菊地成孔 少女時代『GALAXY SUPERNOVA』とMAXの共通点を語る

菊地成孔 少女時代『GALAXY SUPERNOVA』とMAXの共通点を語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』第6次韓流最高会議で、少女時代が最新曲『GALAXY SUPERNOVA』でMAX的お姉さんへとイメージチェンジしたと語っていました。

(菊地成孔)そしたらですね、もうこの番組のキモですからね。ここは本当に評価が分かれてるところで。私、あまりラジオでブログの話はしたくないんですけど。自分のブログに書いたんですけど、今回の新曲に関しては、もう両手をあげて、OK!なんですよね。三角でもないと。マルなんだと。ただまあ、三角の方、バツの方もたくさんいらっしゃるみたいなんで。まあ既に最初のころこの番組はわざとね、わざとじゃないですけど、少女時代特集っつって少女時代の曲かけたらバカだろ?っていうぐらい少女時代売れてたんで、他のものばっかりかけて怒られてたりしたんですけど。いまや逆転しちゃって。

(韓東賢)(笑)

(菊地)この番組で少女時代の新譜を知るっていう人もだいぶ増えてきたっていう状況ですので。

(韓)合ってきちゃいましたもんね。何か、変に。

(菊地)丸々オンエアーしようと思いますけどね(笑)。

(韓)いや、すっごい。勝手にプロモーションしちゃってますけどね。ちょうど発売日が昨日?今日?とかそんなタイミングでしょ?

(菊地)収録日ですね。では、そのお盆も働く少女時代の日本のシングルですね。これ、日本盤ですから日本語ですけど。『GALAXY SUPERNOVA』、ちょっと聞いてみてください。

少女時代『GALAXY SUPERNOVA』

(菊地)はい、少女時代で『GALAXY SUPERNOVA』でした。韓さん、どうですか?正直、聞いた感じは?

(韓)いや、改めてちゃんと聞いたら、でもかっこいいはかっこいいですね(笑)。クールな感じ。

(菊地)この韓流最高会議に関してのみ特化された話なんですけど、やっぱりラジオは画が見えないっていうのがね、辛いところですね。これやっぱり、もう今やこういったものは当たり前ですけど、PVと一緒に見てナンボですから。

(韓)K-POPのアイドルは特に。そこ完全に込みなんで。

(菊地)そうですよね。だからPV見ていただきたいんですけど。私、この曲でとにかく強く感じたのは、少女時代がお姉さんになったということなんですけどね。その、おばちゃんになっちゃったんじゃないし、たとえばそのままキープオン・・・別にキープオンしても、バチは当たらない人たちじゃないですか?むしろ、1個前まで何しようとしてたか?っていうと、もっとちびっ子の、ガールが大騒ぎ!っていうところに行こうとしたわけでしょ?

(韓)うんうん。

(菊地)それがね、突如としてこの曲で『お姉さん』っていうところに。まあ、たとえばですけど、韓さんとの知り合いも、そんなに最近じゃないじゃないですか?思えば長いですよね。

(韓)2002年?3年?ってことはもう、10年たってますね。

(菊地)ですよ。なので、韓さんの、ライブに来ていただいた時とか、写真とか撮ったりしてるわけですよ。まあまあまあ、たとえばの話ですよ。でね、韓さんの写真撮ったりするじゃないですか。それで、番組のサイトとか、上がるじゃない?そうすると、私も人のこと言えないですけどね、よく宮藤官九郎さんに似てる!とか言われて、似てないんですけど。

(韓)(笑)

(菊地)それどころかね、わかってもらいたいのは、むしろ私は松尾スズキさんと同い年なんで。そのエイジングっていうのが気候と一緒で、冬寒いとかね、ああいうのと同じでおかしくなり始めてるじゃないですか。で、韓さんの写真見ると、もうすでに、韓さん、年バレ大丈夫ですよね?

