サカナクション山口一郎さんが2026年6月16日放送のニッポン放送『山口一郎のオールナイトニッポン』で『MUSIC AWARDS JAPAN』基本設計チームのオミさんを招いて『MUSIC AWARDS JAPAN』について特集。ノミネート作品やアーティストの選出方法や票の振り分け、投票システムの透明性の担保などについて話していました。
(山口一郎)で、ここからなんですけど。一番、みんなが気になってるのってやっぱり受賞作品の選び方だと思うんですけど。メールも来ております。「MAJ基本設計チームの方に質問です。音楽人5000人による投票と謳っていますが、具体的にどんな職種の方々がどのように選ばれて、どのように投票しているのかを教えてください」っていう。これがもう、めちゃくちゃ来てます。
(オミ)そうですよね。
(山口一郎)これって具体的にどう……とにかく透明性が大事だっていう風に謳ってるじゃないですか。『MUSIC AWARDS JAPAN』って。具体的にはどういうところが透明性があるというか、どういう風に選出してるんですか? 5000人っていうのは?
(オミ)今ね、実は5000人、以上いるんですよ。
(山口一郎)えっ? 5000人以上いるんですか。
(オミ)いますね。その数みたいなところはまだ言えてない……カルキュレート(算出)してないんですけれど。でも、その投票メンバーに関して言うとまずアーティストですね。
(山口一郎)アーティストっていうのはもう、僕とか、ミュージシャン?
(オミ)はい。で、ビルボードのチャートみたいなことを使ってるんですけど。ビルボードの指標で1年間を七つのピリオドで分けてます。
(山口一郎)1年間を七つのピリオドに分けている。はい。
1年間を七つのピリオドに分ける理由
(オミ)やっぱりね、「年間」でやっちゃうと1月に出した人が有利になっちゃうんですよ。ストリーミングって。累計ですると。
(山口一郎)ああ、そうか。早くリリースした方がいっぱい聞かれるから。なるほど、なるほど。
(オミ)そうすると12月に出した人がすごい不利じゃないですか。だからそこをちゃんと解消しようっていうところで、1年間を七つに分けて。で、これもすごい色々なシミュレーションをしたんですけど。ビルボードに磯崎さんっていうすごいチャートの変態がいて。
(山口一郎)チャート変態が!?(笑)。
(オミ)磯崎さんがもう本当に色んな計数をかけながら、エクスタシーを感じながら(笑)。「これがいいんじゃないですか?」みたいな話をして最終的に七つになったんですけど。で、その七つのピリオドの中でそれぞれ総合チャートでトップ300に入ったアーティストおよび、その楽曲に関わった作詞、作曲、編曲者みたいなところも入ってきます。
(山口一郎)それは投票者に?
(オミ)投票者に。
(山口一郎)じゃあ、僕も実際に投票したんですけど。アーティストと、あとそのトップ300に入った作詞、作曲した人、編曲者もこの5000人の中に入っている。つまり、もうクリエイターが入ってるっていうことですね。なるほど。それ以外は?
(オミ)プラス、レコード会社の方々、マネジメント、音楽出版社、ライブ関係者、あと配信事業者ですね。DSPの方々。音楽評論家……まあ本当、音楽の現場にいる人たちだけで構成されてますね。
(山口一郎)ちなみに僕、ミュージシャンとして2票以上投票してくださいって言われたんですけど。これはどういう理由があったんですか? すごい困ったっていうか……もちろん自分は自分の作品に投票するじゃないですか。で、あとは自分がその年、いいなと思ったミュージシャンに投票したんですけど。これ、投票数が多いっていうのはなんか意味があるんですか?
(オミ)『MUSIC AWARDS JAPAN』の四つの約束っていうところで一つ、賞賛。本当に年に1回、国内外の実績をお互いフラットに賞賛し合おう。称え合おうよ、みたいなところがあるのでもちろん自分の楽曲に入れていただいてもいいんですけど。それ以外のアーティストを……きっと楽曲、すごい多かったでしょう?
(山口一郎)めちゃくちゃ多かったですね。
(オミ)あれ、1年目はもっと多かったんですよ。もう1部門で300曲とかあったんです。で、それがもう60何部門あったんでさすがにクレームを受けまして。「全部、聞けねえ」と。なんでまあメインカテゴリーに関しては100曲にしたんですけど、他の楽曲とかは全部、50曲に絞ったんですね。で、そこから……質問、何でしたっけ?
