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アボカズヒロが山寺宏一に語る 幼稚園DJの魅力

アボカズヒロが山寺宏一に語る 幼稚園DJの魅力 JFN
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DJのアボカズヒロさんがFM OSAKA『Keep on Smiling』に出演。アボさんのライフワークである幼稚園・保育園DJについて、山寺宏一さんに語っていました。

(山寺宏一)『Keep on Smiling』、山寺宏一がお送りしています。さあ、本日のゲストです。DJのアボカズヒロさんです。ようこそ!

(アボカズヒロ)どうもー、DJのアボです。よろしくお願いします。はじめまして。

(山寺宏一)ねえ、はじめまして。あの、アボさんもね、僕と同じ東北の出身で。

(アボカズヒロ)そうなんです。僕、青森県の八戸市というところから来たんですけど。いま住んでいるのはこっちですけどね。東京ですけども。

(山寺宏一)出身がね。東北から上京してがんばっている仲間として。よろしくお願いします。

(アボカズヒロ)はい、よろしくお願いします。

(山寺宏一)まあアボさんはね、クラブDJであり、そしてDJスクールで講師もなさっているということで。

(アボカズヒロ)はい。桜木DJアカデミーという学校で講師をやっております。

(山寺宏一)なんか最近、アイドルも教えてるっていうね。

(アボカズヒロ)あの9nineの佐武宇綺ちゃんにDJを教えてるんですけど。山寺さんも何度か共演を・・・

(山寺宏一)そうなんですよ。彼女が出ているアニメにね、僕もちょっと出させてもらったことがあって。お会いしたことがあるんですけど。

(アボカズヒロ)大・大尊敬してましたよ。

(山寺宏一)あ、そうですか!ありがとうございます。そんなね、先生もしてるというアボさんなんですけど。なんといってもね、幼稚園・保育所でDJやって子どもたちがものすごい盛り上がっている。それが非常に話題になりましたけども。そもそもなんでちっちゃい子の前でDJっていうか、音楽をかけようと思ったのか?

(アボカズヒロ)そのいちばん最初の目的っていうのは、教育にいいからとか、そういう風なところじゃなくて。もっと自分のためにやってたんですけれども。

(山寺宏一)なんか学生だったって。いちばん最初は。

(アボカズヒロ)当時は大学生だったんですけども。なんかその時、僕DJやるのに疲れてたんですよね。なぜかというと、お客さんが求める音楽っていうのがすごいわかるようになってきた時期で。なんですけども、その求めるものをただ与えているだけでいいんだろうか?と思って。で、要は知ってる曲がかかったから盛り上がるみたいなこととか。この型にそっているから盛り上がるみたいなものっていうのがすごいよくわかるから、結構それを上手にできたんですけど。

(山寺宏一)うん。

(アボカズヒロ)逆に音楽そのものの力っていうのを試してみたくなって。そしたら、なにも知らない子どもたちを対象に、いま僕がかっこいいと思う音楽とかをちょっとかけてみたらどういう風に反応するんだろうか?それは絶対に予備知識がない状態でやったらどうなるんだろう?っていうことから始めたら、いろいろな面白いことがわかってきてですね。

(山寺宏一)そうなんだ!でも、ハタチにしてもう、ちょっとDJに疲れて(笑)。まだ学生だったけど、だんだんひと通り、なんとなくコツがわかってきたみたいな時期だったんですかね?いまからだいたい10年前?

(アボカズヒロ)だいたい10年前ですね。

(山寺宏一)いまが、30?