(韓)あ、全然いいですよ。

(菊地)いま、私の記憶がたしかなら、45。

(韓)今年、45。もうすぐ45。

(菊地)四捨五入すれば、もう100というね。

(韓)(笑)。あまちゃんだ!

(菊地)(笑)。あまちゃんネタも挟んで。松尾スズキさんと同い年なんだってことを強調したいですよ。まあ、それはいいんですけど。その写真を見ると、角度によってはもうオモニっていうか。オムニだっけ?もうお母さんっていう。45以上に見える時と・・・

(韓)(笑)。あります?っていうと、自分がすごく若いと言ってるみたいですけど。

(菊地)いやいや、じゃなくてね。と、同時にもう一気に小娘みたいな。まだ17・8の人みたいな顔がこう、合致しちゃっているイメージがあるんですよ。間が飛んでいるっていうか。なんかね、私の個人的なイメージですけど、34・5・6っていうものが、なんか地球上から消えてしまっているようなイメージがあるんです(笑)。

(韓)それはなんですか?たとえば私とか誰か、じゃなくて全体的に?

(菊地)全体的に。で、全体的になんですけど、特に韓国とかどうなのかな?と思ったんですけど。少女時代は、言っちゃ話戻りますけど、11年日本デビューという意味ではですね、同じようなデビューの仕方をしたバンドにね、まあ韓さんもよくご存知の、この間ライブも来ていただいたキラースメルズ(KILLER SMELLS)なんかもそうなんですけど(笑)。

(韓)(爆笑)。すごい!少女時代とキラースメルズを比較して・・・

(菊地)まあ、11年日本デビュー組っていう意味ではね、同じなんですよ。で、彼らもね、休んだりやったりしてるわけですよ。何にも変わんないね。デビューした時から。全く年とってないようなイメージ。ところが、今回少女時代が見せたものっていうのは、私この曲にものすごいチアーっていうか応援。いい!って思ってるんですけど、今回のスタッフは、まず第一に前から路線を変更してくれたってことだけで、もう二重丸ですし。

(韓)うんうん。

(菊地)なんかニッキー・ミナージュ風っていうかね。結構やんちゃな格好した女の子が大騒ぎっていう状態から、お姉さんのディスコに戻してくれたっていう。しかも、ディスコに戻した上に、お姉さんになっていたっていう感じなんですよ。画みた時の感じが。コスプレしないっていうのもあるんですけど。今回コスプレといえば、サマンサタバサのジーンズを着るっていうのがコスプレなんだけど。

(韓)(笑)

(菊地)だから、コスプレじゃないじゃないですか。タイアップですよね。タイアップというかヒップアップというか、そういうテーマじゃないですか。この歌自体が。んで、かなりお姉さんになったなっていう、このお姉さん感ってなんだろう?って考えた時に、MAXじゃないかな?って思ったの(笑)。

(韓)(笑)

(菊地)MAX。MAXはお姉さんだったじゃないですか。

(韓)MAXって聞いて、ちょっとなるほどって思ったのが、韓国ってアイドルの成功のプロトタイプで、あんまり・・・過渡期なんで、私よく言うのはスーパージュニアとか東方神起とか、そのもうちょっと上にはシナって。昔は続かなかったんですよね。日本で言うとSMAPみたいな何十年選手っていうのはいなくて。アイドルの歴史が浅いし、あと男の人だったら軍隊に行っちゃったりとかいろんなことがあって。あと、社会のスピードが早かったりとかいろいろ違うんで。

(菊地)はい。

(韓)ただ、そういう意味でだんだん、そういう部分は日本と同じようになってきていて。スーパージュニアも7年?8年?もっとたってるか?たぶん彼らは長続きしそうだなとは思ってるんですけど。女性アイドルでそういうグループ、いなかったんですよね。だいたい解散してソロになっちゃったりとかして。少女時代ってあの時期にKARAとかもそうだし、ワンダーガールズとかいくつか成功した中の、これからどうしていくのか?ってすごく大事で。少女時代は特に海外でものすごく成功しましたし。で、考えあぐねてたのがあの時期じゃないですか。

