町山智浩が選ぶ 2014年日本映画ベスト6

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、2014年に公開された日本映画の中からおすすめ作品を6作品、紹介していました。


(町山智浩)で、僕、いっつもアメリカに住んでいるんで、アメリカ映画の話ばっかりしてて。

(山里亮太)そうですね。

(町山智浩)日本映画もちゃんと公開されているのに、ぜんぜん話しないじゃないですか。

(山里亮太)いや、まあたしかに。

(町山智浩)見てないからしょうがないんですけど。でも、年末になってくると、ドドドッと見ることができて。まあ、今回里帰りで帰ってるんですけども。でね、見たら結構いい映画が多い。で、『あっ、こんなところにこんないい映画があるのか!』っていうのがあったんでね、ちょっとご紹介していきたいんですけど。特に、いま公開中のがかなりあるんですけど。

(江藤愛)じゃあすぐに行けますね。

(山里亮太)そう。聞いてね、行きたい人はすぐに。

『紙の月』

(町山智浩)いま、ちょうど映画館行くとやっています。まずね、これはもう名作に入るだろうっていうのはね、やっぱり『紙の月』ですね。


(山里亮太)おっ!あの宮沢りえさんの。

(町山智浩)宮沢りえさんの。はい。これは『桐島、部活やめるってよ』っていうね、オタク男たちにとっての永遠のバイブルの。

(山里亮太)そう。町山さんがあの中にいた!っていうね。気持ち的によ。

(江藤愛)(笑)

(町山智浩)まあ、モテない男たちのバイブルというね。レジェンドな映画だったですね。桐島、部活やめるってよで。で、今回はオタクじゃなくてですね、40代になる主婦なんですね。宮沢りえさんが。で、銀行で働いてるんですけども。お年寄りのお金を預かるわけですよ。で、銀行に持って行って、それを入れるんですけど。そこでパクッちゃうんすね。

(山里亮太)横領しちゃう。

(町山智浩)だってもうこんな札束ですからね。

(山里亮太)分厚い。

(町山智浩)そう。それで伝票をいじってやっちゃうんですけども。で、どんどんハマっていくんですが。で、どうしてそうなっていったか?っていうと、まず旦那がぜんぜん相手にしないんですね。彼女のことを。仕事ばっかりで。それで、池松壮亮くん演じる大学生とのSEXにハマっていくんですね!

(山里亮太)溺れていく。

(町山智浩)宮沢りえさんが。

(江藤愛)おおっ、すごい年下との。

(町山智浩)年下との。で、池松くんお尻をこう、出してやってますね。

(江藤愛)(笑)

(山里亮太)出ました!町山さんの映画情報はですね、なぜかイケメンのお尻が出ることをかならず教えてくれる。

(江藤愛)そうなんだ(笑)。

(町山智浩)だってエッチしてるところでこう見ると、男のお尻がいちばんよく見えるじゃないですか(笑)。

(山里亮太)そうですけど。町山さんの映画情報のおかげでね、ヒュー・ジャックマンのお尻情報、何度も聞いたんだから。

(町山智浩)いや、このね、池松くんは今年すごかったの。賞とかとってますけど。『MOZU』っていうTBSのドラマで女装した殺人マシーンの役をやってて。MOZUっていう役名何ですよね。ドラマのタイトルになっている。すっごいんですよ。全編、アクションが。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)もうほとんど喋らないんですけど。池松くんって暗いんですよ。基本的に暗い少年なんだけど、バババババッ!っとこう、アクションはするわ、SEXはするわというね(笑)。だいぶ違うもののような・・・

(山里亮太)アクションとSEX(笑)。

(町山智浩)『愛の渦』っていう映画にも出てて。

(山里亮太)ああ、あの人だ!

(町山智浩)そう。見ました?愛の渦。

(山里亮太)いや、予告編だけ見て、『すっげーなー、エロいなー』と思ってて。

(町山智浩)これもね、彼は暗いニートの青年をやってたんですね。池松くんが。ところが、SEXすごいんですよ。一晩に4発か5発してました!

(山里亮太)タフネス!

