町山智浩 ロビン・ウィリアムズ おすすめ作品5本を語る

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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で急逝したロビン・ウィリアムズ作品を特集。おすすめの作品5本を紹介していました。


(赤江珠緒)それでは映画評論家町山智浩さん。今週もアメリカ カリフォルニア州バークレーからお電話でのご出演です。もしもし、町山さん。

(町山智浩)はい、町山です。よろしくお願いします。

(赤江・山里)よろしくお願いします。

(赤江珠緒)町山さん、今日は急遽予定を変更して。内容を変えてくださったということで。

(町山智浩)アメリカ時間の今日。いま、アメリカでは夜11時なんですけども。今日の午後に俳優のロビン・ウィリアムズさんが亡くなられて。それで今回、その話をしようと思って変えました。

(赤江珠緒)日本でもね、朝方のニュースで入ってきましてね。びっくりしました。

(町山智浩)で、うちの近所ってこともないんですけど、僕の住んでいるところはバークレーっていうところなんですけど。サンフランシスコから橋を渡ったところなんですね。で、サンフランシスコの方にある高級住宅地に彼、家があったんですよ。で、サンフランシスコからさらに、もっと金持ちが住んでいる地域がありまして。ゴールデンゲートブリッジってありますよね?金門橋って言われている。日本では。それを渡った先に、もっと金持ちが住んでいるところがいっぱいあるんですけど。サンフランシスコには。そのへんに住んでいたんですね。で、そこの自宅でロビン・ウィリアムズが亡くなっているということが報道されまして。まだ詳しいことはアメリカでもほとんどわかってないんですが。

(赤江珠緒)あ、そうなんですか。

(町山智浩)死亡した状況とかですね、遺書はあったのか?とか、まだ報道されていません。ただ、自殺ということですね。それで直接の死因は窒息死ということになっていますんで。まあ、首を吊ったんじゃないか?って言われてますけど。詳しいことはまだわからないんですよ。

(赤江珠緒)そうですか。63才ですもんね。まだまだお若くてね。

(町山智浩)63才ですね。で、この人は昔からすごくドラッグ中毒とかアルコール中毒がひどかったんですよ。

(赤江・山里)へー。

(町山智浩)はい。で、すごく有名なのはコメディアンで。この人もコメディアンなんですけど、コメディアンの先輩にあたるジョン・ベルーシっていう人がいたんですね。ジョン・ベルーシっていうのは『ブルース・ブラザーズ』のデブっている方ですね。わかります?

(山里亮太)はい。

(町山智浩)彼はドラッグやりまくって死んだんですけど、やりまくっている現場にいた人なんですよ。このロビン・ウィリアムズっていう人は。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)彼と一緒にホテルでコカインとヘロインを混ぜたものをやっていて。で、ロビン・ウィリアムズの帰った後にジョン・ベルーシは死んでるんですよ。そういう仲間なんですけど。ドラッグ仲間で。それで最近もアルコール中毒で。特に最近はクスリだけ・・・まあしょっちゅうリハビリ施設に入ってるんですけども。クスリだけじゃなくて、まあ男の人はある程度、50・60ぐらいになると鬱病になりやすいんですよね。で、鬱病だったという風に言われてるんですよ。で、治療をしていたと。

(赤江珠緒)最近はもう、作品に出たりとかは?

(町山智浩)最近も映画に出てたんですけど。なんていうかね、この人は元々コメディーの人なんですけども。それよりはシリアスでちょっと暗い映画で。はっきり言うと、殺人鬼の役をやったりするようになってきたんですよ。ここ何年かは。で、ちょっと傾向が変わってきてたんですよね。だから本人もあまり昔みたいに・・・この人、昔は異常にテンションが高くて。

(赤江珠緒)そんなイメージ、ありますよね。

テンションが高いウザい演技

(町山智浩)はっきり言うと、ウザかったんですよ。演技がウザかったんですよ、この人。ギャギャギャギャッ!ってやっているから、もう見たくねえなって時も僕もありました。ものすごいクドい時があって。ただ、最近はどんどんすごく暗い、ダークな方にいっていたんで。どうしたのかな?って思っていたんですけど。ただ、『ハッピーフィート』っていうアニメーションがありましたよね?覚えてます?ペンギンちゃんがいっぱい出てきて歌ったり踊ったりするミュージカル。

(赤江・山里)あー!

(町山智浩)あれに出ていた時はすごく楽しい演技をやっていて。まあ、声だけ出していたんですけども。元気になったのかな?とか思っていたんですけどね。はい。

(赤江珠緒)そうだったんですね。

(町山智浩)で、まあロビン・ウィリアムズの作品って、赤江さんはどんなのをご覧になっています?

