宇垣美里『鎌倉殿の13人』を語る

宇垣美里『鎌倉殿の13人』を語る アフター6ジャンクション

宇垣美里さんが2022年4月19日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で大河ドラマ『鎌倉殿の13人』について話していました。

(宇多丸)宇垣さん、いろいろご覧になっていて。もう最近はね、お仕事もあるから。新作は全然僕なんかより早くいっぱい見てて。宇垣さん情報が多いんですけども。今回はドラマ。しかも、日本のドラマで、ビッグタイトルという。

(宇垣美里)大河で。大河はだいたい、まず1話を見て。だいたい3話ぐらいまでは見るんですけど。その後、ちょっとなんとなく脱落しちゃったりとか、その時代が好きだったりとかっていうのはあるんですけども。今回は「どうせ絶対に見るだろうな」って思っていた『鎌倉殿の13人』という大河が始まっていまして。

(宇多丸)三谷幸喜さんですよね。

(宇垣美里)要するに、鎌倉殿。すなわち源頼朝が鎌倉殿となっていく。その後にまた……っていうあのあたりの時代の話。でも、そんなに有名じゃないじゃないですか。だからいまいち正直、そこまで史実をちゃんと覚えていなくて。「いい国作ろう鎌倉幕府だな」ぐらいしかわかってなかったんですけど。

(宇多丸)そうですね。あとはもう完全に創作のやつね。ああいう義経関係だとかね。

(宇垣美里)そうなんです。そこも含めて、たぶんそこまでわかってない。みんなが死ぬことだけはわかってるみたいな感じで見てるから……。

(宇多丸)極悪人になっていくことはよくわかるっていう(笑)。

(宇垣美里)なので、すごく面白くて。ネタバレをそこまでしていない。自分の中で知っている部分がないのでまず面白いっていうのもあるんですけども。本当に脚本が面白くて! 脚本、めちゃくちゃ面白い! 話が面白い! そしてなんといっても、もう個々の俳優さんたちの演技が素晴らしすぎて。「これはすごいわ! これはすごいわ!」って言いながらずっと見ていて。たとえば、義経を菅田将暉さんがやってるんですけど。

義経って、今までの義経像はすごくかわいそうな、でも天才のすごく悲劇のキャラクターのイメージがありながらも。「いやいや、本当か?」って。他の史実とか、いろんなのを読んでいて「いや、こいつ結構ヤバくね?」と思ってたところで、そのヤバさ……バーサーカーとしての義経みたいなところを菅田将暉さんがすごい上手に演じていらっしゃって。「怖え……こんな弟、怖え……」って思いながら見ていたりとか。

菅田将暉のバーサーカー義経

(宇垣美里)その中でハラハラと翻弄されるうちにどんどん、良くも悪くも成長していく主人公を小栗旬さんが演じていらっしゃって。それもまた、めちゃくちゃよくて。特に先週末に……。

(宇多丸)最新回。第何話になるんですか?

(宇垣美里)何話かな? 15話か。なんていうんでしょう? たぶん、まず第1期ぐらいの山場だったと思います。もう本当にひどくて。

(宇多丸)要は頼朝がついに一線を越えるというような?

(宇垣美里)もう本当に1回、見るじゃないですか。号泣しちゃって。悲しくなっちゃって。ブワーッて……結構私、作品を見ていると泣くんですけど。ブワーッて泣きすぎて。なんかちょっと、動悸がすごくて。ヒックヒックしてしまって。「ううっ、ううっ……」とか言いながら、Twitterで調べて。そしたら、上総介っていう役を演じている佐藤浩市さんのインタビューの音声がTwitterに貼ってあって、それを聞いて、また号泣して。で、もう1回見て……。

(宇多丸)なんかここのところ、佐藤浩市さんをよく見るなと思ったら、そういう展開のあれだったんですね。きっとね。

(宇垣美里)今まで……もちろんね、みんな死んでるんで。過去の人たちなんで。みんな、死にますよ。これはネタバレじゃないですよ。みんな死にます。でも、本当にすごいシーンだったので。で、しかも伏線がすごい上手に張られていて。