(菊地)そうですね。

(韓)その先をさ。さっきの女の子の大騒ぎなのか、アメリカ進出をああいう形で洋楽っぽくなってみたり。そういうので、そう言われてみたら、これはひとつそうやっている間にみんながお姉さんになっていたのか、なんかわかんないですけど・・・

(菊地)まあね、少女時代はね、年齢的には別にお姉さんじゃないですよね。ないの。だからこれはひとつ、幻想のお姉さんっていうか。要するに実年齢からいったらね、たとえばMAXの話しましたけど。MAXは今、35・6・7なんですよ。だから今、お姉さんだっていう。まあ、35・6・7をお姉さんって呼びつけて、イメージしていいのか?っていうのもまた、おかしなところなんですけど。でも、全盛期っていうかブレイクした時っていうのは、20歳前後なんですよ。

(韓)MAXが。はいはいはい。

(菊地)ただ、SPEEDのブレイクスルーとMAXのブレイクスルーが同じ96年なんで。その時に15歳平均だったか、20歳平均だったかで相対的にMAXがものすごいお姉さんに見えてしまったまま、お姉さんキャラでずっと来て。でまあ、奇しくもですけど、MAXは今、こういったいろいろなダンス、ポップチューンなんかのあれを経て、今ちょうどね、楽曲を・・・

(韓)話題になってますけどね。その曲。

(菊地)このね、MAXもね・・・まあMAXはむしろAMラジオのリスナーの方はテレビで見てるから全部聞かなくてもいいと思うんですけど。今、MAXはなぜか非常に踊りを広めたいっていう気持ちを、同時にね、エイジングだとか体を引き締めましょうっていう、TRFがダイエットのDVDを出したりする動きとリンクしてるんだか何だか・・・今、ものすごい絶賛稼働中なんですよ。少女時代とリンクしてるんですけど。稼働時期が(笑)。『Tacata’』っていうね。ちょっと聞いてみましょうか。MAXさんですね。今、現在35・6・7ですね。みなさんがよく知っている『TORA TORA TORA』とか踊っていたころはまだ20歳前後だったっていうね。

(菊地)まあこれは、なんて言ったらいいのかな?あんまり私は見ませんけど、ネットとかではすでにジャパネットたかたのCMソングじゃないか?というような言われ方をされてもおかしくないようなトラックではあるんですけど。まあ今、こういう感じで活動されてるんですね。MAXさんがね。だけどMAXさんっていちばん売れてた時にすでに30ぐらいに見えてたっていうか。なんかまあ、全部年齢のイメージが幻想で、実数値じゃないところが面白いなと思うんですけど。

(韓)ええ。

(菊地)あの頃のMAXの、お姉さんが踊ってるっていう。ソロじゃなくて、お姉さんがチームを組んで踊っているっていうのがまあ、結構ぽっこり空いてるんですよね。どこにもないっていうか。で、今回『GALAXY SUPERNOVA』聞いた時に、最初にGALAXY SUPERNOVAって聞いた段階で、すでにSUPERNOVAっていうのは言うまでもないですけど超新星のことじゃないですか。でもすでに超新星だしね。

(韓)(笑)

(菊地)あと、サマンサタバサ。別にサマンサタバサに何の文句もないですけど。ただひとつの結果として、サマンサタバサはゴシップガールみたいな人(テイラー・モムセン)と組む時はタイアップ、すごく成功するんだけど、ディスコミュージック寄りのシンガーと組んだ時に、すでに近い形では記憶に新しいのはAKBのアヒルちゃん(板野友美)がソロになった時に、提携して軽くアヒルちゃんを撃ち落としてしまったってことがありますから。ちょっと不安要素とかですね、疲労要素っていうか。カメラが1カメだし・・・とかね。そこが素晴らしい!っていう人も多いんですけど。いろいろ感じたんですけど、結局その不安要素も疲労要素も全部払拭してですね、かなり大人っぽくなったなっていう感じがしてですね。