(赤江珠緒)ええとね、『いまを生きる』とか『ミセス・ダウト』も見ていますね。


(町山智浩)はいはい。最大のヒットですよね。彼の。ロビン・ウィリアムズのね。

(赤江珠緒)見事な、おばあちゃんみたいな、女の人にね。

(町山智浩)はい。ミセス・ダウトは要するに離婚した旦那なんですけど。彼は。ロビン・ウィリアムズは。で、奥さんが自分の子どもと暮らしているわけですね。それで心配だから見に行きたいわけです。で、奥さんは新しい旦那を探しているらしい。それで、家政婦さんに化けていくんですよね。その家に入り込むんですよ。前の旦那が。っていう話でしたよ。覚えてないんですか!?

(赤江珠緒)そうそうそう。いやいや、そのおばあちゃんみたいな女の人の役になった時の印象がすごく強くて。

(町山智浩)ストーリー、覚えてないんですか!?

(赤江珠緒)(笑)。正確には。そうそうそう。家政婦さんになるんでしたっけ?

(町山智浩)ちょっと待ってよ(笑)。

(山里亮太)すいません、町山さん(笑)。

(町山智浩)なんなんだ。『見た』っていうから、覚えているのかと思ったら(笑)。

(赤江珠緒)いや、見たんですよ。はい。

(町山智浩)(笑)。まあ、特殊メイクでね、60ぐらいのおばさんになるんですね。ロビン・ウィリアムズが。でもそれが非常にメイクもすごいんですけど、彼の演技が完璧なんですよ。おばさんっぽさっていうのがね。

(赤江珠緒)そうそうそう!それ、それ(笑)。

(町山智浩)で、自分の息子たちに気づかれないようにして、子どもたちにも教育するっていうね、すごくいい話で。しかもそれを通して、父親としてはぜんぜんダメだったんですよ。ロビン・ウィリアムズは。だから離婚されちゃったんですけども。家政婦になって、親として自分も成長するっていうすごくいい映画がね、ミセス・ダウトでしたね。

(赤江珠緒)うん。はい、そうです。

(町山智浩)覚えてねーな、この野郎!(笑)。

(山里亮太)(笑)

(赤江珠緒)その通りです(笑)。

(町山智浩)もう、困ったもんだ(笑)。

(赤江珠緒)それがいいたかったんです。ぎゅっとまとまった。

(山里亮太)『おばちゃんになる映画』っていう認識でしたね(笑)。

(町山智浩)もう(笑)。山里さんはなんか、ロビン・ウィリアムズの映画見たのありますか?

(山里亮太)あの、『パッチ・アダムス』の人ですよね。


(町山智浩)パッチ・アダムスです。はい。

(山里亮太)あ、よかった!それは見ましたよ。さすがに。

(町山智浩)あれ、鼻に赤いのをつけて。子どもたちがね、病気で。死ぬかもしれないっていう子どもたちをギャグで励ますお医者さんっていう役でしたね。

(山里亮太)そうそうそう。笑いで癒していく。

(赤江珠緒)あー、それも見た。それも見た。

(山里亮太)本当?赤江さん。

(赤江珠緒)ピエロみたいになってね。

(町山智浩)コメディアンなんですけど。そういう役が非常に多かったですね。

(山里亮太)そう。明るいイメージですよね。だから。

(町山智浩)そうなんですよ。でもね、コメディアンの人って日本もアメリカも世界中そうだと思うんですけど。人前に出るときにものすごく明るくしなきゃならないから・・・

(赤江珠緒)テンション、ガーッ!っと上げて。

(町山智浩)そう。私生活はそうでもない人が多いですよね。

(赤江・山里)あー!

(町山智浩)っていうと山里さん、なにも答えられないようですが。

(山里亮太)(笑)。暗くなりますからね。家に帰ると(笑)。

(町山智浩)そう。やっぱりそれは上げとかないといけないから。普段も上げたら、辛くなっちゃうもんね。

(赤江珠緒)そりゃそうですよね。人間、いろんな感情がありますから。そりゃあ。

(町山智浩)あのね、ジム・キャリーっていうコメディアンっていうかコメディー俳優の人。あの人もそうで。あの人は結構そういうことを話すんですよ。『人がいなくなったりカメラが向いてないと、スーッと暗い顔になっちゃうんだよね、俺』って言ってましたよね。