(山口一郎)どういう人たちが投票をするのか?っていうところで。ミュージシャンはまあ、2票以上あるからっていうことで。その理由みたいなのを。
(オミ)はい。そういった意味でいうと本当に他のアーティストの楽曲を聴くチャンスがたぶん年に1回、そうやって……なかなかないと思うので。そこで賞賛していただいて投票していただきたいなというところが願いですね。
(山口一郎)なるほど。だし、自分にだけ投票して終わっても意味ないですもんね。ミュージシャンがね。他の別のミュージシャンに投票できるっていうのがなんかある種、公平というか。ちゃんと他のミュージシャンのことも称賛してるというか。これ、レコード会社スタッフとかも、そうなんですか? どういう基準でレコード会社の人たちには票を分配してるんですか?
(オミ)社員数によってそれぞれ分けてますね。たとえばソニーさんでいうと、これは実数じゃないんですけどソニーさんは社員数が2000人いるから、じゃあ10票にしましょうみたいな。
(山口一郎)その10票もその自社のアーティストだけに投票したら、なんかまた不公平になっちゃうじゃないですか。
(オミ)でも5000人のうちの10票なんで。どんなに……たとえばそのソニーの社長の人が「お前ら、これ全部CreepyNutsに入れろ」って言ったところで組織票にはならないように設計してます。
(山口一郎)ああ、なるほどなるほど。じゃあもう結構、いろいろ計算して綿密にやられてるわけですね。
(オミ)そうですね。
(山口一郎)すごいそこは細かく考えられてるってことですか?
(オミ)まあ、そうですね。1年目の反省を生かして2年目もそうやってチューニングもしてますし。より、多くのアーティストであったり作家の方々に参加していただきたいなと思いますんで。結構やっぱりね、アーティストの方々はまだまだ……皆さん、お忙しいので。投票権があるのになかなか投票できなかったっていう方々もいらっしゃったんで。そこが結構、課題だったりはしますね。
(山口一郎)これ、音楽ジャーナリストとかも含まれてるわけですよね。音楽出版社も入っていて。で、国際音楽賞の審査員も入ってるという。これ、つまり密室で……たとえばなんかこう、「えーと、じゃあ今回、ノミネートするのはこの楽曲で。じゃあ、この中で誰をに賞を取らせましょう」みたいなことじゃなくて。完全に音楽業界の人たちが計算された割り振りで投票できる形にしていると。正確に言うとアーティスト、クリエイター、レコード会社のスタッフ、あとは……。
(オミ)マネジメント、コンサート制作会社の方々、配信業者、あとは海外の音楽関係者みたいな方もいらっしゃいますね。
(山口一郎)これ、でもホームページを見れば書いてあるんですよね。
(オミ)そうですね、はい。
(山口一郎)これ、つまりこういう人たちが会社の人数とかによってその投票数を振り分けられて投票している。それが基本的に5000人程度いると。もっといるけど。
(オミ)今年は5000人以上、いました。
(山口一郎)で、アーティスト、クリエイターに関しては自分に投票するだけじゃなくて、他の人にも投票できるように2票以上、投票をしてくれという話で。
(オミ)そうですね。しかもアーティストの方、作詞作曲の方々、クリエイターと呼ばれている方々は普通のレコード会社の方々、1人1票あると思うんですけど。その1票に2倍の権力を持ちます。
クリエイターたちの票に重みをつける
(山口一郎)じゃあ僕、投票したのってその2倍になっているっていうこと? じゃあ結構、アーティスト、クリエイターの人の声をでかくしてるってことなんですね。じゃあ僕、2票投票したとしてたら4票分あったってことか。そうなんだ。それ、いいですね。
(オミ)なんでもうアーティストの方々、積極的に投票いただけたらなと思いますね。
(山口一郎)なるほど。ちなみに楽曲のエントリーって、どういう基準でやっているんですか?
(オミ)いろんな方法があるんですけれど。基本はビルボードの定量ですね。定量データを使っています。
(山口一郎)ビルボードの定量データと言いますと?
