さかなクン 絶滅種クニマス再発見を振り返る

さかなクンと玉袋筋太郎 アマゾン川の魚を語り合う たまむすび

さかなクンがTBSラジオ『たまむすび』に出演。絶滅種とされていたクニマスを再発見した際の話を玉袋筋太郎さんとしていました。

(玉袋筋太郎)俺、あとね、やっぱりさかなクンにはぜひともね、魚をいちばん推してるわけだから。聞きたいのがやっぱ、日本動物園水族館協会が世界動物園水族館協会から外されたと。外されるという。あのちょっとね、件についてどうだろうね?

(さかなクン)いやー、これはもう・・・

(玉袋筋太郎)まあ和歌山のね、イルカの追い込み漁っていうことが問題になっちゃってさ。うるさいんだな。

(小林悠)ニュースになりましたね。

(さかなクン)伝統的な漁法ですからね。本当に。

(玉袋筋太郎)うん。それをさ、やっぱあんな風に言われたら、こっちだってなんか言い返したくなるわな。

(小林悠)これ、専門家はどう・・・?

(さかなクン)そうですよね。なんとも・・・いやー、あの、水族館さんではイルカショーを見せていただくと、『すギョいな!』と思って。トレーナーさんとの息のバッチリ合ったパフォーマンス。やっぱりこれは、思いが通じて、やっぱり海の生き物だから言葉は通じなくても、毎日の絆ですよね。で、またその土地ならではの漁法があるわけですよね。

(玉袋筋太郎)そうだよね!言ったら。

(さかなクン)それはやっぱりあの、どの国にもそれぞれの魚や食材をとる歴史や文化があって。で、それをこういただくということももちろんですが、あの、見て学べるという、そういうった大切な役割もあると思いますんで。

(玉袋筋太郎)まあ、そうなんだよね。うん。イジメだな。あれは。

(さかなクン)なかなか難しい・・・

(小林悠)と、感じてしまう部分も。難しいですね。文化の違いもありますからね。

(玉袋筋太郎)そうなんだよ。でもそれがさ、本当、除名みてーなされたら、動物園とかも商売あがったりになっちゃうわけだよ。商売っつーか、あれだけどね。展示品とか、やっぱりそういったもんでさ。どんなもんだって、やっぱり捕まえてくるわけじゃんねえ?

(小林悠)その分ね、見る私たちもね、大事に大事に。ありがたいなと思って見なきゃダメですけどね。

(さかなクン)その通りですね。もうやっぱりあの、いただくものでも、食べるものでも見るものでも、感動いただけるものっていうのはどこからどうやって来たか?っていうのをじっくり、いま一度見つめていきたいですよね。

(玉袋筋太郎)そういうことだよ。

(小林悠)いや、ずっと。玉さん、こういう話も含めて今日、念願かなって。さかなクンと。

(玉袋筋太郎)いや、でも最高じゃん。やっぱ。

(さかなクン)うれしいですねー。

海洋大学客員教授 さかなクン

(玉袋筋太郎)そう。海洋大学のね。もうあそこも俺、取材行ったけど。もううらやましかったもん。あそこで、うん。

(さかなクン)玉ちゃん様、うれしいです。

(玉袋筋太郎)いや、本当もう、クストーかさかなクンかっていう。

(さかなクン)ギョギョギョッ!そんな、そんな最高の褒め言葉いただいちゃって、もう!

(玉袋筋太郎)ジャック=イヴ・クストーか・・・

(小林悠)誰ですか?クストーって。

(さかなクン)ジャック・クストー様ですよー。

(玉袋筋太郎)いるんだよ、クストーだ。『沈黙の世界』だ。うん。海洋学者ですよ。

(さかなクン)かの有名な。歴史的な、ジャック・クストー様。

(小林悠)そうなんですね。

(玉袋筋太郎)そうそうそう。

(小林悠)だってあの、さかなクンもいま、客員教授ってわけですが。学生さん相手に
授業はなさっているってことなんですか?

(さかなクン)はい。あの特別授業的にさせていただいてるんですが。どちらかと言うと、いま、千葉県の館山に暮らしてますので。目の前の海のお魚や生き物をしっかり調べて、研究者の先生方と共同に、どんどんどんどん調べて発表していきたいなということで。はい。

(玉袋筋太郎)貝とかも、大丈夫でしょ?やっぱり。

(さかなクン)貝は難しいです!

(玉袋筋太郎)難しい?貝、難しい?

(さかなクン)貝は難カイです!

(玉袋筋太郎)あ、貝は難しい!?