(赤江珠緒)あの人もテンション高いじゃないですか。演技が。

(山里亮太)想像できないよね。

(町山智浩)カメラが回っているとガーッ!ってテンション上がるから、その反動がもうガーン!と落ちるんですって。

(赤江珠緒)うわー、すごいなー!ずーっとテンションが高い人もいますけどね。

(山里亮太)柳沢慎吾さんね。

(赤江珠緒)松岡修造さんとかね。

(町山智浩)(笑)。ウザいねー。

(赤江珠緒)熱いんですよ(笑)。

(山里亮太)町山さん、僕らは熱いものだと(笑)。ウザいじゃないですから。

(町山智浩)あ、そうですか(笑)。でもね、この人のいちばんすごい演技っていうのはね・・・あ、そうだ。ロビン・ウィリアムズを知らない人のためにね、この映画は見ておけ!っていう話をしておこうと思うんですね。で、この人のコメディアンとしてのものすごさっていうのがわかる映画をまず紹介すると、誰が見ても爆笑できるのは『バードケージ』っていう映画です。


(赤江珠緒)バードケージ?

(町山智浩)1996年の映画ですけど。これは彼がゲイなんですね。で、昔ちょっと女の人とエッチして、子どもがいて。その子どもが大人になって、今度結婚すると。で、向こうの親に会わなきゃいけないわけですよ。仮祝言みたいな感じで。でもやっぱり昔なんで。1996年の段階だからまだゲイであることはやっぱり結婚の障害になったんですね。息子のね。で、しかも彼には妻がいるんですよ。男の。

(赤江珠緒)えっ?彼に・・・

(町山智浩)お互いおっさんなんですけど。別に『えっ?』じゃないです。アメリカでは男同士の結婚は当たり前ですから。別に『えっ?』じゃないです。男の妻もいます。女の夫もいます。アメリカには。

(赤江・山里)ふんふん。

(町山智浩)で、ただこれは向こうには嫌われるだろうと思って、要するに普通の人のふりをするんですね。ゲイじゃないふりをするんですよ。で、そういう話なんですけど、そこでのロビン・ウィリアムズのゲイぶりっていうのがすごいんですよ。これがものすごい笑えるんで。これ、ものすごいんでちょっとね、バードケージは見てもらえるとすごい。しかも、泣かせるんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうですか。

(町山智浩)はい。あとね、コメディアンとしてのすごさっていうのはね、『グッドモーニング, ベトナム』っていう映画があってですね。これは実際にベトナム戦争。1965年ごろにベトナムでですね、米軍のためにラジオ放送をしていたDJの人がいて。その人の話なんですね。で、この人はまず、ロビン・ウィリアムズは『Good morning,Vietnam!』って言いながらラジオ放送を始めるとですね、最初の2分間、まったく途切れないで延々とギャグを続けるっていうシーンがあるんですよ。


(赤江珠緒)えっ!

(町山智浩)冒頭で。で、ギャグをやりながら、しかもいろんなテレビ番組のマネをして。しかもテレビ番組のジングルも口真似して。音楽も自分でマネして、効果音も全部やっていろんな人物の声も全部自分で出し分けて。2分間、ずーっと冗談を言うっていうシーンがあるんですね。冒頭で。

(赤江珠緒)すごいなー。

(町山智浩)これ、すごいんですけど。どう考えても、なにかの薬物をやっているとしか思えないシーンなんですけど(笑)。そういう人だったんで。

(山里亮太)かなりハイなんだ。

(町山智浩)これはすっごいんですよ。で、これはね、彼の芸が・・・『げい』ってこっちのじゃ・・・

(赤江珠緒)芸能ね。芸能の方ね。

(町山智浩)そう(笑)。が、炸裂している映画で。グッドモーニング, ベトナムっていうのは。このね、2時間の映画の間に、ありとあらゆる彼の話芸を全部見せるという映画なんですね。で、しかもベトナム戦争なんで。軍の放送なんで。戦争でアメリカ軍がどんどん負けているわけですね。実際は。それを言っちゃいけないんですよ。

(赤江・山里)あー。

(町山智浩)でも、言っちゃうんですよ。だんだんそれで彼が居場所がなくなってきて・・・っていう話なんですね。だからこれは結構最初の方はものすごいギャグで飛ばしていて、後半ですね、だんだんだんだん、なんか彼が居られなくなっていくところとかシリアスに変わっていくっていう映画なんですけども。このへんで1人のロビン・ウィリアムズっていう人の、ただ楽しい演技からそうじゃないところを見せていくところとか非常に上手いんで。グッドモーニング, ベトナムはこれ、おすすめなんですが。