(宇多丸)じゃあ、ちゃんとその15話分を見て、その積み重ねがあったからこその……。

(宇垣美里)ここまでの積み重ねで、彼のことをあまりにも好きになってたからこそ、もうちょっと耐えられなくて。これがでも……ここでこんなにもつらいってことは、ここからどんどんひどいことになってくることは事実ベースとして知っているので。「どうなるの? 私のメンタルは持つのか?」って思うぐらいすっごく面白くて! これ、ちょっと15話、どうやったら見られるかわかんないですけど。

(宇多丸)まあNHK、後追いのいろんなの、ありますよね? それこそU-NEXTのね、あれにも入っていて。

(宇垣美里)NHKオンデマンドに入っていたら見られると思うので。本当に見てほしいです。あの、こんなに毎回、たとえばちょっとドラマとか見ていて。ちらっと携帯とか見たりすることもあるじゃないですか。

(宇多丸)集中がちょっと途切れて。

(宇垣美里)ないの。本当に。

(宇多丸)これ、でもそこまで言うっていうことは、三谷さんの数ある仕事の中でも結構トップ級かもしんないね?

(宇垣美里)でも私、その三谷幸喜さんの『新選組!』がすごく好きだったんですよね。で、その『新選組!』の時の方が結構出てらっしゃって。それも感じて1個、オーバーラップするというか。佐藤浩市さん、『新選組!』では芹沢鴨をやってらっしゃったので。ちょっとその……。

(宇多丸)まあ、新選組の中では一番最初にね、パージされる人ですから。

(宇垣美里)かぶる部分もあって。「ああ、ああっ!」って。もちろん、キャラクターとしては全然違うんですけど。

(宇多丸)芹沢鴨はね、ちょっと狼藉もありましたからね。

(宇垣美里)ある意味、必要悪というか、露悪的なタイプだった芹沢鴨とは上総介は全然違うんですけど。それも含めてでもすごく……。

(宇多丸)だからその最初の山で「ああ、こいつ!」っていうところはやっぱり佐藤浩市さんなんですね。

(宇垣美里)それがあまりにもすごくて。「目に焼きつけよう」と思って2回見て。

(宇多丸)2回見た。つらいのに。そんなに泣いたのに。

(宇垣美里)もう耐えられない。

(宇多丸)耐えられないのに見たんだ。

(宇垣美里)耐えられないのに2回見て。「上総介、推しやな」って思いました。「推しや」って思うぐらい、すごくよかったです。

「上総介、推しやな」

(宇多丸)ああ、それは珍しく……宇垣さん、いろんな話をされますけど。日本のドラマ、わけても大河は……。

(宇垣美里)大河ドラマ、結構見てるんですけど。でもこれは……なんか結構私、ヒットしてますね。

(宇多丸)そうですか。そこまで言われたらちょっとね……。

(宇垣美里)もう、かわいいシーンがたくさんあって……すごくかわいらしい、愛おしいキャラクターたちですね。

(宇多丸)だからこそ、油断を突かれるというか、裏をかかれるっていうか。

(宇垣美里)油断というか……頼朝、本当に嫌い!(笑)。でも「嫌い!」ってなるのは大泉さんがすごく演技が上手いからなんですよ。もちろん。

(宇多丸)言っておきますよ。演技ですからね?

(宇垣美里)もちろん!

(宇多丸)ただね、演技の向こうには……演技の向こうにはその人なりのパーソナリティーとるのあるような気がしてくる。これがね、我々の芸術で。

(宇垣美里)これはすごいですよ。

(宇多丸)昔、ピエール瀧さんに「いやー、瀧さん。『凶悪』、すごかったっすね。怖かったわー!」っつったら「ありがとう。見てくれたんだ」って。「こういうところ、ありますもんね」「あるかーっ!」って言われて。「いやいや、それそれ。今の、これ」っていうのがありましたけどねー。

(宇垣美里)本当におすすめです。ここからどんどんね、義経が活躍して。やっと戦に出られるようになったりとかしていくシーンが出てくるので。ここからまた勢いがつくと、どんどんと……。

