東MAXさんが2021年12月14日放送のニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』の中でNetflix『浅草キッド』についてトーク。生前の深見千三郎さんと親しかった東MAXさんが当時の思い出などを話していました。
【 #大泉洋 主演映画】
『浅草キッド』
いよいよ本日よりNETFLIXで全世界配信!https://t.co/g6XzBuoZ0V pic.twitter.com/kuAMZdd5mF— CREATIVE OFFICE CUE オフィスキュー (@OFFICECUE) December 8, 2021
(東MAX)まあ『浅草キッド』スペシャルということで。Netflixで今、配信されてますけど。見ましたか?
(山根千佳)見ました。もちろんです。
(東MAX)この世代が見たら、どうなんだろうね?
(山根千佳)でも、やっぱり東さんとラジオをやってるせいか、元々知っていたことももちろんあったので。勉強していたことも。なんかそれが改めて映像とリンクされて、「ああ、こんなに感動する話なんだ」っていうのは思いましたね。
(東MAX)私的にはね、「よくできてるな」と思いましたね。
(山根千佳)「よくできてる」とは?
(東MAX)だからストーリーとかはやっぱりドラマチックだし。劇団ひとりがいかにたけしさんをリスペクトしてるかとか。で、その深見さんね。たけしさんの師匠をね、だからその物語を本当に上手に描いているというか。エンターテイメントにして、すごい感動的でよかったなと思うんですけど。やっぱり私は浅草にずっといて。深見さんが……師匠が身近な存在だったので。
(山根千佳)だってね、お話をされたこともあって。
身近な存在だった深見千三郎師匠
(東MAX)そうそう。もう、だからもうすごいグッと来ましたよね。なんていうんだろうね? 深見さんって、だから「伝説の浅草芸人」とも言われていたんだけど、ちょっと不遇ではあったんだよね。面白いけど、だからそのテレビとかっていうのには出ないっていうか、羽ばたいていかない。で、ずっと浅草にいて。でも誰もが「面白い」と言う存在だったんだよね。で、俺がだから子供の時に「あんなに面白いのに。深見さんってテレビとか出ないのかね?」って言っていて。
でも、やっぱり深見さんというのはものすごい……なんというか、指がなかったんだよね。で、それがコンプレックスで、なんかそういうのでだから外にあんまり行かないというか。そういう一面もあって。でも俺はほら、子供だったから。銭湯とかに行くとよく背中を流しあったりとかしてたんだけど。もうね、「あれ? 深見さん。まだ指が生えてこないの?」とかって。子供だからそういう話をよくしてて。で、深見さんは深見さんで「そうなんだよ。俺、まだ生えてこないんだよ、バカヤロー」みたいな、そういうやり取りをずっとやってる仲だったんだよね。
で、フランス座を辞めることになるんだけども。まあ、うちの親父(東八郎)がね、ある意味面倒を見てたんですよ。最後まで。だからフランス座を辞めなきゃいけなくなって。もう借金が結構嵩んじゃっていて。その時に、だから深見さんが働けるように会社……うちのお母さんがやってた化粧品会社があったのね。そこで働く場所を提供して。そこで働いてもらってたのよ。
(山根千佳)へー!
(東MAX)でもほら、引退をさせたくもないっていう気持ちもあるじゃん? だからうちの親父はずっと浅草にいたから。浅草で舞台をやる時は深見さんを使ってたんだよね。
(山根千佳)すごいなー!
(東MAX)だからそれの映像が……テレビ中継をしたりしてて。それがいまだにちょっと残ってたりするんだよね。
(山根千佳)普通に動画として?
(東MAX)そうそう。動画として残ってるのよ。だからね、こんな話を知ってたら、その動画とかもうちょっと見せられたかなとは思うんだけどもね。
(山根千佳)さらに深く見れますね。
(東MAX)だけど、その景色だったり何だったり、もう浅草の……だからもう「古き良き」じゃないのよ。もうちょっと、低迷している浅草の時代のその風景がものすごく呼び起こされて。まあ、だから俺はそういう意味でもものすごい感動的な映画だったね。
(山根千佳)そのまんまなんですか?
(東MAX)そうそうそう。そのままなのよ。だからもうそのロック座とか、フランス座とか。そういうのもちょっと廃れてきて。浅草で演芸の匂いがちょっと消えかかってた中でもがいている深見さんと、これからね成長していくたけしさんと。で、その町中の人だとか、そういう芸人に優しい町ではあったからね。そういう雰囲気が全体に漂ってるなっていう。なんかちょっと匂い立つ感じがあったんだよね。だから演芸場……昔は松竹演芸場っていうのがあったんだけど。そこにだからたけしさんたちがコンビを組んで、出だすんだけど。で、後半はだからうちの親父のそういう喜劇みたいなのをやって。その前半にたけしさんとか鶴太郎さんとか、そういう人たちが出ていたわけよ。
それで、それがちょいちょいテレビに出だして。やっぱりテンポのいい漫才をやってて、めちゃめちゃウケてたイメージがあるんだよね。それが今度、テレビにたけしさんたちが出ていくっていう。で、それが『ひょうきん族』になって……とか。そういうのをリアルタイムに見てた自分がいるから。
(山根千佳)そうか。その流れを知ってるわけですもんね。
(東MAX)そうそう。だから全部が懐かしかったんだよね。
リアルタイムに流れを見てきた
(山根千佳)だって東さんなんて特にそうですよね。浅草にいて。
(東MAX)これはだから、今の若い世代の人もそういう弟子と師匠の関係っていまいちピンとこないと思うんだよね。「ああ、そうか。こういうことなのかな」っていうのも……だから本当の親子じゃないけど、親子関係みたいなのとか。そういうのも伝わってくるような映画なんじゃないかなとは思いますよ、これ。
(山根千佳)すごい信頼関係でしたもんね。
(東MAX)なのでね、我々世代もそうですけど。ちょっとこれはチェックして。
(山根千佳)演技も素晴らしかったですよね。皆さんの。
(東MAX)みんな、すごかったね。
<書き起こしおわり>