(さかなクン)貝はカイ読不可能でございます、私。

(小林悠)なにが難しいんですか?貝は。

(玉袋筋太郎)やっぱ貝もいろいろ種類あるからさ。

(さかなクン)そうなんですよ。

(玉袋筋太郎)二枚貝だとか巻き貝だとか、いろいろあるし。

(小林悠)見極めが難しいってことですか?

(さかなクン)あの、非常に似たのがいっぱいいまして。で、またあの、貝はですね、お魚だけでも覚えるのがいっぱいいっぱいなんですけど。貝まで広げたいと思っても、なかなか・・・

(玉袋筋太郎)お魚だけでいいです!

(小林悠)(笑)

(玉袋筋太郎)でもやっぱり、海だけじゃなくてその、マスですかね。クニマス。

(さかなクン)あ、クニマス。

(小林悠)クニマスの大発見。

山中湖のクニマス大発見

(さかなクン)クニマスはもう、感動いたしました。まさかですね、あの京都大学総合博物館で70数年前の標本を特別に見せていただきながら描いていたんですが。その時に、本当に真剣に描いていたんで、事務所の社長も『こんだけ魚、真剣に描いてるんだから、本物が現れるぞ、きっと』っておっしゃったら、本当、ギョギョッ!っと。

(玉袋筋太郎)本当だよね、あれ。

(さかなクン)京大の中坊徹次先生が『さかなクン、クニマスを調べるためには、ヒメマスっていう魚がいるから、近いそのヒメマスを手に入れて、しっかり見た方がいい』とアドバイスをいただいたんです。だけどそれがあの、3月だったんですね。3月ってヒメマスが手に入りにくいんです。なかなか。秋に釣れるんですけど。

(玉袋筋太郎)うん。

(さかなクン)いやー、3月・・・業者にたのんでも、水族館の方にたのんでも手に入らない。どうしよう?っていう時に、山梨県の西湖の・・・

(玉袋筋太郎)最高だよ!

(さかなクン)あっ、最高です!当時、組合長をされていた三浦保明さんが『この時期でも私の網に入りますよ。わっはっは!』って。

(小林悠)(笑)

(さかなクン)それであの、数日ギョに『おう!さかなクン、捕れたよ。わっはっは!』『いやー!送って下さい、組合長様!』『おおう!明日届くぞ!』って。で、届いて箱を開けたら、『おおーっ!ギョギョーッ!?』って。箱を開けた瞬間に、銀色のはずのヒメマスが黒いんですね。

(玉袋筋太郎)これだよ!

(さかなクン)そこで『あああーっ!』と思ってですね。『こんなに黒いヒメマスはいるわけない。これ、ひょっとして黒いから、クニマスの特徴じゃないか?』と思って。クニマス、黒かったっていう記載が、杉山秀樹先生の書かれた『クニマス百科』に書かれていたんですね。しかも、お腹がぺったんこで。ヒレも擦り切れていて。それはすなわち産卵した後だと思ったんです。

(玉袋筋太郎)なるほど!

(さかなクン)ってことは、3月に産卵するっていうのは、日本の鮭の仲間では他にいない!これはクニマスの特徴じゃないか!とですね。それでもう、びっくりしまして。三浦当時組合長様に連絡したところ、『おう、届いたか。わっはっは!』『組合長様、これあの、クニマスってことはないですか?クニマス』『わっはっは!それは、ないね』『えっ?なんでですか?』『これはね、ヒメマスが西湖ではみんな大きくなると黒くなって。我々はクロマスと呼んでるんだよ』。

(玉袋筋太郎)(笑)

(さかなクン)『えっ?クニマスじゃなくて、クロマス?』『あ、一文字違いだべよ』って。だけど・・・

(玉袋筋太郎)どう見たって、クニマスなんだね。

(さかなクン)で、京大の中坊先生にお持ちして。中坊先生、箱を開けた瞬間もう、『うわーっ、なんやこれはーっ!うおぉぉぉーっ!』ってですね、目をまん丸にしちゃって。

(玉袋筋太郎)驚くよね。

(さかなクン)『おおおーっ!さかなクン、これはすごいことになるよぉー!』と。で、また送ってもらいましょうってことになって。で、また届いたんです。で、先生と箱を開ける時に、『先生、この箱を開けて、もし卵入っているお魚だったら、この時期に確実に卵を産んでいるってことで、クニマスってことに近づきますね?』『そうや!』って。

(玉袋筋太郎)(笑)

(さかなクン)で、開けた瞬間に卵が!『おぉぉぉーっ!先生、これは!』『卵や!』って。

(玉袋筋太郎)(笑)

(小林悠)メガネかけてるんですね。先生は(笑)。

(玉袋筋太郎)すごいよねー!

(さかなクン)もう、本当に感動しました。

<書き起こしおわり>
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