(宇多丸)そうか。そんなに言われちゃ……困ったな。今、もうタスクが……週に1個ずつ、自動的に溜まってくやつがあるじゃないですか。だいぶ僕にしては消化できてる方なんですけど今期は結構多いんですよね。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とか見ているんで。戦隊を久しぶりに見ているんですよ。

宇多丸とコンバットREC『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を語る
宇多丸さんが2022年4月6日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で最近ハマっているスーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』についてトーク。さらに4月8日の放送でもコンバットRECさんと『ドンブラザーズ』について話していました。

(宇多丸)『ドンブラザーズ』も見ているし、宇垣さんの『明日、私は誰かのカノジョ』。あれも……まあ1週目はまだ宇垣さん、出てなかったですけども。楽しみにしていますしね。

(宇垣美里)だいたい3話の後半ぐらいからかな? と、思います。チラッと出てくると思います。

(宇多丸)あとは『月曜から夜ふかし』が10時に移ったとかね。それは大変なんですよ。いろいろと……。

(宇垣美里)アハハハハハハハハッ! お好きなんですか?(笑)。

(宇多丸)いろいろと録るのが大変なんですよ。でもちゃんと『BS世界のドキュメンタリー』とか、そういうのも録ったり。そこにでも『鎌倉殿』か。でもU-NEXTとかで後からいつでも見れると思うと、これがいかんね。これ、やっぱり並走していかないといけないよね。

(宇垣美里)そう! 私は2週間、全部勝手に録画してくれるやつなので。言うてもいつでも見れると思ってるんですけど、でも……リアタイしてます。結果、リアタイしてる。

(宇多丸)でも、それは本当に力なんだな。三谷幸喜さん。

全録でいつでも見れるのにリアタイ視聴している

(宇垣美里)もう、無理。日曜日のその黄金ルートがもうできてて。世界一ためになるテレビを見てから、ここに行くっていう。『ザ!鉄腕!DASH!!』のことをそう呼んでるんですけど。それを見てから……。

(宇多丸)なかなかストレートなテレビっ子ですね(笑)。

(宇垣美里)そう(笑)。

(宇多丸)普通にそういう面もあるんですね(笑)。

(宇垣美里)「げえっ!」とかって言いながら見ています(笑)。

(宇多丸)ああ、そう? そこまで言われたら……ちょっとこれは強力なプッシュよ。宇垣さんの。

(宇垣美里)本当に面白いの! これ、たぶんどんどん嫌いになっていくと思う。

(宇多丸)それがね、最終的に大泉さんの身の安全がちょっと心配になってくるぐらいの。いや、でも本当の悪役ってそういうことね、昔はよくあったみたいだから。

(宇垣美里)で、その後に月9に大泉さんが出てきたんですよ。私、嫌になっちゃって1回、止めましたね(笑)。

(宇多丸)まあまあ、そういうこともあるでしょうね。

(宇垣美里)「2週間見れるんで、後で見ます」って。

(宇多丸)見事なものですね。

(宇垣美里)素晴らしかったです。感動しました。

(宇多丸)『鎌倉殿の13人』。今、15話なので何とか……。

(宇垣美里)まだ行けますよ。45分だし。

(宇多丸)あと、その史実の流れを抑えているから、頭に入ってきやすいというのもあるかもしれない。

(宇垣美里)そうそう。なんとなくのベースは知っていますし。あと、その後にNHKって「出てきたこの人の家は今、こうなっていて……」みたいな。あれがすごい好きなんですよ(笑)。

(宇多丸)わかるわかる。いいですよね。聖地巡礼させてもらっているみたいなね。

(宇垣美里)行きたくなっちゃうのも含めて。

(宇多丸)かゆいところに手が届くな、NHK!

(宇垣美里)面白いなって思ったりしています。

(宇多丸)ありがとう、いいテレビです! あ、ちなみにこれ、日曜日のライブで「バイブス棒」っていうお客さんに振ってもらう棒のグッズがあったんですけども。Mummy-Dさんが途中で「ありがとう、バイブス棒。いい、棒です!」っていう名言を残したので。それ以来、太田胃散のこれを……「いい棒ってなんだ?」っていう(笑)。

(宇垣美里)いい棒があったんだな(笑)。

(宇多丸)『鎌倉殿の13人』、見てみたい。ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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