(町山智浩)タフネスですよ、これ(笑)。『男は言葉じゃねー!っていうことなのか?池松!』って思いました。だから池松くん、今年結構すごいよくがんばって腰を振ったで賞ですね。

(江藤愛)いやー(笑)。

(山里亮太)そんな賞、嫌だ(笑)。腰振ったで賞。

(町山智浩)そんな賞、ないっていう(笑)。

(山里亮太)受賞、おめでとうございます!

『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』

(町山智浩)あとよかったのはね、『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』っていう映画で。これはあの、紀州ですね。三重県の方のすごく雨が降るところにある、木がいっぱい伸びるところですね。そこで林業をやっているところに、どうしようもなく、やる気もなんにもない男の子が、大学生にならないで高校を辞めて入ってくる。そこで鍛えられるっていう話なんですけども。で、よくあるダメな男の子とかがそういう3K職場に行って鍛えられるっていう話はいっぱいあるじゃないですか。


(山里亮太)キツい、汚いの現場に行って・・・

(町山智浩)そうそうそう。これね、ちょっと違っていて。たぶん原作者は意識してるんですけども。これ、中上健次さんの世界なんですよ。このWOOD JOB!っていうのは。

(山里亮太)中上健次さん?

(町山智浩)中上健次さんというのは作家で、紀州とかそういうところの森を舞台にした、非常に神話的な物語っていうのを書いてきた作家なんですけども。彼の作品に『火まつり』っていうのがあるんですよ。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)で、火まつりっていうのは漁業と林業で暮らしている村があって。そこで働いている北大路欣也さんが主人公なんですけども。あと、ホタテマンの人。なんだっけ?(笑)。

(山里亮太)安岡力也さん。

(町山智浩)安岡力也さんがね。それとか出てくるんですけど。で、ところがその森の中で完全に暮らしているから、現代の話なんだけども、古代の森とか山とか海を信仰している、その信仰心。要するに天皇制とか神道とか仏教が始まる前の宗教の中で生きてるんですよ。彼らは。

(山里亮太)ほうほうほう。

(町山智浩)それで、その森とか山っていうのは、女の神様なんですね。山の神っていうのは女の人なんです。

(山里亮太)あ、そうなんですか。

(町山智浩)それとの、非常に性的なつながりみたいなものが描かれているのが火まつりなんですけども。もう、ラストは衝撃的なオチなんですけども。実はこのWOOD JOB!っていう映画にはそれが隠されているんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)だからこれ、ネタを割っちゃうことになっちゃうから言えないですが。非常にその、林業とか山、漁業とか、そういったものに働く人間と、その自然との関係っていうのは非常に性的なものだっていうことが。

(江藤愛)あ、木の感じとか。

(町山智浩)そうそうそう。山の神って言うじゃないですか。昔のお父さんとか。『ウチの山の神が怒って・・・』って言うと、奥さんが怒っていることになるんですよ。

(山里亮太)あ、そうなんですか?

(町山智浩)そう。山の神、海の神っていうのは女であって。そこで働く男たちはそれの夫であるっていう考えがあるんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)それがね、ひそかに隠されていてね。なかなかよかったですね。WOOD JOB!は。

(山里亮太)あ、これシンプルなコメディーな感じ・・・

(町山智浩)コメディーですけどね(笑)。

(山里亮太)なんですけど、その裏に。

(町山智浩)基本的にコメディーですね。今回、どれもね。はい。

(江藤愛)紙の月もコメディーですか?

(町山智浩)紙の月はコメディーじゃないけど、コメディー的瞬間があるんですよ。

(山里亮太)ええっ!?それは町山さんが見つけたとこだと思う(笑)。

(江藤愛)(笑)

『百円の恋』

(町山智浩)そうそう。そういうところがあるだけですけど。はい。『百円の恋』もよかったですね。これもいま、映画館でやっていると思いますけど。これ、安藤サクラさんが主演で。これもどうしようもない人間の役なんですよ。安藤サクラっていうのは30過ぎてですね・・・安藤サクラっていう個人じゃなくて、彼女がやる役が。


(山里亮太)役。

(町山智浩)30過ぎて親元で暮らしていて。親が弁当屋さんやってるんですけど。働かないで、ダラダラダラダラ暮らしてるうちに、ブクブクに太っちゃって。で、あまりにも酷いんで、追い出されちゃうんですね。家から。で、初めて一人暮らしをするようになって。30いくつで。で、初めて働いたのが百円専門の、コンビニなんだけど百円ショップみたいなところ。

