菊地成孔 Glee フィン役 コーリー・モンテースに追悼の曲を捧げる

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菊地成孔さんがTBSラジオ 粋な夜電波で、急逝したコーリー・モンテースさん(ドラマGlee フィン役など)に追悼のコメントと曲を捧げました。リスナーから届いたメールに対して、このように語っていました。


(菊地成孔)私ですね、ピレキーニョ(のイベント)が終わりまして、次の日ピットインだったんですよ。で、自分のパーティーだったんですね。で、パーティーの最中、結構ご贔屓の、昔から非常に深く強くご贔屓にして下さってる方がトコトコトコッと私の方に歩いていらしたんですけども。その方は会場で私とすれ違って『やあ、菊地さん』っていうタイプの方ではないので、一番古いぐらいのファンの方なんですけども、それでもそういうことはなさらない方なのに、こっちに向かってまっすぐ一直線に来られたので、どうしたのかな?と思ったら、『フィンが亡くなった』という話でした。

フィンが亡くなった

収録なのでオンエアー日には過ぎてますが、収録日の前日はブルーザー・ブロディの命日です。まあまあまあ、時間もありませんので、この曲でお別れしたいと思いますね。今、世界中のグリーク(gleek)がこの曲を聞いて、もう動画サイトの再生回数なんか見ただけでも何千万回いくのやら?というような、天井知らずの伸び方をしてる曲ですね。まあ、もうアメリカというですね、フォリナー(foreignter)、そしてストレンジャー(stranger)な曲ですね。この楽曲のこの歌詞がですね、訳されることが多いんですけど、ほとんどの歌詞でストレンジャーにあたる部分を『彼ら』とかですね、『みんな』とか訳されてるんですけど。まあ、はっきり『ストレンジャー』と歌っております。

ストレンジャーっていうのはもう、要するに『よそ者』ですよね。で、誰も知らない。お前、誰だ?っていうようなやつのことを、ストレンジャーと言うわけです。まあ、この曲はジャーニー(Journey)の曲ですけども、ストレンジャー大国でありますアメリカの・・・まあ、ほとんどの国民がストレンジャーですからね。アメリカっていうのはね。の、アンセムっていうか、もう一番有名な曲ですから、あえてもう一回歌詞を読み、もう一回聞くということもどうかと思うんですけども。まあ、今夜ばっかりはですね、捧げたいと思いますね。

コーリー・モンテース、まあ、口はばったい人はね、『リバー・フェニックス以来だ』って言ったりしてますけどもね。まあ、ヘロインとアルコールのODですよね。アルコールは私、やりますけど、ヘロインなんて名前も聞いたことないですから分かりませんけども。ヘロインとアルコールのODっていうのは相当ヤバイですよ。心停止でしょうね。ODっていうのはオーバードーズってことですけども、更生施設に入って、止めたってことになって施設出て、家に帰って友達と会って、で、友達とやっちゃったんでしょうね。まあ、ドジッたわけですよ。ODっていうのはね、自殺でもないですし、もちろん他殺されたわけでもないですし。あの、本当にね、『しくじった』ってやつだと思いますよ。

フィンはしくじった

そんなつもりないはずですから。ODでいっちゃうやつは。死のうと思ってやってるわけじゃないですね。『ちょっと久しぶりだから楽しもうか』って思ったら、『ああーっ!』っていっちゃったと思うんですよ。だから、フィンが音楽があったにも関わらずダメだったという風には私は考えてないですね。この人、若いころからやってたんで。で、なんとか大丈夫になってGleeのキャストになったのね。したら、お金が入ってきちゃうでしょ?そしたらまあ、買っちゃいますよね。で、どんどん悪循環があって、『もうこれ止めなきゃ!』ってやめて、家帰って久しぶりにっつったら、ドジっちゃったってことですよ。