(韓)うん。

(菊地)とまあいろいろ細かいこと言うとね、ハイハットが入ってないって。上のチッチッチッていうのがなくて、ディスコマナー、まあダフト・パンクなんかもそうなんですけど、高いところに音が置けるんですよ。上が空いててね、チッチッチッていうのが抜いてあって、すごいよく出来てるんですよ。それでなんかね、寂しいっていうか(笑)。騒いでるんだけど、銀河系とかいって騒いでるんだけど、ちょっと寂しいよなっていう感じも含めて、よかったな少女時代って。

(韓)それは何ですか?本人たちもね、大人向けって言ったら変ですけど、大人に訴えかける何かがあるんですかね?

(菊地)日本はもうこういう国ですから、大人の女になります、ですとかっていうのがね、あとさっき言ったように30代中後半から40代に向けてって、たぶんすごい恐怖の時代で(笑)。それ過ぎちゃうと、図太くなっていくんだけど。一種その時代は無いことにしたいな、みたいなことがたぶん北東アジアでいちばん強く定着している国だと思うんですよ。

(韓)はい。

(菊地)そんな中、どうなんだろうな?その韓国一般っていうのはどんな感じなんだろう?って思って。大人の女とかより、お姉さんって。さすがにね、アダルトとは言わないんですけど、お姉さんぐらいの感じっていうのはないんですか?

(韓)あると思いますよ。

(菊地)芸能の中にあるんですか?

(韓)芸能・・・あると思いますね。なんかそのセクシーなお姉さんみたいな。だから大人数のアイドルグループは少女時代っていう名前から明らかなように、基本的に少女・かわいいっていうので、まだそれが大人っていうかお姉さんになる時代はまだ来てないけど、そうなると解散しちゃって。ソロのお姉さんみたいなのはいっぱいいますよね。

(菊地)ですよね。で、ソロのセクシー系の人は私も腐るほど買ったんですよ。

(韓)(笑)。G.NA(ジーナ)さんとかでしょ?

(菊地)そうそうそう。

(韓)あの辺の。

(菊地)ジャケ買いできるから。

(韓)あの辺がお姉さんですよ。

(菊地)あれがお姉さんでしょ?ですよね。だから今回の少女時代っていうのは、あれにはなってないの。

(韓)わかります。ちょっとわかります。

(菊地)なってないんだけど、MAXさんには・・・(笑)。あんまり少女時代・MAXっていうと、どっちのファンからも顰蹙買うかもしれないですけど。

(韓)でもそれが言える時代になったっていうか(笑)。少女時代に関しては。

(菊地)何て言うの?本当に、『いい意味で』っていう感じなんですけど。お姉さん感ですよね。

(韓)日本のシングルがこうなったっていうのは、そういう意味で必然かもしれないですよね。韓国向けのシングルだったら、菊地さんの言うお姉さんではなかったかもしれない。だから、逆に言うと、わからないですけど。私は聞いて返してるだけですけど、でもこれがエイジレスなお姉さん、っていう言い方でいいかわからないけど。だとしたら、今後韓国もそういうものが求められるようにおそらくなっていくから、アイドルとして長続きするっていう方向性のなにかかもしれないですね。

(菊地)ああー。

(韓)男性はちょっとそういうのを感じるので。たとえばスーパージュニアとか。

(菊地)スーパージュニアはどうなんですか?