(アボカズヒロ)いま、30才です。

(山寺宏一)ハタチの時に思って。じゃあなにも知らない子どもたちの前で、そっか。音楽とかDJとはなんぞや?っていう原点に戻るっていう意味もあって。

子どもたちへのDJで原点に戻る

(アボカズヒロ)そうですね。強制的に戻らなきゃいけない、1回リセットされるっていう経験がしたくて。で、それでやってみたんですけど。もう、どうなるかわかんないんですよ。初回なんで。で、そこでまあ、ウケなかったらウケなかったで、それはそれでウケることが目的じゃなくて。どうなるか?っていうのを見るのが目的なので。まあ、どっちに転んでもいいかな?と思ってたんすけども。それがもう、DJ観が変わるぐらいすごい光景が目の前に広がっていて。もうそれはもちろん、すごく盛り上がってるんですけど。やっぱり大人とぜんぜん違うんですよね。

(山寺宏一)違うんですか?

(アボカズヒロ)はい。まずひとつ、重要なところっていうのは、大人ってDJが回していると、DJの方を見て踊ってるんですよ。だからいわゆるその、ロックコンサート。観客と演者の関係性。視線の向きっていうのが。なんだけど、子どもはもうフラットに音がある空間っていうことで。もう方々、好き勝手に踊ってたりとか遊んでたりとかする。

(山寺宏一)そっか。『あの人がかけてくれてるから、そっちの方を見て踊ろう』とかっていう気はないんですね。

(アボカズヒロ)そうですそうです。

(山寺宏一)そっか。僕ね、正直恥ずかしい話ですけど。僕もこの齢でですね、こういう仕事をしてて、ほとんどクラブっていうものに行ったことがなくて。仕事でしか行ったことがないんですよ。世の中にはクラブに行く人と行かない人にわけられるみたいなことを勝手に思っていて。クラブっていうのに行くのがちょっと怖いっていうのがあって。昔のディスコだってそんなに行ったことなかったものですから。

(アボカズヒロ)ええ、ええ。

(山寺宏一)なんですけど。そうか、クラブはみんなDJが『イエーッ!』って言いますもんね。言わないっすか?

(アボカズヒロ)元々は、あんまり言わないものだったんですよ。言わないものだったのが、要はお客さんがあまりにその、いわゆるコンサート然とした感じで求めてくるから、そういう風なパフォーマンスが求められて。半分DJだし、半分ライブみたいな感じに、いまはどんどんなっていったりとかしてるんですけど。本来はそうではなくて、どちらかと言うとDJって裏方なんですね。

(山寺宏一)なるほど。

(アボカズヒロ)DJは裏方で、音楽とその空間を提供する人。楽しい空間を演出して提供する人なので。そこに重きを、注目しなくても、好きなところで好きなことをしてていいよっていう空間がクラブなんすよ。だから、『クラブ行くと、そんな踊ったりできないから恥ずかしい』とか、『怖い』とかってイメージって山寺さんももしかしたらあるかもしれないですけど。クラブほど、本来は個人主義が徹底している空間はないんですよね。

(山寺宏一)そっか。自分で楽しめばいいんですね。その空間と音楽を。じゃあそれを、その子どもたちに教えられたってことですね。

(アボカズヒロ)本来はそうだってことを。たしかにわかっていたはずなんですけど、やっぱり実際に目の当たりにすると、もう1回、ズーンと衝撃を受けてですね。『あ、そうだ!やっぱりこれだよ!』と思って。

(山寺宏一)でも結構、どうなんですか?音量とかもやっぱり幼稚園だと制限されたんですかね?それとも、いつもの感じでドーン!といっちゃったのか?

(アボカズヒロ)ええとですね、音量もさることながら、音質に関しては気を使ってですね。子どもの耳のことを結構研究しました。子どもって、高い音がよく聞こえるんですよ。

(山寺宏一)あ、まあね。高い周波数はだんだん聞こえなくなるってね。

(アボカズヒロ)だから逆に言うと、彼らは新品ホヤホヤみたいなもんなんで。要はフルで高いところまでスコーンと抜けているんで。上の方を抑えてあげて、逆に低音に関して言うと、お母さんのおなかの中の音って聴診器とかで聞けるんですけど、それってどういう風になっているかっていうと、要は僕らの大きさの縮尺から言うと、この部屋1個分ぐらいの心臓がすぐ近くでドッコンドッコン動いているような。縮尺を胎児のレベルにすると、状態なわけです。

