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松尾潔 JUJU『DELICIOUS~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』徹底解説

松尾潔 JUJU『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』徹底解説 松尾潔のメロウな夜
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いま、バックに流れておりますのはElbow Bones and the Racketeersの『A Night in New York』。

Kid Creole and the Coconutsの兄弟ユニットと申しましょうか。あの周辺のが好きな人にはたまらない曲ですが、この曲、僕も大好きでしてね。「こんな曲をやりたいな。アルバムの中でやろうかな?」と思ったんですけども、NHKさんの方から、さっきお話しした『世界はほしいモノにあふれてる』のオープニング曲を作りませんか?っていうお話をいただきまして。じゃあ、『A Night in New York』のカバーじゃなくて、あのモードのオリジナル曲を作ろうかなと目論んで作ったのが、これから聞いていただく1曲です。作曲・編曲は川口大輔さん。プロデュースと作詞は僕、松尾潔が手がけております。聞いてください。JUJUさんで『Remember (The Good Times)』。

JUJU『Remember (The Good Times)』

JUJU『Fly Me To The Moon』

お届けしたのはJUJUさんで『Remember (The Good Times)』。そして『Fly Me To The Moon』でした。『Remember (The Good Times)』は先ほども話しましたようにオリジナルの新曲ですね。そして『Fly Me To The Moon』はこれはもうね、みなさんご存知でしょう。オリジナルは1954年に発表されております。この曲もシナトラのバージョンが大変有名ですよね。シナトラは64年に歌ってるんですけども、その時にシナトラの演奏をつけたのがカウント・ベイシー・オーケストラでございまして。で、アレンジをやっていたのが何を隠そう、クインシー・ジョーンズですね。

まあ僕がね、クインシー・ジョーンズを崇めていることは、この番組のリスナーのみなさんにおかれましてはよくご存知かと思いますけれども。思い起こせば『DELICIOUS』の1枚目の中の中心となる曲であり、この『松尾潔のメロウな夜』でも番組のエンディングテーマとして長らく使っておりました、『You’d Be So Nice To Come Home To』という、ヘレン・メリルで有名な曲がございますが。あの曲のアレンジを手がけていたのが若きクインシー・ジョーンズでしたから。まあ、そういう意味ではこの『Fly Me To The Moon』、横目でフランク・シナトラを見ながらカバーしたというのはチームDELICIOUS、チームJUJUにとってはちょっと初心に返るような作業でもありました。

と、ここまで言っておいてなんですけども、僕は好きなバージョンをひとつ挙げろって言われると、トニー・ベネットが好きなんですね(笑)。僕は本当に数は多くないですけども、都内のクラブでたまにDJをやってるのを目撃された方がいらっしゃるかもしれませんが。持ち時間の最後には僕はかならずこのトニー・ベネットの『Fly Me To The Moon』をかけるっていう風に決めてるんですけどね。

それぐらい好きなんですが。もちろんそういった解釈もここには入ってますし、JUJU本人のこの曲に対しての思い入れっていうのももちろんありますし。あと、女性ボーカルということで言うと、ジュリー・ロンドンのね、『Fly Me To The Moon』も大変意識しましたね。今回ね。

やっぱり先からシナトラ……『New York New York』っていうのあったで、シナトラの名前がどうしてもインパクトが強いんですけど、JUJUは女性シンガーですから。女性ジャズシンガーの先達ってんですかね? 先人、過去の名曲、名レコーディングと呼ばれているものは大変強く意識しているわけなんですが。これからご紹介する曲というのは、大方において僕が選曲することが多い、このジャズシリーズの中で、この曲はもうJUJU発信と言っていいでしょう。『I Didn’t Know What Time It Was』という曲。最近ですとね、『カフェ・ソサエティ』っていうウディ・アレンの映画。僕、大変好きな映画なんですよね。ウディ・アレン自体が好きですけど、その中で大変印象的に使われていた曲です。

これはもう、『Too Many Girls』っていう39年に初演のミュージカルがあって。さっきもちょっと名前を触れましたけども。リチャード・ロジャースという名作曲家がいますね。で、これはのロレンツ・ハートと組んだ、俗に言う「ロジャース・ハート・コンビ」の曲ですね。日本で言うところの、たとえばですよ。永六輔さんを軸で考えると、永六輔さんと中村八大さんの曲も素晴らしいけど、永さんといずみたくさんの組み合わせも素晴らしい。それぞれの良さがあるって言うのはありますけどもね。この、まあリチャード・ロジャースは作曲家ですけども、ロレンツ・ハートと組んだ時に残したいろんな曲の中のひとつですが。

