渡辺範明『ジークアクス』は徳光康之『濃爆おたく先生』が元ネタ説を語る

渡辺範明『ジークアクス』は徳光康之『濃爆おたく先生』が元ネタ説を語る アフター6ジャンクション

ドロッセルマイヤーズ渡辺範明さんが2025年4月21日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』に出演。ガンダム漫画を特集する中で『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が徳光康之『濃爆おたく先生』を元ネタとしているのではないか説について話していました。

(渡辺範明)でまあ、こんなのがいろいろあった中でついにですね、2000年に『ガンダムエース』という、もうガンダム専門の漫画雑誌。ガンダムの漫画しか載ってない雑誌が創刊されて。これは今も続いてます。なので、ここからもうガンダム漫画を全然紹介しきれないぐらい爆発的に増えて。その『ガンダムエース』の看板作品でスタートしているのがこの『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』。オリジナルのガンダムのキャラクターデザイナーであり作画監督だった安彦良和さんが自分の歴史観とか人間観でええ語り直した機動戦士ガンダムという感じですね。これ、だから富野監督と解釈が結構違うところが多いので、そこの差を楽しむ感じでも面白いという感じです。で、『ガンダムエース』はこんな感じで……。

(宇多丸)雑誌ごとなんだからね。

(渡辺範明)だからもう、むちゃくちゃいっぱい出たので。ギャグ漫画とかも全部、ガンダムなんですよ。

(宇多丸)だからその歴史漫画でね、なんとかとかさ。なんとか漫画でって……もうガンダム、ジャンルじゃん。

(渡辺範明)本当にそうです。もう完全にジャンルですね。で、この『トニーたけざきのガンダム漫画』とか、これはギャグ漫画なんですけども。これはですね、安彦先生の絵柄を完コピーして、すげえくだらないことをやるというギャグマンガですね。こういうものも同時に連載されていたりとか。あと、ここで連載されていた『妹ガンダム』っていうのは本当にもうすごい狂ってて、一番好きなんですけれども。ちょっとこれの話はね、ハイコンテクストすぎるのでちょっと置いておいて。これ、同じ徳光康之先生の書かれている『濃爆おたく先生』。これは掲載誌は『マガジンZ』だったんですけれども。これが今、『ジークアクス』公開後、とみに注目にされていまして。

これ、なんでか?っていうとこの『濃爆おたく先生』っていうのはガンダム漫画っていうよりはオタク同士が妄想で対決するっていう漫画なんですよ。妄想バトル漫画。基本的には『ガンダム』と『サクラ大戦』の話しかしてないんですが(笑)。その中で、この徳光先生っていうのはとにかくジオン信奉者なのでどうやったらジオンが勝つことができたのか?っていう妄想をもう何十年も続けているという筋金入りなんですよ。

何十年もジオンが勝つ世界線の妄想を続けている

(渡辺範明)で、この方がこの『濃爆おたく先生』2巻の中で『ガンダム』第一話の時点で偵察をちゃんと行って、出てきたガンダムにニュータイプを乗せず、もともとの正規のパイロットが乗っているガンダム。アムロが乗っていないガンダムをみんなで協力して鹵獲することができていれば、それを赤く塗ってシャアが乗りこなし、ジオンを勝たせることができたんじゃないか?っていうことを妄想していて。

で、これが『ジークアクス』の元ネタなんじゃないかと言われているんです。で、これはですね、これ以外にも「ビグザムを量産する」とか、「リックドムの背中にリックドムの足をつけて高機動型にする」とか、そういう他にもこの『ジークアクス』との一致点がいっぱいあって。で、本当にこれそうなのか? それともたまたまなのか? アイディア電波が届いただけなのかというのを当の徳光先生自身が今、自問自答しているところです。

(宇多丸)アハハハハハハハハッ!

(渡辺範明)なので、これはスタジオカラーからのコメント待ちっていう感じですね。

(アトロク放課後ポッドキャストにて……)

(渡辺範明)ハイコンテクストといえばこの『濃爆おたく先生』なんですけども。これが『ジークアクス』の元ネタになっているんじゃないか疑惑っていうのが……。

(宇多丸)「元ネタ」っていうか、あれじゃないの? その煮詰めすぎたオタクが考えることは同じだっていう……でもさ、煮詰めまで行かないよ。別にさ、はっきり言ってまあ、考えるよねっていうことではない?

(渡辺範明)そうですね。まあ、そういう収斂進化みたいな形で行き着くところが同じところにオタクは行くっていうことにも見えるんですけども。ただ、ちょっと「そうかもな」って思うのは当時、この『マガジンZ』ってこの『濃爆おたく先生』が連載していた頃に『フリクリ』のコミック版もそこで連載されていたんですよ。だから『マガジンZ』はかならずガイナックスに毎月、届いていたはずなんですよ。だから鶴巻さんや庵野さんがこれを読んでいた可能性は十分にあるっていうことがちょっと「本当かも」っていう感じがしているという。あと、シャアがガンダムを奪って赤く塗るというところまではみんな、想像をすると思うんですけども。その時にガンダムの盾の部分の十字の模様をそのまま活かしてジオンのマークにリペイントしているっていうところまでが一緒なんですよね。

(宇多丸)ああー。

(渡辺範明)これはだいぶディテールじゃないですか。という……これですね。これね、『ジークアクス』で気の利いたデザインとしてみんなに褒められていたんですけども。徳光先生が先にやっていますよという。まあ、徳光先生はこれが元ネタだよっていうことじゃなくて「アイデア電波が届いた」って言っているんですけども。ご本人は。でも、ちょっとわからないですね。これはカラーの公式発言を待つしかないという。

(宇多丸)なるほどね。『濃爆おたく先生』。

(渡辺範明)この漫画自体、本当に煮詰まったオタクの漫画なんですけども。すごいんですよ。

当の徳光先生自身が今、自問自答している

ジオンが勝ったという世界線を描いている『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。見ていて「ゲームの『ギレンの野望』っぽいなー」とは思っていたんですけれど、もっと具体的に描いていた作品があったんですね。SNSで具体的な描写も見てみたんですが、たしかに『ジークアクス』との共通点がいっぱいありすぎる! 20年以上前にこんなことを描いていた『濃爆おたく先生』、面白すぎです(笑)。

アフター6ジャンクション2 2025年4月21日放送回

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