池城美菜子 2022年NFLスーパーボウル・ハーフタイムショーを語る

池城美菜子 2022年NFLスーパーボウル・ハーフタイムショーを語る J-WAVE

池城美菜子さんが2022年2月15日放送のJ-WAVE『TOKYO MORNING RADIO』の中で2022年のNFLスーパーボウル・ハーフタイムショーについてトーク。ドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、メアリー・J・ブライジ、エミネム、ケンドリック・ラマーらのパフォーマンスについて話していました。

(別所哲也)さあ、そしてスーパーボウルで毎年注目を集めているのがハーフタイムに行われるパフォーマンス、ハーフタイムショーです。今年はドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、エミネム、メアリー・J・ブライジ、ケンドリック・ラマーとヒップホップ界のビッグネームが名を連ねに連ねたわけです。ヒップホップの歴史、そしてハーフタイムショーの歴史にどんな1ページを刻んだのか? この時間は音楽ライターの池城美菜子さんにお話をうかがいます。池城さん、おはようモーニングでーす。

(池城美菜子)おはようモーニングです。

(別所哲也)よろしくお願いします。

(池城美菜子)よろしくお願いいたします。

(別所哲也)まずは今年のハーフタイムショーですけども。ヒップホップ版アベンジャーズなんていう風にも比喩されていますが。あまりよく知らない人に向けて、どんな部分がすごいところだったのか? 改めて教えていただけますか?

(池城美菜子)はい。ヒップホップのスーパープロデューサー、ドクター・ドレーを中心に、彼と一緒にたくさんの曲を作ってきたメンバーが揃い踏みしたんですよ。その中には、ヒップホップではじめてピューリッツァー賞を取ったケンドリック・ラマーとか、もう説明不要のオスカーまで取っているエミネムなどもいて。そこがすごかった。あと、もうひとつが実はハーフタイムショーでヒップホップアクトがメインになることは今回がはじめてだったんです。

(別所哲也)そうか。そう言われたら、たしかに……。

(池城美菜子)56回目にしてはじめてとなったんです。

(別所哲也)これだけ音楽の中でひとつのジャンルとして確立された世界なのに……そう言われると、すごい歴史を刻みましたね?

(池城美菜子)そうなんです。はい。

(別所哲也)実際に、どうですか? ハーフタイムショーをご覧になって。率直にどんなご感想をお持ちになられましたか?

(池城美菜子)元々やっぱりこのメンツだからすごいだろうなって誰でも予想はできますよね。もう、事前のコマーシャルを見た時点で……あれは『ストレイト・アウタ・コンプトン』の監督さんが作ったコマーシャルを見た時点でワクワクだったんですけども。

(池城美菜子)それを超えてきましたよね。

(別所哲也)どんな風にですか?

(池城美菜子)まず、セットがロサンゼルスの低層住宅を模していて。スタジオも置いて、ミュージシャンも置いて……コロナ禍でいろんな制約がある中で、すごく考え抜かれたセットだったと思うんですね。で、それぞれも期待通りのパフォーマンスをしていて。かと思えば、50セントのように事前告知なしにサプライズで出てきたというのもあったし。ケンドリック・ラマーはマスゲームのようなダンスをしていたし。で、ケンドリック・ラマーとメアリーに関しては、予想をしていない曲だったんですよね。そこもよかったです。

(別所哲也)どうですか? 今回のハーフタイムショーで感じた時代感というか、今っぽさみたいなものは? 今、チラッとセットで、コロナの中で……っていうのもありましたけども。感じるところは他にありましたか?

(池城美菜子)実はケンドリック・ラマーの曲の選曲と、エミネムのパフォーマンスの最後がBlack Lives Matterを意識したものだったんですね。NFLというのはアメリカの三大スポーツの中でもBlack Lives Matterの影響が一番出たスポーツだったので。それをどうやって今後、みんなで考えていくのか? 黒人の方が多いアクトの中でどうしていくか?っていう姿勢を見せたのが今っぽかったです。

Black Lives MatterとNFL

(別所哲也)まあヒップホップって、現在のアメリカの音楽シーンにおける立ち位置ってどんな風に見えてきたんでしょうか?

(池城美菜子)もうチャートとか売上枚数とかでヒップホップが主流だということはわかっていることなんですけども。さらに、もう歴史の一部ですよね。アフリカン・アメリカンとかラティーノの方だけじゃなくて、白人の方でも肌の色は関係なく、メインカルチャーになったんだなっていう感慨がありました。

(別所哲也)そうですよね。なんて言うんでしょう? 現代におけるポエムというか、詩をね、すごく……。

(池城美菜子)そうですね。ああ、いいことをおっしゃる。本当に。

(別所哲也)生臭いと言ったらあれですけども。人間臭く伝えるっていうところが……僕、ちょっとだから放送禁止用語的なところを、音楽だからどこまで、どういう風に表現をしていくんだろうな?っていうのがすごく気になったところではあったんですけども。

(池城美菜子)ええ。だから「警官のことがあまり好きじゃない」みたいなリリックがあって。ケンドリック・ラマーの時には消したんですけども、ドレーの時はそのまま歌っていたりとかして。NFL側もすごいがんばっていたっていうか……(笑)。

(別所哲也)僕ね、あれちょっと生放送で、ライブで……まあ正直言うとちょっとはディレイなんですけども。それをどこまでせめぎ合うのか?っていうのも楽しみだった部分もあるんですけども(笑)。池城さんの考える今後のスーパーボウルにおけるハーフタイムショーのあり方、今後のヒップホップ・ミュージックはどうでしょう? なにか感じることはありますか?

(池城美菜子)2020年からジェイ・Zのロック・ネイションがハーフタイムショーの製作をしているんですよね。だから今回はこういうメンツになったんですけども。あと、もうひとつ。2004年を最後にこういう複数アクトが出るというのはやっていなかったんですよ。ずっとメインが1人っていう作りだったので。だから何人か出るという形のトレンドが始まるのかなとは思っています。さすがに誰が出るかは私も予想はできない感じですね(笑)。

(別所哲也)ここで極めた感じでヒップホップ、まさにアベンジャーズ的に「集合!」っていう感じでしたからね。ドクター・ドレー組、来た!っていう感じの。

(池城美菜子)本当ですよね。

(別所哲也)さあ、楽しみにしたいと思いますよ。もう早くも来年のハーフタイムショー、誰がどんな風にプロデュースするのか……。

(池城美菜子)本当ですよね(笑)。

(別所哲也)この時間は日本時間の昨日、行われましたスーパーボウル、ハーフタイムショーについて音楽ライターの池城美菜子さんにお話をうかがいました。池城さん、ありがとうございました。

(池城美菜子)はい。どうもありがとうございました。

Pepsi Super Bowl LVI Halftime Show

<書き起こしおわり>

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