(山里・江藤)へー。

(町山智浩)そこで彼女は生まれて初めて働くっていう話で。このポスターとかを見ると、百円の恋だし。百円ショップで働く女の人の話なのかな?と思うじゃないですか。

(山里・江藤)はい。

(町山智浩)そうすると、そこからだんだんロッキーになっていくんですよ。この映画自体が。

(山里亮太)(笑)。どういう経緯でロッキーになれるんですか?百円ショップで。

(町山智浩)そう思うでしょ?百円ショップが。ねえ。で、安藤サクラさんがロッキーになっていくんですよ。で、もう最後の方はその最初、デロデロの体だったのがバシーン!と引き締まった、ミリオンダラー・ベイビーみたいな感じで出てくる。

(山里亮太)はー!もう劇中でどんどん作っていくんですか?体を。

(町山智浩)どんどんトレーニングして作っていくんですよ。で、これのきっかけを作ったどうしようもない男っていうのはね、新井浩文さんでね。新井浩文さんはたいてい映画出てくると、スケベなどうしようもない、人間のクズのような役ばっかりですけど。『オレ、やりてーんだよ!』みたいなのばっかりですけど。

(山里亮太)(笑)

(町山智浩)ほとんどね、本物にしか見えないんですけど。愛の渦でもやってましたね。はい。地でやってんじゃねーの?と思うんですけど。その新井浩文さんのどうしようもない男のせいでですね、1人の、なんにも、自分はなにをやったらいいのかわからなくて。負け犬人生を歩んでいた安藤サクラさんが、そこで勝つために、初めて『勝ちたい!』と思うっていう。

(山里亮太)へー。

(町山智浩)人生の中で一度も勝ちたいとか戦いたいとかって思ったことのない女の人だったんです。この人。で、周りが結婚しようが仕事しようが、『私には関係ないわ』って言ってたのが、初めて勝ちたい!って思うっていう、すごい映画でしたね。

(山里・江藤)へー!

(町山智浩)これ、男の人も百円の恋の安藤サクラって見ないでしょ?

(山里亮太)たしかに。知らなかったら・・・

(町山智浩)見ないでしょ?

(江藤愛)ボクシングの話とかって思わないかもしれない。

(町山智浩)思わない。これはもう、ブルース・リーとかロッキーとか好きな人は絶対見るべき映画ですね。そういう映画でした。

(江藤愛)来年の1月4日、爆笑問題の日曜サンデーに安藤サクラさん、ゲストで来てくださるんですよ。

(町山智浩)あ、そうなんですか?いま、腹筋がどうなっているのか、触ってみるといいかもですよ(笑)。

(山里・江藤)あー。

(町山智浩)この映画ではすごかったですよ。最後は。

(山里亮太)バッキバキになって。

(町山智浩)バッキバキでしたよ。はい。すっごいよかったですね。だから彼女は女優賞でしょうね。もう今年のね。

(山里亮太)いま、まさに公開中。

『海月姫』

(町山智浩)あとね、公開中でね、見たばっかりのやつだとね、『海月姫』。


(山里亮太)あっ、能年ちゃんの。あまちゃんですよ!

(町山智浩)これもね、負け犬の話なんですよ(笑)。

(山里亮太)えっ?負け犬の話、好きですねー。

(町山智浩)負け犬だからですね。はい。負け犬なんだけど、これは女の人たちの負け犬で。オタクになっちゃって、安アパートに引きこもって自分たちで自分たちの好きな三国志とか、地井武男さんとか、そういったものに引きこもってる人たちなんですよ。

(山里亮太)枯れ専ってやつですね。

(町山智浩)枯れ専。そうそうそう。それでもう、他のものとは接触しないで。おしゃれもしない。恋もしないで一生いきていくんだっていう風に思っている中で、そのクラゲマニアの能年ちゃんが入って。どんどんどんどん引きこもっていくところにですね、ここでですね、非常に美しい美少女が出てきて。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)美しい美少女っていうのは変な言葉ですが。で、彼女によって引きこもっていた女の人たちが、やっぱり勝ちたい!と思うようになる話なんですよ。

(山里亮太)はー。さっきの百円の恋と一緒で。

(町山智浩)そう。勝つっていうことを考えなかった人たちが、勝ちたい!って思う。その美少女の役が、菅田将暉くんなんですよ。

(山里亮太)イケメン俳優ですよね。

(江藤愛)男の人?