(山寺宏一)ええ。

(アボカズヒロ)つまりどういうことか?と言うと、超巨大な低音を出すウーハーが近くにあるのと一緒なんですよ。常にお母さんの心臓が動いてるので。

(山寺宏一)ドーン!ドーン!っていう、ボーリングするようなね、すごい低いああいう音が実際落ち着くみたいな話はあるし。ねえ。心音に近いものってすごい歪んだ大きい低い音を聞くと安心するってあるけど。やっぱりそうなんだ。

(アボカズヒロ)そうなんですよ。だから低音に関しての、うるさいとか痛いとか辛いみたいなのっていうのは結構子どもは大丈夫。高い音のケアなんですね。

(山寺宏一)じゃあそういうのをやると、喜ぶ?

(アボカズヒロ)喜びますね。

(山寺宏一)安心感もあるんですかね?

(アボカズヒロ)それもあるのかもしれないし。あと、低音は超体にくる。ボディソニック。耳で聞くんじゃなくて、体で感じるような低音っていうのはなんかジェットコースターに乗っているような、いわゆる体感としておもしろい体験として。

(山寺宏一)なるほど。なるほど。感じるんですね。

(アボカズヒロ)感じるんだと思うんですよ。だから子ども、好きじゃないですか。たとえばよく遊園地とかにある、全部トランポリンになっているような巨大な空気を入れてふくらます・・・

(山寺宏一)ありますね。遊具でね。

(アボカズヒロ)中でボヨンボヨン跳ねるような。ああいうのって子ども大好きなんですけど。要はその音が、音圧が体に当たるっていうあの感じみたいですね。

(山寺宏一)なるほど。でも、そういう音のこととかは、最初に行った時から研究したのか?それとも、色々重ねていく内にだんだんわかってきたのか?

(アボカズヒロ)いちばん最初にその子どもの耳っていうのをいろいろ調べた時に、だいたいの当たりはついて。それから現場を重ねるごとに。まあ、10年間かけて現場を重ねるごとに微調整をいっぱいしていったりとか、工夫をいろいろしていったりしてる感じですね。

(山寺宏一)その10年前に初めて幼稚園に行ってから。それが動画サイトにUPされて話題になって。でも、それからいまもずっと続けてらっしゃるんですね?

(アボカズヒロ)いまもずーっと。毎月のようには行けてないんですけども。でも、お声がかかれば。

(山寺宏一)子どもたちの前でも。他にね、たくさんの大人の前でもいろんなことが、アボさんやってらっしゃいますけども。その中でも続けてられるというか、続けたいと思う原動力となるものっていうのは?

(アボカズヒロ)原動力になるものっていうのは、やっぱりその、楽しんでいる顔ですね。大人、子ども関係なく。後は、僕のDJを体験したことによって、なにかが変わった人がいると、なんかその変わった人がいることによって僕も変われることが多くて。だからその両輪が回るように僕の人生ってずーっと続いてきていて。幼稚園でも1件あったのが、変わった踊りを踊っている子がいて。

(山寺宏一)はいはい。

(アボカズヒロ)で、『なんか変な踊りを踊ってる』みたいな感じだったんですけど。

(山寺宏一)あ、周りから見るとね、1人だけ違う雰囲気で踊っていた。

(アボカズヒロ)そうそうそう。で、そのクラスの中には、いまキッズダンスって習うの流行っているじゃないですか。ヒップホップダンスとか。

(山寺宏一)ちっちゃい時からすっごい上手い子、たくさんいますねー。

(アボカズヒロ)そうですよね。それを習い事でやっている子がいて。その子が大人顔負けのグルーヴ感で踊っているわけですよ。

(山寺宏一)もう形になっているわけね。ダンスの。

ヒップホップダンスとタコ踊りに優劣の差はあるのか?

