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町山智浩 シャーロッツビル衝突事件後のトランプを語る

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町山智浩さんがAbemaTV『AbemaPrime』に電話出演。死者を出したバージニア州シャーロッツビルでの白人至上主義者集会での衝突事件後のドナルド・トランプについて話していました。

町山智浩 シャーロッツビル衝突事件後のトランプを語る


(宮沢エマ)町山さん、白人至上主義というのがどんなものだと考えてらっしゃいますか?

(町山智浩)いま、(白人至上主義が)噴出してきた理由はアメリカで白人の人口が非常に減少してきているからです。現在、白人は全人口の6割なんですよ。これが2043年までに5割を切ると言われているんです。だからこの中で白人至上主義が出てきました。もうひとつはアリゾナが、白人至上主義じゃないですけども反移民的な勢力が出てきたというのは、アリゾナが現在ラティーノが人口の3割ぐらいなんですけど、非常に増えてきてまして。このままだと、いままでは白人が多くて共和党がずっと強かったのが次の2020年の選挙では共和党と民主党が拮抗するスイングステーツ(激戦州)になるんですよ。だから今回、トランプは(アリゾナ州フェニックスに)行きました。

(宮沢エマ)先ほどから選挙の話が出ているんですけども、実際にトランプ大統領の本音の部分というのはどうなんですかね?

(町山智浩)選挙に関する本音の部分ですか?

(宮沢エマ)「選挙に勝つために」という話ではなくて、トランプ大統領が実際にどう、人種問題について考えているのか? とか。

(ハリー杉山)本音はどうか?っていうことですね。

(町山智浩)トランプ自身はずっと何十年もビジネスをやってきましたけども、その中で雇っている人との間での人種的なトラブルはないんですよ。ただ、お父さんの頃から自分の経営する集合住宅――お父さんの場合は安めの集合住宅でトランプの場合は高級住宅だったんですけど――そこの住民に関しての差別はあったみたいです。そういうデータしか、わからないですね。

(宮沢エマ)町山さん、そのトランプ大統領の発言が一転二転といいますか。何回か発言されたのは……。

(町山智浩)それはですね、今回も演説の時に彼、紙を持っていましたけども。一転二転した理由っていうのはまず最初に自分の本音を言ったんですね。そのことですよね? 言いたい本音っていうのは。本音は彼は、要するに白人至上主義に対して抵抗したカウンターの人たちも批判したかったんですよ。もともと。

(宮沢エマ)そうですね。

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シャーロッツビル事件後のトランプ演説の変遷

(町山智浩)批判したんですけども、ジョン・ケリーさんという彼のいまのブレーンのいちばんのトップの人から紙に書いたものを渡されて、「これを読め!」って言われたんですよ。次の演説で。で、2回目はそれを読んだんです。棒読みしました。その中では「白人至上主義は悪い」って書いてあるんですよ。その紙に。

(宮沢エマ)そうですね。うん。

(町山智浩)で、3回目もそれを持って、こうやってスーツの中に入れて……。それをもう1回読んで、棒読みをしようとしたんですよ。彼は。3回目にトランプタワーでやった時に。で、棒読みをしようとして、途中でやめて、「やっぱりどっちも悪いよ」って言ったんです。で、今回の演説でも手紙をもう1回読んでみせて、今度は「どっちも悪いよ」をつけなかったんです。だから今回のトランプのパフォーマンスは「白人至上主義は悪い」と言うんだけど、言う時はかならず原稿を読むんです。



(宮沢エマ)はい。

(町山智浩)つまり、「これは言わされているんだよ」っていうポーズなんですよ。

(宮沢エマ)そこが私、すごく謎で。それだけを聞くと、じゃあトランプ大統領にはそういう白人至上主義的志向があると思われてもしょうがないのかもしれないですけども。

(町山智浩)それは選挙のためです。

(宮沢エマ)だけども、どこかでトランプは自分が間違ったことを言ってしまったということを認めたくないだけなんじゃないのかな?っていう風にも思ってしまうんですけど、どうでしょう?

(町山智浩)ここはだから二面性なんですよ。だから彼の固い支持基盤のところは白人至上主義的なんですよ。だから、そこの部分を傷つけないように、でも世間一般的には白人至上主義を批判したようにしなきゃならないという非常に微妙なパフォーマンスをやっています。

(宮沢エマ)だから「こんなパフォーマンスをしなくちゃいけない僕」っていうパフォーマンスということですか?

(町山智浩)そうそうそう。一応形としては白人至上主義を批判したことになっているんだけど、白人至上主義を批判する時にはかならず手紙みたいなやつを持っているんですよ。「言わされている」っていう。

(ハリー杉山)面倒くさいし、若干女々しいですよね。

(町山智浩)そう(笑)。でも、明らかにわざと棒読みしていますしね。白人至上主義を批判する時には。

(宮沢エマ)彼が実際に何を考えているのかっていうのはわからないけれども、これはパフォーマンスとしてどちらのサイドにも配慮した、計算されたものであるという。なるほど。

(町山智浩)そうじゃなきゃ、あの同じ手紙を1週間ぐらい、常に持ち歩いてかならずそれを読むってちょっと変なことですからね。

(ハリー杉山)町山さん、素朴な疑問なんですけども。このようなパフォーマンスをトランプさんは繰り返しています。その相談役とか周りのアドバイザーさんたちは「いい加減、そういうのはやめてくれよ。沈静化させようとしているんだから、言わなきゃいけないことをちゃんと言って終わらせようよ」っていうような、そういうようなアドバイスは言われていないと思われますか?

