしようか、悩んだんですけどね。『真夜中のジョーク』、いってみましょうかね。歌詞なんかも味わってください。もう、今の流行歌の歌詞とは大分違って、かなりチャラい歌詞なんですけどもね。ジュンと来るか、ケッと来るかは、貴方の人生任せと言ったところでしょうか。間宮貴子さんで、『真夜中のジョーク』。
間宮貴子『真夜中のジョーク』
いやー、ヤバイですね。もう、ウィンナー親父としてはジュンと来ざるを得ないっすね。今日、バレンタインなんでチョコいっぱい頂きまして、口の中チョコくせーんで、スタッフの方にUCCのブラックの無糖の買ってきてもらってですね、それで口の中のチョコを洗い流しながら失礼させて頂いてるんですけど。もうこの、今飲んでいる飲みかけのブラックの缶コーヒーの中に、ジャックダニエル注いでくれっていう気分ですよ!はい、ということで、間宮貴子さんで『LOVE TRIP』より、『真夜中のジョーク』でした。コマーシャルです!
<書き起こしおわり>