(町山智浩)男ですよ。でも、この映画の中では、9割くらい女装しています。海月姫の中では。

(江藤愛)美しいんですか?

(町山智浩)美しいっていうかね、スカートがね、ひざ上くらいのスカートを履いてるんですよ。

(江藤愛)ミニスカート?

(町山智浩)そう。脚、キレイ!めっちゃくちゃキレイ!

(江藤愛)へー!出た!男のお尻に、男の脚(笑)。

(町山智浩)めっちゃくちゃキレイ。この映画の中でいちばんの美女なんですよ。

(山里・江藤)えー!?

(町山智浩)菅田将暉くんが。間違ったらヤっちゃいそうな感じなんですよ。

(山里亮太)(笑)

(町山智浩)大変なことになっちゃう気がするんですけど(笑)。もうぜんぜんイケちゃうよ!みたいな。

(山里亮太)イケちゃうよ!じゃないですよ、町山さん。

(町山智浩)が、菅田くんなんですけど。これはね、すっごいびっくりしましたよ。この話自体はもうほとんどヒロインなんですよ。彼が。彼がヒロインとか言ってることはむちゃくちゃな気がしますけど。

(山里亮太)そうですね。男の人なのに。

(町山智浩)はい。でね、実はこれ、その引きこもっているどうしようもない、おしゃれとかしない、ジャージとか着てる人たちがまたすごい女優さんたちなんですよ。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)言っちゃうと面白くないんで、知らないで行ってから、後で『えっ?あの人だったの!?』って思ったほうが面白い。

(江藤愛)なるほど。エンドロール見てびっくりした方がいい。

(町山智浩)そう。『えっ?あの人だったの!?』っていう。

(山里亮太)そんないろいろと?私、まあ事務所の先輩が出てたりとかして。

(町山智浩)はいはいはい。

(山里亮太)ある役で。

(町山智浩)ある役でね。その人は結構わかる役ですね。

(山里亮太)そうですね。漫画の原作にすごくよく似てるって言われている。

(町山智浩)似てるんです。着物が好きな、日本のものが好きな人の役で出てますけども。なんだっけ?名前・・・

(山里亮太)馬場園さんっていう。アジアンっていうコンビの馬場園さんが。

(江藤愛)あー!

(町山智浩)はいはいはい。彼女以外はね、もうすごいメイクしちゃっていて、誰だかわかんないんで。それが結構、見てのびっくりっていうかね。

(山里亮太)なるほど。

(町山智浩)海月姫はすごかったんですが。これ、この中でね、菅田くんのお兄さん役をやってるのがですね、長谷川博己さんなんですけど。

(山里亮太)ああ、はいはい。

(町山智浩)30過ぎて童貞っていう役でしたね。これ。

(江藤愛)あれ?だってかっこいいのに?

(町山智浩)かっこいいのに童貞っていう役なんですよ。長谷川博己さんも今年、すごかったんですよ。

(山里亮太)あれ?家政婦のミタは・・・去年か?

(江藤愛)MOZUにも出てらっしゃいましたね。

(町山智浩)MOZUで出てて。で、MOZUでは全くどこからかわからないのに突然出てくる男の役なんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)要するに戦っているわけですよ。主人公たちがね。池松くんとか、西島さんとか。ものすごいバトルなんですよ。ほとんどバトルなんですけど。バトルしている最中に突然、長谷川博己さんが突然、どっからともなく出てくるんですよ。

(山里亮太)ふん。

(町山智浩)で、『みんな、やってるー?』って言うんですよ。『どっから来たの、お前!?』みたいな(笑)。

(山里亮太)ミステリアスな役だったんだ。

(町山智浩)ミステリアスな。で、突然そこから去っていくんですよ。『チャオ♪』とか言いながら長谷川博己さんが去っていく。『でもこれ、ビルの30階ぐらいだよ!?』みたいな。『どっから来て、どっから去っていくの!?』みたいな。

(山里亮太)神出鬼没な役を。

(町山智浩)最後の方とか、言ったらあれなんですけど、絶対に人が入ってこれないようなところに突然出てきて。やっぱり『チャオ♪』ってやってるんですよ。

(山里亮太)ええっ!?