(町山智浩)だからその紙を書いた人はジョン・ケリーさんなんですよ。それを渡しているんだから、「あなたはちゃんと白人至上主義を批判してください」って彼のブレーンのトップは言ったのにトランプは無視したわけですよ。それを。

(ハリー杉山)ジョン・ケリーさん1人ですか? それ以外にも何人かいるんですか?

(町山智浩)いまはジョン・ケリーがいちばんで、その手紙を書いた張本人だと思います。っていうのは、トランプタワーで演説した時にその手紙をトランプは出して、それを読まないで突然「どっちも悪い」と言い出した時に、ジョン・ケリーさんはその後ろに立っていたんですよ。で、カメラがジョン・ケリーさんを映すと、ジョン・ケリーさんは「ハーッ……」ってこうなっていたんです。「せっかく書いたのに、何なんだよ!」っていうことですよ。

(宮沢エマ)でも、もはやそれすらも全部パフォーマンスなのかしら?っていう風に思いますけどもね。

(町山智浩)ジョン・ケリーはもともとトランプ派の人じゃないんで。もともと軍人ですから。そういったパフォーマンスをするような人じゃないわけですよ。ジョン・ケリーは実業家でも何でもないですから。

(宮沢エマ)逆に言えば、そのトランプさんは自分の立場を守るために「こんな人たちにこういうスピーチを書かされてしまう僕だけども、君たちのために戦い続けるよ」という?

(ハリー杉山)「俺はブレてないぞ」と。

(町山智浩)まさにその通りです!

(宮沢エマ)彼の人気者ステータスは守りつつ……ということですね。

(湯浅卓)町山さん、湯浅ですが、質問をさせていただきたいんですけども。ジョン・ケリーといまトランプの関係で、どうですか? ジョン・ケリーは抑え役として今後も使えそうですか? それともトランプはジョン・ケリーのことをだんだん煙たがりますか?

現在のトランプ政権内の白人至上主義勢力

(町山智浩)もう完全にその、彼が書いた手紙を使ってパフォーマンスされているんで、もうすでにトランプとジョン・ケリーの間はぶつかっている形ですよね。ただ、ジョン・ケリーっていうのはまさにいまおっしゃられたように抑え役として、見張り役としている状態なんですけども。すでにトランプの閣僚の中の白人至上主義の人は、いちばんひどかったのはスティーブン・バノンっていう人なんですけども。その人は更迭されましたからね。

(宮沢エマ)うん。

(町山智浩)いま残っているのは1人だけなんですよ。スティーブン・ミラーっていう人なんですけども。他はもうかなり減りましたんで、白人至上主義は閣僚内の中では少数派になっていますね。

(前嶋和弘)町山さん、ご無沙汰しています。前嶋です。

(町山智浩)あ、どうもです! ご無沙汰しています。はい。

(前嶋和弘)いつもありがとうございます。ひとつおうかがいしたいんですけど、どうなんでしょう? 町山さん、カリフォルニアや東部で歩いてらっしゃって、白人至上主義って前よりも増えたと思われますか?

(町山智浩)はい。僕は2009年にKKKの集会に(取材で)参加しているんですけども。「参加」って言っても僕はKKKじゃないですけどもね(笑)。KKKの発祥の地のテネシー州のプラスキという街でやりまして。

町山智浩 KKK集会取材(2009年)



(宮沢エマ)ええ。

(町山智浩)その時はわずか50人ぐらいしか参加者がいなかったんですよ。で、ものすごくひっそりとしていたんですけども。その2009年の時はね。ただ、もうどんどんどんどん拡大していって、去年トランプさんの選挙演説を回ったんですけども、その時にはどんどん少しずつ増えていく感じでしたね。それで、今回こういう事態になっていると。明らかに数は増えています。ずっと見ていて。

(前嶋和弘)やっぱりトランプさんが当選したっていうところは大きいんでしょうか?

(町山智浩)明らかに、もう完全にそのためですよ。そのせいで。いわゆるオルタナ右翼と言われているグループ。で、いままでのKKKとは全く違うネット右翼ですね。インターネットの中から発生した。その人たちは今回、シャーロッツビルの方で合流したんですね。シャーロッツビルの方では「右翼よ連合せよ(Unite the Right)」というイベントだったんで、それまでのKKKとか白人至上主義と、新しく去年から出てきたオルタナ右翼と言われている、いわゆるネットで広がった右翼の人たちが合体した形なんですよ。

(宮沢エマ)うん。

(町山智浩)で、その連合体が現在は大きいものになっているんですね。

(宮沢エマ)なるほど。町山さん、朝早くから興味深い話をありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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