菊地成孔さんがTBSラジオ『菊地成孔の粋な夜電波』の中で、同じTBSラジオの『たまむすび』でバンドを組み、サックスの練習をしている赤江珠緒さんの練習画像を見て、コメントをしていました。
（菊地成孔）（投稿メールを読む）「赤江珠緒さんがサックスを練習しています。自分でヤマハのサックスを40万超で買った赤江珠緒さんが、練習する場所がないと、TBSのスタジオで練習しているようです。菊地さん、画像だけ見て、どうですか？」って、画像が送られてきてるんだね。（ガサガサッ）。
で、いま私が座っているのと同じTBSのラジオのブースで赤江珠緒さんが――1度、この番組にもコントのゲストで来ていただいて、ヤンキー役が本当に上手だったのでびっくりしたんですけど――赤江珠緒さんがサキソフォン。テナーですね、これね。を、吹いてますね。
TBSラジオのスタジオでサックスを練習する赤江珠緒
うーん……なんとコメントすればいいか、本当に迷うんですけど。ニュアンスですけどね。これこそね。あの……「絶対にダメ」っていうね、「本当に気の毒なんだけど、気持ちはわかるけど、お前は持ってないよ」っていう人がたまにいるのね。どんな世界にもね。それは別に音楽だけじゃないですよ。あるでしょうね。いちばんよく言われるのが噺家さんですよね。師匠がいちばん悲しい時っていうのは、弟子の向いてねえやつに「お前はダメだ、持ってねえ」っていう話をする時がいちばん辛いって言いますけども。
そうですね。持ってなくはないと思います。あの、持ってはいると思うんですよね。ただ、そうですね。このね、専門的なことを言うと、マウスピースっつって、口のくわえるところがね、これ、ビギナー用じゃないのよね。ビギナー用じゃないから、最初からポルシェ乗っているのと一緒なので、危ないですね。これは。最初はやっぱり……ポルシェじゃなかったら、初心者用の車は何だって言いませんけども（笑）。これはね、初心者用のからやった方がいいですね。
預かりましょうか？ 私、本当に。週一ぐらいだったら、預かっても構わないですよ。全然、番組の企画として。前、なんて言ったっけ？ 「半年、私が預かれば武田真治さんぐらいにはしますよ」っていいましたけどね。武田真治さんが下手とか、そういう意味じゃないですよ。全然。武田真治さんはとても素敵な方で、サキソフォンもお上手ですけども。そんなね、ジャズをバリバリ吹くっていうわけじゃないんで。まあ、楽しくファンクとかを吹くぐらいの感じですよね。その、スキル水準がね、やっぱりジャズは高いですから。
だからまあ、そのぐらいには……という意味で言ったんですけども。ヤマハの新車で40万はね、うーん……買い物はね、上手いか下手かで言うと、下手だね（笑）。ごめんなさい、浜松のみなさん。あの、ギリギリのことを言います（笑）。あのね、ヤマハがボッてるとかそんな話じゃないですよ。全然。そうじゃなくて、楽器とかね、服とかね、私は運転免許を持ってないので買いませんけども、車なんかもそうなのかな？ 値段ってあってなきようなもののところがちょっとあるんですよ。
なんで、いまだったら、要するに「賢い買い物」っていうの？ まあ、赤江さんはお金持ちでしょうからね。私より年収高いと思いますから。私は、これ言っておきますけども。私は「お得」が嫌いです（笑）。「お損」が好きなぐらいなんで。どっちかっつーと、損してえなっていう。軽く損するぐらいが安心だっていう了見なんですよね。ちょっと頭がおかしいと思うんですけど。
「お得」が嫌い
あれが嫌いですよ。「ポイント」っていうのの意味がよくわかんないんですよね。なんのためにあるの？ この世に、ポイントっていうのは。ポイントっていうのは私にとって「指差す」っていう意味なんですけど（笑）。ポイントカードとかね。あれが一斉に、リーマン・ショックみたいになればいいって、ポイントカードを使っている人を見るたびに思いますけどね。まあ、本当に個人の感想ですけども。
まあ、そんな人間なんで、「格安の買い物をできて、いちばん安く物が手に入ればいちばんいい」とは、これっぽっちも思ってないどころかむしろ逆で。赤江さんの今回のお買い物に関しては私、好感を持っていますというような感じに留めておきたいと思うんですけどね（笑）。生ですから、もう本当にギリギリの綱渡りですよね。いま、もうサブが固くなってますけども。いま（笑）。
ただまあ、買い物云々はともかくとして、赤江さんは持ってなくもないと思うんですけど。ただ、わかんねえな。走らせてみないと。はい。口元だとか指先を見る限りにおいては……あと、先生につくかどうかにもよりますよね。いい先生、悪い先生で全然違いますから。いい指導者につけば良しというというところでしょうか。
＜書き起こしおわり＞