(町山智浩)で、目的は全くわからないんですよ。バットマンのジョーカーっていう敵がいるんですよ。ダークナイトっていう映画で。それと同じで。ただもう、騒ぎを起こして人間たちをパニックに陥れることだけが趣味の、究極のテロリストの役なんですね。長谷川博己さんが。

(山里亮太)へー。

(町山智浩)で、『なんでこんな酷いことするんだーっ!』とか西島さんに言われると、『面白くするためさ』って言うんですよ(笑)。超意味ねーな!こいつ!っていうね(笑)。

(山里亮太)ただ単にヤバい奴。

(町山智浩)ただ単に破壊活動が好きでしょうがないっていう役を長谷川博己さんがやっていて。めちゃくちゃ面白かった。

(山里・江藤)へー!

(町山智浩)もう出てくるだけで大爆笑っていう(笑)。

(山里亮太)あ、そうなんですか。それが童貞の役で?

(町山智浩)それが童貞の役をやってるんですよ。でも、破壊活動をするのはもしかしたら童貞だからかもしれませんね。

(山里・江藤)(笑)

(山里亮太)なにかを壊してやりたい(笑)。

(町山智浩)童貞と言えば、なんですけど。

(山里亮太)『と言えば』で行きます?

『福福荘の福ちゃん』

(町山智浩)童貞と言えばなんですけど、『福福荘の福ちゃん』っていう映画がよかったですね。

(山里亮太)あー!はいはいはい。

(町山智浩)これね、もう30過ぎまで童貞の男が主人公ですよ。福ちゃんって言われる。で、塗装をして働いていて。ビルのペンキとか塗って働いているんですけど。この彼が、はじめて本当の恋をするっていう映画がその福福荘の福ちゃんなんですが。この福ちゃんっていう30過ぎの童貞男を演じるのがですね、なんと、森三中の・・・

(山里亮太)大島さん。

(町山智浩)大島美幸さんなんですよ。


(山里亮太)女性がおっちゃんの役をやるッて言う。

(町山智浩)おっちゃんの役をやってるんですよ。で、酒飲んで『お前ら、どうしてんだよ?おい』とか言ってるんですよ。

(山里亮太)これはすごい。やっぱりおっちゃんに見えました?

(町山智浩)おっちゃんに見えますよ。っていうか、これね、友達が荒川良々さんなんですよ。兄弟にしか見えない(笑)。

(江藤愛)似てますよね。

(町山智浩)そう。2人でやっていると、『兄弟か?お前ら』みたいな。すっげーおかしいんですけど。で、この彼がね、すごく才能があるんですよ。絵がめちゃくちゃ上手いっていう設定になっていて。で、本当に芸術的な絵を描いたりしてるんだけど、人が良くて友達みんなから好かれてるんだけど、女の人だけは嫌で。女の人が来ると逃げちゃうんですよ。引きこもって。こういう人、いるんですよ。

(山里亮太)うんうんうん。

(町山智浩)いません?

(山里亮太)いや、たしかになー。これは・・・でもそれを理由にモテてないって。俺はそれさえあればモテるって思いながら生きてきてる時もあります。なんか。

(町山智浩)それ、ひねくれすぎだけどね(笑)。それ、モテるための餌じゃねーの?とか思って疑ったりして?

(山里亮太)そうそう(笑)。信じらんないんですよね。これ。

(町山智浩)信じらんない。俺、女とか興味ないのとか信じらんない。そこまでコジラしちゃったの!?それは問題だよ、それ(笑)。

(山里亮太)町山さん、薬、ないですかね?