でも、まあ我々は彼がドジったっていうことをGleeっていう番組を・・・Gleeっていう番組のテーマは、『人類は全員、よそ者だ』っていうことですよ。全員ハンディキャッパーだってことですね。全員がハンディキャッパー、全員がマイノリティーだ、そして人生の問題はポップ・ミュージックの歌詞が全部解決するっていうのが、あのGleeのテーマだと思いますね。まあ、私もストレンジャーでありたいです。常に。私のファンに対して、元からのご贔屓筋に対して番組やって、自分のアルバムかけて、『どうもどうも。次、ライブがいつですよ』っていう番組だって、できますよ。そりゃあ。その、一応タレントですからね。でも私はストレンジャーでありたいです。だから、『誰よ、こいつ?』『一体何なの、こいつ?歌舞伎町だか何だか言ってるけど』っていうようなことから番組を立ち上げて、みなさまのご指示をいただきたいと常に思ってますよね。

(曲のイントロが流れる)

単なる小さな町の少女は 孤独という世界に住んでいたが 
ある時、夜行列車に乗って旅立った 行き先は分からない
単なる都会の少年は サウスデトロイトで生まれ、そして育った 
そしてある時、夜行列車に乗って旅立った 行き先は分からない

燻されるような煙の中で歌っている歌手 ワインと安っぽい香水の香り 
この店で夜を一緒に過ごせるその微笑み それだけがあれば
夜は果てしなく果てしなく 続いて続いて続いて続いていく
よそ者たちが待っている 道のあちこちで やつらの影がこの夜の中で探し始めている
シティライフ 街灯の下で心をふるわせる何かを求めて
この夜 今夜のどこかに それはきっと隠されているはず

誰だって食べていくために必死で働くさ でも、誰だってスリルはほしいよね
次のサイコロを振るためだったら 俺は、私は何だってするよ
だから、もう一回だけチャンスを
勝つヤツ 負けるヤツ ブルースを歌うために生まれてきたヤツも
そう 映画は終わらない 映画は果てしなく 続いて続いて続いて続いていく
よそ者たちが待っている 道のあちこちで やつらの影が夜の中で探し始めている
シティライフ 街灯の下で魂を蘇らせる何かを求めて
この夜 今夜そのどこかにそれはきっと隠されているはず

信じることをやめてはいけない 自分を裏切ってはいけない 
多くの街灯の下でさまようよそ者たち 君らに言いたい
信じることをやめるな そして今のこの気持を忘れないでほしい 
街灯の下でさまよう人々 信じることをやめてはいけない 

(菊地成孔)私、この番組で最初の頃は誰かの訃報があると、そのことに音楽を捧げてきたもんで。人が死んだら音楽を流すっていうのが当たり前のことですから、そのままやってきました。が、番組が始まって約1年弱くらいで川勝正幸さんが亡くなって。番組全体をラジオ葬にしました。あれからキッパリと番組で追悼をするということをやめています。やめていますが、まあ今日はそういうわけで、特別ということで。フィン、そしてブルーザー・ブロディ、そして川勝正幸さんに再び捧げたいと思います。この曲は、初めてこれでGleeバージョンで聞くという方も、ジャーニーでは知ってるけどもGleeでは初めてという人も、そもそもこの曲を知らないという人もいますし。もうとっくに、あの日からもう百回目だよという人もいると思いますが。

今晩、この曲を最後にお別れしたいと思います。菊地成孔の粋な夜電波、お別れの時間がやってまいりました。それでは、また来週。来週はフリースタイルです。日曜の夜7時にお会いしましょう。お相手は菊地成孔でした。最後の曲はGleeキャストによる、『Don’t stop believin』をお聞きいただきたいと思います。ありがとうございました。



(菊地成孔)我々はずっと、フィンがドラマの中で、というかフィンが人生の中で、ずっとドジり続けたのを見てきたってことですよ。だからそのドジり続けるたびに、我々は彼を愛さずにはいられなかったわけで。まあ今回、そういうわけで何が言いたいかと言えば、『最後までドジッたよな』ってことです。だから最後までドジッたけど、俺たちはそれを愛さずにはいられないっちゅうことですよ。

<書き起こしおわり>

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