佐久間宣行『ゴッドタン』カカロニ栗谷の詐欺で借金1000万告白の舞台裏を語る

佐久間宣行『カグラバチ』を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

(佐久間宣行)で、その時に俺が一瞬、思ったのは緊急トーク企画をやろうかどうか。これ、10秒ぐらいで「緊急トーク企画は……」って思ったんだけどその時、頭に浮かんだのがリハをやった役者さんとかこの後、隠しで2周目にしか出てこない芸人さんとかがいるから。あと、ネタ書いた作家もいるし。それが全部、なしになっちゃうじゃん? それは絶対良くない。

あとよく考えたら「企画、壊してすいません」って下を向いてる栗谷にここでトーク企画やったら、まあさらにお蔵になったみたいになっちゃうからっていうのもあって。あと、奥で走ってるプロデューサーの女性陣とかを見ると、本当に話していいネタかどうかもまだわかんないの。「今、事務所確認をしてます」って感じなのよ。テレビ的なこと言うと、詐欺の被害ってその詳細は語れないのね。真似する人とかも出てくるから。だから「詐欺に遭った」っていうのは全然いいんだけども。だから栗谷のそれがニュースになっているのはいいんだけど。ただ、どこまでがOKかNGか、わかんないまましゃべらせるわけにもいかない。じゃあそのまま、なかったことにして次のネタ行くしかない。

「次のネタ行くのはプロだからできるけど、栗谷のテンションの低いのだけは説明できないな。やばい、やばい。あいつがスベった状態で終わっちゃう……」と思って。で、「どうする?」って頭をグルグル回して。それで一瞬、時間が永遠に感じたんだけど。最初は何も思いつかない。で、とりあえず裏に回ったら相方のすがやがいて。2周目に出てくる予定だったすがやが「佐久間さん、変なタイミングで栗谷さんがすいません」「いやいや、大丈夫、大丈夫。なんとかする。なんとかする! お前、大丈夫。俺に任せろ。なんとかするから」って(笑)。で、「静かにしてくれ。俺、今1人で考えるから。一瞬」って言って。そしたらそこに、芝居終わったばっかりの息子役の稲川さんがいたのよ。

その時に……笑い話にしようと思ったけど、笑い話にするのは本人がやるべきだと思ったわけ。なんでかっていうとだって、お笑いのいいところは失敗とか傷とかで笑いを取ってお金を稼げることだけど、それは本人がゴーできることだからしゃべるわけ。だから、これを笑いにするのは栗谷がやるべきなの。じゃあ、どうする?って考えて。その時、息子役の人が「大変ですね」って言って。「あれ? よく考えたら『息子が戻ってきた』っていうネタだし。息子が元気っていうことはこれ、借金は返せてるんじゃね?」っていう。

設定としてはね。設定を壊さずいこうと思ったら。「借金のことを話してないってことは借金を返せてるんじゃないか?」って思って。で、なんか繋がって。稲川さんだけ呼んで。「稲川さん、ちょっと今からもう1本、撮るわ」「えっ、台本は?」「ああ、台本はね、俺が今、口で言う」「えっ、口で言う?」「ああ、そう。今、俺が思いついたことを言うから、ちょっと聞いて。言うね? タイムスリップして息子が帰ってきました。『お父さん、僕はまた未来から帰ってきて新しい情報をつかんだんだけど、僕は未来では幸せに暮らしてます。っていうことは、1000万の借金なんて、ありません。ってことはお父さん、今からその借金、返せてます。ここから売れて、返せていて。だから僕、借金のことなんか知りません。だからお父さん、大丈夫だよ。頑張って』っていう風に言ってください」っつったら……まあさ、俺は無茶な話をしてるじゃん? 俺もバーッて言っただけだから。しかも、整合性が取れてるかどうかもわかんない。

そしたら稲川さんがそれを全部聞いて「できます。できますね。大丈夫です。大丈夫。わかりました。最後、頑張ります」って言って。それで俺がインカムで「もう1本、栗谷のネタ、撮るわ」って。そしたらみんなが「もう1本ってどういうことですか? えっ、どういうことですか?」「あのね、説明してると長くなるから。もう普通に幕開けて、タイムスリップの音だけ流してくれれば稲川さんがあとはなんとかするから大丈夫」って。で、俺が戻ってきて「もう1本、撮ります」って言ったの。

そしたら、あとで聞いたら芸人たちが一瞬、「えっ?」って顔をしたの。その時、どうやらみんなは勘違いしてて。「同じネタをリアクションが悪いから撮り直すんだ」と思ったんだって。「ちょっと酷なことをするな」と思ったらしいのよ。「使えないリアクションだったけど、なかったことにするのか」と思っていたみたいで。「ああ、違います。これを踏まえてもう1本、撮ります」って言って。「これを踏まえて……だって、同じネタじゃん?」ってなっていたけど、行ったわけ。それで行って、幕が開きました。栗谷は下向いてます。ブワッて開きました。音だけ鳴りました。

俺、その時に思ったの。「あれ? 技術に何の説明もしていないな」と思っていたら、やっぱりさすがだね。技術だけはベテランなんだよ。みんな、何の説明もなくても淡々とちゃんと撮ってくれているの。「すげえな、やっぱり20年の番組!」って思いながら、始まったの。そしたら稲川さんが「お父さん、俺は未来から帰ってきた。俺の家には借金はない。そんな話、1000万の借金なんか、聞いたことはない。ってことはお父さん、あんたは今から売れて、いろいろやって借金を返して幸せになってるんだ」って言ったの。で、そこからは稲川さんの半分アドリブね。「頑張れ、お父さん! 頑張れ、お父さん! 負けるな、お父さんっ!」って言って。その瞬間、栗谷の目から涙がブワッて流れて。で、「バカヤロウ!」っつって走ってゴールしたの。

で、みんな「うわーっ!」ってなって空気が戻った。このまま2周目、いけるなっていうので「2周目、行きます!」ってなって。ただね、その栗谷が走った瞬間、実況の高橋アナウンサーが「未来から来た息子に励ましてもらった栗谷、涙を流しながら渾身のゴールイン!」って言ったのよ。俺、何の説明もしてないの。あいつ、ただのスポーツバカじゃなかった(笑)。アドリブで言ってくれたのよ。それでゴールしたの。で、「ヤバい!」ってなって。これでなんとか乗り切った。笑いにもなったし、使えるし。それで2周目、いきましょうって言った時にADが俺のところに走ってきて。何を言うのかな?って思ったら「佐久間さん、タイムがさっきより縮みました!」っつって(笑)。「ああ、よかったな」って(笑)。タイムがちゃんと2秒、縮んでたの(笑)。

ゴッドタン バカヤロウ徒競走 前編

あのカカロニ栗谷さんの衝撃の告白の舞台裏、こんなことになっていたんですね。誰にも頼れない中、1人でなんとか解決策をひねり出した佐久間さん、すげえ!

佐久間宣行のオールナイトニッポン0 2026年3月18日

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