(赤江珠緒)ふーん。

(町山智浩)で、だんだん彼がですね、コメディーじゃなくなっていくんですよ。演技が。そこからが、実はいいんですよ。ロビン・ウィリアムズっていう人はね、実はギャグの人だと思われているんですけど。ギャグじゃない映画の方が、実はすごくいいんですよ。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)でね、『フィッシャー・キング』っていう映画があるんですね。これがね、ちょっと怖い話なんですけども。これ、1992年の映画なんですが。あるラジオのパーソナリティーがいるんですよ。で、その人は過激なことばっかり言うことで人気を得てて。この人はジェフ・ブリッジスっていう人がやっているんですけど。で、ラジオの電話相談を受けているんですね。で、暗い男がですね、相談してくるんですけども。『金持ちばっかり集まっているレストランで俺は彼女にフラれた』みたいな話をするんですよ。


(山里亮太)はい。

(町山智浩)そうすると、『金持ちなんかこの世にいなくていいんだから、みんな滅びちまえばいいんだ!』とかラジオのパーソナリティーが言っちゃうんですね。そしたらそれを真に受けて、そのラジオで相談した男がそのレストランで客を皆殺しにしちゃうんですよ。

(赤江・山里)おおー・・・

(町山智浩)で、そのラジオのDJはそれを煽ったっていうことでですね、もう地位を失ってしまって。で、もうどうしようもないんで自殺しようとするんですね。そうすると、それを助けてくれたおっさんがいるんですね。浮浪者の。っていうか、ホームレスのおっさんが助けてくれるんですよ。彼を。で、助かった!と思って助けられたんですけど、その人はどうも、なんかおかしいんですね。それはロビン・ウィリアムズが演じているおっさんなんですけど。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)『俺は、私は実は神に選ばれた騎士なんだ。ナイトなんだ。アーサー王が探していた聖杯を探し求めているんだ』って言うんですね。で、『この人おかしいわ』って思って逃げようとするとわかるのは、『彼は前は普通の人だったんですけど、おかしくなっちゃったんです』って他の人に聞かされるんですね。『なぜならば、あるレストランに行った奥さんが、そこで何者かに殺されてしまったからなんだ』って。

(赤江珠緒)うわー!

(町山智浩)『あるDJがそれを煽ったらしいんですよ!』って。で、『うわーっ!俺のせいだ!』って思って。主人公が。で、おかしくなっちゃったロビン・ウィリアムズを救ってあげることが自分自身が立ち直る道なんだって思って、立ち直ろうとするっていう話なんですね。それがフィッシャー・キングっていう映画で。これはすごいよく出来た映画で。『フィッシャー・キング』っていう言葉自体がね、すごく難しい、昔の神話から来てるんですけども。フィッシャー・キングっていう王様が昔いたっていう伝説があるんですね。

(赤江・山里)ふーん。

(町山智浩)で、その人の体力が衰えて病気になると、その国が衰えていくっていう伝説があったんですよ。で、その王様を元気にしないと国もみんな滅びてしまうんだっていう伝説があって。だからこのロビン・ウィリアムズはその王様なんだと。だから、彼を助ければ俺も助かるんだ!っていう風に考えていくっていう話なんですね。で、いままで人を傷つけることで逆に金儲けしていた毒舌ラジオパーソナリティーがそれで立ち直っていくっていう、いい話がね、フィッシャー・キングなんですよ。

(山里亮太)へー。面白そう。

(赤江珠緒)そうか。神話というか、伝説みたいなタイトルがついてるんですね。

(町山智浩)そうなんです。だからなんだかフィッシャー・キングっていうタイトル、わかんないんですよ。普通。なんのことを言ってるのか?って。だからその中で突然説明が出てきてわかるようになるんですけどね。はい。で、あとね、『ガープの世界』っていう映画があるんですね。


(赤江珠緒)ガープ。はい。

(町山智浩)ガープの世界。『ガープ』って『ゲップ』って意味なんですけど。『グプッ』っていう音なんですけども。これはね、主人公のロビン・ウィリアムズのお父さんが言った言葉なんですね。グブッ!っていうのがね。どうしてか?っていうと、お父さんは脳死状態でもって病院にいたんですよ。で、お母さんがその看護婦さんで。子種がほしいからってそのお父さんの上に乗っかっちゃって子種をもらうんですよ。

(赤江・山里)ふん。

(町山智浩)意識不明のお父さんの上に乗っかって。で、その時にお父さんの口から出た言葉がグプッ!だったんで、ガープって子どもに名前をつけたっていう話なんですね。

(赤江珠緒)えっ、ちょっとちょっと・・・ええっ!?そうなんですか?