この『カフェ・ソサエティ』っていうウディ・アレンの映画……あれは1930年代のハリウッドを舞台にもしているので。実際にあの映画の中のセリフとしてね、「ロジャース・ハートの曲じゃあるまいし」みたいなね、そういうセリフが出てくるんですよね。まあそれぐらい、あるイメージをもう確立しているような世界観があるんですが。そのベニー・グッドマンのバージョンを聞いて、いろんな人がいろんな歌を歌ってきた。いろんなボーカルを披露してきたっていうのがこの『I Didn’t Know What Time It Was』。『時さえ忘れて』っていう邦題がついてますけども。JUJUはね、サラ・ヴォーンのバージョンが大変好きなんですよね。

サラ・ヴォーンのを聞きすぎて……JUJUは僕にこういう風に言っていました。「私、居眠りしても空で歌えます」って言っていましたね(笑)。もちろんレコーディングの時はパッと目を見開いて歌っていましたけども。それぐらい、彼女の体に染み込んだ曲を今回は胸を張って取り上げました。じゃあ、聞いていただきたいと思います。まずはベニー・グッドマン・オーケストラの……その映画『カフェ・ソサエティ』で使われたベニー・グッドマンの曲の触りを聞いていただいて、そしてJUJUのバージョン。聞き比べ、いかがでしょうか? 『I Didn’t Know What Time It Was』。

Benny Goodman『I Didn’t Know What Time It Was』

JUJU『I Didn’t Know What Time It Was』

聞き比べ、いかがだったでしょうか? ベニー・グッドマン・オーケストラで『I Didn’t Know What Time It Was』に続きまして、それのJUJUバージョン。2曲続けて聞き比べでございました。はい。私はこの曲は好きですね。一方ならぬ思い……もうJUJUに負けないぐらい好きなつもりなんですけど。やっぱり「目をつぶって空で歌える」っていうフレーズは出てこないな、僕には(笑)。

で、このバージョンはアレンジを安部潤さんが手がけてまして。アルバムっていうか『DELICIOUS』シリーズ初参加となります。メロ夜リスナーにおかれましては、JUJUさんの『Love Is Like』という曲のアレンジャーとして、彼のサウンドを何度か聞いてもらってるはずなんですけどね。まあ僕、昔から仕事仲間でもあるんですが。それ以上にね、僕が
10代の時、地元福岡でジャズ小僧時代ですね。中学生の時ですね。こんな話、初めてするかもしれませんけど、80年代の初頭、渡辺貞夫さんがニューヨーク・オールスターズみたいな面々を引き連れて公演された時に、楽屋で出待ちをしていた2人の中学生っていうのが僕と安部潤さんですね。同い年なんですけどもね(笑)。

僕はベーシストのウィル・リーさんのサインをもらって、彼はリチャード・ティーのサインもらったのかな? どうなのかな? まさかね、あの50歳になってこういう仕事を一緒にするとは思わなかったんですけども。彼に、もちろん「サラ・ヴォーンのバージョン、JUJUが好きなんだ」って話も伝えましたけども。それ以上に僕、ちょっとリズムは遊んでほしいなと思って。たとえば、この数年で言えば、この曲のもっとも優れた解釈っていうのはセシル・マクロリン・サルヴァントという女性ジャズピアニストがいますけどね。マイアミ出身の。彼女アレンジとかを意識しないわけにいかない。

でも、やっぱりその単なる模倣では終わりたくないと思って考えたのが、ジェフ・ローバー・フュージョンの『Rain Dance』のリズムパターンですね。

この間、マライア・キャリーの『A No No』の時に聞いてもらったリル・キムの『Crush On You』。さらに源流となるリズムっていうのがジェフ・ローバーの『Rain Dance』なんですけどもね。まあ、こういったヒップホップ的なカルチャーの要素というのも今回のアルバムには当然、入っておりますので。2018年に作るジャズボーカル・アルバムというのは僕なりに意識したつもりです。

(中略)

さて、楽しい時間ほど早く過ぎてしまうもの。今週もそろそろお別れの時が迫ってきました。ということで今週のザ・ナイトキャップ(寝酒ソング)、今夜はずっと聞いてきましたね。『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』。こちらの中から『What A Wonderful World』。ルイ・アームストロングのカバーを聞きながらのお別れです。これからお休みになるあなた、どうかのメロウな夢を見てくださいね。まだまだお仕事が続くという方、この番組が応援しているのは、あなたです。さて、来週12月10日は特別番組のためにお休みになります。ですから次回は再来週、12月17日(月)夜11時にお会いしましょう。メロウなホリデーソング・パート2をお届けします。お相手は僕、松尾潔でした。それでは、おやすみなさい。

JUJU『What A Wonderful World』

<書き起こしおわり>

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