(町山智浩)ないない(笑)。それには・・・(笑)。いや、これもだから本当、このままどうしちゃうんだろう?って言って、薬ないですかね?っていう感じで周りがいろいろやっていくと、偶然、水川あさみさん扮する美少女と、ある・・・まあこれ、裏の話を言っちゃうとあれなんですけど。ある出会いをしていくっていう話なんですよ。

(山里亮太)へー。

(町山智浩)それでもう、純愛ものになっていくんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)女性ですけどね(笑)。演じているのは。

(江藤愛)女性と女性が恋、だけど・・・そうか。おっちゃんと。

(町山智浩)そう。この映画ね、すごいびっくりしたのは俳優でね、すごい人を見つけたなと思ったのは、ベテランなんですけど、北見敏之さんっていうベテラン俳優の人が、変態カメラマンの役で出てきます。

(山里亮太)ほう。

(町山智浩)これがめちゃくちゃ面白いんですよ。これが水川あさみちゃんにセクハラするんですけど。そのところが死ぬほどおかしくて。で、ぜんぜん関係ないんですけど、この北見敏之さん演じるカメラマンが福福荘の福ちゃんの中で出している写真集の名前が『破景』っていうんですね。破壊された風景と書いて破景。

(山里・江藤)ほうほう。

(町山智浩)これね、僕が30年ぐらい前に作った写真集で『棄景』っていう写真集があるんですよ。破棄された景色って書いて。これがたぶん元になってるんですよ。

(山里亮太)あっ!

(町山智浩)僕が30年ぐらい前に作った写真集を元ネタにしたギャグなんですよ。誰にもわからないよ、これ。

(山里亮太)これ、伝えといたら・・・

(町山智浩)これ、脚本で監督の藤田容介さんがネタにしてるんですよ。

(山里亮太)あ、それはもう監督からも言われてるんですか?

(町山智浩)いや、それ写真集自体が出てくるんですけど、そっくりなんですよ。僕が作った本と。

(山里亮太)あ、じゃあもう確実にそうだ。名前が近いだけじゃなくて。

(町山智浩)そう。でもこれ、たぶん2人か3人しかわからないネタだなと思って。びっくりしたですよ。

(江藤愛)へー。町山さん、ちゃんと気づいて、ねえ。

(町山智浩)作った本人だから当たり前ですよ。そんなもん。

(山里亮太)見てる人でね、気づいてる人いるなら、町山さんのね、大ファンとかいう人はみんな気づいてるのかな?これ。

(町山智浩)わかんない。これね、びっくりしましたね。なんでこんなものがネタになってるんだろう?と思ってね。

(山里亮太)えー、監督と話した・・・?

(町山智浩)監督とは会ったことないんで。たまたま写真集が好きだったんだと思うんですね。そう。でもこの福福荘の福ちゃんっていうのはね、本当に、これで面白くなるのかな?と思うじゃないですか。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)なるんです。どんどん面白くなっていくんですよ。

(山里・江藤)へー!

(町山智浩)ただ、言えないんですよ。ギャグがこう、説明しちゃうとつまんないから。

(山里亮太)あ、結構面白いギャグがふんだんに入っている感じですか?

(町山智浩)最初ね、ぜんぜんわからない2つの話が同時に進行しているから、大丈夫かな、これ?って思ったら、どんどん面白くなっていく。

(山里亮太)あ、そのパターンのやつ、面白いですよね。それが絡み合っていって、どっかで1つになって。つながっていく。へー。

『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』

(町山智浩)そう。で、結構怖い話とかもちゃんと描いていて。その楽しい楽しいっていう話だけじゃない映画になっていて。よくなってるんですよね。あとね、これ。『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』。


(山里亮太)きましたね!

(町山智浩)これがね、すごかったですよ(笑)。

(山里亮太)見たんですか?

(町山智浩)見たんですよ。これ、やっぱり劇団ひとりさんが置かれた状況の中でいかにそのアドリブを入れていくか?っていう話なんですけど。本当にしょうもない状況に置かれるんだけど、彼はそれをドラマチックに変えていくんですよ。状況を。

(山里亮太)そうですね。

(町山智浩)でね、この映画はね、今年最高のセリフ賞をあげたいですね。劇団ひとりさんのアドリブに。

(山里亮太)えっ?