(町山智浩)そうなんですよ(笑)。で、そのガープが歩んでいく人生を描いているんですけど。これ、ジョン・アーヴィングというですね、非常に不思議な作家が書いた原作が元になっているんで。もう次から次に、こうなんていうかジェットコースターのようにいろんなことが次々と起こって。そのほとんどが悲劇なんですよ。人が死んだり、暴力とか。ただ、それをコメディーのように描いてる映画なんですよ。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)で、これが本当に不思議な映画で。ガープの世界っていうのは説明してもたぶん何もわからないし。映画を見ても『いったいこの映画はなんだろう?』って思うような映画なんですけども。ただ、この映画はすごく主題歌として使われているのがビートルズの『When I ‘m Sixty Four』っていう歌で。『私が64才になったら』っていう歌なんですね。



(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)で、ロビン・ウィリアムズは63才で亡くなっちゃったんですよね。

(赤江珠緒)うわー、そっかー・・・

(町山智浩)ちょっとね、この映画見るとね、いまは非常に胸に迫るものがあるなという感じなんですけども。で、ロビン・ウィリアムズで最もおすすめの映画っていうのは、赤江さんがご覧になった『いまを生きる』なんですよ。

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(赤江珠緒)いまを生きる。はい。これはいいですよね。

(町山智浩)1990年の映画で。これ、中学生か高校生ですか?ご覧になったの。

(赤江珠緒)高校生ぐらいだったと思うんですよね。はい。

(町山智浩)じゃあ、すごい感動したでしょ?

(赤江珠緒)感動しました。もう学生たちの青春と。それに対して先生が言ってくれる『いまを生きる』っていう言葉ね。

(町山智浩)はい。そうそう。これ、爆笑問題の太田くんも大好きな映画ですよね。

(赤江珠緒)あ、そうかそうか。

(町山智浩)これもね、実際にあった話で。1950年代に学校の先生がいてですね。その人をモデルにした話なんですけども。これ、イーサン・ホークっていう俳優が高校生で出ている映画なんですけどね。で、学校の先生がロビン・ウィリアムズで。国語の先生としてやってくるんですけども。いきなり『教科書を捨てろ!』って言うんですよ。『教科書を破り捨てろ!』って言うんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)生徒たちに。『そんなもんではもう勉強なんてできないんだ』って言って。学問よりも生き方みたいなものを教えていく先生なんですよ。で、『いまを生きよ!いま、この瞬間を生きるんだ!明日には死ぬかもしれないから』っていう話をして。生徒をどんどん煽っていくんですね。で、その中でね、すごく僕自身がこの映画を見た時はもう会社員だったんですけども。すごく辛い時があって。会社の中で立場がなくてですね。もうこのままだとどうしようもないのか?と思っていた時にこの映画を見たんですけど。そこでロビン・ウィリアムズ扮する先生がですね、すごくいい話をするんですよ。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)ロバート・フロストっていう詩人の詩を紹介するんですね。『森の中で道が二手にわかれていた。どっちに行ったらいいかわからなかった。ただ、ひとつの道はみんなが通った道だ。すごくキレイにみんなで踏み固めていて、歩きやすそうな道があった。いっぱいの人がこっちの道を通ったんだ。もうひとつの道は、あんまり誰も歩いていない道だった。どこに行くかわからない道だった。でも私は、みんなが歩いてない道を選んだんだ』っていう詩なんですね。

(赤江・山里)うん。

(町山智浩)で、それは『自分の歩く道は自分が作らなければいけないからだ』っていう話をするんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうだ。そんな感じ。

(町山智浩)で、俺は『まあいいか』って思ったんですけどね(笑)。

(山里亮太)えっ?ちゃっとそっちの、あまり・・・

(赤江珠緒)町山さんがね、会社で立場がなくなっているのは、なぜ立場がなくなったか?っていう話はまたね、おいおい聞きたいですよね。

(山里亮太)そこ、掘り下げて聞いちゃいけないんじゃない?

(赤江珠緒)なにをやらかしたのか?

(町山智浩)まあ、ひどい道だったけれどもねっていう話ですよ(笑)。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)人のいない方いっちゃって失敗したんですけど(笑)。今日はロビン・ウィリアムズの話だったんで、最後にロビン・ウィリアムズが『ハッピーフィート』っていうさっきいったペンギンの映画で歌っていたですね、『My Way』。スペイン語版なんですけども。まあ、最後に聞いていただけるといいかなと思います。


(赤江珠緒)はい。わかりました。じゃあそれをね、聞きながら町山さん。今週はお別れということで。

(町山智浩)My Wayなんで。自分の道っていう歌です。

(赤江珠緒)はい。ありがとうございます。



<書き起こしおわり>

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