(韓)セクシーでもなく、よくわからない人たちなんで。なんて言うか、そっちの方が長続きするじゃないですか。

(菊地)なんて言うのかな?年齢が実年齢値じゃなくてね、実年齢値から言ったら50と45だから、田中(教順)ちゃんを弟っていうのはおかしいですよね。おかしいっていうより、これはなんというかあまりにも荒唐無稽すぎますけどね、私と韓さんが結婚してですよ、私が20で韓さんは15でしょ?で、韓さんはどヤンキーで、子供産んでたとするじゃない?したら田中ちゃんが今、30だから、そういうことになりますよね。だから、もう無理くり下に頑張って下げれば、息子と言っていい歳なわけじゃない。でも弟と思っているわけなんで。まあ私に至っては20違うわけですから、弟なわけねーだろ?って思うわけです。

(韓)うん。

(菊地)だから、そういう意味では実際の年齢とイメージの年齢っていうのは結局もう乖離してしまっていて、実年齢とイメージ年齢がひとつのゲーム化しているっていうか。その時に、今回少女時代のお姉さんっぷりっていうのは半端ないな!って思って。実際年齢はさ、22から24じゃないですか?

(韓)若いですよね。

(菊地)全然若いわけでしょ?で、5年休んだわけじゃないじゃないですか?11年にデビューして、そのままポツリポツリっていろんな迷走状態もありつつですね、ちゃんとコンスタントに活動を・・・

(韓)で、ずっと売れてますからね。基本的には。特に韓国では。

(菊地)うん。KARAは・・・奇しくもKARAも韓国で出して。そっちは、もう脚出さないんだっつって。PVでとにかく肌の露出を最小限に減らして。

(韓)男装した写真とか出してましたからね。スーツ着て。

(菊地)そうですね。スーツ着て。まあノースリーブのスーツですけど。宝塚まで行かないですけど。

(韓)でもそんな感じですよね。

(菊地)男っぽくいって、そいでなんか男たちを籠絡する・・・跳梁するっていうかね。男が食っているパンとか口の中ガオーッ!って入れたりとか(笑)。足でそいつのテーブルの皿をバン!踏んだりするとかっていうPVを撮ってるんですね。それはもう、このままアイドルの歌手としてキャピキャピするか、やたらとエロくなるかっていう二者択一から上がったっていうね。大人の女にKARAがなったんだっていうところに打って出たと思うんですよ。

(韓)だとしたら、目指しているのは似てますよね。

(菊地)うん。だからね、おんなじコンセプトだと。

(韓)アイドルとしてそこ・・・だから子役が大人の女優なり俳優になる時の、あぐねるじゃないですか。いろいろと。その試行錯誤と似てますね。そう考えると。

(菊地)そうですね。だから、子役から始まった人はだいたい道踏み外す人が多いんだけど(笑)。洋の東西を問わず。いづれにせよ、これからどうする?っていう問題が必ず降りかかってくるので。KARAと少女時代・・・KARAはね、私はそのなんて言ったらいいのかな?ここらへんは放送できないかもしれないけど、名誉日本人っていうかさ。

(韓)(笑)

(菊地)なんかもう、日本に住んでいるみたいなイメージがあって。あの名誉日本人ぶりの曲作りとか振る舞いが、ちょっとあんまり私個人の好みではない。少女時代の方がブランド感とかクール感があるんで好きなんですけど。とは言え、KARAも非常に頑張ってるっていうか、一生懸命やってるわけで。

(韓)ただ、日本の最新とかはわからないんですけど、日本では相変わらずブリっ子してるんですよね。

(菊地)ものによってはね。そこが名誉日本人ですよね。なのですが、韓国で打って出たこれが、結構お姉さんっていう的を。やっぱり男っぽいっていうよりも。

(韓)お姉さんっぽいの、すごくわかりますよ。写真とビジュアルイメージは見ましたけど。

(菊地)ですよね。ただ、お姉さんっぽいって言うは易しで、いままで芸能でしばらくの間お姉さんっていうゾーンがなかったじゃないですか。だから、もう相当うまくやらないと、なんかワケのわからないものになる可能性があったと思うんですよね。にも関わらず、両チームとも本当にお姉さん化に成功したなっていう。ちょっとKARA、聞いてみましょうか?KARAの韓国盤の最新シングル『Damaged Lady』です。