(オミ)CDであったりとかダウンロード、ラジオ、ストリーミング、ミュージックビデオ、カラオケのチャートを総合的に先ほど言ってたビルボードのエクスタシーを感じる磯崎さんがいろいろな指標を掛けながらやっていってますね。それを基にエントリー楽曲を作って。それは本当にエントリーに関していうともう完全にデータですね。で、そこからその5000人の音楽人と言われてる方が投票していくっていう形です。
(山口一郎)投票して、そこでまずノミネートが選ばれるわけですよね。5曲、選ばれて。そこからさらに投票するってことですか?
(オミ)そうです。5曲の中から。
(山口一郎)だから計2回投票があるってことですか?
(オミ)2回投票があります。
(山口一郎)まずエントリーの中からノミネートが選ばれて。で、ノミネートされた中からまたさらに投票して、その中から受賞者を決めるっていう。
(オミ)そうですね。それが6月13日のあの日です。
(山口一郎)でもこれって誰が誰に投票したかって、わかるんですか?
(オミ)わからないようになっています。投票システムの中ではもちろん自分の名前とか入れるんですけど……でも、誰もそこに対しては入ることができないです。
(山口一郎)じゃあ僕が誰に投票したみたいなのは、わかんない?
(オミ)わからないですね。
(山口一郎)なるほど。じゃあ自分が自分に投票するっていうダサい行為をしたことは……?
(オミ)それは皆さん、やってますんで(笑)。
(山口一郎)でもそれはバレないってことですね。なるほど、なるほど。それがバレないっていうのは、どういうことなんですか? なんか監査法人みたいなのが入っているって噂は聞いたんですけど。
(オミ)そうですね。国際的な監査法人でデロイトトーマツさんっていうところが入っているので。どんなプロセスで……仮にチートがあったとしても、それはもうNGになっちゃいますね。
(山口一郎)じゃあ結構もうガチガチに?
監査法人によって透明性を担保
(オミ)ガチガチにクリアですね。で、僕も本当にその投票システムには入れないですし。その理事の方々もデータはいじられないですね。
(山口一郎)あと噂で聞いたんですけど、レコード会社の人とかマネジメントの人とか五団体の人たちって、ボランティアでやってるんですか?
(オミ)はい(笑)。
(山口一郎)これ、すごくないですか?(笑)。
(オミ)もう会社じゃないんでね。そういった意味では。本当、面白いですよ。もうそれこそ、ビクターのプロモーター、ソニーのプロモーター、ユニバーサルのプロモーター、みんな力を合わせて一つの目標に対してやってます。すごいやっぱり忙しいんですけど、それも自分の会社の給料だけで、ボランティアでやられてますね。
(山口一郎)これ、すごいことですよね。しかも、めちゃくちゃ大変じゃないですか。
(オミ)めちゃくちゃ大変です。
(山口一郎)そのバランスっていうか、ちゃんと公平性を持って日本の音楽が海外に通用するためにもしっかりと監査して。誰も不公平にならないようにというか。もちろん2年目なんでいろいろ反省点もあったとは思うんですけど。今、現時点でここまでやれてるっていうのは相当な労力ですもんね。
(オミ)そうですね。皆さん、本当に自分の会社のお仕事をいつやってるんだろうと思うぐらいですね。でも、たとえばビクターのプロモーターの方とかもこの辺ぐらいまで「サカナクションを推してくれ」って言いたいと思うんですよ。「M!LKを推してくれ!」って。でも、そこのプロモーターの会議では絶対に言わないですね。
(山口一郎)そうですよね。
(中略)
(山口一郎)メールです。「音楽関係者5000人は毎年、変わりますか? 年齢層、男女比など、答えお答えできる限りで知りたいです」。
(オミ)毎回毎回、全部ゼロからリセットします。
(山口一郎)そうか。だってさっき、言ってましたもんね。ああ、でもレジェンドアーティスト投票のところは変わらない?
(オミ)そうですね。レジェンドアーティスト枠はもうずっと永久のところになってますね。
(山口一郎)だから変わらない部分もあるけど、それ以外は変わるという。男女比とかはその都度、他のところも変わる?
(オミ)そうですね。一番最初、1年目とかはやっぱりその女性比率が少なかったってところもあるので。そうやって会社に割り振っていた枠の中で「お願いします。女性の方をあげてください」とか「若い方を多くしてください」みたいなリクエストはしています。
(山口一郎)なるほど。


なるべく公平に評価ができるようなシステムづくり、透明性を担保するための監査など、いろいろ工夫がされているんですね。非常に興味深いです!