(町山智浩)これはあげたかった。これね、彼が最後に・・・まあ、状況を説明できないんですけど。あるセリフを言うんですよ。『現実がそんなにつまらねえなら、俺が面白くしてやろうじゃねえか!』って言うんですよ。『うおーっ!カッコイイ!』って。

(山里亮太)いいセリフ。これ、アドリブですからね。ひとりさんの。

(町山智浩)そう。で、それがね、海月姫の中にもそういうセリフが出てきて。『いま戦わないで、いつ戦うんだよ!』っていうセリフが出てくるんですよ。菅田くんのセリフなんですけども。それで、『そうやって一生グズグズやってんのかよ!?』って。この映画、どれもそうなんです。紙の月もそうなんですけど。百円の恋もそうなんですけど。日常を突破しなきゃしょうがねえだろ?っていう話なんですよ。どの映画も。

(山里亮太)ほう。

(町山智浩)だから、見るとものすごい元気になってくるんですよ。で、紙の月なんてこれ、要するに横領する話じゃないですか。で、横領はいけないんだよってオチになると思うじゃないですか。

(山里・江藤)はい。

(町山智浩)ぜんぜんそうならないんですよ。

(江藤愛)えっ?しっぱなし?

(町山智浩)これはまあ、見てください。はい。

(山里亮太)なに結果聞こうとしてるのよ?

(江藤愛)(笑)

(山里亮太)なに?『しっぱなし?』って。

(江藤愛)全部聞きたくなっちゃうんですよ(笑)。

(山里亮太)それ、見に行くのよ。そういう時は。

(江藤愛)そうですね。行きましょう。

(町山智浩)だから『人のお金を勝手に取ったりするってことはいけないことだ』みたいな映画じゃないんです。

(山里亮太)『こんな末路が待っているよ』じゃないと。

(町山智浩)ないんですよ。百円の恋もそうですけど。やっぱりね、『突破しなきゃなんないんだ、人間は。いつか』。

(山里亮太)現状をグジグジ言ってないで。

(町山智浩)そう。そうですよ!それだ、薬は。

(山里亮太)必要な映画ばっかだったなー。

(江藤愛)山ちゃん、耳が痛いね。

(町山智浩)そういうね、『面白くするためだ!』っていうことですけど。でね、すごくこの映画、全部を代表するようなね、主題歌が福福荘の福ちゃんに流れるんでね。最後に聞いていただきたいと思うんですけど。はい。上條恒彦さんの『旅立ちの歌』っていうのがこの福福荘の福ちゃんの主題歌なんで。これ、すごいいい歌なんで、ぜひ聞いてください。



(江藤愛)はい。『旅立ちの歌』。

(山里亮太)この歌、サビのところを聞いて、『ああ、あれだ!』っていう。

(町山智浩)そうなんです。これは要するに、乾いた日常ですよ。そこの中でもう鬱々としてて。でも、突破しよう!宇宙を目指せ!っていう歌なんですよ。インターステラーみたいな話です。違いますけど(笑)。

(山里亮太)インターステラー(笑)。違う星を探しに行かないと。

(町山智浩)違う星を探しに行こう!グズグズしてんじゃねえ!っていうね。今回紹介した日本映画はどれもね、そういうテーマになっていて。『ここが嫌だったら、ここから出ろよ!』っていう話ですね。

(山里亮太)なるほど。

(江藤愛)自分でなんとかしろと。

(町山智浩)そう。

(山里亮太)そっか。見て元気になれる。

(町山智浩)どれも元気になれるし、いまちょうど公開中の映画も入ってるんで。

(山里亮太)海月姫はでも、僕も見に行こうと思ってましたね。それ以外も見に行こう。

(江藤愛)菅田さんに惚れないでくださいね。

(町山智浩)菅田さんに惚れちゃいますよ。

(山里亮太)いやー、急に俺がちょっとそういう感じになって・・・

(町山智浩)もう女にモテないから、男でいいや!ってなるでしょ(笑)。

(江藤愛)(笑)。そっちの方に。

(山里亮太)次に俺がスカート履いてきたら、ゴメン。

(江藤愛)もう嫌だ(笑)。

(町山智浩)女装の方向に行くの?それ(笑)。

(山里亮太)私もキレイになりたい、みたいな。

(江藤愛)違う方向に行っちゃうという。でも、ぜひみなさん、この年末年始にね、ご覧いただければと。

(山里亮太)元気になれるやつ。

(江藤愛)はい。ということで今日は2014 おすすめ日本映画をご紹介してくれました。町山さん、もうお帰りですか?年明けに。

(町山智浩)はい。帰ります。

(江藤愛)来年もよろしくお願いいたします。

(町山智浩)よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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