(アボカズヒロ)ただ、僕は思ったんすね。『この子がヒップホップダンスを大人顔負けに踊っているのと、あの子のタコ踊りっていうのは、そこに優劣はあるんだろうか?』っていう。もちろん、そのヒップホップを踊っている子の、そこまでに至る努力っていうのも素晴らしいと思うし。

(山寺宏一)それはそれで大変なもんですけど。

(アボカズヒロ)それはそれでさらに、こっちのタコ踊りの子の内から沸き上がっているなにかっていうのも、これもなかなか捨て置けるものではないなと思って。

(山寺宏一)その子の感性で自由に踊っているのがその形なんだから。それはそれでもちろん、素晴らしいわけだよね。体が動いてるんだからね。

(アボカズヒロ)ここでDJだってことが活きてくるんですよ。なぜか?というと、DJっていうのはターンテーブルにのっかるものだったら、つまり音楽だったら、なんの音でも出せるし、なんでもかけられるわけですよ。ちゃんとその場で持ってきていれば。なので、『逆にあの子に、さっきのタコ踊りの子に寄せてみよう』と思ったんですね。

(山寺宏一)かける音楽を。

(アボカズヒロ)そう。で、ヒップホップダンスの子には、『これにも乗ってこれるかな?』みたいな感じで挑戦。

(山寺宏一)なるほど。なるほど。

(アボカズヒロ)みたいなのをその場で選んでかけてあげたら、もうそこで、いきなりそのタコ踊りの子が輝き出すんですね!ウワーッ!って輝きだして。その子の周りに輪ができちゃって。

(山寺宏一)えっ?最初、『なんか変な踊り』って言われていた子が、『なんかいいな』って?そっか。寄せたから。アボさんがね。ぴったりくるような感じになったんだ。

(アボカズヒロ)で、そのヒップホップがすごい上手な子とかも、なんかいままで型でやっていた、振り付けでやっていた動きが崩れて。そこからよくわからないオリジナルな、ヒップホップでもあり、なにかこうおもしろいものになっていったんですよ。で、すごいその日よかったんですけど。その後、ちょっと園の方からお話を聞く機会があって。実はそのタコ踊りの子って、クラスの中の、いわゆるちょっと外れていた子で。

(山寺宏一)うんうん。

(アボカズヒロ)ちょっといじめられたりもしてた子だったらしいんですよ。で、その子がその日を越えたら・・・

(山寺宏一)DJをやってアボさんが寄せてヒーローになった日があったんですね。

(アボカズヒロ)ヒーローになったら、クラスに居場所ができて。だからいじめがなくなったっていう話を聞いて。

(山寺宏一)それをきっかけに?

(アボカズヒロ)それはこれ、やっていてよかったなと思って。それからは、はみ出している子とかいわゆるマイノリティーな子っていうのをすごいずっと見るようにしていて。僕、マイノリティーがやっぱりずーっと気になっているんですけども。マジョリティーって僕、幻想だと思ってるんですよ。マジョリティーっていうのはマイノリティーの集合体でしかなくて。ひとつひとつ、違った個性を本当は持っているはずなんだけれども、なんとなく自分が多数派だって思うと、自分で自分の個性を均一化しちゃうことってあると思うんですよ。

(山寺宏一)ええ。

(アボカズヒロ)だから『基本はみんなマイノリティー』っていうマインドでなんかいけたらおもしろくて。なんかそういう風なことを子どもたちに伝えていくっていうか。ことにも、一役かえたらなと思って。DJの中ではそういうアプローチの仕方をしてたりします。

(山寺宏一)うーん。まさに、それを目の当たりにした出来事だったわけですね。

(アボカズヒロ)そうなんです。で、そういうことがあると、やっぱりやめられなくなりますよね。

(山寺宏一)そのひとつはね、すごく大きいことですよね。いやいや、でもこっちのとってもうれしいことですしね。お互いにとってうれしいこと。

(アボカズヒロ)励みになりますよね。

<書き起こしおわり>


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