KARA『Damaged Lady』

(菊地)はい、ロックやアニソンなど日本への目配せも巧みな・・・韓国盤のシングルにも関わらずね。そこらへんが小憎らしい感じですけども(笑)。KARAの新曲、『Damaged Lady』でした。このLadyっていう言葉も微妙なところですね。

(中略)

(菊地)なので、そのいろいろね、MAXまで聞いてしまいましたけどね。MAXはね、今ね、(新宿)2丁目ですごいんですよ。

(韓)らしいですね。

(菊地)それのね、理由をね、探すべく2丁目をほぼ毎日散歩に行ってるんですけど。今、2丁目を牛耳ってブイブイ言わしてる層がMAX世代だっていういちばん簡単な解釈もあるんですけど、それ以上のものがあるかもしれませんね。やっぱり。MAXには。

(韓)うん。

(菊地)ちなみにですけどね、いかに年齢がコスプレか?っていうか、実年齢を聞いてると目が回るか?っていう話なんですけど。東京ガールズコレクションってあるでしょ?あれの第一回っていのは2005年で8年前なんですけど。あそこの主力メンバーである蛯原友里さんが今年33。押切もえさんも33なんですよ。で、香里奈さんっているでしょ?あれなんか、29なんですよ。で、前田敦子さん。突然話飛びますけど。

(韓)(笑)

(菊地)前田敦子さんが22なの。少女時代に入っていておかしくない歳ね。東京ガールズコレクションの方がパリコレよりもはるかに年上だっていうね。パリコレは下手すると15歳とかいますから。変な話ですよね。面白いっていうか。

(韓)なんかその女性誌とかの表紙、このへんの話は普通の話になっちゃいますけど、たとえば平子理沙とか梨花とか、あのへんって・・・いまこう雑誌もはっきり昔より分かれてないけど、世代の区分。こういう区分になってて、こういう区分が昔よりなくなっている・・・

(菊地)なくなってますね。

(韓)縦区分になっていて、横の区分があんまり、世代ごとってなくなっていってる。けども、その表紙に出てる人って、そこ関係なくなってるじゃないですか。

(菊地)そうですね。平子理沙さんみたいな人は、ある意味、いい意味で壊れている人なんで、ええー!?っていう人じゃないですか。だけど、たとえば蛯原さんとか押切さんとかは、平子さんみたいに突拍子もない人じゃないじゃないですか。なんだけど33で、お姉さん感あって、ちょうどじゃないですか。

(韓)はいはいはいはい。

(菊地)お姉さん感じるでしょ?で、いま彼女たちに死ぬほど心酔してる子たちは10歳とか。

(韓)そうですよね。

(菊地)面白い世の中になったなとしか、言いようがないですよね。で、MAXさんがいま35・6・7ですよね。

(韓)もっと上に見えますよね。若い頃からやってたのもありますし。

(菊地)いろんなことが、要するにね、韓さんなんかもシリアスな領域っていうか。ジェンダーのこととかエスニズムっていうことは、もっとシリアスな問題としてフィックスされているけど、年齢に関しては漠然と『若いほうがいいね』みたいな感じで。そんなにシリアスに考えられてないんだけど、根無し草になっちゃって。意味がもう、無意味化しちゃってることにおいては一緒ですよね。だから、ある意味イメージ的に再編成することが可能だし、今回の少女時代とかは私、そこがすごいワンダーで。曲は別にワンダーじゃないんですよ。コード進行は456っつってね、どこにでもある、ファソラ、ファソラっていう、まあ定番のコード進行。

(韓)うん。

(菊地)まあトラックの作りとかいいですけど。それよりも、少女時代が数年間でお姉ちゃん予備軍に成功したっていうことの驚きで結構すごいなっていう。日本人の仕事だとしたら、相当新しいっていうか。無いところ突いたなっていう気がすごくしたんですね。

(韓)なるほど。ええ。

<書き起こしおわり>

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